JPH0766135A - 薄膜製造装置 - Google Patents

薄膜製造装置

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JPH0766135A
JPH0766135A JP21245793A JP21245793A JPH0766135A JP H0766135 A JPH0766135 A JP H0766135A JP 21245793 A JP21245793 A JP 21245793A JP 21245793 A JP21245793 A JP 21245793A JP H0766135 A JPH0766135 A JP H0766135A
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JP
Japan
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thin film
chamber
radical
film forming
radical generation
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Application number
JP21245793A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Ashida
芳徳 芦田
Shin Fukuda
福田  伸
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 薄膜形成室と品質向上を行うラジカル発生
室からなり、薄膜形成に際し、該ラジカル発生室からの
ラジカルを供給する薄膜製造装置。 【効果】 本発明により、従来技術では不可能であっ
た薄膜の品質向上を、成膜と同時に行うことが可能とな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜、特に半導体薄膜
を製造するに、製造された薄膜の高品質化を可能ならし
める薄膜製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無機薄膜、半導体薄膜等の薄膜は、バル
ク材料とは異なる薄膜特有の特性が期待されることや厚
みの制御性から、真空を用いた薄膜形成法が多く利用さ
れている。物理的蒸着法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング蒸着法、イオン化蒸着法等があり、化学的蒸着
法としては、気相分解蒸着法等がある。それぞれの蒸着
法においては、蒸着原料が大きなエネルギー分布を有す
るために、薄膜の目的に合わせて、蒸着法が選択されて
いる。蒸着原料の低エネルギー利用では、真空蒸着法が
使われ、大きなエネルギー蒸着粒子により薄膜形成を行
う場合には、イオン化粒子を用い、薄膜が形成されてい
る。イオン化粒子を用いる蒸着方法は、蒸着原料を蒸発
させながら、希ガスを導入してプラズマを発生させるこ
とにより、蒸着粒子をイオン化させ、薄膜形成する基材
に電圧を印加して薄膜形成を行う。これらの蒸着方法
は、基材との密着性を改善したり、薄膜の結晶性を変更
するに用いられているが、薄膜自体の品質を改善するに
は、十分な方法が見出されていない。形成する薄膜の化
学組成を制御する方法として、蒸着中に蒸着原料と反応
す反応性気体を同時に導入し、蒸着気相において化学反
応を生じさせ、薄膜組成を制御する反応性蒸着法および
分解性反応気体を用いた化学気相法がある。例えば、窒
化珪素薄膜を形成するに、珪素を蒸着原料とし、蒸発さ
せる際にアンモニアや窒素ガスを導入し、窒化珪素を気
相生成させ薄膜を形成する。しかしながら、このような
薄膜形成方法では、微量の組成制御や薄膜形成方向の傾
斜組成制御が極めて困難であり、また、得られた薄膜の
品質を向上させる薄膜形成の制御は不可能である。この
ような薄膜の品質を向上させること、即ち、特に欠陥の
ような、薄膜形成中に薄膜内に取り込まれる品質低下の
原因を低減することは、薄膜の用途や用いた製品の性
能、工業的利用を考えた場合、極めて重要なことであ
り、薄膜品質向上の薄膜製造技術は重大な工業的技術で
ある。
【0003】更に、半導体薄膜で、電子デバイス分野に
おいて、多岐に利用されているシリコン系薄膜につい
て、特に、非晶質シリコン薄膜について言及する。非晶
質シリコン薄膜を用いた光電変換素子であるアモルファ
スシリコン太陽電池は、電卓や時計を駆動するための出
力の小さいエネルギー供給源として既に実用化されてい
る。しかしながら、太陽光発電用途のように、 0.1W以
上のごとき出力の大きいエネルギー供給源としては、性
能および安定性に関しては十分とはいえず、性能向上を
めざして各種の検討が実施されている。しかして、太陽
電池の光電変換効率は開放端電圧、短絡光電流ならびに
曲線因子の積で表される。各種の検討の結果、短絡光電
流ならびに曲線因子については、現在の達成値は、固定
した材料物性から、理論的に予想された値に近づいてき
たが、更なる太陽電池特性の向上、即ち光電変換効率の
向上や非晶質シリコンにおいて課題視されている光劣化
問題は、太陽電池実用化のために、解決していかなけれ
ばならない課題である。かかる光電変換効率の向上のた
めには、非晶質シリコンの欠陥量を減少させることが、
第一の課題である。この低欠陥化は、成膜方法の変更や
成膜条件の精密制御等を行い、1015台cm-3まで低減され
たが、更に低欠陥化することで、曲線因子および開放端
電圧の増加が期待される。また、p型半導体層やn型半
導体層においては、欠陥密度は通常、1017cm-3台であ
り、真性半導体層の欠陥密度レベルまで下げた場合に
は、さらに開放端電圧向上が期待されるのである。
【0004】また、光電変換効率向上のための第二の課
題は、真性半導体層の光学的禁制帯幅を小さくし、太陽
光の吸収量を増加させることであり、赤色光から長波長
側の光の有効利用を図るものである。このために、プラ
ズマCVD法を中心として、高い基板温度による低水素
化や熱CVD法による低水素化非晶質シリコン薄膜の形
成の試みが行われている。しかしながら、このような従
来の成膜装置を用いて、作製された非晶質シリコン膜
は、欠陥密度が高く、アモルファス太陽電池に適用した
場合、期待される光電変換効率を得ることはできず、低
品質の薄膜であるのが現状でる。いずれにしても、現行
の薄膜形成装置を利用した場合には、著しい薄膜の品質
向上を図ることは、極めて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来用いて
きた薄膜形成技術により作製した薄膜の品質に比して、
薄膜の品質を著しく向上させる、とりわけ薄膜の欠陥量
を著しく低下させ、品質を向上させることを目的とし、
その薄膜の品質向上を可能ならしめる薄膜形成方法を、
実施できる、実用的な薄膜製造装置の確立を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、薄膜を製造するに
際し、薄膜形成原料の供給により薄膜形成を行う薄膜形
成室と、当該薄膜形成室に隣接し、薄膜形成とは独立
に、薄膜にラジカルを供給するラジカル発生室を備える
ことにり、従来にない、高品質な薄膜を形成できること
を見出し、本目的を可能ならしめる薄膜製造装置の発明
を完成した。すなわち、本発明は、薄膜を製造するに際
し、少なくとも薄膜形成原料の供給により薄膜形成を行
う薄膜形成室と、当該薄膜形成室に隣接し、薄膜形成と
は独立に、薄膜にラジカルを供給するラジカル発生室を
備えてなる薄膜製造装置、を要旨とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、添
付図面について説明するに、図1および図2は本発明の
薄膜形成装置を示す図であり、その詳細は後記実施例を
参照されたい。本発明における薄膜形成室は、目的の薄
膜を工業的に有効かつ的確に成膜できることを機能とし
て有すればよく、薄膜形成原料の供給手段、即ち成膜手
段自体は、特に限定されるものではない。具体的には、
真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなど
の物理的成膜方法や光CVD、プラズマCVD、熱CV
Dなどの化学気相成膜(CVD)法により実施される。
一方、本発明におけるラジカル発生室とは、隣接する薄
膜形成室とは独立に、相互干渉せずに、成膜条件を選択
することができ、薄膜の品質を効果的に向上させること
ができるラジカルを、生成・供給できる室であればよ
く、ラジカルを生成する手段は、特に選ばれるものでは
ない。具体的には、高周波放電法、ECR放電法、直流
放電法、ホローカソード法、光分解法、触媒活性法、熱
分解法等がある。
【0008】以下に、より具体的に説明する。前述した
ように、薄膜形成室における成膜手段は、真空蒸着、ス
パッタリング、イオンプレーティングなどの物理的成膜
方法や光CVD、プラズマCVD、熱CVDなどの化学
気相成膜(CVD)方法により実施される。具体的に真
空蒸着法について説明する。成膜のための出発原料とし
て、シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、シリコン
−ゲルマニウム合金または複合粉末、シリコン−錫合金
または複合粉末などの元素や化合物、合金を効果的に用
いることができる。この他にも炭素、ゲルマニウム、錫
等の元素、化合物、合金を用いることもできる。又、ガ
リウム、砒素、アルミニウム、銅、亜鉛、カドミウム、
セレン、硫黄、テルル、インジウム、リン、アンチモ
ン、窒素、銀等の元素、GaP,GaAs,GaAlA
s,ZnS,ZnSe,ZnTe,CdS,CdSe,
等であり、またこれらの化合物の構成元素の混合化合物
であるZnCdS2,ZnCdTe2 ,ZnCdS
2 ,MgCdTe2 等の化合物半導体材料も有効に用
いられる。金属元素として、銀、アルミニウム、銅、マ
グネシウム、鉄等、また、酸化錫、酸化インジウム、錫
−酸化インジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化
ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物、窒化チタ
ン、窒化珪素等の窒化物等も用いられる。更に、フタロ
シアン系誘導体、オキサジアゾール系誘導体、トリフェ
ニルジアミン系誘導体、ピラゾリン系誘導体、ポリアク
リレート系側鎖型高分子、ポリカルベン等有機物等も用
いる。
【0009】原料の蒸発方法は、ルツボに原料を仕込
み、タングステン性フィラメントから放出させた電子を
原料に照射し、原料を加熱・溶融させる電子ビーム加熱
法を用いるのが、原料の種類を選ぶことなく、最も適し
た方法であるが、ルツボ自体を電子照射による加熱方法
やハロゲンランプ等によるランプ加熱方式、また、フィ
ラメント通電による加熱蒸発方式を使用しても構わな
い。
【0010】さらに、プラズマを用いたCVD成膜方式
について、具体的に説明する。プラズマ励起によるCV
D成膜方式は、気相中にプラズマ状態を発生させ、原料
を分解し、薄膜を成膜方式であり、プラズマを発生させ
る方法はとくに、限定されない。具体的には、13MHz 程
度の周波数を用いた高周波プラズマ、100MHz程度のVH
Fプラズマ、2 GHz 程度のマイクロ波プラズマや磁場を
利用したECRプラズマを用いることができる。
【0011】成膜のための原料ガスとして、一般式Sin
H2n+2 ( nは自然数)で表されるモノラン、ジシラン、
トリシラン、テトラシランなどシラン化合物やフッ化シ
ラン、塩化シラン、有機シラン、炭化水素、ゲルマン化
合物などが用いられる。また、水素、重水素、フッ素、
塩素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプ
トン、窒素などのガスを原料ガスとともに導入しても良
い。これらのガスを用いる場合には、原料ガスに対し
て、0.01〜100 %(容積比率)の範囲で用いると効果的
であり、成膜速度や膜特性を考慮して適宜選択されるも
のである。より具体的には、分子内にシリコンを有する
化合物については、モノシラン、ジシラン、トリシラン
等の水素化シリコン、モノメチルシラン、ジメチルシラ
ン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシ
ラン、ジエチルシラン等のアルキル基置換の水素化シリ
コン、ビニルシラン、ジビニルシラン、トリビニルシラ
ン、ビニルジシラン、ジビニルジシラン、プロペニルシ
ラン、エテニルシラン等のラジカル重合可能の不飽和炭
化水素基を分子内に有する水素化シリコン、これら水素
化シリコンの水素が一部またはすべてフッ素で置換され
たフッ化シリコンを有効に用いることができる。
【0012】炭化水素ガスの具体的示例として、メタ
ン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチ
レン等の炭化水素ガスが有用である。これら炭化水素ガ
スは、炭素含有微結晶シリコン薄膜、微結晶シリコンカ
ーバイド薄膜等の形成において、光学的バンドギャップ
を変更するときに用いると便利である。また、この目的
においては、アルキル基置換の水素化シリコン、ラジカ
ル重合可能の不飽和炭化水素基を分子内に有する水素化
シリコン、これら水素化シリコンの水素が一部またはす
べてフッ素で置換されたフッ化シリコン等の材料も有用
である。金属および化合物半導体については、有機金属
であるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメ
チルインジウム、トリエチルインジウム、ジメチル亜
鉛、ジメチル亜鉛、ジメチルマグネシウム等が用いるこ
とができる。また、上記した、これらの元素の水素化物
や塩化物、臭素化物も用いることができる。
【0013】本発明を実施する際の成膜温度について
は、基板温度を制御することで管理され、成膜の温度が
決められる。成膜温度範囲は、本発明を実施する上にお
いて、何ら限定されるものではないが、薄膜の諸特性や
薄膜を被着させる基体の耐温度特性に依存し、適正な成
膜温度が選ばれる。具体的には、− 80 ℃程度から1000
℃の温度範囲で選択されるが、薄膜の工業的利用を考え
た場合、成膜温度は100〜800 ℃でも十分である。ま
た、成膜の圧力については、本発明を実施するに、なん
ら制限を受けることはないが、成膜方式に従い、適正な
圧力範囲が決定される。具体的には、10-7torr〜大気圧
以上の圧力範囲であり、真空蒸着方式およびイオンプレ
ーティング方式では10-7torr〜10-2torr、スパッタリン
グ、光CVD、プラズマCVD、熱CVDなどの化学気
相成膜(CVD)方式では、10-5torr〜大気圧が、工業
的利用や薄膜の有効的成膜の点において、採用される圧
力範囲である。しかしながら、これらの圧力範囲は、先
述した通り、本発明を実施するに、何ら限定されるもの
ではない。
【0014】次に、光CVD、プラズマCVD、熱CV
Dなどの化学気相成膜(CVD)方法による成膜方式を
用いた成膜における、原料ガスの分解条件について、具
体的に記述する。より具体的に、プラズマCVD成膜方
式について記載する。圧力範囲は、先述した通り、10-5
torr〜大気圧の範囲が用いられるが、より好ましくは、
10-3torr〜100 torrが用いられる。プラズマを発生させ
るプラズマ発生電源には、直流および交流が用いられ、
交流を用いたプラズマ発生の放電における周波数は商業
的周波数の50Hz、高周波である10kHz 〜1000MHz 、マイ
クロ波である1GHz以上のものが用いられる。これらの放
電電力は、電力密度にして、1mW/cm2〜100W/cm2程度の
範囲であり、成膜速度、放電方法に応じ適宜選択される
ものである。熱分解を利用した熱CVD方式において
は、成膜時の圧力は、好ましくは、10 -3torr〜760 torr
が用いられ、また、原料ガスの熱分解温度に関係して、
適正な熱分解温度が選択されるが、その温度範囲につい
ては、本発明を効果的に実施する上には、何ら支障はな
く、限定されるものではない。工業的見地により、好ま
しい温度は、100 〜800 ℃である。
【0015】以下、本発明におけるラジカル発生室につ
いて、以下具体的に、記述する。本発明でいうラジカル
発生室とは、隣接する薄膜形成室とは独立に、相互干渉
せずに、成膜条件を選択することができ、薄膜の品質を
効果的に向上させるこができるラジカルを生成・供給で
きる室であり、ラジカルを生成する手段は、特に選ばれ
るものではない。具体的には、高周波放電法、ECR放
電法、直流放電法、ホローカソード法、光分解法、触媒
活性法、熱分解法等がある。
【0016】当該ラジカル発生室は、ラジカル発生装
置、ラジカル発生用原料供給装置、真空排気装置、ラジ
カル供給調整装置等から成り、隣接する薄膜形成装置と
は相互干渉を生じない機能が付与され、隣接する薄膜形
成装置とは独立に制御されるようになっている。なお、
ここで隣接する、とは、取扱の便宜上薄膜形成装置に適
度な距離に設けられていることを意味し、薄膜形成装置
から無闇に遠いものでないことを意味する。例えば、薄
膜形成装置の部屋とはわざわざ別の部屋、別の階や別の
建物に設けるものではないと云う適度の意味である。も
ちろん、それなりの必然性があれば、場合によっては別
の部屋等に設けることは自由である。
【0017】ここでいうラジカル供給用原料とは、H
e,Ar等の希ガス、水素、F2 ,Cl2 等のハロゲン
およびこれらハロゲン元素を含んだ化合物、メタン、エ
タン、エチレン、アセチレン等の炭化水素化合物、モノ
シラン、ジシラン等の水素化シリコン化合物、、モノメ
チルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テト
ラメチルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン等のア
ルキル基置換の水素化シリコン、ビニルシラン、ジビニ
ルシラン、トリビニルシラン、ビニルジシラン、ジビニ
ルジシラン、プロペニルシラン、エテニルシラン等のラ
ジカル重合可能の不飽和炭化水素基を分子内に有する水
素化シリコン、これら水素化シリコンの水素が一部また
はすべてフッ素で置換されたフッ化シリコン等である。
これらのラジカル供給用原料は単独で使用してもよいし
相互に希釈混合しても構わない。また、濃度範囲につい
ては、特に限定するものではない。これらのラジカル発
生用原料の流量は、1〜 1000cc/分の範囲で十分であ
る。ラジカル発生室のラジカル発生圧力については、ラ
ジカル供給調整装置との関係により、圧力範囲をとり、
適正化されるが、具体的には、10-6torr〜大気圧の範囲
で十分、本発明を実行できる。
【0018】以下、さらにラジカル発生装置について、
具体的に説明する。ここでいうラジカル発生装置とは、
ラジカル発生用原料を分解する装置であり、その分解機
構により、光分解装置、熱分解装置、プラズマ分解装置
等が挙げられる。以下より具体的に、プラズマ分解装置
の場合について説明する。プラズマ励起によるラジカル
発生は、気相中にプラズマ状態を発生させ、原料を分解
する方式であり、プラズマを発生させる方法はとくに、
限定はされない。具体的には、直流および交流が用いら
れ、交流を用いたプラズマ発生の放電における周波数は
商業的周波数の50Hz、高周波である10kHz 〜1000MHz 、
マイクロ波である1GHz以上のものや磁場を利用したEC
Rが用いられる。また直流電圧印加による直流放電プラ
ズマ、ホローカソード電極を利用したホローカソードプ
ラズマ等を用いることができる。
【0019】当該プラズマを発生させ、ラジカル発生を
生じさせる電力は、1mW/cm2〜 1000W/cm2の範囲で十分
である。これらの成膜条件は成膜速度、放電方法に応じ
適宜変更されるものである。雰囲気温度は 20 〜 600℃
であり、より好ましくは、 20 〜 300℃である。圧力範
囲は、先述した通り、10-6torr〜大気圧の範囲が用いら
れるが、より好ましくは、10-3torr〜100 torrが用いら
れる。本発明でいうラジカル供給調整装置とは、ラジカ
ル発生室から当該発生室に隣接する薄膜形成室に、供給
輸送するラジカルの量、流束を制御調整する装置であ
り、ラジカル発生用原料流量制御装置、ラジカル発生室
圧力調整装置および薄膜形成室/ラジカル発生室隔弁か
らなる。
【0020】本発明の薄膜が形成される基体( 基板 )
は、本発明のプロセス温度に耐えること以外には限定さ
れる条件はない。青板ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英
ガラス等の透光性の材料や金属、セラミックス、耐熱性
高分子材料等を基体として使用できる。さらに、上記ガ
ラス等の基体に金属を形成したものも基体材料として用
いることができる。また、太陽電池用基板として、透明
電極を上記ガラス基板や金属基板に形成した基板も用い
ることができ、透明電極としては、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化亜鉛等の金属酸化物や透光性の金属等を有
効に用いることができる。以下、実施例により本発明の
具体的な態様を説明する。
【0021】
【実施例】実施例1 本発明を実施するための装置を図1に示す。装置は、薄
膜形成用原料(本実施例では、Au,Ag,Al)を蒸
発させるための電子ビーム加熱型の薄膜形成室(10)
及び高周波(周波数13.56MHz)によるプラズマ
を用いたラジカルを発生させる薄膜形成とは独立のラジ
カル発生室(30)から構成されている。薄膜形成室に
は、電子ビーム発生装置(11)、薄膜形成時の雰囲気
ガスを供給するガス流量調節器(12)、圧力計(1
3)、圧力調整器(14)、真空排気装置(15)(こ
れは、ターボ分子ポンプとドライポンプからなる)、薄
膜形成用原料を装填するるつぼ(16)、薄膜を形成す
る基板である基体(17)、当該基体を加熱するヒータ
ー(18)及び薄膜膜厚制御器(19)等が備えられて
いる。また、ラジカル発生室には、ラジカル発生装置で
ある高周波電源(31)および高周波電極(32)、ラ
ジカル発生用原料供給装置(33)、真空排気装置(3
4)、ラジカル発生室圧力計(35)、ラジカル供給調
整装置であるラジカル発生室圧力調整器(36)および
薄膜形成室/ラジカル発生室隔弁(37)等から成り、
隣接する薄膜形成装置とは相互干渉を生じない機能が付
与され、隣接する薄膜形成装置とは独立に制御されるよ
うになっている。薄膜形成用原料として、高純度Au
(または、Ag,Al)をるつぼに装填し、電子ビーム
を入射し、蒸発させた。基板を加熱した成膜温度は、 2
00℃に設定した。薄膜を形成している際の圧力は、3x10
-6torrである。薄膜形成速度は、10nm/ 秒であった。こ
の速度を一定にするために、薄膜膜厚制御器を用い、電
子ビーム電力を調整した。
【0022】ラジカル発生室には、アルゴンガス 10scc
m 、圧力1x10-3torr導入し、高周波電力20W/cm2 を用
い、ラジカルを発生させ、薄膜形成室/ラジカル発生室
隔弁(37)を調整し、薄膜形成室にラジカルを導入し
た。薄膜膜厚制御器を用いて、所定の300nm の膜厚であ
るAu(又はAg,Al)薄膜を形成した。なお、ここ
では、石英ガラス基板を基体として用いた。このように
して作製した、これらの薄膜の特性を調べるために、膜
厚は触針式膜厚計(Dektak,IIA)、比抵抗率は
4探針法、表面形状は、STMまたはAFMを用いて測
定した。その結果を表1に示す。表に示されている結果
のように、本薄膜形成装置を用いて、作製したAu,A
g,Al薄膜の比抵抗は、比較例( ラジカル発生装置を
使用しない場合 )において述べる作製方法により作製し
た各薄膜の比抵抗に比べ低く、また、表面凹凸も小さ
く、高品質の薄膜が形成されていることがわかる。
【0023】実施例2 実施例1において、説明した装置を用い、薄膜形成用原
料をZnOまたはSnO2 にし、るつぼに装填し、電子
ビームを入射し、蒸発させた。基板を加熱した成膜温度
は、 350℃に設定した。薄膜を形成している際の圧力
は、6x10-6torrであり、薄膜形成時の雰囲気ガスを供給
するガス流量調節器(12)を用い、酸素ガスを5cc/
分流した。ラジカル発生室には、酸素ガス 10cc/分、フ
ッ素ガス(He希釈20%) 5cc/分、圧力1x10 -2torr
導入し、高周波電力 1W/cm2を用い、ラジカルを発生さ
せ、薄膜形成室/ラジカル発生室隔弁(37)を調整
し、薄膜形成室にラジカルを導入した。石英ガラス基板
を基体として用い、薄膜膜厚制御器を用いて、所定の50
0nm の膜厚であるZnO(又はSnO2 )薄膜を形成し
た。作製した薄膜は、実施例1と同様の測定評価を行
い、表2にまとめた。透過率は、日立自記分光光度計U
−3400を用い、400nm 光に対する透過率で評価し
た。比較例( ラジカル発生装置を使用しない場合 )の結
果、と比較して、本形成装置を用いて作製した薄膜は、
透過率が高く、かつ比抵抗の低い、良好な透明導電膜が
得られることがわかる。
【0024】実施例3 本発明を実施するための別の装置を図2に示す。装置
は、薄膜形成用にプラズマCVD方式を用いた薄膜形成
室(50)及び高周波(周波数13.56MHz)によ
るプラズマを用いたラジカルを発生させる薄膜形成室と
は別のラジカル発生室(70)から構成されている。薄
膜形成室には、周波数13.56MHzを用い、プラズ
マ発生用の高周波電源(51)、高周波電極(56)、
薄膜形成用原料ガスを供給するガス流量調節器(5
2)、圧力計(53)、圧力調整器(54)、真空排気
装置(55)(これは、ターボ分子ポンプとドライポン
プからなる)、薄膜を形成する基体(57)、当該基体
を加熱するヒーター(58)及び薄膜膜厚制御器(5
9)等が備えられている。また、とれとは独立のラジカ
ル発生室には、ラジカル発生装置である高周波電源(7
1)および高周波電極(72)、ラジカル発生用原料供
給装置(73)、真空排気装置(74)、ラジカル発生
室圧力計(75)、ラジカル供給調整装置であるラジカ
ル発生室圧力調整器(76)および薄膜形成室/ラジカ
ル発生室隔弁(77)等から成り、隣接する薄膜形成装
置とは相互干渉を生じない機能が付与され、隣接する薄
膜形成装置とは独立に制御されるようになっている。薄
膜として、水素化非晶質シリコン薄膜の例について述べ
る。
【0025】薄膜形成室には、モノシラン 5cc/ 分、圧
力50〜150mtorr、プラズマ発生電力15mW/cm2成膜温度50
〜350 ℃、成膜速度0.4nm/秒〜2nm/秒の条件にて形成し
た。ラジカル発生室には、水素ガス 10cc/分、圧力200m
torr導入し、高周波電力50mW/cm2を用い、ラジカルを発
生させ、薄膜形成室/ラジカル発生室隔弁(77)を調
整し、薄膜形成室にラジカルを導入した。石英ガラス基
板を基体として用い、薄膜膜厚制御器を用いて、所定の
500nm の膜厚である水素化非晶質シリコン(a-Si:H)薄
膜を形成した。作製した薄膜は、日立自記分光光度計U
−3400を用いて、波長に対する膜の吸収係数を求
め、吸収係数と波長の関係から、光学的に決定した禁制
帯幅、薄膜上に平行にAlを蒸着して電極とし、暗導電
率及び光照射(擬似太陽光照射)下の光導電率、電子ス
ピン共鳴法から測定評価した欠陥密度(スピン密度)に
ついて、測定評価した。これらの結果を表3に、比較例
( ラジカル発生装置を使用しない場合 )と共に示した。
表から明らかなように、本実施例における薄膜形成装置
を用いて、作製した薄膜の品質が極めて、高いことが分
かり、本発明による薄膜形成装置が有効であることが示
された。
【0026】実施例4 実施例3において、説明した装置を用い、水素化非晶質
炭化シリコン薄膜の作製を行った。薄膜形成室には、ジ
シラン 5cc/ 分、アセチレン1 〜10cc/ 分、圧力100 〜
150mtorr、プラズマ発生電力25mW/cm2成膜温度50〜200
℃、成膜速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒の条件にて形成した。
ラジカル発生室には、水素ガス 10cc/分、圧力200mtorr
導入し、高周波電力50mW/cm2を用い、ラジカルを発生さ
せ、薄膜形成室/ラジカル発生室隔弁(77)を調整
し、薄膜形成室にラジカルを導入した。石英ガラス基板
を基体として用い、薄膜膜厚制御器を用いて、所定の50
0nm の膜厚である水素化非晶質シリコン(a-SiC:H )薄
膜を形成した。作製した薄膜は、実施例3と同様の測定
評価を行った。これらの結果を表4に、比較例( ラジカ
ル発生装置を使用しない場合 )と共に示した。表から明
らかなように、本実施例における薄膜形成装置を用い
て、作製した薄膜の品質が極めて、高いことが分かり、
本発明による薄膜形成装置が有効であることが示され
た。
【0027】比較例1〜4 実施例1〜4において、ラジカル発生装置を停止した以
外の機能は、実施例と同様にし、ラジカル発生させず
に、ラジカル発生用原料等は、薄膜形成室に供給し、薄
膜を形成した。結果を表の「ラジカル発生装置使用無
し」、の項に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】以上の実施例( ラジカル発生装置有り )
ならびに比較例( ラジカル発生装置使用無し )から明ら
かなように、本薄膜形成装置を用いて作製した薄膜は、
欠陥等が少なく、高品質な薄膜であることが確認でき
た。このことは、従来、困難であった薄膜の高品質化を
可能にし、IC、LSIの半導体薄膜や非晶質太陽電池
等に用いる半導体薄膜への適用を可能にするものであ
り、これらデバイスの品質の改善ならびに信頼性の向上
につながるものである。したがって、本発明はLSIの
エレクトロニクスから、電力用太陽電池やTFTとうの
ジャイアント・エレクトロニクスの分野に要求される高
品質ならびに高信頼性を可能にする技術を提供できるも
のであり、きわめて有用な発明であると云わざるを得な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成装置を示す図。
【図2】本発明の薄膜形成装置を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜を製造するに際し、少なくとも薄膜
    形成原料の供給により薄膜形成を行う薄膜形成室と、当
    該薄膜形成室に隣接し、薄膜形成とは独立に、薄膜にラ
    ジカルを供給するラジカル発生室を備えてなる薄膜製造
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012146994A (ja) * 2009-02-17 2012-08-02 Korea Inst Of Industrial Technology 誘導結合プラズマ化学気相蒸着法を利用した太陽電池の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012146994A (ja) * 2009-02-17 2012-08-02 Korea Inst Of Industrial Technology 誘導結合プラズマ化学気相蒸着法を利用した太陽電池の製造方法
JP2014195101A (ja) * 2009-02-17 2014-10-09 Korea Inst Of Industrial Technology 誘導結合プラズマ化学気相蒸着法を利用した太陽電池の製造方法

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