JPH07701Y2 - 内燃機関装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は内燃機関装置に関し、特に手動始動装置及び自
動始動装置の両方を備えた種類の内燃機関装置に関す
る。

従来の技術 従来、手動始動装置と自動始動装置とを備えた内燃機関
装置は、例えば、リコイル式始動装置等の手動始動装置
を内燃機関のクランク軸の一端部側に同軸状に設けると
共に、始動モータを有する自動始動装置をもクランク軸
の前記一端部側に設け、機関始動に際して手動始動装置
を操作してクランク軸を回転駆動するか、又は自動始動
装置の始動モータを付勢してクランク軸を回転駆動する
ように構成されている。このように、従来の前記した種
類の内燃機関装置は、クランク軸の一端部側に前記した
２つの始動装置を設けるためのかなり大きなスペースを
必要とするので、装置の小型化を困難にしているのみな
らず、装置の重量配分がクランク軸の一端部側に片寄つ
て不均一になり、このためそのような内燃機関装置を特
に背負式作業機械等の携帯式作業機械に使用すると、作
業者に不安定で不快な部分的荷重が加わり、作業能率を
低下させたりする。また、一般的に自動始動装置は手動
始動装置の伝動機構を介してクランク軸と始動時に駆動
上連結されるので、手動始動装置だけを設けた内燃機関
装置との共甲部分が少なく、このため装置のコストが高
くなる等の欠点があつた。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案は上述したような従来の技術の欠点を取
除くと共に、簡単で便利な形の前記した種類の内燃機関
装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 即ち、本考案によれば、手動始動装置と自動始動装置と
を設けた内燃機関装置は、前記手動始動装置を前記内燃
機関装置の内燃機関のクランク軸の一方の端部側に配置
し、前記自動始動装置の始動モータを前記内燃機関のク
ランクケースの中央底部に近接して配置し、前記始動モ
ータを伝動手段を介して前記内燃機関の前記クランク軸
の他方の端部に固着した回転部材のボス部の外周に近接
せしめて回動自在に配設されたリング状大歯車に駆動上
連結せしめると共に、該リング状大歯車を前記回転部材
のボス部の基部外周に固着したリング状ベースプレート
にリング状のワンウエイクラッチを介して駆動上連結構
成を特徴とする。

作用 従つて、手動始動装置は、それで内燃機関を始動する時
にクランク軸の一方の端部側からクランク軸へ駆動力を
賦与し、且つ自動始動装置はそれで内燃機関を始動する
時に、クランク軸の他方の端部側からクランク軸へ駆動
力を賦与する。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明する。

図示した実施例は本考案を、背負式動力薬液散布機等の
動力送風作業機の内燃機関装置に適用した例であり、こ
の作業機は作業者が背負う背負架台（図示せず）上にブ
ロア１が載架され、該ブロア１は、例えば、図示しない
がその上部に設けられた薬液タンクから調量弁を介して
供給される薬液を吐出管の先端部に設けられた噴霧ノズ
ルから加圧空気と混合して外部へ噴霧するようになつて
いる。上述した構成は当業者によく知られており、ここ
ではこれ以上詳しく説明しない。

前記ブロア１の後部に内燃機関装置２が直結して設けら
れており、該内燃機関装置２はこの例では空冷二サイク
ル内燃機関３を有し、該内燃機関３は、そのクランク軸
４の一方の端部５側において前記ブロア１の羽根車６の
ボス部７に連結されている。前記内燃機関３のクランク
軸４の他方の端部８側には手動始動装置９がそれに近接
して同軸状に配置されている。

該手動始動装置９は通常のリコイル式始動装置であつ
て、ケース10内にぜんまい11を配置し、前記ケース10の
中央ボス部12にリコイルドラム13を回転可能に装着して
前記ぜんまい11の外周端を前記リコイルドラム13側に係
止し、前記ぜんまい11の内周端を前記ケース10側に係止
し、前記リコイルドラム13の周方向溝14にリコイルロー
プ15が渦巻状に巻込まれ、その内方端を前記リコイルド
ラム13に係止し、前記リコイルドラム13の前記クランク
軸４側の中央部に設けた環状ボス16の係合部17を、前記
内燃機関３のクランク軸４の端部８に設けた遠心ラチエ
ツト爪18に係脱自在に連結して構成されている。この手
動始動装置９で内燃機関３を始動する時、リコイルロー
プ15を外部へ引張つてリコイルドラム13を回転させ、そ
れによりクランク軸４を回転させて内燃機関３を始動す
る。

これに対して、前記自動始動装置19は、その始動モータ
20を前記内燃機関３のクランクケース21の中央底部に近
接して配置し、前記始動モータ20の駆動軸は、前記手動
始動装置９と軸線方向反対側の前記ブロア１側へ突出し
て駆動小歯車22を形成している。該駆動小歯車22は、前
記クランクケース21に植設された軸23に回転自動に支持
された中間二重歯車24の径側と噛合つている。前記中間
二重歯車24の小径側はリング状大歯車25と噛合つてお
り、該リング状大歯車25は前記クランクケース21に固着
された軸受筒27の外周にローラーベアリング26を介して
回転可能に支持されている。リング状のローラ式ワンウ
エイクラツチＣが、前記リング状大歯車25を駆動側部
材、前記羽根車６のボス部７に嵌合固着されたリング状
ベースプレート28を従動側部材として介装されている。
該ワンウエイクラツチＣは、前記リング状大歯車25側か
らの内燃機関３の作動方向の回転力は伝達するが、それ
と逆方向の回転力の伝達を遮断するようになつている。
この自動始動装置19で内燃機関３を始動する時、始動モ
ータ20へ通電して始動モータ20を駆動軸を回転し、この
回転力を、減速装置としての歯車22,24,25を伝動手段と
して用い、ワンウエイクラツチＣを介してブロア１の羽
根車６へ伝達することによりクランク軸４の端部５へ伝
達してクランク軸４を回転させ、内燃機関３を始動す
る。

なお、伝動手段としての歯車22,24,25に代えて、タイミ
ングベルト等を用いても良い。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、内燃機関
と回転部材との間に形成されるデッドスペースを活用す
ると共に回転部材のボス部の基部を補強することができ
るだけでなく、手動始動装置及び自動手動装置をそれぞ
れの従来の始動装置の部品を共用して構成することがで
き、それにより装置を安価に製作することができ、また
自動始動装置の始動モータをクランクケースの中央底部
のデツドスペースに配置して装置の小型化並びに重量の
均等配分を実現し、特に携帯用作業機械で使用するに適
する内燃機関装置を提供し得等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例を示す内燃機関装置の要
部縦断面図である。 ２…内燃機関装置、３…内燃機関、４…クランク軸、5,
8…クランク軸の端部、９…手動始動装置、10…自動始
動装置、20…始動モータ、21…クランクケース、22,24,
25…伝動手段、Ｃ…ワンウエイクラツチ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−285263（ＪＰ，Ａ) 実開 昭64−4858（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−85378（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】手動始動装置と自動始動装置とを設けた内
   燃機関装置において、前記手動始動装置（９）を前記内
   燃機関装置（２）の内燃機関（３）のクランク軸（４）
   の一方の端部（８）側に配置し、前記自動始動装置（1
   9）の始動モータ（20）を前記内燃機関のクランクケー
   ス（21）の中央底部に近接して配置し、前記始動モータ
   を伝動手段（22,24）を介して前記内燃機関の前記クラ
   ンク軸の他方の端部（５）に固着した回転部材（６）の
   ボス部（７）の外周に近接せしめて回動自在に配設され
   たリング状大歯車（25）に駆動上連結せしめるととも
   に、該リング状大歯車を前記回転部材のボス部の基部外
   周に固着したリング状ベースプレート（28）にリング状
   のワンウエイクラッチ（Ｃ）を介して駆動上連結したこ
   とを特徴とする内燃機関装置。