JPH0765617B2 - エキセントリック軸受およびその製造方法 - Google Patents

エキセントリック軸受およびその製造方法

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JPH0765617B2
JPH0765617B2 JP5142390A JP5142390A JPH0765617B2 JP H0765617 B2 JPH0765617 B2 JP H0765617B2 JP 5142390 A JP5142390 A JP 5142390A JP 5142390 A JP5142390 A JP 5142390A JP H0765617 B2 JPH0765617 B2 JP H0765617B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、自動車などの各種内燃機関において、軸を受
けてこれを支持するのに利用されるエキセントリック軸
受およびその製造方法に関するものである。 (従来の技術) 自動車などの各種内燃機関において、軸を受けてこれを
支持するのに利用される軸受としては、玉軸受やすべり
軸受などがあり、本発明はとくに後者のすべり軸受(メ
タル軸受)に関するものである。 第4図は、この種のすべり軸受の構造を例示するもので
あって、半割メタル軸受の構造を例示している。 この半割メタル軸受21は、半円筒形状をなす裏金材22の
内周面側に軸受層23を有し、幅方向の中間部分には円弧
方向の油溝24を有していると共に、油溝24の部分に油孔
25を有し、さらに端部に爪26を設けた概略構造をなすも
のである。 第5図は第4図のA−A′部分を拡大して説明用に示す
ものであって、半割メタル軸受21の基体となる裏金材22
の内周面に軸受層23を有し、裏金材22の外周面は曲率中
心Oを中心とする半径D1の円弧形状をなすと共に裏金材
22の内周面は同じく曲率中心Oを中心とする半径D4の円
弧形状をなしていて、中央の肉厚t3と端部の肉厚t3とが
等しいものとなっており、軸受層23の内周面は、この軸
受層23の内周面の偏心加工によって、前記曲率中心Oか
ら偏心した曲率中心O′を中心とする半径D2の円弧形状
をなしており、この軸受層23の内周面は、その中央部分
が軸受面27となっていると共にその両側にオイルリリー
フ28を有し、さらに両端側にクラッシュリリーフ29を有
するものとなっていて、いわゆるエキセントリック軸受
と称されるものとなっている。 このような半円筒形状の裏金材22の内周面側に軸受層23
を有する半割軸受21を製造するにあたっては、第6図
(d)および第7図(a)に示すように、鋼板よりなる
裏金材22の片面側にアルミニウム系合金,銅系合金,鉛
系合金,錫系合金等からなる軸受層23を冶金的手法によ
って積層した複層材30が用いられる。 このような複層材30は、軸受21がアルミニウム系のもの
である場合には、第6図(a)に示すように、裏金材22
となるコイル状の帯鋼板32と軸受層23となるコイル状の
アルミニウム軸受板33とをそれぞれ引き出して圧接ロー
ル34,35に通過させることにより圧接し、焼鈍炉36を通
過させて焼鈍することにより第6図(d)に示す複層材
30として製造される。 また、軸受21が銅系のものである場合には、第6図
(b)に示すように、裏金材22となるコイル状の帯鋼42
の上面に、ホッパ44内に収容した軸受層23となる銅合金
粉末43を散布し、この状態で焼結炉45内に通過させて焼
結したのち圧延ロール46,47で圧延することにより第6
図(d)に示す複層材30として製造される。 さらに、軸受21がホワイトメタル軸受よりなるものであ
る場合には、第6図(c)に示すように、裏金材22とな
るコイル状の帯鋼板52を前処理設備54に通過させて前処
理を行ったのち、この帯鋼板52の上面に、溶湯容器55内
に収容した軸受層23となるホワイトメタル合金溶湯53を
注湯し、カッター56によって仕上げることにより第6図
(d)に示す複層材30として製造される。 この場合、これらの軸受層23の複層化工程での厚さは、
製品時の軸受層23の厚さである0.25〜0.30mmに比べて倍
近くに設定しているのが普通である。 上記のようにして製造されたアルミニウム系,銅系,ホ
ワイトメタル系等の複層材30を用いて第4図および第5
図に示した如き半割メタル軸受21を製造するに際して
は、例えば、第7図に示すように、第6図に示す工程に
より製造した複層材30を第7図(a)に示すように裏金
材22の展開形状に対応させて短冊形状に切断して軸受素
材61としたのち、第7図(b)に示すように、前記軸受
素材61の前記軸受層23側を内側にして半円筒形状の成形
体62に成形し、次いで、第7図(c)に示すように、前
記成形体62の幅方向の中間部分に油溝24を形成すると共
に油溝24の部分に油孔25を形成し、端部に爪26を形成す
る部位加工等を行い、さらに、第7図(d)に示すよう
に、曲率中心Oから偏心した曲率中心O′を中心とする
半径D2の曲面となるように内周面の仕上げ加工を行うこ
とによって、第4図および第5図に示したように軸受層
23の中央部分に軸受面27を有すると共に両側部分にオイ
ルリリーフ28を有し、さらに両端部分にクラッシュリリ
ーフ29を有する半割メタル軸受21が得られるようにして
いた。 そして、例えば、銅系の軸受層23をそなえた半割メタル
軸受21においては、さらに表面層として電気めっきによ
るオーバーレイを施したものとすることもあった。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の半割メタル軸受21にお
いて、裏金材22の素材としては、例えば、JIS G 314
1に制定されたみがき帯鋼を使用しており、適用するハ
ウジング径等によってその板厚精度は自動車用の場合に
おいてその多くが±0.08〜0.12mmとなっている。 そのため、耐荷重性および耐疲労性等の向上に適する軸
受層23を0.2mm以下に薄層化した半割メタル軸受21とす
ることが困難であるという難題を有していた。 すなわち、従来の場合には、この種の半割メタル軸受21
を製造しそして使用するに際しては、前記裏金材22の板
厚精度を優先して半割メタル軸受21の全肉厚寸法が決め
られているので、前記裏金材22に積層される軸受層23の
厚さの下限は、裏金材22の板厚の最大ばらつきである0.
1mm程度とするのが単純にみた場合の限界であった。 そのため、軸受層23の厚さは裏金材22の板厚寸法のばら
つきの吸収と、軸受端部に設けるリリーフ部(28,29)
の形状等を考慮し、そしてまたクラッシュリリーフ29を
形成する場合に裏金材22が露出することがないように考
慮して0.25〜0.30mm程度の厚さに設定しているのが実情
であった。 (発明の目的) 本発明は、上述した従来の課題にかんがみてなされたも
ので、この種のメタル軸受に要求される最近の自動車の
高出力化によるメタル軸受の高速・高荷重下での長寿命
化を達成することを目的としてなされたものであって、
軸受層の厚さのばらつきがメタル軸受の耐荷重および耐
疲労寿命に大きく影響することに着目し、メタル軸受の
耐荷重,耐疲労寿命に大きく影響を与える軸受層の厚さ
を考慮して、裏金材の加工仕上げを先に行い、次いでこ
の成形仕上げを行った裏金材に対してめっきを施すこと
により厚さ0.2mm以下のめっき層よりなる軸受層とする
ことによって、上述した従来の課題を解決することがで
きるエキセントリック軸受を提供することを目的として
いる。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) 本発明に係わるエキセントリック軸受は、円弧形状をな
す裏金材と前記裏金材の内周面に積層した軸受層との積
層構造をなし、前記裏金材の内周面は外周面の曲率中心
から偏心した曲率中心の円弧形状をなすと共に、前記裏
金材の内周面に積層された軸受層が厚さ0.2mm以下のめ
っき層よりなっている構成としたことを特徴としてお
り、また、本発明に係わる上記構成になるエキセントリ
ック軸受の製造方法は、裏金材の展開形状に対応させて
短冊状等に切断して裏金用素材としたのち、前記裏金用
素材を円弧形状に成形し、次いで前記円弧形状の成形体
に対して油溝や油孔などの軸受部位加工を行うととも
に、前記成形体の外周面の曲率中心から偏心した曲率中
心の内周面を有する円弧形状に成形して所定肉厚のエキ
セントリック軸受用裏金材とし、前記裏金材の内周面に
軸受層をめっきにより0.2mm以下の厚さで均一に形成し
てエキセントリック軸受とする構成としたことを特徴と
しており、上記のようなエキセントリック軸受およびそ
の製造方法の構成を前述した従来の課題を解決するため
の手段としている。 (発明の作用) 本発明に係わるエキセントリック軸受およびその製造方
法では、上述した構成を有しているのものであるから、
裏金材の寸法精度が確実に高いものになっているため、
前記裏金材の寸法精度のばらつきによる軸受層への影響
がなくなり、軸受層の厚さをめっきによって0.2mm以下
の安定したものにすることができるようになるため、軸
受の耐荷重性および耐疲労寿命が著しく安定した優れた
ものとなるという作用がもたらされる。 (実施例) 第1図は本発明の実施例によるエキセントリック軸受を
示す斜面説明図であって、このエキセントリック軸受1
は、円弧形状をなす裏金材2と前記裏金材2の内周面に
積層した軸受層3との積層構造をなし、前記裏金材2の
内周面は外周面の曲率中心から偏心した曲率中心の円弧
形状をなすと共に、前記裏金材2の内周面に積層された
軸受層3が厚さ0.2mm以下のめっき層によりなっている
構成としたものである。 この第1図に示したエキセントリック軸受1は、第2図
に示したところからも明らかなように、円弧形状をなす
裏金材2の外周面は曲率中心Oを中心とする半径D1の円
弧形状をなすと共に、前記裏金材2の内周面は前記曲率
中心Oから偏心した曲率中心O′を中心とする半径D3
円弧形状をなすものとなっており、裏金材2の中央部に
おける肉厚t1と端部側における肉厚t2とは異なったもの
となっていて、端部側における肉厚t2の方が中央部にお
ける肉厚t1よりも小さい形状をなしている。そして、こ
の裏金材2の内周面には軸受層3が均一厚さのめっき層
により形成されていて、軸受層3の内周面は前記曲率中
心Oから偏心した曲率中心O′を中心とする半径D2の円
弧形状をなすものとなっており、軸受層3の中央部分が
軸受面7となっているとともに軸受面7の両側にオイル
リリーフ8を有し、さらに両端側にクラッシュリリーフ
9を有していて、これらによって潤滑油の円滑な流れと
ハウジングキャップのずれの吸収とが良好になされるよ
うになっている。 この場合、クラッシュリリーフ9は曲率中心O′を中心
とする半径D2の円弧面よりもさらに偏心させたものとな
っていて、その深さは0.01〜0.05mm程度となっている。 このようなエキセントリック軸受1を製造するに際して
は、第3図(a)に示すように、例えばJIS G 3141
に制定されたみがき帯鋼よりなる帯状をなす板材11を裏
金材2の展開形状に対応させて短冊状に切断して裏金用
素材12としたのち、第3図(b)に示すように、前記裏
金用素材12を円弧形状に成形して、円弧形状の成形体13
とし、次いで第3図(c)に示すように、前記円弧形状
の成形体13に対して油溝4,油孔5,爪6などのメタル軸受
各部位毎の部位加工を行うと共に、第3図(d)に示す
ように円弧形状の成形体13の内面仕上げを行うことによ
って所定肉厚のエキセントリック軸受用裏金材2とす
る。 この場合の最終工程である肉厚仕上げ工程においては、
ブローチカッターや中ぐりカッターなどを用いることが
でき、例えば、中ぐりカッターを用いる場合には、特公
昭40−17960号公報に記載された「半円筒軸受用中ぐり
盤」を用いることもできる。 この半円筒軸受用中ぐり盤は、縦軸をもった半円筒軸受
を与えられた方向に保持する軸受支持体と、回転軸に沿
って間隔をへだてた場所に設けた2本のカッターをもつ
回転可能な中ぐり棒と、前記中ぐり棒を回転させるため
の手段と、前記中ぐり棒を前記半円筒軸受の縦軸に対し
て小角度の回転軸をもって取付け、且つ前記中ぐり棒を
回転させながら、前記半円筒軸受に対してその縦軸と平
行な方向に運動させるための手段とからなり、前記2本
のカッターの一方は他方のカッターよりも前記中ぐり棒
から一層延び、前記両カッターは異なった中心の囲りを
異った切削半径で回転しながら前記半円筒軸受の内面を
削り取る構成をなすものであり、このような中ぐりカッ
ターを用いることによってエキセントリック軸受用裏金
材2の内面仕上げが施される。 この裏金材2の加工仕上げ工程によって、軸受層3を除
いたすべての軸受部位が精度よく作製されることとな
り、これに続いて、前記エキセントリック軸受用裏金材
2に対し、第3図(e)に示すように、裏金材2の内周
面に軸受層3をめっきにより均一厚さで形成して、第2
図に示すように、軸受層3の中央部分に軸受面7を有す
ると共にその両側にオイルリリーフ8を有し、さらに両
端側にクラッシュリリーフ9を有するエキセントリック
軸受1とする。 前記エキセントリック軸受用裏金材2の内周面におい
て、軸受層3をすべてめっきにより形成するに際して
は、軸受1のすべり特性はもとより、軸とのなじみ性、
異物埋収性や耐摩耗性,耐焼付性が軸受として具備すべ
き条件であることを考慮する必要がある。 これらの条件は、軸受層3を単層にすると適合しにくい
場合もあり、従来の第6図に例示した冶金的な方法によ
る軸受においても、耐摩耗性や耐焼付性を有する中間層
合金を裏金材に複層化し、さらに軟質合金を表面層とす
る方法を採用することがあり、このような方法を本発明
においても採用することが可能であって、裏金材に複層
化する中間層をめっきにより形成し、さらにその上にめ
っきにより表面層を形成する構成とすることができる。 この場合、中間層をめっきで形成するに際しては、公知
のCu−Pb合金,Cu−Sn合金,Cu−Zn合金等を用いることが
可能であり、表面層は例えばPbを主成分としたオーバレ
イめっきを施すことでめっき層の複層化が可能であっ
て、特開昭47−3562号公報にはめっきにより複層化した
各種の電着ベアリング材料が開示されている。 また、本発明に係わるエキセントリック軸受において
は、軸受層3が厚さ0.2mm以下のめっき層により形成さ
れているものであって、このめっき層を最大0.2mmの厚
さで得ることは通常のめっきに比較すると厚い方である
といえるので、通常のめっき方法を採用した場合には長
時間を要することも考えられる。 そこで、このようなおそれのある場合には、例えば、特
開昭58−25500号公報に開示されているような電気めっ
き装置、すなわち、めっき金属源を含む陽極構造体と、
前記陽極構造体に隣接して設けられためっき用キャビテ
ィ内に配設されている少なくとも1つの攪拌翼と、前記
攪拌翼を前記めっき用キャビティ内で回転させる回転手
段と、前記陽極構造体に正の電位を付与する陽極導電体
と、前記めっき用キャビティを形成するようにめっき片
を前記陽極構造体に対して位置決めする位置決め手段
と、めっきしようとする前記めっき片に負の電位を付与
する陰極導電体とを備えた構成の高電流密度高速電気め
っき装置を用いることも可能である。 また、めっき技術として公知である例えば特開昭55−81
147号公報,特開昭55−65121号公報に記載されているス
パッタ技術によって、Al系,Cu系等の軸受層を形成する
ことも出来る。 本発明においては、0.2mm以下に軸受層3を薄層化した
エキセントリックなメタル軸受1を製造するに際して、
第3図に示したように、帯状鋼板等よりなる板材11を裏
金材2の展開形状に対応させて切断して裏金用素材12と
したのち、この裏金用素材12をメタル軸受形状に対応す
る円弧形状に成形し、この成形体13に対して切削加工を
行うことによって油溝4や油孔5などの部位加工を行う
と共に内面仕上げ加工を行って所定の仕上げ面に形成し
たエキセントリック軸受用裏金材2とし、めっきのみで
均一厚さの軸受層3を形成したもので、その全肉厚精度
は0.008〜0.01mm程度であって、機械仕上げ誤差とめっ
き誤差を合計してもそれ以下である。また、クラッシュ
リリーフ9において裏金材2が露出することなく製造で
きる。 そして、通常の場合は、軸受層3をめっきにより形成し
たあとそのままで所定の精度のものが得られる。 このように、エキセントリックなメタル軸受1におい
て、0.2mm以下の薄い軸受層3を形成することができる
ので、耐荷重性と共に耐疲労寿命が向上する。これを第
8図をもとに説明すると、この第8図はホワイトメタル
系軸受材料の肉厚と耐久性(寿命時間)との関係を示す
ものであって、この第8図より明らかなように、ホワイ
トメタルの肉厚が0.2mm付近で寿命に急激な変化を生ず
ることを示しており、他のCu系やAl系の軸受材料におい
ても同様な結果が得られていて、0.2mm厚さに臨界点が
あることを確認した。ただし、軸受層3の肉厚が薄けれ
ば良いというものではなく、異物埋収性等の役割を果す
ためには実用上は0.01mm以上の肉厚を必要とする。 ところで、厚さが0.2mmの薄い軸受層を有するめっき軸
受を従来の板厚精度のみがき帯鋼材からなる裏金材を用
いて製造しようとすると、裏金材の最大ばらつきである
0.12mmとクラッシュリリーフ規格の0.05mmとを加えると
0.17mmとなり、他の誤差も含めるとエキセントリック軸
受を製作することは不可能であり、たとえ製造すること
ができるとしても裏金材および軸受層が偏心すると共に
クラッシュリリーフがないものとなり軸受各層が同心円
からなるコンセントリック軸受となる。 しかしながら、オイルリリーフおよびクラッシュリリー
フを設けることは、軸受層が薄くなればなるほどとくに
ハウジングキャップのずれや半割軸受の端部合わせ部の
ずれを吸収し、焼き付きを防止するうえで不可欠な構成
であるので、本発明においてはまず先に裏金用素材を内
面仕上げにより成形して所定肉厚の寸法精度の高いエキ
セントリック軸受用裏金材を作製し、次いで前記エキセ
ントリック軸受用裏金材に軸受層をめっきにより0.2mm
以下の厚さで形成するようにした。 これによって、耐荷重,耐疲労寿命のより一層優れた長
寿命のメタル軸受が得られるようにした。
【発明の効果】
本発明に係わるエキセントリック軸受は、円弧形状をな
す裏金材と前記裏金材の内周面に積層した軸受層との積
層構造をなし、前記裏金材の内周面は外周面の曲率中心
から偏心した曲率中心の円弧形状をなすと共に、前記裏
金材の内周面に積層された軸受層が厚さ0.2mm以下のめ
っき層よりなっている構成としたものであり、また、こ
のようなエキセントリック軸受の製造方法は、裏金材の
展開形状に対応させて切断して裏金用素材としたのち、
前記裏金用素材を円弧形状に成形し、次いで前記円弧形
状の成形体に対して軸受部位加工を行うとともに、前記
成形体の外周面の曲率中心から偏心した曲率中心の内周
面を有する円弧形状に成形して所定肉厚のエキセントリ
ック軸受用裏金材とし、前記裏金材に軸受層をめっきに
より0.2mm以下の厚さで均一に形成してエキセントリッ
ク軸受とする構成としたので、従来のように裏金材とし
て用いる鋼板等の板材の板厚精度のばらつきが軸受層の
厚さのばらつきとして表われるようなことがなく、裏金
材の厚さならびに軸受層の厚さの精度が著しく高く、軸
受層の厚さが薄いエキセントリック軸受を得ることが可
能となり、したがって、耐荷重性に優れていて耐疲労寿
命の長い品質の良好なる軸受を提供することができると
いう著しく優れた効果がもたらされる。また、本発明は
従来のような大がかりな冶金設備とそれを用いた冶金工
程を必要とせずに実施することができるので、生産性を
大幅に向上することが可能になるという効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるエキセントリック軸
受の斜面説明図、第2図は同じく本発明の一実施例にお
けるエキセントリック軸受の構造を説明する部分拡大
図、第3図は本発明に係わるエキセントリック軸受の製
造工程を順次例示する説明図、第4図は従来のエキセン
トリック軸受の構造を例示する斜面説明図、第5図は第
4図のA−A′部分における構造を説明する拡大図、第
6図(a)〜(d)は従来の鋼帯上に軸受層を複層化し
て複層材を得る工程を示す説明図、第7図は従来の半割
軸受の製造工程を順次例示する説明図、第8図はホワイ
トメタルの肉厚と耐久性との関係を例示するグラフであ
る。 1…エキセントリック軸受、2…裏金材、3…軸受層、
27…軸受面、28…オイルリリーフ、29…クラッシュリリ
ーフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円弧形状をなす裏金材と前記裏金材の内周
    面に積層した軸受層との積層構造をなし、前記裏金材の
    内周面は外周面の曲率中心から偏心した曲率中心の円弧
    形状をなすと共に、前記裏金材の内周面に積層された軸
    受層が厚さ0.2mm以下のめっき層よりなっていることを
    特徴とするエキセントリック軸受。
  2. 【請求項2】裏金材の展開形状に対応させて切断して裏
    金用素材としたのち、前記裏金用素材を円弧形状に成形
    し、次いで前記円弧形状の成形体に対して軸受部位加工
    を行うとともに、前記成形体の外周面の曲率中心から偏
    心した曲率中心の内周面を有する円弧形状に成形して所
    定肉厚のエキセントリック軸受用裏金材とし、前記裏金
    材の内周面に軸受層をめっきにより0.2mm以下の厚さで
    均一に形成してエキセントリック軸受とすることを特徴
    とする請求項第1項に記載のエキセントリック軸受の製
    造方法。
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