JPH0766678A - 弾性表面波フィルタ装置 - Google Patents

弾性表面波フィルタ装置

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JPH0766678A
JPH0766678A JP20781393A JP20781393A JPH0766678A JP H0766678 A JPH0766678 A JP H0766678A JP 20781393 A JP20781393 A JP 20781393A JP 20781393 A JP20781393 A JP 20781393A JP H0766678 A JPH0766678 A JP H0766678A
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JP
Japan
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electrode
surface acoustic
acoustic wave
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filter device
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JP20781393A
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English (en)
Inventor
Masahiko Sugiyama
雅彦 杉山
Yasubumi Horio
保文 堀尾
Kikuji Miyamura
喜久治 宮村
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化及び帯域外減衰量の改善を図った弾性
表面波フィルタ装置を実現する。 【構成】 1個の圧電性基板(1) 上にN個(Nは2以上
の整数)の送信側変換器(2,4)及びN個の受信側変
換器(3,5)を形成し、これら変換器によりN段のフ
ィルタ段を構成する。これらN段のフィルタ段は互いに
平行になるように各変換器を形成すると共に、N段フィ
ルタ段を直列接続する。さらに、隣接するフィルタ段間
に吸音剤層を形成してフィルタ段間の相互作用を防止す
る。この結果、電極の対数が多くても実質的な占有面積
が小さくなると共に帯域外減衰を一層改善することがで
きる、しかも回折効果によるフィルタ段間の相互作用を
防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波フィルタ装
置、特に小型化及び帯域外減衰量の改善を図った弾性表
面波フィルタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電性基板上にインタディジタル型の入
力側変換器及び出力側変換器を形成して特定の周波数帯
域の信号を取り出す弾性表面波フィルタ装置が実用化さ
れている。この弾性表面波フィルタ装置では、挿入損失
をできるだけ小さくするため入力側及び出力側変換器と
して一方向性トランスジューサが用いられている。
【0003】このような一方向性トランスジューサとし
て、例えば特公平3−20929 号公報に記載されている一
方向性トランスジューサが既知である。この既知の一方
向性トランスジューサは圧電性基板として大きな電気機
械結合係数を有するLiNbO3単結晶体が用いられ、このLi
NbO3基板上にインタディジタル型の正電極及び負電極が
形成されている。正電極及び負電極の電極指(弾性表面
波の進行方向に見て互いに重り合う部分)は互いにλ/
2(λは基本弾性表面波の波長)の中心間距離を以て形
成され、これら正電極と負電極との間に電気的にフロー
ティング状態にある浮き電極が形成されている。正及び
負電極並びに浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向
の幅はλ/8に設定され、浮き電極と正及び負電極との
間の中心間距離dは、λ/8<d<λ/4に設定されて
いる。
【0004】別の弾性表面波フィルタ装置として、特開
平3−133209号公報に記載されているSAWフィルタが
既知である。この既知のSAWフィルタは広帯域用のフ
ィルタ装置として構成され、圧電性基板として同様にLi
NbO3が用いられている。そして、LiNbO3基板上に正電極
及び負電極が形成され、これら正電極と負電極との間に
開放型の浮き電極及び短絡型の浮き電極の両方が形成さ
れている。そして、各電極の電極指の幅はλ/12に設定
され、正電極と負電極との間にλ/6のピッチで開放型
及び短絡型の浮き電極が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したLiNbO3基板上
に一方向性トランスジューサを形成した弾性表面波フィ
ルタ装置は、LiNbO3基板の電気機械結合係数が大きいた
め挿入損失を低く押えることができるが、温度変化に対
する通過帯域の変化量が大きく、従って従来の弾性表面
波フィルタ装置をそのまま狭帯域フィルタ装置に適用し
たので、温度変化に起因する帯域変動の観点より実用化
できないのが実情である。
【0006】さらに、一方向性トランスジューサは電極
の対数が多いため縦長の形態になってしまう。特に、フ
ィルタ装置の通過帯域幅は送信側及び受信側変換器の電
極対数に依存するため、狭帯域フィルタ装置を構成する
場合変換器の電極対数が増大し、フィルタ装置の形態と
して一方向において特に長くなりすぎてしまう。この結
果、フィルタ装置を回路基板に装着した場合、実質的に
大きな面積を占有する不具合が生じてしまう。さらに、
従来の一方向性トランスジューサを用いたフィルタ装置
は、挿入損失は比較的小さいものの帯域外減衰量が不充
分であり、帯域外減衰量を一層抑制した一方向性トラン
スジューサの開発が強く要請されている。
【0007】従って、本発明の目的は上述した欠点を除
去し、送信側及び受信側変換器の対数が増大しても、実
質的な占有面積が少なくなると共に帯域外減衰量が一層
抑制された弾性表面波フィルタ装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による弾性表面波
フィルタ装置は、1個の圧電性基板と、この圧電性基板
上に形成したN個(Nは2以上の整数)の送信側変換器
及び受信側変換器とを具え、これら送信側変換器及び受
信側変換器が、インタディジタル型の正電極及び負電極
と、これら正電極と負電極との間に配置され、各電極指
が隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中
間位置から偏位した位置に配置されている浮き電極とを
有し、前記送信側変換器と対応する受信側変換器との間
でフィルタ段を構成してN個のフィルタ段を形成し、こ
れらN個のフィルタ段を直列接続し、前記圧電性基板上
の互いに隣接するフィルタ段の間に吸音剤を塗布したこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明では、送信側及び受信側変換器として一
方向性トランスジューサを用いる。そして、N個の送信
側変換器と受信側変換を用いてN個のフィルタ段を構成
し、これらフィルタ段を並列に配置すると共に互いに直
列に接続して1個の弾性表面波フィルタ装置を構成す
る。このように構成することにより、同一の通過帯域幅
のフィルタ装置を構成する場合、電極対数を減すことが
でき、縦長の形態とならないため、回路基板上に装着し
たときの実質的な占有面積を小さくすることができる。
【0010】さらに、複数のフィルタ段を直列に接続し
て1個のフィルタ装置を構成しているので、挿入損失は
若干増大するが、帯域外減衰量を大幅に改善することが
できる。尚、一方向性トランスジューサは挿入損失を比
較的小さくすることができるようになったため、直列接
続することにより損失が若干増大してもユーザ仕様基準
を十分に満足することができる。
【0011】さらに、本発明では、圧電性基板上の互い
に隣接するフィルタ段の間に吸音剤を塗布しているの
で、送信側変換器により励振された表面弾性波が隣接す
るフィルタ手段の受信側変換器に入力するのを防止する
ことができる。この結果、隣接するフィルタ段間におけ
る相互干渉作用が防止され帯域外減衰量を一層改善する
ことができる。
【0012】さらに、基板材料としての水晶は温度変化
に対する通過帯域幅の変化(TCF)が極めて小さいた
め、水晶基板上に一方向性トランスジューサを形成した
フィルタ装置の場合、温度変化に対する通過帯域幅の変
化が極めて小さいフィルタ装置を実現することができ
る。しかしながら、水晶はLiNbO3に比べて電気機械結合
係数が小さいため、上述した既知の一方向性トランスジ
ューサをそのまま適用したのでは挿入損失の面より実用
化することができない。しかも、電気機械結合係数の小
さい水晶基板の場合変換効率をアップさせるため電極の
対数を一層多くしなければならず、一層一方向に大型化
した構造になってしまう。このため、本発明では、各電
極指の電極幅をλ/12(λは基本弾性表面波の波長)に
設定し、浮き電極における非対称構造性を一層強く利用
して挿入損失を低減すると共に、複数のフィルタ段を並
列に配設して小型化を図る。このように構成することに
より、温度変化に対して極めて安定で、しかも小型化さ
れ且つ帯域外減衰量が一層改善された弾性表面波フィル
タ装置を実現することができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明による弾性表面波フィルタ装置
の一例の構成を示す線図的平面図である。本例では、圧
電性基板として水晶基板1を用いる。STカットした水
晶は−20℃〜80℃の温度範囲における周波数に対する温
度係数(TCF)が1.6ppm/℃と極めて微小である。ち
なみに、128 °回転Yカット×方向伝播LiNbO3のTCF
は−74ppm /℃であるから、水晶基板は極めて良好な温
度特性を有し、温度変化による通過周波数帯域の変動を
極めて微小範囲内に維持することができる。水晶基板1
上に第1の送信側変換器2、第1の受信側変換器3、第
2の送信側変換器4及び第2の受信側変換器5をそれぞ
れ形成する。第1の送信側変換器2と第1の受信側変換
3とで第1のフィルタ段を構成し、第2の送信側変換器
4と第2の受信側変換器5とにより第2のフィルタ段を
構成する。尚、これら変換器2〜5は、形成されるフィ
ルタ段が弾性表面波の伝播波方向に沿って互いに平行に
なるように配置する。
【0014】4個の変換器の構造は、一方向性トランス
ジューサとして同一の構造をなすため、第1の送信側変
換器の構造について詳細に説明する。第1の送信側変換
器2はインタディジタル型の正電極10及び負電極11と、
これら正電極と負電極との間に配置した短絡型浮き電極
12とを具える。本例では、これらの電極の電極指の幅は
λ/12に設定する。これらの電極は、水晶基板1上にア
ルミニウム層を蒸着又はスパッタリングし、フォトリソ
グラフィ法により形成することができる。尚、図面を明
瞭にするため、図面上各電極の対数は4対で表示した
が、通過帯域幅に応じて種々の対数に設定することがで
き、例えばディジタル通信用の狭帯域フィルタの場合例
えば 200〜400 対に設定することができる。正電極10の
電極指間のピッチ及び負電極11の電極指間のピッチは共
に基本弾性表面波の波長λに等しくなるように設定す
る。基本弾性表面波の波長λは、vを水晶基板における
弾性表面波の伝播速度とし、f0 を中心周波数とした場
合、λ=v/f0 となるように設定する。また、正電極
10の電極指と負電極11の電極指との間の中心間距離は
λ/2に設定する。浮き電極12は、それぞれ対をなす電
極指を有し、これら電極指間のピッチはそれぞれλ/2
に設定する。浮き電極の各電極指は、これら電極指と隣
接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間点
より弾性表面波の伝播方向に見てλ/12の距離だけ手前
側に偏位させる。このように構成することにより、非対
称構造に基く浮き電極による機械的反射特性を一層有効
に利用することができ、励振された弾性表面波の大部分
を図1の右側すなわち受信側変換器3に向けて伝播させ
ることができる。この結果、トランスジューサの一方向
性が一層増強され挿入損失を低減することができる。
【0015】水晶基板においては、この浮き電極の正電
極の電極指と負電極の電極指の中間点からの偏位量は一
方向性を高める上で極めて重要であり、その偏位量が小
さ過ぎると挿入損失が大きすぎてしまう、この偏位量に
ついて本発明者が種々の検討をした結果、浮き電極の電
極指の一部が正電極と負電極との間の中間点上に位置す
るのでは偏位量が少な過ぎ良好な損失特性が得られない
ことが判明した。従って、この浮き電極の偏位量は、浮
き電極の弾性表面波の伝播方向側の端縁が中間位置より
も弾性表面波の伝播方向に見て手前側に位置するように
設定しなければならない。さらに、様々の検討結果よ
り、浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の中心位
置が、正電極と負電極との間の中間位置からほぼ電極指
の幅だけ離間する場合、浮き電極による反射波と正電極
及び負電極によって励振された弾性表面波との間の位相
が互いに適合し、最適な損失特性及び波形特性が得られ
る。
【0016】これに対して、前述した特公平3−20929
号公報に記載の一方向性トランスジューサでは、正電極
及び負電極の電極幅をλ/8に設定し、浮き電極の電極
幅dを、λ/8<d<λ/4に設定されている。しかし
ながら、正電極及び負電極の電極幅をλ/8に設定する
と、正電極と負電極との間の中心間距離がλ/2である
から、浮き電極を形成できる範囲は3λ/8となってし
まう。この場合、浮き電極と正電極及び負電極との間の
スペースを考慮すると、浮き電極の正電極と負電極との
間の中心位置から偏位させることができる許容範囲が小
さすぎ、従って十分な非対称構造とすることができな
い。すなわち、正電極と負電極との間の中間位置から浮
き電極を偏位させることができるスペースが小さすぎ、
非対称構造による効果を有効に利用することができず、
従ってそのまま水晶基板に適用したのでは、ユーザ仕様
基準を満たす損失特性を達成することができない。
【0017】第1の受信側変換器3は正電極13及び負電
極14とこれらの電極間に配置した短絡型浮き電極15とを
有する。また、第2の送信側変換器4も正電極16及び負
電極17とこれら電極間に配置した短絡型浮き電極18とを
有する。第1の受信側変換器3の正電極13と第2の送信
側変換器4の正電極16とを基板上に形成した導体パター
ン19を介して電気的に接続する。さらに、第2の受信側
変換器5も同様に正電極20及び負電極21とこれら電極間
に配置した短絡型浮き電極22とを有する。第1の送信側
変換器2の正電極10を信号入力端子23に接続し、第2の
受信側変換器5の正電極20は信号出力端子24に接続す
る。尚、導体パターン19に所定のインダクタンスを結合
してインピダンス整合させることが好ましい。
【0018】濾波されるべき電気信号は入力端子23及び
アース端子を経て第1の送信側変換器に供給する。第1
の送信側変換器2によって励振された弾性表面波は矢印
a方向に伝播し、第1の受信側変換器3でピックアップ
されて電気信号に変換される。この電気信号5は第2の
送信側変換器4に供給され、この第2の送信側変換器4
により励振された弾性表面波は矢印b方向に伝播し、第
2の受信側変換器5によりピックアップされて電気信号
変換され、信号出力端子24から取り出される。従って、
濾波されべき信号は、2個の直列接続したフィルタ段に
よって2回濾波されることになる。
【0019】本発明では、圧電性基板1上の第1のフィ
ルタ段と第2のフィルタ段との間に吸音剤層25を塗布す
る。この吸着剤層25は、第1の送信側変換器2と第2の
送信側変換器4との間並びに第1の受信側変換器3と第
2受信側変換器5との間に沿って延在するように塗布す
る。この吸音剤として、例えばエポキシ樹脂、シリコン
樹脂、紫外線硬化型樹脂を用いることができる。第1及
び第2の送信側変換器2及び4によって励振された表面
弾性波は、回折効果により拡がりながら伝播するため、
第1の送信側変換器2によって励振された表面弾性波が
第1の受信側変換器だけでなく第2の受信側変換器5に
も入力してしまい、また第2の送信側変換器4によって
励振された表面弾性波も第1の受信側変換器3にも入力
してしまう。この結果、隣接するするフィルタ段との間
で相互作用が生じ帯域外減衰度が抑制されなくなってし
まう。従って、本発明のように、隣接するフィルタ段の
間に吸音剤層25を形成することによりフィルタ段間の相
互作用が抑制され、この結果帯域外減衰量を一層改善す
ることができる。
【0020】図2は本発明になる弾性表面波フィルタ装
置の別の変形例を示す。本例では、図1に示すフィルタ
装置にガード電極30及び31を形成し、これらガード電極
により各変換器間に電磁結合が生じないようにする。特
に、第1の受信側変換器3と第2の送信側変換器4とを
接続する導体パターン19には不所望な信号が入力し易い
ため、ガード電極30及び31を導体パターン19の少なくと
もその一部に沿って形成することにより変換器間の電磁
結合を防止すると共にノイズの発生を一層低減すること
ができる。尚、吸音剤層25はガード電極30及び31の一
部の上に亘って形成するものとする。
【0021】図3は本発明による弾性表面波フィルタ装
置の別の変形例を示す線図的平面図である。本例では送
信側変換器の対数と受信側変換器の対数を相異させる。
このように送信側の対数と受信側の対数を相異させるこ
とにより、トランスバーサル型のフィルタ装置に比べて
全体としての対数を1/2 に減少させても同一の通過帯域
幅のフィルタ装置を実現することができる。さらに、本
例では、1個のガード電極32を用いて第1のフィルタ段
と第2のフィルタ段との間並びに送信側変換器と受信側
変換器との間で不所望なノイズの侵入を防止する。尚、
本例では、第1の受信側変換器と第2の送信側変換器と
は、ボンデングワイヤ又は基板を収納するパッケージに
形成した導体パターンを介して相互接続することができ
る。
【0022】次に、実験結果について説明する。1個の
フィルタ段から成る通常のトランスバーサル型の一方向
性弾性表面フィルタ装置と、図1に示す2個のフィルタ
段から成る弾性表面波フィルタ装置を試作して特性評価
を行なった。電極の対数は共に同一に設定し、中心周波
数は240MHzに設定した。図4に特性評価の結果を示す。
実線は本発明による2段結合した弾性表面波フィルタ装
置の特性を示し、破線は従来の1段の一方向性弾性表面
波フィルタ装置の結果を示す。図4から明らかなよう
に、2個のフィルタ装置を直列接続することにより、挿
入損失は3.5dB から7dBと若干増大するが、帯域外減衰
量は大幅に改善された。
【0023】次に、吸音剤層による効果について説明す
る。図5は、図1に示す弾性表面波フィルタ装置におい
て、吸音剤層を形成した装置と、吸音剤層を形成しない
装置との周波数特性を示すグラフである。図5におい
て、実線は吸音剤層がある場合の特性を示し、破線は吸
音剤層が形成されていない装置の特性を示す。図5から
明らかなように、吸着剤層がない場合中心周波数よりも
高周波側において帯域外減衰度が十分に抑制されていな
いが、吸音剤層を形成した場合高周波側における減衰量
が大幅に抑制されている。この実験結果から明らかなよ
うに、隣接するフィルタ段間に吸音剤層を形成すること
により、表面弾性波の回折効果によるフィルタ段間の相
互作用を一層軽減できること明らかである。
【0024】本発明は上述した実施例だけに限定されず
種々の変更や変形が可能である。例えば、上述した実施
例では4個の変換器を用いて2個のフィルタ段を形成し
たが、6個或いは8個の変換器を用いて3個又は4個の
フィルタ段を構成することも可能である。さらに、上述
した実施例では圧電性基板として水晶を用いたが、電気
機械結合係数の大きいLiNbO3を用いることも可能であ
る。LiNbO3基板を用いる場合短絡型浮き電極と開放型浮
き電極の反射係数が相互に反対になるため、浮き電極と
して開放型及び短絡型浮き電極の両方を用い、正電極、
負電極及び浮電極の電極指の幅をλ/12に設定し、各電
極指を弾性表面波の伝播方向に沿って等間隔で配置した
変換器を用いることが望ましい。さらに、上述した実施
例では、水晶基板上に短絡型浮き電極を形成した例につ
いて説明したが、若干挿入損失が低下するが浮き電極と
して開放型浮き電極だけを用いることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数個の送信側変換器及び受信側変換器を用い、複数個の
フィルタ段を構成し、これらフィルタ段を直列接続して
いるから、回路基板に装着した場合の実質的な占有面積
を小さくすることができると共に帯域外の減衰量を一層
大幅に改善することができる。しかも、隣接するフィル
タ段間に吸音剤層を形成しているから、フィルタ段間の
相互作用が防止され、高周波側の帯域外減衰度を一層抑
制することができる。また、基材材料としてTCFの小
さい水晶を用い、変換器として正電極及び負電極とこれ
ら電極間に配置した幅λ/12の短絡型浮き電極とを具え
浮き電極を正電極と負電極の中間装置よりλ/12の距離
だけ偏位させた構造の変換器を用いれば、挿入損失が小
さくしかも温度変化に対して極めて安定なフィルタ装置
を構成できるので、このような変換器を有するフィルタ
段を直列接続することにより、温度変化に対して極めて
安定で、小型且つ帯域外減衰量が改善された弾性表面波
フィルタ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による弾性表面波フィルタ装置の
一例を示す線図的平面図である。
【図2】図2は本発明による弾性表面波フィルタ装置の
変形例を示す線図的平面図である。
【図3】図3は本発明による弾性表面波フィルタ装置の
変形例を示す線図的平面図である。
【図4】図4はトランスバーサル型の1段の弾性表面波
フィルタ装置と2段結合したフィルタ装置との比較実験
結果を示すグラフである。
【図5】図5は、吸音剤層の効果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 圧電性基板 2 第1の送信側変換器 3 第1の
受信側変換器 4 第2の送信側変換器 5 第2の受
信側変換器 10, 13, 16, 20 正電極(負電極) 11, 14, 17, 21 負電極(正電極) 15 浮き電極 19
導体パターン 23信号入力端子 24 信号出力端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個の圧電性基板と、この圧電性基板上
    に形成したN個(Nは2以上の整数)の送信側変換器及
    び受信側変換器とを具え、 これら送信側変換器及び受信側変換器が、インタディジ
    タル型の正電極及び負電極と、これら正電極と負電極と
    の間に配置され、各電極指が隣接する正電極の電極指と
    負電極の電極指との間の中間位置から偏位した位置に配
    置されている浮き電極とを有し、 前記送信側変換器と対応する受信側変換器との間でフィ
    ルタ段を構成してN個のフィルタ段を形成し、 これらN個のフィルタ段を直列接続し、 前記圧電性基板上の互いに隣接するフィルタ段の間に吸
    音剤を塗布したことを特徴とする弾性表面波フィルタ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ段とフィルタ段との間にガ
    ード電極を配置し、隣接する変換器が電磁結合しないよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    弾性表面波フィルタ装置。
  3. 【請求項3】 前記圧電性基板を水晶または水晶と同程
    度の電気機械結合係数を有する圧電性材料で構成し、 前記送信側及び受信側変換器の正電極及び負電極の各電
    極指が、基本弾性表面波の波長をλとした場合に、弾性
    表面波の伝播方向に沿ってλ/2の中心間距離を以って
    交互に形成され、 前記浮き電極を短絡型浮き電極とし、 前記浮き電極の各電極指が、これらの電極指と隣接する
    正電極及び負電極の電極指の中間位置から表面弾性表面
    波の伝播方向の手前側にλ/12の距離だけ離間して位置
    することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1
    項に記載の弾性表面波フィルタ装置。
  4. 【請求項4】 前記正電極、負電極及び浮き電極の各電
    極指の、弾性表面波の伝播方向の幅dを、式 【数1】0.8 ×λ/12≦d≦1.3 ×λ/12 を満たすように設定したことを特徴とする請求項7に記
    載の弾性表面波フィルタ装置。
JP20781393A 1993-08-23 1993-08-23 弾性表面波フィルタ装置 Withdrawn JPH0766678A (ja)

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