JPH07725B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH07725B2
JPH07725B2 JP60239080A JP23908085A JPH07725B2 JP H07725 B2 JPH07725 B2 JP H07725B2 JP 60239080 A JP60239080 A JP 60239080A JP 23908085 A JP23908085 A JP 23908085A JP H07725 B2 JPH07725 B2 JP H07725B2
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vinyl compound
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敦子 柳川
山本  和彦
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シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
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Description

【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は、耐熱性、成形加工性、耐衝撃性に優れた熱可
塑性樹脂組成物に関し、さらに詳しくはポリフェニルエ
ーテル、マレイミド系樹脂、芳香族ビニル化合物−共役
ジエンブロック共重合体およびスチレン系樹脂とからな
る熱可塑性樹脂組成物に関する。
b. 従来の技術 ポリフェニレンエーテルは、耐熱性、機械的性質および
電気的性質などに優れた樹脂として広く知られている
が、耐衝撃性が低く、加工性、耐薬品性が劣り、高温で
熱変色しゲル化が起るなどの欠点を有している。そのた
め、単独では殆ど使用されておらず、通常はポリスチレ
ン、ゴム変性ポリスチレンとの組成物からなる変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂として使用されている。
この変性ポリフェニレンエテル樹脂は、優れた機械的性
質、電気的性質ならびに加工性などを有するので、自動
車用部品、事務機器、電気器具部品などに幅広く使用さ
れている。
しかしその、耐衝撃性、成形加工性はある程度改良され
るが、まだ充分なレベルに達していない。さらにポリフ
ェニレンエーテル樹脂の優れた特徴である耐熱性が犠牲
となっている。これらの欠点は、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂の特徴を生かした用途に上記変成ポリフェニレン
エーテル樹脂を使用する際の大きな障害となっている。
上記耐衝撃性を改良する方法としては、ゴム状弾性体を
混合することも行なわれているが、ウェルド部分の強
度、耐衝撃性においてはまだ充分でなく、また熱変色し
やすく、成形加工性が劣る欠点を有する。
一方、耐熱性を改良するために、ポリフェニレンエーテ
ルの含有率を高くする方法が行なわれている。しかし、
耐熱性は改良されるが、成形加工性、耐衝撃性が劣る欠
点がある。
このように、従来の変性ポリフェニレンエーテル樹脂
は、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性の物性バランスが充
分でないという欠点を有していた。
c. 発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性の物性バ
ランスの優れたポリフェニレンエーテル組成物について
鋭意検討した結果、驚くべきことに、ポリフェニレンエ
ーテルにマレイミド系樹脂、芳香族ビニル化合物−共役
ジエンブロック共重合体、スチレン系樹脂を特定量配合
すると、優れた耐衝撃性、耐熱性、成形加工性の物性バ
ランスを有する熱可塑性樹脂組成物が得られることを見
出し、その知見をもとに本発明に到達した。
d. 問題点を解決するための手段 すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、 (a) ポリフェニレンエーテル10〜80重量%、 (b) ゴムの存在下または不存在下にN−置換マレイ
ミド15〜70重量%および芳香族ビニル化合物30〜85重量
%を重合してなる系共重合体5〜80重量%、 (c) 芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重
合体1〜60重量%、 (d)スチレン系樹脂0〜75重量% とからなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供
するものである。
本発明で使用するポリフェニレンエーテル(a)は、一
般式 で表わされるフェノール化合物の少なくとも1種を公知
の触媒の存在下で酸化カップリング重合して得られるも
のである。
前記フェノール化合物のうち特に好ましいものは、一般
で表わされるフェノール化合物であり、最も好ましいフ
ェノール化合物の具体例(X)としては、2,6−ジメチ
ルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル
−6−エチルフェノール、2−メチル−6−アリルフェ
ノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−
ジフェニルフェノール、2,6−ジブチルフェノール、2
−メチル−6−プロピルフェノール、2,3,6−トリメチ
ルフェノール、2,3−ジメチル−6−エチルフェノール
などが挙げられる。
一方、好ましい他のフェノール化合物の具体例(Y)と
しては、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3−ジメチル
−6−エチルフェノール、2,3,6−トリエチルフェノー
ル、2,3,6−トリプロピルフェノール、2,6−ジメチル−
3−エチルフェノール、2,3−ジメチル−3−プロピル
フェノールである。これらの(X)および(Y)はそれ
ぞれ単独で重合したものでもよく、また(X)と(Y)
とを共重合体したものでもよい。
(X)と(Y)との共重合体の場合、それぞれの成分の
割合について特に制限はないが、好ましい(Y)の含量
は1〜20モル%、更に好ましくは3〜15モル%である。
ポリフェニレンエーテル(a)の極限粘度〔η〕(クロ
ロホルム中30℃)は特に限定されないが、好ましくは0.
2〜1dl/g、さらに好ましくは0.3〜0.7dl/gである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるポリフェニレンエ
ーテルの配合量は10〜80重量%であり、好ましくは10〜
60重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。ポリ
フェニレンエーテルの量が10重量%未満では耐熱性の改
良に顕著な効果がみられず、80重量%を超えると耐衝撃
性、加工性の改良効果がみられない。
本発明で使用されるマレイミド系共重合体(以下共重合
体(b)ということもある。)の共重合成分(ゴム質重
合体成分を除く)中のN−置換マレイミド使用量は、15
重量%〜70重量%、好ましくは30〜70重量%、更に好ま
しくは56〜70重量%使用される。15重量%未満では本発
明の目的とする耐熱性が低下するため、好ましくない。
また70重量%を越えると本発明の目的とする成形加工性
が低下するため好ましくない。56〜70重量%の範囲であ
ると耐熱性と耐衝撃性の優れたものが得られる。
一方、芳香族ビニル化合物は共重合体成分中30〜85重量
%、好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは30〜44重
量%使用される。芳香族ビニル化合物が、30重量%未満
では、本発明の目的とする成形加工性が低下し、また85
重量%を越える本発明の目的とする耐熱性が低下するの
で好ましくない。
共重合体(b)、上述の単量体成分以外に上記単量体と
共重合する単量体を共重合体させたものであってもよ
い。その共重合可能な単量体は55重量%以下、好ましく
は40重量%以下、更に好ましくは14重量%以下使用され
る。その共重合可能な単量体としては、例えばシアン化
ビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テルなどが挙げられる。
本発明に使用されるN−置換マレイミドとしては、N−
フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチ
ルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミ
ド、N−ナフチルマレイミドなどである。なかでもN−
フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−o−メチルフェニルマレイミドなとが好適に用いら
れる。
本発明に使用される芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、
ブロムスチレン、ジブロムスチレン、α−メチルスチレ
ン、α−エチルスチレン、メチル−α−メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、ビニルナフタリンなどが挙げら
れる。この中でスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレンが好ましく、さらに好ましくはスチレン、
α−メチルスチレンあるいはこれらの混合物である。
ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、ニトリルゴムなどのジエン
系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体、アクリルゴムなどの非ジエ
ン系ゴムなどが使用できる。ゴムの使用量は共重合体
(b)中0〜60重量%好ましく、更に好ましくは0〜45
重量%、特に好ましくは0〜40重量%である。
共重合体(b)の使用量は5〜80重量%、好ましくは10
〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。5
重量%未満であると目的とする耐熱性が得られず、一
方、80重量%を超えると成形加工性、耐衝撃性が劣るの
で好ましくない。
共重合体(b)の製造方法は一般に溶液重合、懸濁重
合、乳化重合などいずれの方法によってもよい。
また共重合体(b)の極限粘度〔η〕は0.05〜0.5(メ
チルエチルケトン中30℃)dl/gであるのが好ましい。
本発明で使用される芳香族ビニル化合物−共役ジエンブ
ロック共重合体(ブロック共重合体(c)という)は、
芳香族ビニル化合物と共役ジエンのブロック共重合体で
あり、その使用量は全組成物中1〜60重量%、好ましく
は2〜40重量%、更に好ましくは3〜30重量%である。
1重量%未満では本発明の目的とする耐衝撃性の改良が
できず、一方60重量%を超えると本発明の目的とする成
形加工性、成形品の表面外観が低下し好ましくない。
ブロック共重合体(c)を構成する芳香族ビニル化合物
は先に共重合体(b)において示したものが使用でき
る。これらのうち特に好ましいものはスチレンである。
一方、共役ジエン化合物としては例えばブタジエン、イ
ソプレン、ピペリレンなどが挙げられる。これらのうち
好ましいものはブタジエン、イソプレンである。
本発明で使用される好ましいブロック共重合体(c)と
しては、 (A−B)mおよび/または A−B−Aおよび/または(A−B)nX で示される、全芳香族ビニル化合物の含量が25〜95重量
%、好ましくは28〜90重量%のブロック共重合である。
特に好ましいブロック共重合体(c)は、次の構造を有
するものであり、このブロック共重合体を使用するとさ
らに1段とすぐれたウェルド強度の改良が期待できる。
すなわち、芳香族ビニル化合物の含量が25〜95重量%の
ブロック共重合体であって、該共重合体は一般式 A−B−Aまたは/および(A−B)nX で表わされるものであって、かつ芳香族ビニル化合物が
モノマー単位で1個もしくは4個以下連らなった連鎖を
構成する芳香族ビニル化合物の含量が、芳香族ビニル化
合物全体の1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、さ
らに好ましくは5〜20重量%である。
一方、テーバーブロックの好ましい数は2〜7個であ
る。
本発明に使用されるブロック共重合体(c)は例えば次
のような方法で製造することができる。
すなわち、炭化水素溶媒中にエーテルまたは第3級アミ
ンを添加し、有機リチウム化合物を開始剤として用い、
まず、芳香族ビニル化合物を重合し、重合反応が実質的
に終了したのち、共役ジエン化合物もしくは芳香族ビニ
ル化合物と共役ジエン化合物との混合物を添加し、好ま
しくは2〜10回に分けて添加して重合し、必要ならその
のち、1回添加分と等量の共役ジエンを添加して重合す
る。
さらに一般式A−B−Aのブロック共重合体は、そのの
ち芳香族ビニル化合物を重合して得られる。
また一般式(A−B)nXのブロック共重合体は、そのの
ち従来公知のカップリング剤、例えばテトラクロロシラ
ンなどを用いて、カップリング反応を行うことによって
得られる。
上記の芳香族ビニル化合物と共役ジエンの混合物を2〜
10個に分けて重合する工程において各回の単量体の使用
量は同程度の方が好ましく、また、モノマーを添加する
方法としては、モノマー混合物を添加する方法、または
共役ジエンと芳香族ビニル化合物を別々に同時に添加し
ても良い。
ブロック共重合体(c)中の好ましい芳香族ビニル化合
物の連鎖分布の量は、炭化水素溶媒中にエーテルまたは
第3級アミンを、モノマー100重量部当り0.005〜5重量
部、好ましくは0.005〜0.5重量部添加することにより得
られる。
本発明に使用されるブロック共重合体(c)の芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ジメシルスチレ
ン、ビニルナフタレンなどが使用できるが、このうちス
チレンが好ましい。
また共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、ピ
ペリレンなどが使用できるが、このうちブタジエンが好
ましい。
本発明に使用されるブロック共重合体(c)の重量平均
分子量は、10,000〜800,000、好ましくは50,000〜500,0
00で、この範囲より小さいと耐衝撃性の改良が期待でき
ず、またこの範囲より大きいと(a)、(b)、
(c)、(d)成分との相溶性が悪くなり好ましくな
い。
本発明に使用されるブロック共重合体(c)の製造に用
いられる炭化水素溶媒としては、シクロペンタジエン、
シクロヘキサン、ベンゼン、キシレンおよびこれらとペ
ンタヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの混合物が用い
られる。
また有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n
−ヘキシルリチウム、iso−ヘキシルリチウム、フェニ
ルリチウム、ナフチルリチウムなどが用いられる。
本発明のスチレン系樹脂(d)は、芳香族ビニル化合物
を主成分とする重合体および/またはゴムの存在下に芳
香族ビニル化合物を主成分とする単量体を共重合させた
ゴム変性のスチレン系樹脂である。
スチレン系樹脂の使用量は0〜75重量%であり、好まし
くは0〜60重量%であり、更に好ましくは0〜50重量%
である。75重量%を超えると本発明の目的とする耐熱性
が低下するので好ましくない。
芳香族ビニル化合物としては共重合体(b)において挙
げたものが使用できる。
芳香族ビニル化合物と共重合可能な単量体としてはシア
ン化ビニル化合物、例えばアクリロニトリル、(メタ)
アクリル酸エステルなどがある。これら共重合可能な単
量体は、目的に応じて使用することができる。シアン化
ビニル化合物を使用すると耐薬品性、塗装性の優れた組
成物が得られるので好ましい。
芳香族ビニル化合物とシアン化物を含む共重合体の中で
は、該共重合体の構成がシアン化ビニル結合含量の異る
共重合体の混合物からなるものである。かかる共重合体
(混合物)中のシアン化ビニル化合物の組成分布は、共
重合体に対して、(イ)シアン化ビニル化合物の結合含
量が1重量%以上で、10重量%未満の組成の共重合体成
分が1〜50重量%、(ロ)シアン化ビニル化合物の結合
含量が10重量%以上で、20重量%未満の組成の共重合体
成分が1〜70重量%、(ハ)シアン化ビニル化合物の結
合含量が20重量%以上で、40重量%未満の組成の共重合
体成分が5〜90重量%、および(ニ)シアン化ビニル化
合物の結合含量が40重量%以上の組成の共重合体成分が
0〜70重量%含まれ、かつ前記共重合体中のシアン化ビ
ニル化合物の平均結合含量が10〜40重量%である。
ゴム変性スチレン系樹脂で使用されるゴムは、共役ジエ
ン単量体の重合体および/または共役ジエンを必須成分
として、これとシアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化
合物、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸の少なくとも1種と共重合して得られるゴムである。
例えばポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、
ポリイソプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリゴム、
クロロプレンゴムなどが挙げられる。非ジエン系ゴムと
しては、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン
非共役ジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、塩素化
ポリエチレン、ブタジエン共重合アクリルゴムなどが挙
げられる。
ゴムの存在下で重合する単量体成分は、上述の単量体成
分が使用でき、シアン化ビニル化合物を共存させたもの
は上述と同様の効果が得られる。ゴム変性スチレン系樹
脂中の全遊離重合体(メチルエチルケトン可溶分)中の
シアン化ビニル化合物の組成分布は、上述の範囲である
のが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製する方法としては、 各成分を有機溶媒に溶解、膨潤させて混合する方
法。
各成分をミキサーなどで混合したのち押出機を用い
て溶融混合後、ペレット化する方法。
において、非溶媒を使用して回収した粉体混合物
を、押出機を用いて溶融混合後、ペレット化する方法。
のペレットに、さらに熱可塑性樹脂、スチレン系
樹脂、ポリフェニレンエーテルなどを加えてミキサーな
どで混合したのち、押出機を用いて溶融混合後ペレット
化する方法。
および〜のペレットまたは粉体を単独でまた混
合し、あるいはさらに各成分を加えて混合後、射出成形
機を用いて成形品を得る方法などがある。
また、上記各方法にバンバリー、ニーダーなどの公知の
混合機器を使用することも可能である。
また上記本発明の組成物に、さらに他の熱可塑性樹脂、
スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアミ
ド、ポリエステル、アクリル樹脂また他の重合体を添加
混合し押出機で溶融混合して組成物を得てもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押
出、真空成形、異形成形、発泡成形などによって、各種
成形品として用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の使用に際しては、通常使
用される公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃
剤、帯電防止剤、発泡剤、ガラス繊維などを配合するこ
とができる。
本発明の熱可塑性樹脂は、自動車部品、電気製品、家庭
用品、各種工業用品などに好適に使用することができ
る。
e. 実施例 次に製造例、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説
明するが、これらはいずれも例示的なものであって、本
発明の内容を限定するものではない。なお、以下の各例
において部および%は、それぞれ重量部および重量%を
示す。
製造例 実施例、比較例に用いるポリフェニレンエーテルを以下
の方法で得た。
(1) ポリフェニレンエーテルの製造 重合体A−1 反応器底部に酸素吸込み装置、冷却用コイル、撹拌機を
備えたステンレス製反応器内部を窒素で充分置換したの
ち、臭化第2銅53.6g、ジ−n−ブチルアミン110g、さ
らにトルエン40に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て添加した。撹拌しながら均一溶液にしたのち、反応容
器内部に酸素を急速に吹き込みながら、120分間重合を
行なった。重合の間に、冷却用コイルに水を循環させて
内温を30℃に維持した。重合終了後、トルエン30を添
加し、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム430gを水に
溶解した20%水溶液を添加し、反応を停止した。
次に、遠心分離をして重合体溶液相を取り出した。この
重合体溶液相を激しく撹拌しながら、メタノールを徐々
に添加しスラリー状態にした。別したのち、重合体を
メタノールで充分洗浄し、さらに別したのち乾燥し重
合体A−1を得た。
重合体A−2 重合体A−1の製造に用いた2,6−キシレノールの代わ
りに、2,6キシレノール/2,3,6−トリメチルフェノール
=90/10(モル比)を用いて重合をおこない、重合体A
−2を得た。
(2) ブロック共重合体の製造方法 C−1 洗浄乾燥した撹拌機、ジャケット付きのオートクレーブ
に、窒素雰囲気下でシクロヘキサン4500g、テトラヒド
ロフラン1gを仕込んだのち、内温を70℃にした。
次にn−ブチルリチウム0.5gを含むヘキサン溶液を添加
後、スチレンを130g添加し、60分重合した。スチレンの
重合転化率は100%であった。次いでスチレン15g、ブタ
ジエン115gの混合物を添加して60分重合した。スチレ
ン、ブタジエンの重合転化率は100%であった。さらに
この操作を2回繰返した。次いでブタジエンを115g添加
して重合転化率100%まで重合させた。そののち、さら
にスチレンを130g添加して60分重合して表−1のブロッ
ク共重合体C−1を得た。
C−2、C−3 次にブロック共重合体C−1のスチレン量を変えたサン
プルを用い、上記C−1と同様の方法によって、表−1
に示すC−2、C−3を得た。
(3) マレイミド系共重合体の製造方法 下記の組成から成るマレイミド系共重合体を使用した。
(4) スチレン系樹脂の製造方法 D−1 スチレンを用いて溶液重合で重合を行ない、ポリスチレ
ンD−1を得た。
D−2 ポリブタジエンゴム10部、スチレン90部を用いてバルク
重合でゴム変性スチレン樹脂D−2を得た。
D−3 ゴム状重合体ラテックスの粒子径が1730Å〜4400Å85.1
%、ゲル含率が80%〔ラテックス粒子径はアルギン酸ナ
トリウムを用いるクリーミング法により測定したもので
ある。(重量%は粒子径含率を示す)。ゲル含量は、ラ
テックスを凝固、乾燥させたのち、トルエンに室温(20
℃)で20時間溶解させたのち100メッシュ金網で別し
た不溶解分の重量%を意味する。〕 D−3は表−3のゴム質重合体ラテックス、ならびにス
チレン、アクリロニトリルを用いて、乳化重合により製
造した。
重合は3段重合で行い、各段で使用されるモノマー量
は、得られる熱可塑性樹脂中の全遊離体中のアクリロニ
トリルの組成分布が表−3になるように適宜調整し、1
段目はバッチ重合で行い、2段目および3段目はモノマ
ーを連続的に添加しながら重合し、最終的に100%近い
重合転化率まで重合を行なった。
実施例1〜10、比較例1〜5 表−4の組成割合にしたがって、各種重合体を混合し、
二軸混練押出機を用いて260〜300℃の温度で押出しペレ
ット化したのち、充分に乾燥し、射出成形機を用いて24
0〜280℃で耐衝撃性、耐熱性、ウェルド強度測定用試験
片を成形し、下記の試験方法にしたがって測定した結果
を表−4に示す。
評価方法 耐熱性 成形品を、110℃で2時間アニールしたのち、ASTM D648
にしたがって厚み1/4″、264 psiで熱変形温度を測定し
た。
耐衝撃性 ASTM D256にしたがって、厚み1/4″、ノッチ付で測定し
た。
ウェルド強度保持率 ASTM 1号ダンベルの中央にウェルドラインが出る金型を
用いて成形したテストピースで、引張強度Twを測定す
る。
次に、ウェルドラインの入らない金型で成形したテスト
ピースを用いて引張強度Toを測定する。
(Tw/To)×100%でウェルド強度保持率を求めた。
成形加工性 宝工業製メルトインデクサを用いて、JIS K7210に準じ
てシリンダー温度280℃、荷重10kgでメルトフローイン
デックス(MFR)(g/10min)を測定した。
実施例1〜10と比較例1〜5とを対比してみると、以下
の通りである。
比較例1はブロック共重合体(c)を含有しない系であ
るため、アイゾット衝撃強度、ウェルド強度保持率
(%)が劣る。
比較例2はマレイミド系共重合体(b)を含有しない系
であるため、熱変形温度(℃)、ウェルド強度保持率
(%)が劣る。
比較例3はポリフェニレンエーテル(a)の含有率が5
%であり、ポリフェニレンエーテル(a)の含有率10〜
80%からはずれている。そのためポリフェニレンエーテ
ルが少いため熱変形温度が劣る。
比較例4はポリフェニレンエーテル(a)の含有量が多
すぎるためアイゾット衝撃強度が劣る。
比較例5はマレイミド系共重合体b−4を30%使ってい
るが、b−4はN−フェニルマレイミド10%、αメチル
スチレン90%の共重合体である。これはマレイミド系共
重合体がN−フェニルマレイミド15〜70%、芳香族ビニ
ル化合物30〜85%からなるという特許請求の範囲からは
ずれている。そのため成形加工性、アイゾット衝撃強度
が劣る。
e. 発明の効果 前記、熱可塑性樹脂を用いる成形加工業界では、成形品
用途の多様化により、成形品の複雑化、大型化の傾向に
ある。このような成形品を得るためには、従来に比べ耐
熱性、成形加工性、耐衝撃性が一段と優れたものが要求
されている。しかし、従来の変性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物はこれらの要求に対して充分ではなかっ
た。本発明の組成物は、耐熱性、成形加工性、衝撃強度
性のバランスが、高度にがとれている。
また複雑、大型の成形品を成形するため、金型内に溶融
熱可塑性樹脂を十分充填させるにあたり、現在は溶融熱
可塑性樹脂の金型内への注入口を多くもうけて対処して
いるが、そのため、成形品のウェルド部分が多くできる
ことになり、したがってウェルド部分の強度、外観が重
要になってきている。しかし、本発明の組成物は従来の
ものに比べ、ウェルド部分の強度に優れ、さらに外観も
良い。
以上のように、本発明の組成物は従来のポリフェニレン
エーテル樹脂組成物の欠点を改良した成形加工業界の要
求を満足する成形材料であり、その工業的価値は大き
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル10〜80重量
    %、 (b)N−置換マレイミド56〜70重量%および芳香族ビ
    ニル化合物30〜44重量%を重合してなるマレイミド系共
    重合体5〜80重量%、 (c)芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合
    体1〜60重量%、 (d)スチレン系樹脂0〜75重量% からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】N−置換マレイミドがN−フェニルマレイ
    ミドであり、芳香族ビニル化合物がα−メチルスチレ
    ン、スチレンまたはこれらの混合物である特許請求の範
    囲第1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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