JPH0771384A - 密閉型圧縮機の油ポンプ - Google Patents

密閉型圧縮機の油ポンプ

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JPH0771384A
JPH0771384A JP21958493A JP21958493A JPH0771384A JP H0771384 A JPH0771384 A JP H0771384A JP 21958493 A JP21958493 A JP 21958493A JP 21958493 A JP21958493 A JP 21958493A JP H0771384 A JPH0771384 A JP H0771384A
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Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
Kimiatsu Takeda
公温 武田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明はスラストプレートとカバープレートを
シリンダに取付ける組み立てにおいて、スラストプレー
トが所定向きとは異なった向きにあることを容易に発見
できる密閉型圧縮機の油ポンプを提供することを目的と
する。 【構成】下面部が開放されたシリンダと、シリンダの内
部に配置されるロータと、シリンダに取付けられてこの
シリンダの下面部を閉塞するスラストプレート74と、
このスラストプレート74を下側から支えてシリンダに
取付けられたカバープレート75とを具備し、カバープ
レート75には吸込み孔82および吐出孔84を有する
とともに、スラストプレート74には、吸込み孔82と
シリンダの内部とを連通する吸込み口83、油吐出孔と
シリンダの内部とを連通する油吐出孔および油吐出孔と
給油孔とを連通する連通孔を有し、スラストプレート7
4には外部に突出する組み付け位置確認用の突出部91
が設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は密閉型圧縮機に組み込ま
れて圧縮機の摺動部に潤滑油を供給する油ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機やロータリ圧縮機など
の密閉型圧縮機は、密閉ハウジングの内部に圧縮機構と
電動機が上下に分けて配置されるとともに、電動機の回
転軸が圧縮機構に連結され、電動機により回転軸が回転
され回転軸により圧縮機構が駆動される構成をなしてい
る。
【0003】一般にこれらの密閉型圧縮機では、回転軸
の下端部に組み込まれ、密閉ハウジングの内底部に貯溜
された潤滑油を吸い込んで回転軸の内部に形成された給
油孔を通して圧縮機構の摺動部に給油する油ポンプを備
えている。
【0004】従来、この密閉型圧縮機に装備される油ポ
ンプは、図6ないし図8に示される構成をなしている。
図中1は密閉ハウジングである。2は密閉ハウジング1
の内底部に配置されたシリンダで、これは下面部が開放
されたシリンダ室3を有している。このシリンダ2はこ
れと一体に形成されたステー4によって密閉ハウジング
1に固定されている。シリンダ室3の下面開放部はシリ
ンダ2に取付けられたスラストプレート5およびカバー
プレート6により閉塞されている。
【0005】7は回転軸で、この回転軸7の下端部はシ
リンダ2に挿通され、シリンダ室3に位置する下端には
偏心軸8が形成されている。9はシリンダ室3の内部に
配置された円環状のロータで、これは偏心軸8の外周部
に回転自在に嵌合され外周面がシリンダ室3の内周面に
接触してシリンダ室3を三日月形に制限するものであ
る。
【0006】ロータ9の外周部には直径方向に延びるブ
レード形の突起10が一体に形成され、これはシリンダ
室3の内周面に小径方向に沿って形成されたスロット1
1に摺動自在に挿入されている。この突起10はシリン
ダ室3を給油室3aと排油室3bとに仕切るとともに、
ロータ9の自転を阻止している。なお、ロータ9の外周
は突起10を除く部分が円形をなしている。
【0007】図8に示すように前記カバープレート6に
は前記シリンダ室3の給油室3aの下側に位置して吸込
み孔12が形成され、これは密閉ハウジング1の内底部
に連通している。スラストプレート5には給油室3aの
下側に位置して吸込み孔12および給油室3aに連通す
る吸込み口13が形成されている。
【0008】また、図8に示すようにカバープレート6
には吐出孔14が形成されている。スラストプレート5
には排油室3bの下側に位置して吐出孔14およびシリ
ンダ室3の排油室3bに連通する吐出口15が形成さ
れ、吐出孔14および回転軸4の給油孔17に連通する
連通孔16が形成されている。
【0009】さらに、スラストプレート5には一対の取
付け孔18a,18bが同一直径方向線上において中心
を挟んで等距離の位置に形成されている。カバープレー
ト6には一対の取付け孔19a,19bが一対の取付け
孔18a,18bと対向した位置に形成されている。
【0010】スラストプレート5は前記シリンダ2の下
面に直接当接して配置されシリンダ室3の下面開放部を
閉塞し、シリンダ室3内部にある偏心軸8の下面および
ロータ9の下面を受ける。カバープレート6はスラスト
プレート5に下側に配置されその上面にスラストプレー
ト5を載せてこれを支えている。
【0011】そして、図6に示すようにボルト20A,
20Bを、カバープレート6の下側からカバープレート
6の取付け孔19a,19bおよびスラストプレート5
の一対の取付け孔18a,18bに通し、さらにシリン
ダ2に形成された図示しないねじ孔に螺挿して締め付け
ることにより、カバープレート6とスラストプレート5
がシリンダ2に取付け固定されている。
【0012】ここで、シリンダ2に対するカバープレー
ト6とスラストプレート5の取付け向きの位置について
述べる。スラストプレート5の吸込み口13およびカバ
ープレート6の吸込み孔12がシリンダ室3の給油室3
aの下側に位置し、スラストプレート5の吐出口15お
よびカバープレート6の吐出孔14の一端が排油室3b
の下側に位置し、連通孔16および吐出孔14の他端が
回転軸4の給油孔17の下側に位置するように、カバー
プレート6とスラストプレート5の取付け向きの位置が
設定される。そして、ボルト20A,20Bによりカバ
ープレート6とスラストプレート5を取付けた時にカバ
ープレート6とスラストプレート5が前述した取付け向
き位置に位置するように、カバープレート6の取付け孔
19a,19bおよびスラストプレート5の一対の取付
け孔18a,18bの位置が設定される。
【0013】なお、給油孔17は回転軸4の内部に下端
から上端にわたって軸方向に沿って形成されている。密
閉ハウジング1の内底部には潤滑油OILが溜められて
いる。
【0014】このように構成された油ポンプは、電動機
により回転される回転軸7とともに回転されると、偏心
軸8が図示矢印方向に偏心回転される。ロータ9は偏心
回転する偏心軸8に押されて、外周面がシリンダ2のシ
リンダ室3の内周面に一線で摺接しながら公転旋回運動
する。ロータ9の回転に伴いシリンダ室3における給油
室3aと排油室3bの夫々の容積が相対的に増減して変
化してゆく。
【0015】給油室3aの容積が増大してゆくのに伴
い、密閉ハウジング1の内底部に溜められている潤滑油
OILが、カバープレート6の吸込み孔12およびスラ
ストプレート5の吸込み13を通ってシリンダ室3の給
油室3aに順次吸い込まれる。また、シリンダ室3の排
油室3bの容積が減少ゆくのに伴い、排油室3bにある
潤滑油OILが加圧されてスラストプレート5の吐出口
15から吐出される。
【0016】吐出された潤滑油OILはカバープレート
6の吐出孔14の一端から他端に流れスラストプレート
5の連通孔16を経て回転軸7の下端から給油孔17に
送り込まれ、給油孔17を通って回転軸7の上端から流
れ出て圧縮機構における各摺動部に供給されて潤滑を行
う。その後、潤滑油OILは密閉ハウジング1の内部を
流れ落ちて再び底部に溜まる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このような油ポンプに
おいて、スラストプレート5とカバープレート6は、前
述し且つ図8に示すところの取付け向きの位置で取付け
られていると、密閉ハウジング1の内底部にある潤滑油
OILがシリンダ室3に吸い込まれ、さらに加圧されて
シリンダ室3から吐出されて回転軸7の給油孔17に供
給される通路が構成される。
【0018】ところが、スラストプレート5が前述した
所定の取付け向きとは異なった向きに位置すると、例え
ば図9に示す向きに位置すると、吸込み口13と吐出口
15がカバープレート6の吸込み孔12と吐出孔14か
ら外れ、スラストプレート5の壁がバープレート6の吸
込み孔12と吐出孔14を塞ぐことになる。これにより
密閉ハウジング1の内底部にある潤滑油OILがシリン
ダ室3に吸い込まれ、さらに加圧されてシリンダ室3か
ら吐出されて回転軸7の給油孔17に供給される通路が
構成されないことになる。
【0019】すなわち、スラストプレート5とカバープ
レート6をシリンダ2に取付ける組み立て作業を行う場
合には、スラストプレート5とカバープレート6とを組
合せてシリンダ2の下面側に配置し、次いでボルト20
A、20Bによってシリンダ2に取付ける。ここで、ボ
ルト20A、20Bを通すためにスラストプレート5と
カバープレート6とを、一対の取付け孔18a,18b
と一対の取付け孔19a,19bとを対向させて組み合
せる。
【0020】しかし、スラストプレート5の一対の取付
け孔18a,18bとカバープレート6の一対の取付け
孔19a,19bは、それぞれ各プレートにおいて夫々
の中心を挟んで対象となる位置にある。これはスラスト
プレート5、カバープレート6およびシリンダ2に加わ
る力を均等にするためである。
【0021】このため、スラストプレート5が所定の向
きの位置にある時は勿論、一対の取付け孔18a,18
bとカバープレート6の一対の取付け孔19a,19b
が対向してボルト20A、20Bの挿通が可能である。
また、スラストプレート5が所定の向きの位置とは異な
った向きの位置に置いた場合には、一対の取付け孔18
b,18aとカバープレート6の一対の取付け孔19
a,19bが対向するので、ボルト20A、20Bの挿
通が可能である。
【0022】従って、スラストプレート5とカバープレ
ート6をシリンダ2に取付ける組み立て作業において、
スラストプレート5を所定の向きの位置とは異なった向
きに位置させても、組み立て作業の段階でこれを発見で
きず、スラストプレート5を所定の向きの位置とは異な
った向きに位置した状態のままでスラストプレート5と
カバープレート6をシリンダ2に取付けてしまう事態が
発生することがある。この場合には、油ポンプが正常に
運転できなくなり、例えば製造された圧縮機を工場で試
験運転する場合に油ポンプの異常を発見して、油ポンプ
の組み立てを再度行う必要が生じ油ポンプを製造する上
での生産性に悪影響を与えている。
【0023】なお、スラストプレート5の一対の取付け
孔18a,18bとカバープレート6の一対の取付け孔
19a,19bの位置を各プレートの中心に対して不均
等にすることが考えられるが、この場合にはスラストプ
レート5、カバープレート6およびシリンダ2に加わる
力が不均等になるという問題が生じる。
【0024】本発明は前記事情に基づいてなされたもの
で、スラストプレートとカバープレートをシリンダに取
付ける組み立て作業において、スラストプレート5が所
定の向きの位置とは異なった向きの位置にある時に、こ
れを容易に発見して、正確な組み立てを行うことがで
き、組み立て不良による生産性への悪影響を防止できる
密閉型圧縮機の油ポンプを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の密閉型圧縮機の油ポンプは、密閉ハウジング
の内部に収容された圧縮機構を駆動する回転軸の下端部
に組み込まれ、前記密閉ハウジングの内底部に貯溜され
た潤滑油を吸い込んで前記回転軸の内部に形成された給
油孔を通して前記圧縮機構の摺動部に給油する油ポンプ
において、下面部が開放されたシリンダと、前記シリン
ダの内部に配置されて前記シリンダ室の内周面に摺接し
てシリンダ室を区画するとともに前記回転軸の下端に組
合されて回転されるロータと、前記シリンダに取付けら
れてこのシリンダの下面部を閉塞し前記ロータを支持す
るスラストプレートと、このスラストプレートを下側か
ら支え前記スラストプレートと取付け位置を合せて前記
シリンダに取付けられたカバープレートとを具備し、前
記カバープレートには吸込み孔および吐出孔を有すると
ともに、前記スラストプレートには、このスラストプレ
ートが前記カバープレートと取付け位置を合せて前記シ
リンダに取付けられた時に、前記吸込み孔と前記シリン
ダの内部とを連通する吸込み口、前記吐出孔と前記シリ
ンダの内部とを連通する吐出口および前記吐出孔と前記
給油孔とを連通する連通孔を有し、前記スラストプレー
トには前記カバープレートより外側に突出する組み付け
位置確認用の突出部が設けられていることを特徴とす
る。
【0026】
【作用】スラストプレートとカバープレートを例えばこ
れらに形成された取付け孔にボルトを通してシリンダに
取付ける場合に、スラストプレートが所定の取付け向
き、すなわちスラストプレートの吸込み口およびカバー
プレートの吸込み孔がシリンダ室の給油室の下側に位置
し、スラストプレートの吐出口およびカバープレートの
吐出孔の一端が排油室の下側に位置し、連通孔および吐
出孔の他端が回転軸の給油孔1の下側に位置する向きに
ある時には、スラストプレートに形成されてカバープレ
ートより外側に突出する突出部が、前記所定向きに対応
した位置に位置する。作業者はこの突出部の位置を見て
スラストプレートが所定向きに位置することを知る。
【0027】また、スラストプレートが所定の取付け向
きとは異なった向き、すなわちスラストプレートの吸込
み口および吐出口がカバープレートの吸込み孔および吐
出孔から外れ、スラストプレートの壁がカバープレート
の吸込み孔および吐出孔を塞ぐ向きに位置すると、スラ
ストプレートに形成された突出部が、前記所定向きに対
応した位置とは異なる位置に位置する。作業者はこの突
出部の位置を見てスラストプレートが所定向きとは異な
る向きに位置することを知る。
【0028】従って、スラストプレートとカバープレー
トをシリンダに取付ける組み立て作業において、スラス
トプレートが所定の向きの位置とは異なった向きの位置
にある時に、これを容易に発見でき、正確な組み立てを
行うことができる。
【0029】
【実施例】本発明の実施例について図1ないし図5を参
照して説明する。まず、本発明の油ポンプを備えた密閉
型圧縮機の一例としてスクロール型圧縮機について図1
を参照して説明する。
【0030】図1において、密閉ハウジング31の内部
はディスチャージカバー32によって高圧空間33と低
圧空間34とに仕切られている。低圧空間34の内部の
上部にはスクロール型圧縮機構Cが、下部には電動機M
が、さらに低圧空間34の底部(密閉ハウジング31の
底部)には本発明の油ポンプPが夫々設けられ、これら
はスクロール型圧縮機構C、電動機Mおよび油ポンプP
は電動機Mに設けられた回転軸35によって連結されて
いる。
【0031】電動機Mは密閉ハウジング31に固定され
た固定子36と、この固定子36の内部に組合された回
転子37と、この回転子37に挿通固着された回転軸3
5とを有し、回転軸35は回転子37の下側と上側に夫
々延出している。
【0032】スクロール型圧縮機構Cは、固定スクロー
ル38と旋回スクロール39を有し、固定スクロール3
8は端板40と渦巻状のラップ41とを備え、端板40
には吐出ポート42が設けられている。旋回スクロール
39は端板43と渦巻状のラップ44とを備え、端板4
3の下面に設けられたボス45の内部にブッシュ46が
軸受47を介して回転自在に嵌合され、このブッシュ4
6に回転軸35の上端に設けられた偏心軸48がスライ
ド可能に挿入されている。
【0033】固定スクロール38と旋回スクロール39
とは端板40と端板43とが所定距離偏心するととも
に、ラップ41とラップ44が180度だけ角度をずら
せて相互に組合されている複数の密閉空間49が形成さ
れている。旋回スクロール39は密閉ハウジング31の
内部に固定されたケーシング50に摺動自在に支持さ
れ、旋回スクロール39とケーシング50との間には、
旋回スクロール39の公転旋回運動を許容するが自転を
阻止する自転阻止機構51が設けられている。
【0034】固定スクロール38の端板40の外周はケ
ーシング50に浮き上がり自在に支持され、固定スクロ
ール38の端板40の上面には円筒フランジ52、53
が同心状に配設されている。
【0035】これら円筒フランジ52、53の間にはデ
ィスチャージカバー32の下面に設けられた円筒フラン
ジ54が封密摺動自在に嵌合されて背圧室55が形成さ
れている。この背圧室55は端板40には設けられた孔
56を介してガスの圧縮途中にある密閉空間49と連通
している。ここで、孔56はラップ41の内周側に接し
た地点に位置され、背圧室55の内周側には高圧室57
が形成され、外周側には低圧室58が形成されている。
なお、密閉ハウジング31の低圧空間34の部分にはガ
ス吸入管59が設けられ、高圧空間35の部分にはガス
吐出管60が設けられている。
【0036】このような構造では、モータMの駆動によ
って回転軸35が回転され、この回転が偏心軸48、ブ
ッシュ46およびボス45を介して圧縮機構Cの旋回ス
クロール39に伝達される。旋回スクロール39は自転
阻止機構51により自転を阻止されながら好転旋回半径
を半径とする円軌道上で公転旋回運動を行う。
【0037】そうすると、ガスが吸入管59を介して密
閉ハウジング31の低圧空間34に入り、図示省略の経
路を経て圧縮機構Cの密閉区間に吸入される。そして、
旋回スクロール39の公転旋回運動によって密閉空間4
9の容積が減少するのに伴いガスが圧縮されながら中央
部に至り、吐出ポート42から高圧室57を経て高圧空
間33に入り、ここからガス吐出管60を経て外部に吐
出される。
【0038】この際、高圧室57および背圧室55内の
ガス圧力によって固定スクロール38は旋回スクロール
39に押し付けられ密閉空間49内部からガスが漏出す
ることを阻止する。密閉空間49内部に液体が吸入され
た時は、固定スクロール38が浮上してその液体を逃が
すことにより圧縮機構の損傷を防止する。
【0039】次に本発明の対象である油ポンプPの一実
施例について図2ないし図6を参照して説明する。図中
71は密閉ハウジング31の内底部に配置固定されたシ
リンダで、これは下面部が開放されたシリンダ室72を
有している。このシリンダ71はこれと一体に形成され
たステー73によって密閉ハウジング31に固定されて
いる。シリンダ室72の下面開放部はボルトによりシリ
ンダ71に取付けられた閉塞部材の一例であるスラスト
プレート74およびカバープレート75により閉塞され
ている。
【0040】回転軸35の下端部はシリンダ71に挿通
され、シリンダ室72に位置する下端には偏心軸76が
形成されている。77はシリンダ室72の内部に配置さ
れた円環状のロータで、これは偏心軸76の外周部に回
転自在に嵌合され外周面がシリンダ室72の内周面に接
触してシリンダ室72を三日月形に制限するものであ
る。
【0041】ロータ77の外周部には直径方向に延びる
ブレード形をなす突起78が一体に形成され、これはシ
リンダ室72の内周面に直径方向に沿って形成されたス
ロット79に摺動自在に挿入されている。この突起78
はシリンダ室72を給油室80と排油室81とに仕切る
とともに、ロータ77の自転を阻止している。
【0042】図4に示すようにカバープレート75には
シリンダ室72の給油室80の下側に位置して吸込み孔
82が形成され、これは密閉ハウジング31の内底部に
連通している。スラストプレート74には吸込み孔82
およびシリンダ室72の給油室80に連通する吸込み口
83が形成されている。
【0043】カバープレート75には吐出孔84が形成
され、スラストプレート74には吐出孔84およびシリ
ンダ室72の排油室81に連通する吐出口85と、吐出
孔84および回転軸35の給油孔87に連通する連通孔
86が夫々形成されている。
【0044】さらに、図4に示すようにスラストプレー
ト74には一対の取付け孔88a,88bが同一直径方
向線上において中心を挟んで等距離の位置に形成されて
いる。カバープレート75には一対の取付け孔89a,
89bが一対の取付け孔88a,88bと対向した位置
に形成されている。
【0045】スラストプレート74は前記シリンダ72
の下面に直接当接して配置されシリンダ室72の下面開
放部を閉塞し、シリンダ室72内部にある偏心軸76の
下面およびロータ77の下面を受ける。カバープレート
75はスラストプレート74に下側に配置されその上面
にスラストプレート74を載せてこれを支えている。
【0046】そして、図2に示すようにボルト90A,
90Bを、カバープレート25の下側からカバープレー
ト25の取付け孔89a,89bおよびスラストプレー
ト74の一対の取付け孔88a,88bに通し、さらに
シリンダ71に形成された図示しないねじ孔に螺挿して
締め付けることにより、カバープレート75とスラスト
プレート74がシリンダ71に取付け固定されている。
【0047】ここで、シリンダ71に対するカバープレ
ート75とスラストプレート74の取付け位置について
述べる。スラストプレート74の吸込み口83、カバー
プレート75の吸込み孔82がシリンダ室72の給油室
80の下側に位置し、スラストプレート74の吐出口8
5、カバープレート75の吐出孔82の一端が排油室8
1の下側に位置し、連通孔86および吐出孔84の一端
が回転軸35の給油孔87の下側に位置するように、カ
バープレート75とスラストプレート74の取付け向き
位置が設定される。そして、ボルト90A,90Bによ
りカバープレート75とスラストプレート74を取付け
た時にカバープレート75とスラストプレート74が前
述した取付け向き位置に位置するように、カバープレー
ト75の取付け孔89a,89bおよびスラストプレー
ト74の一対の取付け孔88a,88bの位置が設定さ
れる。
【0048】さらに、スラストプレート5には、図4に
示すようにスラストプレート5とカバープレート75を
シリンダ71に対して取付ける組み立て作業を行う時に
スラストプレート74の取付ける向きを確認するための
突出部91が形成されている。この突出部91は作業者
が確認できるようにカバープレート75の外周側より外
側に突出するもので、例えばスラストプレート74の周
縁部の一部を三角突片形状に延ばして形成されている。
【0049】なお、給油孔87は回転軸35の内部に下
端から上端にわたって軸方向に沿って形成されている。
密閉ハウジング31の内底部には潤滑油OILが溜めら
れている。
【0050】さらに、この油ポンプにおいては、給油量
が所定量以上になった時に油ポンプの内部にある潤滑油
OILを密閉ハウジング1の内底部に逃すリリーフバル
ブ93が設けられている。すなわち、カバープレート7
5には吐出孔84と密閉ハウジング71の内底部に連通
する逃し孔92が形成され、この逃し孔92を通して油
ポンプの内部にある潤滑油OILを密閉ハウジング1の
内底部に逃すようになっている。
【0051】リリーフバルブ93は、カバープレート7
5の下面部に配置されて逃し孔92を開閉する円形の弁
体94と、カバープレート75の外側に配置され、且つ
一端がこの弁体94に当接してこの弁体94に対して逃
し孔92を閉じる方向に力を加える圧縮コイルばね95
と、カバープレート75の外側に配置され、且つこの圧
縮コイルばね95の他端をその外周側から囲んで受ける
ばね保持体96とを具備している。
【0052】このように構成された油ポンプは、電動機
Mにより回転される回転軸35とともに、偏心軸35が
図示矢印方向に偏心回転される。ロータ77は偏心回転
する偏心軸76に押されて、外周面がシリンダ71のシ
リンダ室72の内周面に一線で摺接しながら公転旋回運
動する。ロータ77の回転に伴いシリンダ室72におけ
る給油室80と排油室81の夫々の容積が相対的に増減
して変化してゆく。
【0053】給油室80の容積が増大してゆくのに伴
い、密閉ハウジング31の内底部に溜められている潤滑
油OILが、カバープレート75の吸込み孔82および
スラストプレート74の吐出口85を通ってシリンダ室
72の給油室80に順次吸い込まれる。また、シリンダ
室72の排油室81の容積が減少ゆくのに伴い、排油室
81にある潤滑油OILが加圧されてスラストプレート
74の吐出口85から吐出される。
【0054】吐出された潤滑油OILはカバープレート
75の吐出孔84およびスラストプレート74の連通孔
86を経て回転軸35の下端から給油孔87に送り込ま
れ、給油孔87を通って回転軸35の上端から流れ出て
圧縮機構Cにおける各摺動部に供給されて潤滑を行う。
その後、潤滑油OILは密閉ハウジング31の内部を流
れ落ちて再び底部に溜まる。
【0055】スラストプレート74とカバープレート7
5をシリンダ71に取付ける組み立て作業について説明
する。スラストプレート74とカバープレート75を例
えばこれらに形成された取付け孔88a,88b、89
a,89bにボルト90A,90Bを通してシリンダ7
1に取付ける場合に、例えば図4に示すようにスラスト
プレート74が所定の取付け向き、すなわちスラストプ
レート74の吸込み口83およびカバープレート75の
吸込み孔82がシリンダ室72の給油室80の下側に位
置し、スラストプレート74の吐出口85およびカバー
プレート85の吐出孔84の一端が排油室81の下側に
位置し、連通孔86および吐出孔84の他端が回転軸3
5の給油孔87の下側に位置する向きにある時には、ス
ラストプレート74に形成されて外側に突出する突出部
91が、所定の取付け向きに対応した向きに位置する。
【0056】作業者はカバープレート75の外周側から
突出するこの突出部91の位置を見てスラストプレート
74が所定の取付け向きCに位置することを知る。ま
た、例えば図5に示すようにスラストプレート74が所
定の取付け向きとは異なった向き、すなわちスラストプ
レート74の吸込み口83および吐出口85がカバープ
レート75の吸込み孔82および吐出孔84から外れ、
スラストプレート74の壁がカバープレート75の吸込
み孔82と吐出孔84を塞ぐ向きに位置すると、スラス
トプレート74に形成された突出部91が、前記所定向
きに対応した位置とは異なる向きDに位置する。
【0057】作業者はカバープレート75の外周側から
突出するこの突出部91の位置を見てスラストプレート
74が所定の取付け向きとは異なる向きに位置すること
を知る。従って、スラストプレート74とカバープレー
ト75をシリンダ71に取付ける組み立て作業におい
て、スラストプレート74が所定の向きの位置とは異な
った向きの位置にある時に、これを容易に発見できる。
このようにすれば正確な組み立てを行うことができる。
従って、スラストプレートを所定の向きの位置とは異な
った向きに位置した状態のままでスラストプレートとカ
バープレートをシリンダに取付けてしまい、油ポンプが
正常に運転できなくなり、例えば製造された圧縮機を工
場で試験運転する場合に油ポンプの異常を発見して、油
ポンプの組み立てを再度行うという事態の発生を防止で
きる。
【0058】なお、本発明が前述した実施例に限定され
ずに、種々変形して実施することができる。例えば圧縮
機構はスクロール型のものに限定されずにロータリ型野
も野であっても良い。
【0059】また、スラストプレートとカバープレート
をシリンダに取付けるためにはボルトのみに限定されず
に、他の手段を採用することもできる。さらに、スラス
トプレートに設ける組み立て向き確認用の突出部は突片
形状のものに限定されることはない。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明の密閉型圧縮
機の油ポンプによれば、スラストプレートとカバープレ
ートをシリンダに取付ける組み立て作業において、スラ
ストプレートが所定の向きの位置とは異なった向きの位
置にある時に、これを容易に発見でき、正確な組み立て
を行うことができ、組み立て不良による生産性への悪影
響を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の油ポンプを搭載したスクロ
ール型圧縮機を示す断面図。
【図2】図1における油ポンプの部分を拡大して断面
図。
【図3】図2AーA線に沿う断面図。
【図4】同実施例におけるスラストプレートとカバープ
レートの組合せを示す図。
【図5】同実施例におけるスラストプレートとカバープ
レートの組合せを示す図。
【図6】従来例の油ポンプを示す断面図。
【図7】図6BーB線に沿う断面図。
【図8】同従来例におけるスラストプレートとカバープ
レートの組合せを示す図。
【図9】同従来例におけるスラストプレートとカバープ
レートの組合せを示す図。
【符号の説明】
31…密閉ハウジング、 35…回転軸、71…シ
リンダ、 72…シリンダ室、74…スラス
トプレート、 75…カバープレート、76…偏心
軸、 77…ロータ、91…突出部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ハウジングの内部に収容された圧縮
    機構を駆動する回転軸の下端部に組み込まれ、前記密閉
    ハウジングの内底部に貯溜された潤滑油を吸い込んで前
    記回転軸の内部に形成された給油孔を通して前記圧縮機
    構の摺動部に給油する油ポンプにおいて、 下面部が開放されたシリンダと、前記シリンダの内部に
    配置されて前記シリンダ室の内周面に摺接してシリンダ
    室を区画するとともに前記回転軸の下端に組合されて回
    転されるロータと、前記シリンダに取付けられてこのシ
    リンダの下面部を閉塞し前記ロータを支持するスラスト
    プレートと、このスラストプレートを下側から支え前記
    スラストプレートと取付け位置を合せて前記シリンダに
    取付けられたカバープレートとを具備し、前記カバープ
    レートには吸込み孔および吐出孔を有するとともに、前
    記スラストプレートには、このスラストプレートが前記
    カバープレートと取付け向きを合せて前記シリンダに取
    付けられた時に、前記吸込み孔と前記シリンダの内部と
    を連通する吸込み口、前記吐出孔と前記シリンダの内部
    とを連通する吐出口および前記吐出孔と前記給油孔とを
    連通する連通孔を有し、前記スラストプレートには前記
    カバープレートより外側に突出する取付け位置確認用の
    突出部が設けられていることを特徴とする密閉型圧縮機
    の油ポンプ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030040893A (ko) * 2001-11-16 2003-05-23 주식회사 엘지이아이 밀폐형 회전식 압축기의 밸브장치

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