JPH0765319B2 - 1柱1杭基礎構造の柱杭接合部およびその施工方法 - Google Patents

1柱1杭基礎構造の柱杭接合部およびその施工方法

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JPH0765319B2
JPH0765319B2 JP1185393A JP18539389A JPH0765319B2 JP H0765319 B2 JPH0765319 B2 JP H0765319B2 JP 1185393 A JP1185393 A JP 1185393A JP 18539389 A JP18539389 A JP 18539389A JP H0765319 B2 JPH0765319 B2 JP H0765319B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は1柱1杭基礎構造(杭頭を繋ぐ地中梁がなく、
杭から直接柱が立ち上がる構造)における柱と杭の接合
部構造およびその施工方法に関するもので、既存の鉄道
線路敷の上空に跨る中高層線路上空建築物(第4図参
照)などに利用される。
この他、河川、道路の上空に跨る1構1杭基礎構造の建
築物への利用も可能である。
〔従来の技術〕
以下に、従来技術を(1)〜(3)の3種に分類して説明す
る。
(1) 1柱1杭基礎構造の低層線路上空建築物における
柱杭接合部の従来技術 第34図に示すように1柱1杭基礎構造の線路上空建物の
うち階数が、4以下、かつ高さが地盤面24から20m以下
のもの(低層線路上空建築物)では、その柱杭接合部は
第35図(a),(b)に示すように、柱鉄骨22を鉄筋コ
ンクリート杭21の中に埋め込む構造となる。なお、図中
23は既存軌道を示す。
この種の柱杭接合部は実験などにより設計法は既に確立
されており、また実施例も多い。
(2) コンクリートを充填した鋼管部材中に鉄骨部分を
埋め込み、両者を材軸方向に接合する従来技術 この種の接合方法例としては、以下のようなものがあ
る。
第36図(a),(b)に示したものは、金網柵等のフェ
ンス、または物干し等の支柱32を地中に立設する場合の
支柱用基礎の例であり、比較的軽微な柱材を、地中に埋
設した中空管31の中に嵌挿させ、中空管31の中空内部に
コンクリート33を打設し両者を一体化する構造である
(実公昭48−11458号参照)。
第37図(a),(b)は橋梁その他の構造物の水中基礎
の施行法に関するもので、基礎床版41と基礎杭42の結合
例を示している。この例では縦孔43の内周面と、基礎杭
42の頭部外面に鋼棒からなるジベル44を固定し、両者間
にコンクリート45を充填して、接合部を構築する構造を
示している(特公昭53−10368号公報参照)。
第38図(a),(b)は高架橋、モノレールなどの新交
通システム構造物の支柱52を、基礎に結合する工法に関
するもので、支柱52と基礎杭との一体化を図るため、支
柱52の外面および杭鋼管51の内面にスタッドジベルなど
の突起物53が植設されている(特開昭55−114717号公報
参照)。なお、杭鋼管51内のコンクリート54は、まず図
中の支柱52下面(基礎杭天端から下方にHの位置)まで
の打設を行ない、その硬化後、支柱52を所定の位置に固
定し、接合部間のコンクリート54aが後打ちされる。
(3) 突起を内面に有する鋼管を使用した鋼管コンクリ
ートの合成杭に関する従来技術 第39図(a)〜(c)は圧延にて、圧延方向に連続的に
突起の形成された鋼板をスパイラル製管してなる鋼管コ
ンクリートの合成杭用鋼管に使用する鋼板61を示したも
ので、突起62の形状には同図に示される寸法に次の数値
制限を設けている(特開昭60−37484号公報参照)。
2.0mm≦h≦4.0mm θ≧30゜ 0.04≦h/SR≦0.15 2.0mm≦Wt≦10.0mm ただし、hは突起の高さ θは突起の立上り角度 SRは突起の間隔 Wtは突起頂部の幅 また、第40図(a)〜(e)は場所打ちコンクリート杭
において、内面に圧延により成形された突起を有する鋼
管72を用いて、頭部あるいは全長を断面補強した場所打
ち鋼管コンクリート杭72の例を示したものである(特開
昭60−47117号公報および特開昭60−51222号公報参
照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
1柱1杭基礎構造による最大10階程度の中高層線路上空
建築物の場合、大きな曲げモーメントの生じる杭は、狭
隘な線路間での施行を慮み、コンパクトな断面で大きな
曲げ耐力を有するコンクリート充填鋼管杭で設計され
る。例えば、8階建の線路上空建築物の試設計例では、
杭鋼管の外径(φ)および肉厚(t)は、2000φ×20t
〜2400φ×22t(単位はmm)となり、また柱杭接合部に
おいて、杭鋼管、充填コンクリートおよび柱鉄骨の各構
成要素の一体化を図るため、杭鋼管には内面に突起の圧
延成形された内面突起付鋼管が使用される。
しかしながら、上述のように100以上といった径厚比の
大きな内面突起付鋼管を使用したコンクリート充填鋼管
部材と、(柱)鉄骨部材との接合法に関する既往の研究
成果は皆無に等しく、その構造性能上の耐震安全性を確
保する技術は未だ確立されていない。
また、1柱1杭基礎構造において、杭鋼管内の充填コン
クリートは数十mにわたり一気に打設されるため、杭鋼
管天端近傍はスライムなどの混った悪質なコンクリート
で形成される。従って、この悪質なコンクリートを除去
してから、柱鉄骨を杭鋼管内に挿入し、その固定後、柱
杭接合部間の柱鋼管と柱鉄骨との空隙にコンクリートを
再充填することになる。
しかしながら、これまでのところ、柱鋼管天端近傍の悪
質なコンクリートを除去する施行性に優れた工法がな
い。
本発明は上述のような課題を解決することを目的とした
もので、1柱1杭基礎構造による中高層線路上空建築物
を対象に、構造性能および施行性に優れる柱杭接合部を
提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
以下、本発明の概要を実施例に対応する図面の符号を用
いて説明する。
本発明の対象とする柱杭接合部は、コンクリート充填鋼
管杭の杭鋼管1として内面突起2を設けた内面突起付鋼
管を使用し、柱鉄骨4を前記杭鋼管1内のコンクリート
3中に埋込んだ形式となっている。
そして、杭鋼管1の天端から Y≦0.5×L(Lは柱鉄骨4の埋込み長さ) の区間内に、杭鋼管1の断面円周方向に連続し、柱杭接
合部の杭鋼管断面内に発生する周方向引張ひずみを抑制
するための鋼材からなる補強材を設けたことを特徴とし
ている。
補強材としては、例えば第1図(a),(b)に示すよ
うなバンド型補強材6や、第2図(a),(b)に示す
ようなリング型補強材7が用いられ、また第3図
(a),(b)に示すようにこれらを併用してもよい。
なお、リング型補強材7は上記Y≦0.5×Lの範囲に設
けるものとし、必ずしも杭鋼管1の天端とは限らない。
一方、上記の柱杭接合部に関し、杭鋼管1天端近傍にお
ける品質の悪いコンクリートの除去に関する施工法であ
るが、杭鋼管1内の充填コンクリート3は杭鋼管1によ
り周方向の変形が拘束され、また杭鋼管1の内面突起2
によりその材軸方向の変形が拘束されるため、コンクリ
ート硬化後の除去作業は困難を極める。
そこで、本発明の施工方法では杭鋼管1内の充填コンク
リート3は、予め柱杭接合部間の杭鋼管1の内面に発泡
スチロールなどの変形性に富む材料をスペーサー8とし
て貼り付けた後に打設し、その硬化後に除去作業を行う
こととした。
スペーサー8を設ける範囲は柱鉄骨4の埋込み長さLに
対応する区間またはそれ以上とし、充填コンクリート3
の硬化後、その区間のコンクリート3およびスペーサー
8を除去し、柱鉄骨4を杭鋼管1内に挿入した後、杭鋼
管1と柱鉄骨4の接部間の空隙にコンクリート3aを充填
する。
なお、上記のY≦0.5×Lの区間に設けられる補強材の
取付けに関しては、補強材をあらかじめ杭鋼管に取り付
けておく場合と、後から取り付ける場合とがある。
〔作 用〕
1柱1杭基礎構造による中高層線路上空建築物の柱杭接
合部は、コンクリート充填鋼管杭に鉄骨柱を埋込む形式
となり、試設計によればその柱杭接合部の寸法諸元は以
下の,に示す値となり、また、「発明が解決しよう
とする課題」の項で述べた施工上の制約から以下に示
す条件が付加される。
杭鋼管の外径は2000〜2400mm程度で、その径厚比は
100前後 杭鋼管径/柱鉄骨径比は2.5〜3.0程度 柱鉄骨の杭鋼管への埋込み深さは、接合部の耐震安
全性が確保される範囲で浅いほど望ましい 上記の特徴を有する接合部の力学性能に関しては、「従
来の技術」の項で述べた杭鋼管内面にスタッドジベルな
どの突起物を設けることにより、剛性、耐力が向上する
こと以外は、既往の研究成果が皆無に近いため未知であ
る。
そこで、今回上記〜に示す接合部の約1/4の縮尺モ
デル実験を行い、その力学性能に関し次の事実を見出し
た。
接合部の杭鋼管断面に生じる応力は周方向引張りが
支配的である。
杭鋼管の天端位置における断面が周方向引張りによ
り降伏すると同時に、接合部の荷重−変形関係における
不安定現象を呈する(荷重−変形関係における不安定現
象とは、繰返し載荷時に同一荷重で変形が次第に進行
し、一定値に収斂しなくなる現象と定義する)。
接合部の最大耐力は充填コンクリートが杭鋼管より
抜け出すことにより決定する。
杭鋼管頂部のバンド型補強材およびリング型補強材
は接合部間の杭鋼管断面に発生する周方向引張ひずみを
抑制し、荷重−変形関係における不安定現象の発生を遅
延させ、接合部の最大耐力向上に効果がある。
そこで、接合部の最大耐力に関する解析を行い、杭鋼管
1頂部のバンド型補強材6およびリング型補強材7の力
学的効果を定量的に明らかにし、その結果として、杭鋼
管1の天端からY≦0.5×Lの区間内に、補強材を設け
ればよいことが分かった。
なお、本発明では内面に圧延成形などにより成形された
突起を有する鋼管(内面突起付き鋼管)を柱杭接合部の
杭鋼管として使用するが、従来公知の内面突起付き鋼管
を使用することができる。
以下、本発明の柱杭接合部に関する実験および解析につ
いて詳述する。
まず、本発明の柱杭接合部の構造性能を明らかにし、杭
鋼管頂部のバンド型補強材およびリング型補強材の効果
を把握する目的で、表−1および第11図(a)〜(e)
に示す供試体ELP−1〜5を用いて、第12図に示す単純
梁形式の載荷方法による静的繰返し加力実験を行なっ
た。なお、表−1において、柱鉄骨の200ロは200×200m
mの角鋼管柱の意味である。また、第12図中11はテスト
ベッド、12は500tonf油圧ラム、13は500tonfロードセ
ル、14は柱頭せん断力Q測定用の100tonfロードセル、1
5はPC鋼棒である。
使用した鋼材およびコンクリートの機械的性質を、それ
ぞれ表−2、表−3に示す。
次に本実験により得られた知見を記す。
(a) 供試体の最大耐力は実験変数(根巻長さおよび
杭鋼管の頂部補強)に拘らず、第13図に示すように加力
背面側の充填コンクリート3が杭鋼管1天端より抜け出
すことにより決まった。
また、接合部の杭鋼管1をガスカットにより除去し、充
填コンクリート3の破壊性状を調査した結果、第14図に
示すように鋼管頂部にリング型補強材7のない供試体
は、柱鉄骨ベースプレート5から約45゜の傾きで立ち上
るひび割れの発生が認められ、このひび割れ内部の充填
コンクリート3が杭鋼管1より抜け出しており、一方、
第15図に示すようにリング型補強材7を有する供試体で
は、柱鉄骨ベースプレート5からリング型補強材7の内
周に至るひび割れが認められ、このひび割れ内部の充填
コンクリート3が杭鋼管1より抜け出しているのがそれ
ぞれ認められた。
これにより、杭鋼管1頂部のリング型補強材7は充填コ
ンクリート3の杭鋼管1からの抜け出しを拘束し、接合
部の耐力上昇に効果のあることが分かる。
(b) 柱頭のせん断力Q−加力方向変形δの代表例を
第16図、第17図に示す。
また、杭鋼管1の接合部端部断面における周方向ひずみ
分布(第18図にひずみゲージ16の貼付位置を示す)を各
供試体ごとに第19図〜第23図に示す。
これらより、柱頭のせん断力Q−加力方向変形δにおい
て、繰返し載荷時に同一荷重で変形が次第に進行し、一
定値に収斂しなくなる不安定現象を呈するせん断力Qの
レベルと、杭鋼管端部が周方向に降伏するせん断力Qの
レベルとは概ね一致することが分かる。
また、第19図〜第23図より、杭鋼管頂部にリング型補強
材もしくはバンド型補強材を設けることにより、杭鋼管
端部の周方向ひずみが低減し、接合部の安定限界耐力
(不安定現象の生じない最大耐力)の上昇に効果のある
ことが分かる。
以上で、柱杭接合部の破壊モードおよび杭鋼管頂部のリ
ング型補強材およびバンド型補強材の効果が実験的に明
らかになった。そこで、次にこれら補強材の効果を定量
的に把握するために行った接合部の解析結果について記
す。
最大耐力時の接合部の破壊モデルを、試験結果を参考
に、第24図(a)〜(f)に示す如く考える。
すなわち、 (1) 柱鉄骨4にはO点(x,y)を回転中心とする剛体変
形のみ許容する(第24図(d)参照)。
(2) 杭鋼管1内の充填コンクリート3は、低荷重域で
発生する45゜方向のひび割れaおよびひび割れb(第24
図(a)〜(c)参照)により、4分割(前面側、背面
側および側面側)され、最大耐力時には各々独立に挙動
する。
以下に、柱鉄骨4の剛体変形を可能とするコンクリート
3および鋼管1の破壊モードを記す。
(3) 前面側コンクリート3fはY軸方向(0〜y)の区
間で、せん断破壊ないしは支圧破壊を生じる(第24図
(d)参照)。
せん断破壊する場合は、前面側コンクリート3f外周の頂
部補強材および杭鋼管1は(o〜y)の区間で周方向に
引張降伏するとともにY=yを横切る水平面との交線上
で曲げ降伏する(第24図(d)参照)。
(4) 背面側コンクリート3rは、ベースプレート5に生
じる引抜力の影響で杭鋼管1との付着が破壊し、Y軸負
方向に抜け出すとともに、Y=yを横切る水平面上で、
曲げ破壊を生じる(第24図(d)参照)。
(5) 側面側コンクリート3sは、ベースプレート5に生
じる引抜力の影響で杭鋼管1との付着が破壊し、Y軸負
方向に抜け出す(第24図(e)参照)。
(6) ベースプレート5下面のコンクリートは(o〜
x)の区間で支圧破壊を生じる(第24図(d)参照)。
(7) 鋼管1の頂部にリング型補強材7を設けた場合、
リング内径からy軸方向にコンクリートのせん断破壊面
が生じる。
この場合の、コンクリートのせん断強度は後述のように
杭鋼管1のコンクリート付着強度と等しい。
第31図(a),(b)は解析に使用する記号の説明図で
あり、以下の解析において、p σy:鋼管の降伏点b σy:バンド型補強材の降伏点r σy:リング型補強材の降伏点 Fc:コンクリートの圧縮強度c fn:コンクリートの支圧強度c fs:コンクリートのせん断強度c fb:内面突起付鋼管のコンクリートの付着強度 R:鋼管径 Ro:リング型補強材の内径 tp:鋼管板厚 Wr:リング型補強材の幅 tr:リング型補強材の板厚 Wb:バンド型補強材の幅 tb:バンド型補強材の板厚 L:柱鉄骨の埋込み長さ とする。
第25図(a),(b)に示す鋼管の破壊モードにより生
じるX方向力1FxおよびO点回りの曲げモーメント1M
は、それぞれ次式で与えられる。
第26図(a),(b)に示す前面側コンクリートの破壊
モード(せん断破壊)により生じるX方向力2Fxおよび
O点回りの曲げモーメント2Mは、それぞれ次式で与えら
れる。
第27図(a),(b)に示す前面側コンクリートの破壊
モード(支圧破壊)により生じるX方向力3FxおよびO
点回りの曲げモーメント3Mは、それぞれ次式で与えられ
る。
ここに、 第28図(a),(b)に示すベースプレート下面のコン
クリート支圧破壊により生じるX方向力4FxおよびO点
回りの曲げモーメント4Mは、それぞれ次式で与えられ
る。
第29図(a)〜(c)に示す背面側コンクリートのコン
クリート付着破壊により生じるY方向力5FyおよびO点
回りの曲げモーメント5Mは、それぞれ次式で与えられ
る。
第30図(a),(b)に示す側面側コンクリートのコン
クリート付着破壊により生じるY方向力6FyおよびO点
回りの曲げモーメント6Mは、それぞれ次式で与えられ
る。
以上の第25図〜第30図より、次の釣合式が得られる。
ケース1 前面側コンクリートがせん断破壊し、Wb<yの場合 ケース2 前面側コンクリートがせん断破壊し、Wb>yの場合 以上の〜式の釣り合い式を解くことにより、およ
びで表される接合部のせん断力cQmaxが得られる。
ケース1の場合 ここに、 ケース2の場合 ここに、 および式において、cfn=10Fc(Fc=表−3に示す
コンクリートの圧縮強度)、cfs=0.1Fccfb=80kg/cm
2とおき供試体の最大耐力を計算した。結果を実験結果
と比較して表−4に示す。これより、本解析方法のほぼ
妥当であることが分かる。
以上の結果より、杭鋼管頂部の補強材は鋼管が周方向に
降伏する領域、すなわち、杭鋼管天端と式中のRo
Wr,tr,Wb,tbをゼロとして得られるynの間に設けるこ
とにより、その力学的効果が発揮されることが分かる。
前述した試設計例より得られる柱杭接合部の寸法諸元に
て、一般的な鋼材およびコンクリートを使用した場合、
式で計算されるynは柱の埋込長が1.5Hs(Hs)=柱鉄
骨の断面せい)のとき0.38前後、2.0Hsのとき0.52前後
となる。
従って、補強鋼材を設ける範囲は、杭鋼管天端から0.5
×L(L=柱鉄骨の埋込み長)の区間とすることにより
補強効果が得られ、この範囲外での補強は効果が小さ
い。
また、本発明の柱杭接合部の施工方法に関し、内面突起
付き鋼管1内の充填コンクリート3は、第32図に示すよ
うに周方向の変形が杭鋼管1の周方向応力で拘束され、
かつ軸方向の変形が内面突起2により拘束されるため、
通常の方法ではその除去作業が極めて困難である。そこ
で、第33図に示すように除去しようとする区間Loに発泡
スチロールなどの柔いが、成形性の保持可能な材料を、
スペーサー8として予め杭鋼管1内面全周に貼り付け、
その後充填コンクリート3を打設する。コンクリート3
の硬化後はLo区間で杭鋼管1によるコンクリート3の変
形拘束がないためその除去作業は容易となる。
〔実施例〕
第1図〜第3図は本発明の柱杭接合部を、第4図に示す
ような既存の鉄道線路敷の上空に跨がる中高層線路上構
造物9に適用する場合の実施例を示したものである。
第1図(a),(b)は補強材として上述のバンド型補
強材6を使用した場合の実施例を示したものである。す
なわち、杭鋼管1の外周に、天端からY≦0.5×L(L
は柱鉄骨4の埋込み長さ)の範囲で、所定幅のバンド型
補強材6を溶接などにより取付けてある。内面突起付鋼
管よりなる杭鋼管1は従来未知であるが、前述のように
直径が2000〜2400mmといった大径のものが使用される。
第2図(a),(b)は補強材として上述のリング型補
強材7を使用した場合の実施例を示したものである。本
実施例において、リング型補強材7は杭鋼管1の天端位
置に設けられているが、天端からY≦0.5×Lの範囲で
途中に設けてもよい。また、前述のように、リング型補
強材7の場合、充填コンクリート3の抜出しを拘束する
という効果もある。
第3図(a),(b)はさらに他の実施例として、バン
ド型補強材6とリング型補強材7を併用した場合を示し
たものである。
第5図〜第10図は本発明の施工方法の一実施例を示した
もので、以下の手順で施工を行う。
(1) 杭鋼管1の内面全周に天端よりLoの区間につい
て、スペーサー8を設ける(第5図参照)。
(2) 杭鋼管1内に充填コンクリート3を打設する(第
6図参照)。
(3) 充填コンクリート3の硬化後、Loの間のコンクリ
ートを除去する(第7図参照)。
(4) スペーサー8を撤去後、柱鉄骨4を杭鋼管1内に
挿入し、固定する(第8図参照)。
(5) 接合部間の杭鋼管1と柱鉄骨4間にコンクリート3
aを充填する(第9図参照)。
(6) 施工完了(第10図参照)。
〔発明の効果〕
1柱1杭基礎構造の内面突起付鋼管を用いたコンクリー
ト充填鋼管杭と柱鉄骨の接合部において、杭鋼管の天端
より所定区間に本発明の補強材を用いることにより、柱
杭接合部の杭鋼管断面内に発生する周方向引張ひずみを
抑制し、荷重−変形関係における不安定現象の発生を遅
延させ、接合部の最大耐力を向上させ、力学性能および
施工性に優れた柱杭接合部の構築が可能となる。また、
補強材は最小限の材料からなり、取付けも容易であるた
め、効率がよい。
また、本発明の施工方法によれば、上記の柱杭接合部に
おいて、内面突起付鋼管上端部の品質の劣るコンクリー
トの除去を容易に行うことができ、施工性を大幅に向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の接合部の一実施例を示
す水平断面図および鉛直断面図、第2図(a),(b)
は本発明の接合部の他の実施例を示す水平断面図および
鉛直断面図、第3図(a),(b)は本発明の接合部の
さらに他の実施例を示す水平断面図および鉛直断面図、
第4図は本発明の適用対象構造物の一例を示す概要図、
第5図〜第10図は本発明の施工方法における施工手順の
一例を示す鉛直断面図、第11図(a)〜(e)は実験に
用いた供試体を示す鉛直断面図、第12図は実験における
載荷方法を示す側面図、第13図は実験による充填コンク
リートの抜出しの様子をしめす側面図、第14図および第
15図はそれぞれリング型補強材がない場合とある場合に
おける充填コンクリートの破壊状況を示す側面図、第16
図および第17図は代表例としての柱頭のせん断力−加力
方向変形図、第18図〜第23図は実験に用いた各供試体の
杭鋼管の接合部端部断面における周方向ひずみ分布を示
すグラフ、第24図(a)〜(f)は接合部の破壊モデル
を示す説明図、第25図(a),(b)は鋼管の破壊モー
ドの説明図、第26図(a),(b)は前面側コンクリー
トの破壊モード(せん断破壊)の説明図、第27図
(a),(b)は前面側コンクリートの破壊モード(支
圧破壊)の説明図、第28図(a),(b)はベースプレ
ート下面のコンクリート支圧破壊の説明図、第29図
(a)〜(c)は背面側コンクリートのコンクリート付
着破壊の説明図、第30図(a),(b)は側面側コンク
リートのコンクリート付着破壊の説明図、第31図
(a),(b)は解析における記号を説明するための
図、第32図(a),(b)は内面突起付鋼管による充填
コンクリートの拘束の様子を示す水平断面図および鉛直
断面図、第33図(a),(b)は内面突起付鋼管の内面
に設けるスペーサーを示す水平断面図および鉛直断面
図、第34図は低層線路上空建築物の概要図、第35図
(a),(b)は第1の従来技術を示す水平断面図およ
び鉛直断面図、第36図(a),(b)は第2の従来技術
を示す鉛直断面図および水平断面図、第37図(a),
(b)は第3の従来技術を示す鉛直断面図およびその要
部拡大図、第38図(a),(b)は第4の従来技術を示
す鉛直断面図および水平断面図、第39図(a)〜(c)
は第5の従来技術としての突起付鋼板の突起形状の説明
図、第40図(a)〜(e)は第6の従来技術を示す概要
図である。 1……杭鋼管、2……内面突起、3……コンクリート、
4……柱鉄骨、5……ベースプレート、6……バンド型
補強材、7……リング型補強材、8……スペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 輝樹 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 蓮田 常雄 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 計良 光一郎 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 川端 規之 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 長岡 弘明 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 ▲榊▼ 信昭 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 高田 啓一 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 加藤 敏 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−114717(JP,A) 特開 昭62−284825(JP,A) 実公 昭44−116970(JP,Y1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート充填鋼管杭の杭鋼管として内
    面突起付鋼管を使用し、柱鉄骨を前記杭鋼管内に埋込ん
    だ柱杭接合部において、 前記杭鋼管の天端から Y≦0.5×L(Lは柱鉄骨の埋込み長さ) の区間内に、該杭鋼管の断面円周方向に連続し、柱杭接
    合部の杭鋼管断面内に発生する周方向引張ひずみを抑制
    するためのバンド型またはリング型の鋼材からなる補強
    材を設けたことを特徴とする1柱1杭基礎構造の柱杭接
    合部。
  2. 【請求項2】コンクリート充填鋼管杭の杭鋼管として内
    面突起付鋼管を使用し、柱鉄骨を前記杭鋼管内に埋込ん
    だ柱杭接合部の施工方法であって、 前記杭鋼管の天端より所定区間の内面全周に予めスペー
    サーを設け、杭鋼管内に充填コンクリートを打設し、該
    充填コンクリートの硬化後、前記所定区間のコンクリー
    トおよび前記スペーサーを除去し、柱鉄骨を前記杭鋼管
    内に挿入した後、前記杭鋼管と柱鉄骨の接合部間の空隙
    にコンクリートを充填するとともに、 前記杭鋼管の天端から Y≦0.5×L(Lは柱鉄骨の埋込み長さ) の区間内に、該杭鋼管の断面円周方向に連続し、柱杭接
    合部の杭鋼管断面内に発生する周方向引張ひずみを抑制
    するためのバンド型またはリング型の鋼材からなる補強
    材を設けることを特徴とする1柱1杭基礎構造の柱杭接
    合部の施工方法。
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