JPH0768555B2

JPH0768555B2 - 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH0768555B2
Application number: JP29698186A
Authority: JP
Inventors: 正志三浦; 信生安増; 維男土屋; 輝久皐月
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1986-12-13
Filing date: 1986-12-13
Publication date: 1995-07-26
Anticipated expiration: 2010-07-26
Also published as: JPS63150397A

Description

【発明の詳細な説明】〔技術分野〕本発明は、洗浄時の発泡が極めて低泡性でかつ、洗浄水
の硬度が高くてもスカム（水不溶性金属石けん）の分散
性がすぐれる自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に関する。

〔従来技術〕

自動食器洗浄機は、レストラン、病院、学校等の業務用
のみならず、近年においては一般家庭用として急速に普
及しはじめている。このため、これまでに自動食器洗浄
機用の洗剤に関する提案が数多くなされている。

ところで、現在、この種の洗浄剤の主流はポリエーテル
ポリオールを含有するアルカリ性洗浄剤（特公昭59−15
360号）とされている。このポリエーテルポリオール
は、それ自体で低泡性であるという利点を有するもので
あるが、洗浄力、特に油汚れに対する洗浄効果に劣るた
め、油汚れの除去に際してはアルカリビルダー等の補助
添加成分の使用を必要とする。

一方、洗浄力向上を主眼としたものとしては、第２級ア
ルコールのアルコキシエーテル（特公昭54−25043）
や、低級アルコールのアルコキシエーテル（特開昭58−
147500）等の低泡性界面活性剤を利用したものが知られ
ている。

しかしながら、これらの界面活性剤は、未だ低泡性が不
十分であり、このものを、たとえば一般家庭用の能力の
小さい循環ポンプを用いたスプレー式自動食器洗浄機の
洗液として用いた場合には、依然として多くの発泡を生
じるため、モータ類に負荷がかかり、洗浄機の寿命を著
しく短かくさせると共にすすぎ時の泡切れが悪いという
難点を有する。

更に、洗剤の低泡性を図るために、石けんを併用したも
のも提案されているが（特開昭50−22811号、特公昭58
−44119号）、これらは、石けんを主成分とするため
に、水不溶性の金属せっけん、所謂スカムの析出を伴な
い、その仕上り感に問題がある他、洗浄機の損傷が多発
するという欠点がある。

〔目的〕

本発明は、前記従来技術の有する欠点を克服し、洗浄時
の泡立ちが極めて少なく、しかも、たとえ洗浄水の硬度
が高くてもスカムの分散性に優れた自動食器洗浄機用洗
浄剤組成物を提供することを目的とする。

〔構成〕

本発明によれば、高級脂肪酸石けんを0.5〜５重量％含
有させるとともに、該高級脂肪酸石けん１重量部に対し
て下記一般式（Ａ）で示されるノニオン界面活性剤を0.
5〜５重量部含有させ、かつ下記一般式（Ｂ）又は下記
一般式（Ｃ）で表わされるノニオン界面活性剤の少くと
も１種を１〜10重量％を含ませたことを特徴とする自動
食器洗浄機用洗浄剤組成物が提供される。

（n;2〜８の整数 m;2〜８の整数ｎ＋m;4〜16の整数 l;7〜19の整数）（R;炭素数10〜20のアルキル基 p;2〜15の整数 q;1〜10の整数）（x₁;1〜30の整数 x₂;1〜30の整数 x₁＋x₂;2〜60の整数 Y;5〜50の整数）本発明で用いる一般式（Ａ）で示される第２級アルコー
ルエトキシレート型のノニオン界面活性剤は、それ自体
で洗浄力、易無燐化性、耐硬水性、相溶性、易溶解性、
泡切れ性及びすすぎ性等の面において優れていることが
知られているが、油汚れがひどい食器類の洗浄力に問題
があり、またすすぎ時の泡切れ性に未だ問題点を残して
いるため、自動食器洗浄機用洗浄剤としては必ずしも充
分なものではなかった。

また、金属石けんを併用した洗浄剤は抑泡性に優れたも
のであるが、その使用時に水不溶性の金属石けんの析出
が生じるため、仕上り感が悪く、また装置を損傷させる
という難点を包含する。

本発明者らは、前記一般式（Ａ）で示される第２級アル
コールエトキシレー型の有する洗浄剤としての長所を維
持しながらその内包する難点を克服する自動食器洗浄機
用洗浄剤の開発を進めていたところ、意外にも一般式
（Ａ）で示される化合物と高級脂肪酸石けんを併用する
とともに、更に前記一般式（Ｂ）又は一般式（Ｃ）で示
されるノニオン界面活性剤の少くとも１種を配合し、か
つこれらの化合物の配合量を特定の割合とした液体洗浄
剤組成物は、すすぎ時の泡切れ性にも優れ、しかもスカ
ムの分散性に優れたものであり、自動食器洗浄機用洗浄
剤として好適なものであることを知見し、本発明を完成
するに到った。

以下、本発明を更に詳述する。

本発明は、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の第１の必須
成分として、高級脂肪酸石けんを用いる。高級脂肪酸と
しては、炭素数８〜22、特に12〜18のものが好ましい。
また、飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸あるいはこれらの
混合脂肪酸であってもよい。又、高級脂肪酸の対イオン
としては、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩、アルキロール置換アンモニウ
ム塩等を使用することができるが、効果の発現性等から
みてカリウム塩やトリエタノール置換アンモニウム塩を
用いることが望ましい。

この高級脂肪酸石けんの配合量は、組成物全量に対して
0.5〜５重量％、好ましくは1.5〜4.5重量％である。そ
の配合量が0.5重量％未満では機械洗浄工程時に泡立ち
が多くなり、すすぎ時の時間がかかるので好ましくな
い。また５重量％を超えると、スカムの発生が顕著とな
るばかりでなく、洗浄後の仕上り感が低下する。

また、本発明においては、自動食器洗浄機用洗浄剤組成
物の第２の必須成分として一般式（Ａ）で示されるノニ
オン界面活性剤を用いる。この一般式（Ａ）で示される
化合物は、従来公知のものであり、そのいずれが適用で
きるが、ｎが２〜８、好ましくは４〜７、ｍが２〜８、
好ましくは４〜７、ｎ＋ｍが４〜11、好ましくは８〜1
4、ｌが７〜15、好ましくは10〜13のものを用いること
が適当である。

一般式（Ａ）で示される化合物の配合量は、前記高級脂
肪酸の水溶性金属塩１重量部に対して0.5〜５重量部、
好ましくは１〜３重量部である。その配合量が0.5重量
部未満では洗浄後の仕上り感が著しく劣り、また５重量
部を超えると泡立ちが多すぎて、すすぎ時の泡切れ性が
低下する。

本発明においては、前記二種の必須成分と共に更に一般
式（Ｂ）又は一般式（Ｃ）で示されるニノオン界面活性
剤の１種又は２種以上を用いる。

一般式（Ｂ）で示される高級脂肪族アルコールのポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンエーテルとしては、
従来公知のものが使用されるが、Ｒが炭素数10〜20、好
ましくは11〜18のアルキル基、Ｐが２〜15、好ましくは
３〜10、ｇが１〜10、好ましくは３〜８のものを用いる
ことが適当である。

また、高級脂肪族アルコールとしては、第１級アルコー
ルのみならず第２級アルコールの使用も可能である。

また、一般式（Ｃ）で示される、所謂プルロニック型の
ノニオン界面活性剤としては、x₁とx₂の総和が２〜60、
好ましくは10〜40、Ｙが５〜50、好ましくは10〜40及び
平均分子量が1000〜5000、好ましくは2000〜4000のもの
を用いることが望ましい。

本発明で用いる、前記一般式（Ｂ）及び／又は一般式
（Ｃ）で示される化合物の配合量は洗浄剤組成物全量に
対して１〜10重量％、好ましくは２〜８重量％である。

その配合量が１重量％未満であると、すすぎ時の泡切れ
性が劣り、またスカムの分散効果が充分に発揮されず、
また、20重量％を超えると、泡立ちが多すぎて、すすぎ
時の泡切れ性が悪くなる上、洗浄機から泡もれを生じ作
業性も悪化するので望ましくない。

本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、前記した高
級脂肪酸塩と特定のノニオン界面活性剤を組み合わせた
ものを必須成分とするものであるが、所望によりこの種
の洗浄剤組成物に慣用されている種々の補助成分を添加
することもできる。このような補助成分としては、たと
えば、香料、色素、漂白剤、殺菌剤などの添加が可能で
あり、更に、一般的なハイドロトロープ剤であるエタノ
ール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、トルエンスルホン酸塩等を含有してもかまわない。
又、クエン酸塩、CMC、グルコン酸塩、水溶性高分子や
アミラーゼ、プロテアーゼ等のキレート剤や酵素などを
含有することもできる。

本発明の洗浄剤組成物は、ガラス食器、陶磁器、プラス
チック、アルミ、ステンレス、銅製食器等の一般に使用
される食器類の全てに適用でき、工業用あるいは一般家
庭用の自動食器洗浄機用洗浄剤として広く利用される。

〔効果〕

本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、高級脂肪酸
石けんと前記一般式（Ａ）で示されるノニオン界面活性
剤を併用し、かつ、一般式（Ｂ）又は一般式（Ｃ）で示
されるノニオン界面活性剤の少くとも１種を特定量配合
したことから、洗浄時の泡立ちが極めて少なく、しかも
たとえ洗浄水の硬度が高くてもスカムが析出せず組成物
中に充分分散されるため、すすぎ時の泡切れ性に優れ、
また洗浄機の作業効率も高めることができるので、その
商品的価値が極めて高いものである。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。

実施例１〜16、比較例１〜10 表−１に示す組成を有する各種自動食器洗浄機用洗浄剤
組成物を調製し、洗浄時の泡切れ性及びスカム分散性の
試験に供した。

その結果を表−１に示す。

なお、試験方法および評価方法は以下によった。清浄な
磁製更に牛脂0.5g/枚、またプラスチック製皿にバター
0.5g/枚を付着させた皿各４枚と、汚垢の全く付着して
いないプラスチック製皿２枚をいれ、組成物濃度0.2％
で下記条件により食器洗い機で洗浄した後、下記の評価
方法に基づき評価した。

（ｉ）洗浄条件１）食器洗い機：洗浄剤溶液が回転ノズルから噴射さ
れ、その噴射軌道上に設置された食器類を洗浄する形式
の全自動食器洗い器。

２）洗浄温度：自動的に供給された水道水（15℃）が洗
浄時にヒーターで徐々に昇温され、洗浄終了時の洗浄液
温度は60℃である。

３）洗浄時間:20分４）すすぎ：給水後１分間すすいで排水するサイクルを
３回行ない、60℃まで昇温させながら加熱すすぎを１回
行なう。

５）乾燥：すすぎ終了後、食器洗い機庫内温度を80℃ま
で徐々に昇温させながら、１時間乾燥させる。

（ii）泡立ち評価洗浄時、使用水を15゜DHの硬水を用い、洗浄20分後の洗
液の自動食器洗い機中の泡立ちを測定し、以下の基準で
評点をつけた。

０点:30mm以上１点:24〜29mm ２点:18〜23mm ３点:12〜17mm ４点:6〜11mm ５点:0〜5mm （iii）スカム分散性 15゜DH硬水を用い、洗剤0.2％濃度での60℃加熱時の濁
り具合いを目視判定し、以下の基準に従って評価した。

◎：透明 ○：透明であるが液全体としてブルーイングしている △：白濁 ×：白濁するとともに、不溶物が析出する。

表−１の結果から、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組
成物は、一般式（Ａ）、一般式（Ｂ）又は一般式（Ｃ）
で示される化合物を単独で用いたものとは異なり、洗浄
時の泡立ちが極めて少なく、またスカムの分散性が極め
て優れていることが判る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高級脂肪酸石けんを0.5〜５重量％含有さ
せるとともに、該高級脂肪酸石けん１重量部に対して下
記一般式（Ａ）で示されるノニオン界面活性剤を0.5〜
５重量部含有させ、かつ下記一般式（Ｂ）又は下記一般
式（Ｃ）で表わされるノニオン界面活性剤の少くとも１
種を１〜10重量％を含ませたことを特徴とする自動食器
洗浄機用洗浄剤組成物。（n;2〜８の整数 m;2〜８の整数ｎ＋m;4〜16の整数 l;7〜19の整数）（R;炭素数10〜20のアルキル基 p;2〜15の整数 q;1〜10の整数）（x₁;1〜30の整数 x₂;1〜30の整数 x₁＋x₂;2〜60の整数 y;5〜50の整数）