JPH0769910A - 脂質代謝改善及び血糖上昇抑制組成物 - Google Patents

脂質代謝改善及び血糖上昇抑制組成物

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JPH0769910A
JPH0769910A JP5217206A JP21720693A JPH0769910A JP H0769910 A JPH0769910 A JP H0769910A JP 5217206 A JP5217206 A JP 5217206A JP 21720693 A JP21720693 A JP 21720693A JP H0769910 A JPH0769910 A JP H0769910A
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lipid metabolism
leaf
blood sugar
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Satoshi Innami
敏 印南
Kahoru Nakamura
かほる 中村
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、モロヘイヤ葉又はその乾燥粉末から
の水溶性画分のエタノール析出物(水溶性食物繊維画
分)を有効成分として含有することを特徴とする脂質代
謝改善及び血糖上昇抑制組成物を提供するものである。 【効果】本発明脂質代謝改善及び血糖上昇抑制組成物
は、例えばスープ、パン等の食品形態及び医薬品形態で
脂質代謝改善及び血糖上昇抑制に有効利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂質代謝改善及び血糖上
昇抑制組成物、より詳しくはコレステロール上昇抑制作
用及び血糖上昇抑制作用を有し、食品及び医薬品分野で
有効利用できる新しい組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】モロヘイヤ(学名:Corchorus olitoriu
s )は、エジプトを中心とした地中海地方を原産地とす
る黄麻の一種であり、これを細かく刻んだり茹でると独
特のヌメリを生じ、オクラやヤマイモのような性質を示
すように、植物ゴム(Plant gum )及び粘質多糖(ムコ
多糖)を含んでおり、また栄養学的にはビタミン類やミ
ネラル類が豊富で、特に総カロチン及びカルシウム含量
が多い等の特徴を有することから、最近わが国でも栽培
され、生葉と共にその乾燥粉末が食品素材として注目を
集めつつある。
【0003】一方、高脂血症患者は、加齢に伴い高血圧
の合併症として動脈硬化ひいては脳卒中、腎機能障害等
を引き起こすことが知られている。しかして、之等各疾
患の予防及び治療のための化学療法剤は、コレステロー
ルの生成を抑制する作用を有する薬物及び腸管からの脂
質の吸収を抑制する作用を有する薬物に属するものに大
別されるが、現在知られている之等の薬物はいずれも化
学合成品であって、副作用や毒性の面で尚、改善される
べき点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、以前よ
り上記の如き脂質代謝改善に有効であり、高脂質血症等
の予防及び治療に利用でき、しかも天然物起源であっ
て、副作用や毒性の面で心配のない新しい成分を提供す
ることを目的として鋭意検討を重ねてきたが、その過程
で前記モロヘイヤ葉に含まれる粘質物に着目し、その各
種精製物につき試験を行なった結果、上記モロヘイヤ葉
又はその乾燥粉末からの水溶性画分中には、実に驚くべ
きことに、上記目的に合致して優れたコレステロール上
昇抑制作用及び血糖上昇抑制作用を有する成分が含まれ
ることを見出した。本発明はこの新しい知見に基づいて
完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はモロヘイ
ヤ葉又はその乾燥粉末からの水溶性画分のエタノール析
出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代
謝改善組成物及び血糖上昇抑制組成物に係わる。
【0006】本発明組成物は、モロヘイヤ葉又はその乾
燥粉末からの水溶性画分のエタノール沈殿物をその有効
成分とすることに基いて、優れたコレステロール上昇抑
制効果及び血糖上昇抑制効果を奏し得る。
【0007】上記有効成分の製造につき詳述すれば、こ
れはまずモロヘイヤ葉又はその乾燥粉末を水抽出して水
溶性食物繊維を含む抽出液を得、次いで該抽出液中の水
溶性食物繊維画分をエタノールにより沈殿析出させるこ
とにより調製できる。ここで原料として用いられるモロ
ヘイヤ葉は、食品素材として栽培され、市販されている
生葉やその乾燥粉末等のいずれでもよく、その水抽出操
作も一般に行なわれている各種の方法をいずれも採用す
ることができる。特に、市販モロヘイヤ粉末にその重量
の約20容量倍の蒸留水を加えて攪拌し、水懸濁液を遠
心分離(例えば8000rpm、20分間)する。この
操作を複数回、通常3回程度繰返して得られる水抽出物
が好適である。
【0008】上記で得られるモロヘイヤ水抽出物(水溶
性食物繊維画分)のエタノールによる沈殿析出操作は、
予め上記水抽出液を、例えばロータリーエバポレーター
等の適当な装置を用いて約1/10程度まで濃縮し、該
濃縮液に対して約4倍量のエタノールを加え適当時間放
置することにより実施でき、かくして得られる沈殿物を
常法に従い、例えばブフナー型濾過ロート等を用いて吸
引濾過することにより実施でき、かくして所望のエタノ
ール析出物を得ることができる。また、本発明の有効成
分は、上記エタノール析出物を常法に従い凍結乾燥及び
粉砕した乾燥粉末形態であってもよい。
【0009】本発明の脂質代謝改善及び血糖上昇抑制組
成物は、上記モロヘイヤ葉又はその乾燥粉末からの水溶
性画分のエタノール析出物をその必須有効成分として含
有する各種の食品及び医薬品形態に賦形されて、生体に
摂取乃至投与することができる。上記食品形態として
は、各種のもの、例えば肉、魚介類、他の野菜類を含む
スープ類や、パン、麺類、小麦粉ミックス、クッキー等
の菓子類、練り製品、餅等やアイスクリーム、ドリンク
類等を例示できる。
【0010】また上記医薬品形態としては慣用される医
薬製剤形態、例えば散剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、トロー
チ剤、カプセル剤、液剤、貼付剤、軟膏剤等を代表的な
ものとして例示できる。
【0011】之等の食品形態及び医薬製剤は、常法に従
って調製され、その調製には一般的によく知られている
他の食品原料成分、賦形剤、希釈剤等が利用される。
【0012】食品形態に調製される場合の他の食品原料
成分としては、特に制限はなく、食品分野でよく利用さ
れる各種のもののいずれでもよく、これには例えば小麦
粉、澱粉、糖、油脂等の各種の蛋白質、脂質、糖質、そ
の他ビタミン、ミネラル等がすべて包含される。
【0013】医薬形態に調製される場合、上記製剤形態
に応じて通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、保湿
剤、崩壊剤、表面活性剤、崩壊抑制剤、吸収促進剤、滑
沢剤等の希釈剤や賦形剤をいずれも使用できる。例えば
錠剤は、乳糖等の賦形剤、水、エタノール等の結合剤、
カルボキシメチルセルロースナトリウム等の崩壊剤、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等の界面
活性剤、白糖等の崩壊抑制剤、ラウリル硫酸ナトリウム
等の吸収促進剤、グリセリン等の保湿剤、デンプン等の
吸着剤、精製タルク等の滑沢剤等を用いて常法に従い成
型され、該錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコ
ーテイング錠、二重錠、多層錠等とすることもできる。
【0014】上記医薬製剤の投与方法は特に制限がな
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与さ
れる。
【0015】更に本発明食品及び製剤中には、必要に応
じてパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エ
チル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息
香酸エステル類、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノー
ル、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベ
ン等の保存剤、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩等の緩衝
剤や、その他の各種の香料、風味剤、甘味剤、矯味剤、
矯臭剤等を含有させることもできる。
【0016】本発明食品及び医薬品形態の組成物中に含
有されるべき有効成分としてのモロヘイヤ葉及び/又は
その乾燥粉末からの水溶性画分のエタノール析出物の量
は、特に限定されず広範囲より適宜選択されるが、通常
食品では該食品の摂取によって成人一人1日当りモロヘ
イヤ葉からの該エタノール析出物の摂取量が約1〜10
gとなる量程度とするのがよい。また医薬品では、約
0.3〜3g程度の上記析出物を含有する医薬製剤に調
製されて、通常有効成分量が1日当り体重1kg当り約
20〜200mg程度投与されるのがよく、該製剤は1
日に1〜3回に分けて投与することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、本
発明において有効成分とするモロヘイヤ葉及びその乾燥
粉末からの水抽出エタノール析出物の調製例を製造例と
して挙げ、次いで上記有効成分につき行なわれた試験例
を挙げ、更に本発明組成物(食品及び医薬品形態)の調
製例を実施例として挙げる。
【0018】
【製造例1】この例におけるモロヘイヤ葉粉末からの水
抽出残渣及び水溶性食物繊維画分の製造のフローチャー
トを図1に示す。
【0019】市販モロヘイヤ葉粉末(深山商会、東京)
50gに蒸留水1000mlを加えて30分間攪拌後、
遠心分離(8000rpm、20分間)して、抽出液と
残渣とを得た。
【0020】上記残渣に更に蒸留水500mlを加え、
30分間攪拌後同様に遠心分離して抽出液を得た。また
この時の残渣に更に蒸留水500mlを加え、同様の操
作を行なって抽出液と残渣とに分けた。之等の操作によ
り得られた抽出液を合わせてロータリーエバポレーター
にて1/10量まで濃縮し、濃縮液に約4倍量の純エタ
ノール溶液を加えて、エタノールの最終濃度を約80%
とし、1時間静置後、デカンテーションにより上清と沈
殿物とを分離した。
【0021】上記沈殿物をブフナー型濾過漏斗(直径9
0mm、No.2濾紙使用)を用いて吸引濾過した後、
凍結乾燥した。乾燥物を粉砕して、所望のモロヘイヤ葉
乾燥粉末の水抽出物からのエタノール析出物(粉末形
態)を得た。
【0022】このものの組成を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】また、原料とした市販モロヘイヤ葉粉末、
モロヘイヤ生葉凍結乾燥物並びに上記製造例に従って得
られた市販モロヘイヤ葉乾燥粉末から水溶性画分を除い
た水抽出残渣及び同様にエタノール可溶性画分を除いた
エタノール抽出残渣のそれぞれの組成を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【試験例1】脂質代謝改善効果試験 この試験はモロヘイヤ葉が脂質代謝改善作用、特に血清
と肝臓のコレステロール上昇抑制作用を有することを調
べるために行なわれたものである。
【0027】製造例1に記載の原料である市販モロヘイ
ヤ葉乾燥粉末(MH−A)を用い、セルロース粉末(東
洋濾紙株式会社製)を対照として用い、之等のそれぞれ
所定量を表3の左側2列に示すように、他の成分の所定
量と混合して、各飼料(セルロース飼料とMH−A飼
料)を調整した。
【0028】次に、モロヘイヤ葉のどのような成分が上
記作用効果を奏するかを調べるために、上記表2に記載
の各成分、即ち、市販モロヘイヤ葉粉末(MH−A)、
モロヘイヤ生葉凍結乾燥物(MH−B)、前記市販モロ
ヘイヤ葉乾燥粉末から水溶性画分を除いた水抽出残渣
(MH−A.W.)及びエタノール可溶性画分を除いた
エタノール抽出残渣(MH−A.E.)を用い、また対
照としてこれらに代えてセルロース粉末を用い、それぞ
れの所定量を下記表3に示す通り、他の成分と混合して
各飼料を調整した。
【0029】
【表3】
【0030】但し、表中カゼイン(注1)は、ミルクカ
ゼイン(日本クレア株式会社製)で、タンパク質含量8
5%のものを用いた。ミネラル混合物(注2)及びビタ
ミン混合物(注3)は、それぞれAIN−76TM〔J.Nu
tr., 107,1340 (1977)〕に記載のものを用いた。また各
飼料には、血清及び肝臓コレステロール濃度を増加させ
るために、上記表3に示す通り所定量のコレステロール
とコール酸ナトリウムを添加配合した。更に、各モロヘ
イヤ成分の配合量は、食物繊維含量が共通して5%とな
るように決定したものである。
【0031】本試験においては、まず、上記セルロース
飼料(対照)及びMH−A飼料を用い、之等のそれぞれ
を5週齢のスプラーグ・ドウレイー(SD)系雄性ラッ
トの各群(1群7匹)に自由摂取させて2週間各群ラッ
トを飼育し、上記飼育期間の終了後、各群ラットを屠殺
し血清及び肝臓を採取し、それらの各脂質含量を測定し
た。
【0032】血清の総コレステロール量は、協和メディ
ックス株式会社のデタミナーTC5キットを、HDLコ
レステロール量とリン脂質量は、それぞれ和光純薬株式
会社のHDL−コレステロール用キットとリン脂質用キ
ットを、トリグリセライド量は、ヤトロン株式会社のク
リンテックTG−Sキットを、それぞれ用いて測定し
た。また、肝臓の総コレステロール量は、Zak-Henly 法
により、トリグリセライド量とリン脂質量は、いずれも
和光純薬株式会社のそれぞれのキットにより測定した。
【0033】上記に示したセルロース飼料(対照飼料)
と市販モロヘイヤ葉粉末飼料(MH−A飼料)との対比
試験を3回行なって得られたそれぞれの血清中の総コレ
ステロール量及び肝臓中の総コレステロール量について
の結果を図2及び図3に示す。
【0034】各図において、I、II及びIIIは各試
験回(1〜3回)を示し、縦軸は総コレステロール量
(図2:mg/dl血清又は図3:mg/g肝臓)であ
り、白抜き棒グラフが対照群(セルロース5%添加飼料
群)を、縦線入り棒グラフが本発明の端緒となったモロ
ヘイヤ葉粉末飼料群(MH−A飼料群)を示す。また、
図におけるアルファベット符号は、これが異なれば、群
間で有意差あり(p<0.05)を示す。
【0035】図2及び図3より、モロヘイヤ葉粉末飼料
を摂取させたラットでは、同量のセルロースを含む飼料
を摂取させたラットに比して、血清及び肝臓の総コレス
テロール量が有意に低下しており、このことから、モロ
ヘイヤ葉粉末には脂質代謝改善作用を奏する物質(有効
成分)が含まれていることが明らかとなった。
【0036】次いで、本試験においては、上記結果を基
礎として、モロヘイヤ葉粉末のどのような成分が上記脂
質代謝に有効性を示すかについて、前記表3に示した各
モロヘイヤ成分(MH−A、MH−B、MH−A.W.
及びMH−A.E.)を含む各試験飼料及び対照として
セルロースを含む飼料を用いて、上記と同一試験を繰り
返した。
【0037】かくして得られた結果を、図2及び図3と
同様にして、図4(血清脂質濃度変化)及び図5(肝臓
脂質濃度変化)に示す。
【0038】図4及び図5において、Iはセルロース粉
末飼料の投与群を、IIはMH−A飼料の投与群を、I
IIはMH−B飼料の投与群を、IVはMH−A.W.
飼料の投与群を、またVはMH−A.E.飼料の投与群
をそれぞれ示し、縦軸は各脂質量(mg/dl)を示
す。またTCは総コレステロール量を、HDL−cholは
HDLコレステロール量を、TGはトリグリセライド量
を、PLはリン脂質量をそれぞれ示し、図中のアルファ
ベット符号は、これが異なれば群間で有意差あり(p<
0.05)を示す。
【0039】図4より、総コレステロールについては、
市販粉末、生葉凍結乾燥乾燥粉末及びエタノール抽出残
渣粉末を含む各飼料の投与群(II群、III群及びV
群)においては、有意に低下したが、水抽出残渣粉末を
含む飼料の投与群(IV群)においては、低下効果が認
められなかった。HDLコレステロール量とリン脂質量
においては、各飼料の投与群において有意な低下が認め
られたが、トリグリセライド量については各群とも大差
は認められなかった。
【0040】また、肝臓脂質濃度については、図5に示
す通りであり、総コレステロール濃度については、血清
総コレステロールの挙動と同じく、水抽出残渣粉末飼料
の投与群(IV群)を除いて、いずれも対照群(I群)
に比べて有意な低下が認められた。トリグリセライドと
リン質濃度については、各群ともほとんど差は認められ
なかった。
【0041】之等の結果は、市販モロヘイヤ葉粉末、生
葉凍結粉末のいずれも血清並びに肝臓のコレステロール
上昇抑制作用を有し、前記試験(図2及び図3に結果を
示した試験)に対して再現性のあることを示している。
更に、市販のモロヘイヤ葉粉末の水抽出残渣飼料の投与
群(IV群)が、血清並びに肝臓のコレステロール上昇
抑制作用を示さなかったことは、水抽出操作により有効
成分が水溶性画分に移行したことを示すものである。か
くして、脂質代謝改善に有効性を示すモロヘイヤの成分
は、同様の作用を示す他の成分の性質や、試験例2の実
験成績等から考察して、モロヘイヤ葉又はその乾燥粉末
からの水溶性画分のエタノール析出物、即ち水溶性食物
繊維画分であると結論できた。
【0042】
【試験例2】血糖上昇抑制効果試験 この試験は以下の通り、ラットを用いて、強制経口グル
コース負荷試験(OGTT)により行なった。即ち、ウ
ィスター系雄ラット(体重250〜350g)を15時
間絶食させた後、対照群にはグルコース(和光純薬株式
会社製)を体重100g当り250mgとなるような溶
液(20%グルコース溶液)を作成し、胃管を用いて投
与し、試験群には対照群に与えたグルコース溶液に本発
明の有効成分(モロヘイヤ葉及びその粉末からの水抽出
エタノール析出物(水溶性食物繊維画分)を2%溶解し
たものを同様に投与した。
【0043】血糖値(mg/dl)は、投与直前、投与
30分後、60分後及び150分後にそれぞれ各ラット
の尾静脈より採血して測定した。即ち採血した血液を3
000rpmで20分間遠心分離後、血漿を試料とし
て、グルコースB−テストワコー(和光純薬株式会社
製)を用いて血漿グルコース値(mg/dl)を求め
た。得られた結果を平均±SEにて図6に示す。
【0044】図6において縦軸は血漿グルコース値(m
g/dl)を、横軸はグルコースの強制経口投与後時間
(分)を示し、図中(1)は本発明群(n=9)であ
り、(2)は対照群(本発明有効成分非添加群、n=
9)である。また図中*印は同時間での対照群に対する
本発明群の有意差(p<0.05、tテストによる)を
示す。
【0045】図6より、本発明有効成分は有意な血糖上
昇抑制効果を奏することが明らかとなった。
【0046】
【実施例1】固型食品形態の調製 製造例1で得られたモロヘイヤ葉粉末の水抽出エタノー
ル析出物(粉末形態)を用いて、乾燥重量100g当り
下記表4及び表5に示す組成(g)となるように、各食
品原料成分を混合して、食品形態組成物を調製した。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【実施例2】低カロリー飲料形態の調製 下記表6に示す配合によりスポーツドリンク形態の本発
明組成物No.1〜6を調製した。各組成物には、更に
適宜香料及びビタミン類の適量を配合し、水により全量
を1000mlとした。
【0050】
【表6】
【0051】
【実施例3】高蛋白流動食形態の調製 カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、ゼラチン及
び糖質を水中に投入し、攪拌、溶解後、混合液中にNa
Cl等のミネラル分を更に投入して攪拌溶解してA液を
調製した。また、カゼインを水に溶解し、NaOHを加
えて中和溶解させた後、これにMgSO4 等のミネラル
類、ビタミン類及び油類を加えて攪拌溶解してB液を調
製した。
【0052】上記A液及びB液を混合し、攪拌後、液量
を調整した後、これにビタミン類、フレーバー等を加え
て乳化し、これをそれぞれ80mlずつチューブタイプ
の容器に充填し、滅菌して高蛋白流動食形態の本発明組
成物製品を得た。
【0053】上記で利用した各成分及びその配合量を表
7に示す。尚、表7におけるビタミン類及びミネラル類
は、次の組成のものである。
【0054】〈ビタミン類(組成)〉 ビタミンA 1155IU ビタミンB1 0.92mg ビタミンB2 0.92mg ビタミンB6 0.92mg ビタミンB12 2.77μg ビタミンC 34.64mg ビタミンD 92.36IU ビタミンE 6.93IU パントテン酸 4.62mg ナイアシン 9.24mg 葉酸 184.72μg ビオチン 138.54μg ビタミンK 69.27μg コリン 115.45mg 〈ミネラル類(組成)〉 Ca 230.90mg PO4 230.90mg Mg 92.36mg Na 323.26mg K 600.34mg Cl 461.80mg Fe 7.39mg Zn 3.69mg Cu 0.46mg Mn 9.24mg I 34.64μg
【0055】
【表7】
【0056】
【実施例4】医薬品形態の調製 下記表8に示す各成分をそれぞれ所定割合(重量%)と
なるように混合し、混合物を直接粉末圧縮法により錠剤
形態に成型して、発泡製剤形態の本発明組成物を調製し
た。
【0057】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1に示すモロヘイヤ葉粉末からの水抽出
残渣及び水溶性食物繊維画分の製造のフローチャートで
ある。
【図2】試験例1に従う脂質代謝改善効果試験における
各飼料を摂取させたラットの血清中総コレステロール量
変化を調べたグラフである。
【図3】試験例1に従う脂質代謝改善効果試験における
各飼料を摂取させたラットの肝臓中総コレステロール量
変化を調べたグラフである。
【図4】試験例1に従う脂質代謝改善効果試験における
各飼料を摂取させたラットの血清中総コレステロール量
変化を調べたグラフである。
【図5】試験例1に従う脂質代謝改善効果試験における
各飼料を摂取させたラットの肝臓中総コレステロール量
変化を調べたグラフである。
【図6】試験例2に従う本発明有効成分の血糖上昇抑制
効果を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モロヘイヤ葉又はその乾燥粉末からの水溶
    性画分のエタノール析出物を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする脂質代謝改善組成物。
  2. 【請求項2】肝臓コレステロール低下作用を有する請求
    項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】モロヘイヤ葉又はその乾燥粉末からの水溶
    性画分のエタノール析出物を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする血糖上昇抑制組成物。
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