JPH076215U

JPH076215U - 衣類

Info

Publication number: JPH076215U
Application number: JP3537093U
Authority: JP
Inventors: 勝湯浅
Original assignee: Wacoal Corp
Current assignee: Wacoal Corp
Priority date: 1993-06-29
Filing date: 1993-06-29
Publication date: 1995-01-27

Abstract

(57)【要約】【目的】柔軟で違和感が少なく、良好な着用感を保持
し、且つ、衣類の形状保持や身体の体形を整えて美しい
シルエットを作り出すことができ、歪みなどによるたる
みや着崩れ、皺の発生が少なく、曲面にも良くフィツト
できるフィットタイプの衣類を提供する。【構成】身体にフィットさせて着用するタイプの衣
類、例えばブラジャー等で、少なくとも身体のシルエッ
トを補整したい部分および／または前記衣類の形状を整
えたい部分、例えばブラジャーの***受けカップの上カ
ップ部１１、下カップ部１２の裏側を三軸織物２５を用
いて構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、身体にフィットさせて着用するタイプの衣類に関するものである。特に本考案は、衣類の形状を美しく保持でき、および／または、着用者の体形補整機能を有し、着用感が良好なフィットタイプの衣類に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、ブラジヤー、ボディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミソール、スリップ、ビスチエ、レオタードあるいは水着などの***受けカップを有する衣類は女性用の被服として広く普及している。一般にこれらの女性用の衣類は、***の形を整え、そのシルエットをできるだけ美しくするために ***受けカップ部を有している。これらの***受けカップを有する衣類のカップは通常、不織布や、経糸と緯度が直交するいわゆる二軸の織物や、あるいは編物など、あるいはこれらの組み合わせなどによって構成されており、場合によってはプラスチック発泡体なども使用されている。そして少なくともこのカップ部を身体にフィットさせて着用することにより、***のシルエットを整え、美しいバストシルエットを造型できるよう種々の試みがなされている。

【０００３】また、身体にフィットさせて着用するタイプの衣類のうち、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類、例えばガードル、ボディスーツ、レオタード、スパッツあるいは水着等は、一般に腹部の贅肉が膨出するのを抑えて美しい腹部のシルエットを実現するために、腹部の少なくとも一部にお腹押え用の伸縮性または非伸縮性の当て布を設けたり、および／または臀部の美しいシルエットを実現するために、下臀部にヒップアップ用の伸縮性または非伸縮性の当て布を設ける手法が採られている。

【０００４】また、ビスチエ、ウェストニッパー、フィットスリップ、スリーインワン、ハイウェストガードル、サポートタイプのパンティストッキングなどの下着類や、フィットタイプのアウターウエアー、例えばビスチエタイプのアウターウエアーなどやハイウェストのスカートやパンツなどの身体にフィットさせて着用するタイプの衣類においては、衣類の形状を整えて保持したり、着用中の衣類の好ましくない移動、例えば、ずり上がり或いはずり下がりや皺の発生を防止したり、或いは体形を補正して美しい身体シルエットを整えるために、いわゆるボーンと称される金属、または合成樹脂などからなる平板ないしは棒状物がバイアステープ布などのテープを用いて袋状の空間を縫製により設け、その中に挿入された態様で使用されている。この例を具体例としてビスチエを取り上げて説明すると、例えば、図２０に従来のビスチエの主要部分の概略見取図を示したが、この図において、ボーン２０１，２０２，２０３，２０４はいずれもビスチエが縦方向に縮んで、見栄えが低下したり、着用しにくくなるのを防止すると共に、着用中に上部がずり下がったり、下部がずり上がってしわが生じたり、着崩れするのを防止する目的で設けられており、また、ボーン２０１，２０２は***の保型ないしは補整による造型の目的も兼ねている。

【０００５】また、前述した各種の身体にフィットさせて着用するタイプの衣類においては、一般に、身体にフィットさせ出来る限り着用者の身体のラインを美しいシルエットにするため、かなりの部分に伸縮性の布帛が用いられており、また、衣服の形状を整えたい部分、例えば前述した***受けカップなどの部分には、なるべくカップ自体の形状を比較的しっかりしたものにして、その形が崩れないようにして、衣服自体の形状をしっかり保つ事によって、シルエットを美しく整える目的のものも見受けられる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前述した各種の身体にフィットさせて着用するタイプの衣類（以下フィットタイプの衣類と言う。）は、主として、通常の織物や編物が使用されており、経糸や緯糸に沿った方向や編み立て方向とその直角方向以外の方向、すなわち斜め方向には異方性を有し、斜め方向の引っ張りに対して特に変形しやすいと言う性質が有るため、歪みが生じやすく、従って、どうしても不必要なたるみなどが生じ易いという問題があった。

【０００７】また、人体は比較的複雑な曲面が多いので、フィットタイプの衣類を作成する場合にこれらの曲面にできるだけ沿うように生地の縫製を工夫することが行われているが、前述した従来の二軸織物や編物では生地の面内方向において前述したような異方性があるため曲面に添いにくく、従って衣類作成時から皺発生部分が多くなったり、異方性で斜め方向に伸びやすいため、着崩れや皺の発生が多くなり、着用感も低下すると言った問題があった。

【０００８】前述した***受けカップを有する衣類のカップ部に注目しても、同様であり、生地の面内方向に異方性があるため、せっかく美しいカップ形状に設計しても、所望通りのバスト形状補整機能が達成できず、美しいバストシルエットが保持しきれず、無理にこの欠点を取り除こうとするとかなり剛性の強い支持体、例えばカップワイヤーの剛性の強いものを使用するとか、カップの下側の縁だけでなく他の部分にも適宜のワイヤーを使用して形を整えるとかする必要があり、その結果着用感の低下につながると言った問題がある。しかもかかる剛性の特に強いカップワイヤー等を使用すると、衣類のカップサイズや形状と着用者のバストのサイズや形状にずれがある場合に、サイズ対応の自由度が少なくなり、既製の市販品の中からなるべく着用者のサイズに近いものを選定して着用しても、フィットしにくく、着用感が大幅に低下すると言った問題が生じていた。

【０００９】また、身体にフィットさせて着用するタイプの衣類のうち、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類、例えばガードル、ボディスーツ、レオタード、スパッツあるいは水着等は、前述したように一般に腹部の贅肉が膨出するのを抑えて美しい腹部のシルエットを実現するために、腹部の少なくとも一部にお腹押え用の伸縮性または非伸縮性の当て布を設けたり、および／または臀部の美しいシルエットを実現するために、下臀部にヒップアップ用の伸縮性または非伸縮性の当て布を設ける手法が採られている。

【００１０】しかし、この場合においても前述した生地の面内方向異方性により、所望通りの腹部のシルエットの補整機能が十分発揮しにくいとか、臀部の美しい丸みが十分出せないとか、ヒップアップ機能はあるが、臀部の形に歪みが生じやすいと言った問題がある。

【００１１】また、ビスチエ、ウェストニッパー、フィットスリップ、スリーインワン、ハイウェストガードル、サポートタイプのパンティストッキングなどの下着類や、フィットタイプのアウターウエアー、例えばビスチエタイプのアウターウエアーなどやハイウェストのスカートやパンツなどの身体にフィットさせて着用するタイプの衣類においては例えば前述したように図２０などで示したような比較的幅の狭い金属や合成樹脂などのボーンを使用して形を整えているが、この場合においても前述した生地の面内方向異方性により、歪みが生じやすいし、曲面に十分沿いにくいなどの問題があり、無理にこの欠点を防止しようとするとボーンの数を増やしたり、ボーンの剛性をより強いものにする必要があり、着用感の低下を来すと言う問題がある。

【００１２】しかも、こういったワイヤーやボーンは通常、ミシンなどで直接衣類本体に縫製することができないので、ボーンやワイヤーは前述したようにバイアステープなどの生地を用いて縫製によって設けられた袋状空間の中に挿入されているが、ボーンやワイヤーはかなりの剛性を有するので、着用中の動きや洗濯中にボーンが袋状空間の中で動いてずれることのくりかえしにより、ついにはボーンが衣類を構成する生地を突き破って抜け出してしまうことがあるという問題もある。

【００１３】本考案は、上記の問題点を解消し、柔軟で違和感が少なく、従って着用感の低下がなく、且つ、衣類の形状保持や身体の体形を整えて美しいシルエットを作り出すことができ、歪みなどによるたるみや着崩れ、皺の発生が少なく、曲面にも良くフィツトできるフィットタイプの衣類を提供することを目的とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を達成するために、本考案のフィットタイプの衣類は次の構成を有するものである。

【００１５】（１）身体にフィットさせて着用するタイプの衣類において、少なくとも身体のシルエットを補整したい部分および／または前記衣類の形状を整えたい部分に三軸織物を使用したことを特徴とする衣類。

【００１６】（２）衣類が***受けカップを有する衣類であって、少なくとも前記カップの一部または全部に三軸織物を使用した前記（１）項に記載の衣類。（３）***受けカップを有する衣類が、ブラジヤー、ボディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミソール、スリップ、レオタードあるいは水着から選ばれた衣類である前記（２）項に記載の衣類。

【００１７】（４）少なくとも***受けカップがモールド加工により立体成形されてなる乳房受けカップである前記（２）または（３）項のいずれかに記載の衣類。（５）衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも腹部の一部に三軸織物を使用した前記（１）項に記載の衣類。

【００１８】（６）衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも下臀部に三軸織物を使用した前記（１）項に記載の衣類。（７）衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも腹部の一部と下臀部に三軸織物を使用した前記（１）項に記載の衣類。

【００１９】（８）下半身部を有し、且つ股部を有する衣類が、ガードル、ボディスーツ、レオタード、スパッツあるいは水着から選ばれた衣類である前記（５）〜（７）項のいずれかに記載の衣類。

【００２０】（９）少なくとも臀部がモールド加工により立体成形されてなる臀部を有する前記（５）〜（８）項のいずれかに記載の衣類。（１０）下半身部を有し、且つ股部を有する衣類が、ボディスーツ、レオタードあるいは水着から選ばれた衣類であって、前記衣類の少なくとも臀部と***受けカップがモールド加工により立体成形されてなる臀部と***受けカップを有する前記（７）項に記載の衣類。

【００２１】（１１）衣類がビスチエ、ビスチエタイプのアウターウェアーあるいはウェストニッパーから選ばれた衣類である前記（１）項に記載の衣類。（１２）三軸織物が、伸縮性の三軸織物である前記（１）〜（１１）項のいずれかに記載の衣類。

【００２２】（１３）三軸織物が、非伸縮性の三軸織物である前記（１）〜（１１）項のいずれかに記載の衣類。

【００２３】

【作用】

（１）本考案の衣類は、身体にフィットさせて着用するタイプの衣類において、少なくとも身体のシルエットを補整したい部分および／または前記衣類の形状を整えたい部分に三軸織物を使用している。三軸織物は、三軸織物を構成している構成糸が、ほぼ正三角形の各辺に対応するような方向に織り込まれているので、織物の面内方向のいずれの方向から作用する応力に対しても平均的な強度や伸びを示し、異方性が小さく、等方的な性質を有する。しかも三方向に糸が走っているので、通常の直角方向に糸が走っている２軸織物に比べて、ある特定方向のみ伸びが大きすぎるなどと言うことがないので、曲面にした場合に、歪みが生じにくく、曲面に沿いやすい。しかも構成糸が、ほぼ正三角形の各辺に対応するような方向に織り込まれているのでこの点でも曲面に沿いやすい。これは例えば曲面を有する立体の表面に正方形の硬質紙片を貼り付けて疑似曲面を完成するよりは正三角形の硬質紙片を貼り付けて疑似曲面を完成する方がはるかに原曲面に沿った疑似曲面が作り易くなることからも理解されるところである。しかも三方向に糸が走っているので全体としての強度も強く、形状保持能力や、身体の体形補整用に用いた場合のパワーも比較的強くできる。

【００２４】よって、身体にフィットさせて着用するタイプの衣類の少なくとも身体のシルエットを補整したい部分および／または前記衣類の形状を整えたい部分に三軸織物を使用することにより、ワイヤーやボーンに比べてより広い面状で適用でき、しかもワイヤーやボーンに比べてはるかに柔軟であり、軽くソフトになり、着用感も良く、歪みが少ないので、たるみなどが少なく、美しい身体のシルエットを実現したり、美しい衣類の形状を保持でき、また、曲面も美しく成形でき、曲面に沿いやすいので、身体の曲面上に盛り上がった部分などにフィツトさせていても平面で身体を押さえ付けるような圧迫感もなく、着崩れが起こりにくく皺の発生も少ない衣類を提供できる。また、ワイヤーやボーンと併用する場合でも、その数を少なくしたり、より柔らかく軽いものを使用することができ、着用感を改良できる。

【００２５】（２）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が***受けカップを有する衣類であって、少なくとも前記カップの一部または全部に三軸織物を使用することにより、前述した等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性が優れることから、より美しいバストシルエットを実現でき、歪み、皺、たるみ、着崩れなどの少ない着用感の良好な***受けカップを有する衣類を提供できる。

【００２６】（３）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、前記***受けカップを有する衣類が、ブラジヤー、ボディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミソール、スリップ、レオタードあるいは水着から選ばれた衣類である本考案の好ましい態様とすることにより、これらの衣類は、バスト形状をはじめとして、身体の美しいシルエットの実現が要求される衣類であり、本考案の前述の作用が有効に発揮され好ましい。

【００２７】（４）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、少なくとも***受けカップがモールド加工により立体成形されてなる***受けカップとすることにより、三軸織物は、前述した等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性が優れているので、皺や歪みの少ない極めて美しい形状の***受けカップを有する衣類を提供することができる。

【００２８】（５）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも腹部の一部に三軸織物を使用した衣類とすることにより、三軸織物の前述した等方性、パワーの強さなどにより、従来の腹部あて布を有する同種の衣類に比べて、腹部の贅肉の膨出を抑制し、皺や歪みの少ない、より美しい腹部シルエットを実現できる衣類を提供することができる。

【００２９】（６）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも下臀部に三軸織物を使用した衣類とすることにより、三軸織物の前述した等方性、パワーの強さなどにより、従来の下臀部にあて布を有する同種の衣類に比べて、効果的なヒップアップと歪みのない、より美しいヒップ形状を実現できる衣類を提供することができる。

【００３０】（７）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも腹部の一部と下臀部に三軸織物を使用した衣類とすることにより、腹部の贅肉の膨出を抑制し、皺や歪みの少ないより美しい腹部シルエットと、効果的なヒップアップと歪みのないより美しいヒップ形状を実現できる衣類を提供することができる。

【００３１】（８）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類が、ガードル、ボディスーツ、レオタード、スパッツあるいは水着から選ばれた衣類である本考案の好ましい態様とすることにより、これらの衣類は、女性の腹部や臀部の形状を補整する機能をはじめとして、身体の美しいシルエットの実現が要求される衣類であり、本考案の前述の作用が有効に発揮され好ましい。

【００３２】（９）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、少なくとも臀部がモールド加工により立体成形されてなる臀部を有する衣類とすることにより、三軸織物は、前述した等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性が優れているので、皺や歪みの少ない極めて美しいヒップの丸みを実現できる衣類を提供することができる。

【００３３】（１０）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類が、ボディスーツ、レオタードあるいは水着から選ばれた衣類であって、前記衣類の少なくとも臀部と***受けカップがモールド加工により立体成形されてなる臀部と***受けカップを有する衣類とすることにより、皺や歪みの少ない極めて美しい形状の***受けカップを有し、美しいヒップの丸みを実現できる衣類を提供することができる。

【００３４】（１１）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、衣類がビスチエ、ビスチエタイプのアウターウェアーあるいはウェストニッパーから選ばれた衣類とすることにより、従来のこれらの衣類には多くのボーンが用いられており、しかも狭幅のボーンに支持力を大幅に依存しているため、ボーンの存在する部分とボーンのない部分の物性差が激しく、着用感が低下するが、本考案の三軸織物使いの衣類とする事により、三軸織物は柔軟性がはるかに優れ、軽くソフトであるのでより広い面状で適用でき、着用感を良好に保ったまま、美しい衣類の形状保持機能を発揮することができる。また、ボーンを併用する場合でも、その数を少なくしたり、より柔らかく軽いものを使用することができ、着用感を改良できる。

【００３５】（１２）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、三軸織物として伸縮性の三軸織物を用いることにより、身体の動きやすい部分の動きに対応でき、しかも前述した歪み、皺、たるみなどが少なく、等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性等により、身体の動きに追従するが、偏った歪みが生じないので、美しいシルエットを実現でき、且つ運動追従性の良い衣類を提供できる。

【００３６】（１３）また、前記本考案のフィットタイプの衣類において、三軸織物として非伸縮性の三軸織物を用いることにより、前述した歪み、皺、たるみなどが少なく、等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性、全方向における強度の強さ、形状保持能力等の三軸織物の特性を生かして、身体の体形補整のパワーをより強くして、より体形補整機能を高めたり、衣類の形状保持機能をより高めた衣類が提供できる。

【００３７】

【実施例】

以下、本考案の理解を容易にするために、図面を参照しながら、具体例を挙げて本考案を説明するが、本考案はこの具体例のもののみに限定されるものではない。

【００３８】図１〜図３は、三軸織物の代表的な織組織を示す平面図である。図１は２本の経糸１、２が１本の緯糸３に対してそれぞれ約６０度の角度で交差したベイシック織、図２はバイプレイン織、図３はベイシックバスケット織と称されている三軸織物の織組織である。本考案では必要に応じて適宜いずれの織組織の三軸織物を用いてもよい。

【００３９】この様に三軸織物は、各糸がほぼ６０度の交差角で織られているため、織物面内方向の異方性が小さく前述したような特性を有する。三軸織物を構成する繊維としては通常の織物や編物に用いられる各種の合成繊維、人造繊維、天然繊維またはこれらの組み合わせが用いられ、繊維の種類は、衣類の種類や目的、付与したい性質などにより適宜選定すればよい。

【００４０】また、伸縮性の三軸織物とする場合には、ポリウレタン繊維などの適宜の弾力性を有する繊維を適宜の割合で用いたものなどがあげられる。三軸織物を構成する生地の糸の太さも特に限定するものではなく、通常のそれぞれの衣類に用いられている範囲のものが適用できる。従って、衣類の種類や使用部位、生地の種類によって異なるが、通常１０デニール〜１５０デニール程度のものが使用される。当然のことながら、同一種類の生地では糸の太さが細くなるほど一般には柔軟な織物となる。

【００４１】特に限定するものではないが、合成繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ビニロン繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維などが、人造繊維としては、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなどが、天然繊維としては、木綿、麻、獣毛、絹などが挙げられる。

【００４２】図４は本考案の衣類の一例である***受けカップを有するブラジャーの斜視図である。図５は図４のＡ−Ａ´方向切断面の端面模式図を示す。図４、図５において１１は***受けカップの上カップ部、１２は***受けカップの下カップ部、１３はカップのほぼ下半分のほぼ半円状の縁（以下、カップ下辺と略称する）を示しており、カップワイヤーなどが装着されるタイプに於いては、この部分にワイヤーが装着されているものが最もポピュラーである。１４は上カップ部と下カップ部の接ぎ部であり、１６は土台布、１７はバック布、１８はストラップ（肩紐）を示している。

【００４３】図５に於いては、２１は上カップ表布、２２は下カップ表布、２３は不織布などからなる上カップ布、２４は同様に不織布などからなる下カップ布である。２５は三軸織物であり、この例では上カップ表布２１ならびに下カップ表布２２と、上カップ布２３ならびに下カップ布２４との間に位置している。三軸織物２５は、上カップ布２３、下カップ布２４ならびに適宜のバイアステープ２６などと共に縫製ライン２７により縫製されている。２８はカップ上縁を縫製している縫製ラインである。２９は上カップ表布２１と下カップ表布２２とを縫製している縫製ライン、３０、３０´はそれぞれ上カップ表布２１と下カップ表布２２の端部処理のための縫製ラインである。土台布１６はその下辺部にストレッチテープ３１が縫製ライン３２、３３により取り付けられ、そして土台布１６は、カップワイヤー３４を包み込むバイアステープなどのテープ布３５と共に、縫製ライン３６、３６´でカップの下側の端部に縫製されている。尚、図４において点線で示した範囲が三軸織物２５が使用されている位置を示している。

【００４４】尚、この例では三軸織物２５が上カップ表布２１ならびに下カップ表布２２と、上カップ布２３ならびに下カップ布２４との間に位置しているタイプを例示したが、必ずしもこのタイプに限られるものではなく、重ね合わせ順が異なったり、上カップ表布２１ならびに下カップ表布２２を省略したり、上カップ布２３ならびに下カップ布２４を省略したり、あるいは三軸織物のみでカップを構成することなどは任意である。

【００４５】以上説明した図４に示したブラジャーは、カップほぼ全面にわたって三軸織物を用いることにより、バスト全体を包み込んでその形状を美しいシルエットに補整するタイプの例である。

【００４６】図６は本考案の別の態様のブラジャーの斜視図である。このタイプは三軸織物６１と６２が、カップの一部に使用されている例であり、６１が下カップ部に用いられている三軸織物の適用部分、６２はカップ脇部に用いられている三軸織物の適用部分である。三軸織物６１がバストを美しくアップする機能を有し、三軸織物６２はバストを前中心方向に寄せる機能を有する例である。尚、断面構造は、前述のブラジャーで説明した態様とほぼ同様の構造が採用できる。

【００４７】図示していないが、図４のように三軸織物をカップ全体使いにし、且つ更にそれと重ねて例えば図６に示したような位置に三軸織物の部分使いのものを併用してもよい。

【００４８】また、いずれのタイプにおいても、例えば土台布に三軸織物を使用してより歪みの少ないバスト形状補整機能の高いブラジャーにすることなど、カップ以外の部分にも三軸織物を使用することも任意であり、且つ、好ましい。

【００４９】また、カップ部を熱成形加工などのモールド加工により立体成形した***受けカップとすることにより、より美しい形状の***受けカップを有する衣類を提供することができる。特に三軸織物は、前述したように曲面成形性が優れており、二軸織物使いに比べてはるかに美しい曲面をもったモールド加工が可能になる。

【００５０】尚、前述したように、三軸織物は二軸織物に比べてその面内方向において等方的に応力を支えることができるので、カップの立体形状の保持力が優れている、面状でバストにかかるバスト補整力（バストアップ力、寄せ力、突出力など）が優れている、ならびに平面内での生地の歪みが少なく人体の運動に対して着崩れしにくく運動追従性が優れている等の良好な特性を生かして、カップ全体、カップの一部分、あるいはこれらの併用などの使い方によって、バスト全体を包み込んでその形状を補整する機能タイプ、バストアップ機能タイプ、バスト寄せ機能タイプ、バスト突出機能タイプなど目的に応じて種々の態様が可能となる。

【００５１】また、カップ部において、伸縮性の三軸織物を用いてもよいし、非伸縮性の三軸織物を用いてもよい。また、部分的に使い分けてもよい。伸縮性の三軸織物を用いた場合には、身体の動きに対して追従して変形しても偏った歪んだ変形にならず、美しいシルエットを保って、且つ運動追従性のよりすぐれたブラジャーを提供できる。

【００５２】また、非伸縮性の三軸織物を用いた場合には、バストの形状補整のパワーがより強く、より形状補整機能が高くなり、またカップ自体の形態保持機能をより高めたブラジャーとすることができる。

【００５３】尚、図４、図６において三軸織物はそれぞれ***受けカップの左***用のカップについて図示したが右***用のカップについても左右対象でほぼ同様の位置に存在する。

【００５４】以上はブラジャーを例に取り上げて説明したが、前述した、ボディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミソール、スリップ、レオタードあるいは水着などの***受けカップを有する衣類でバストにフィットさせて着用するタイプの衣類にも同様に適用できる。

【００５５】次に本発明のフィットタイプの衣類のうち、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類の一例としてガードルについて説明する。図７は、本考案のガードルの一例のほぼ前側から見た斜視図である。腹部に三軸織物７１からなるお腹押さえが設けられている。通常かかるタイプのお腹押さえはガードル本体の裏側に当布として用いられる場合と表側に装飾的な模様などを必要に応じて付して用いられる場合などがあるが、かかる点は任意である。

【００５６】三軸織物の前述した等方性、パワーの強さなどにより、従来の腹部あて布を有する同種の衣類に比べて、腹部の贅肉の膨出を抑制し、皺や歪みの少ないより美しい腹部シルエットを実現できるこのお腹押さえの三軸織物７１として伸縮性の三軸織物を用いる場合に、適度の補整パワーと、立ったり座ったり、前屈したり後屈したりする場合の運動追従性のよいお腹押さえの機能を発揮することができる。また、非伸縮性の三軸織物を用いた場合には、よりお腹押さえパワーの強いガードルとすることができる。

【００５７】図８は、本考案のガードルの一例のほぼ後側から見た斜視図である。下臀部近傍に三軸織物７２が当て布として使用されている。この様に下臀部に三軸織物を使用したガードルとすることにより、三軸織物の前述した等方性、パワーの強さなどにより、従来の下臀部にあて布を有する同種のガードルに比べて、効果的なヒップアップと歪みのないより美しいヒップ形状を実現できる衣類を提供することができる。特に限定するものではないが、通常、この部分は立ったり座ったりしゃがんだりする場合に動きが比較的大きいので、伸縮性の三軸織物を用いることが好ましい。

【００５８】また、ガードルの臀部は、三軸織物使いの場合には本例に図示した態様のものに限らず、モールド加工により立体成形することにより、三軸織物が前述した等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性が優れているので、皺や歪みの少ない極めて美しいヒップの丸みを実現したガードルとすることができる。

【００５９】図９、図１０は本考案のガードルの別の一態様のそれぞれほぼ前側と後側から見た斜視図である。この場合にはガードル本体ほぼ全体が伸縮性の三軸織物で構成されている。この様な態様とすることにより、着崩れが少なくヒップアップ、腹部押さえ、太ももの贅肉の補正などの機能を有するガードルとすることができる。もちろんこのガードルの臀部はモールド加工により立体成形してもよいことは前述の通りである。

【００６０】図１１は、本考案のガードルの別の態様の一例のほぼ前側から見た斜視図である。この場合にはガードル本体ほぼ全体が伸縮性の三軸織物１１１で構成されていると共に、更に腹部に三軸織物１１２からなるお腹押さえが設けられている。

【００６１】この様な態様とすることにより、前述の図９や図１０で説明したガードルの機能のうち更に腹部押さえ機能をより強力にしたガードルとすることができる。この場合のお腹押さえの三軸織物１１２としては伸縮性の三軸織物を用いてもよいし、非伸縮性の三軸織物を用いてもよい。それぞれの使い分けやそれにより達成される効果は、図７の例で説明した説明とほぼ同様である。もちろんこのガードルの臀部はモールド加工により立体成形してもよいことは前述の通りである。

【００６２】図１２は、本考案のガードルの別の態様の一例のほぼ後側から見た斜視図である。この場合もガードル本体ほぼ全体が伸縮性の三軸織物１２１で構成されていると共に、更に下臀部に三軸織物１２２からなるヒップアップ機能強化用の当て布が用いられている。

【００６３】この様な態様とすることにより、前述の図９や図１０で説明したガードルの機能のうち、更にヒップアップ機能をより強力にしたガードルとすることができる。下臀部の三軸織物１２２としては図８の例で説明したと同様の理由で伸縮性の三軸織物を用いることが好ましい。もちろんこのガードルの臀部はモールド加工により立体成形してもよいことは前述の通りである。

【００６４】また、次に本発明のフィットタイプの衣類のうち、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、且つ***受けカップを有する衣類の一例として水着について説明する。

【００６５】図１３、図１４は本考案の水着の一例の、それぞれほぼ前側と後側から見た斜視図である。この例においては、水着の***受けカップ部と腹部と下臀部にそれぞれ三軸織物１３１、１３２、１３３が用いられている。カップ部の機能は図４で説明したブラジャーと、また、腹部、下臀部の機能は、図７、図８で説明したガードルの当該部分の機能とほぼ同様であり、美しいバストの形状の実現、腹部押さえ、ヒップアップ機能が達成される。

【００６６】また、この水着においてカップ部と下臀部近傍をモールド加工により立体成形してより美しい曲面形状に仕上げても良いことはもちろんであり、上記以外の部分に三軸織物を適用することも任意である。また、必要に応じてカップ部と腹部と下臀部のうちいずれか１箇所または２箇所を三軸織物にしてもよい。また、水着本体全体を伸縮性の三軸織物で形成し、更にカップ部と腹部と下臀部のうち少なくとも１箇所に重複して三軸織物を用いて、機能強化をすることもできる。

【００６７】尚、三軸織物１３３は伸縮性の三軸織物を用いることが好ましく、三軸織物１３１と１３２は伸縮性、非伸縮性のいずれの三軸織物を用いてもよく前述したそれらの特性に応じて使い分けることができる。

【００６８】また、次に本発明のフィットタイプの衣類のうち、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、且つ***受けカップを有する衣類の一例としてボディスーツについて説明する。

【００６９】図１５は本考案のボディスーツの一例のほぼ前側から見た斜視図である。この例においては、ボディスーツの腹部に三軸織物１５１が用いられている。これにより水着やガードルのお腹押さえとほぼ同様に、腹部の贅肉の膨出を形よく抑えて、腹部の美しいシルエットを実現できる。三軸織物１５１としては、伸縮性、非伸縮性のいずれの三軸織物を用いてもよく、前述したそれらの特性に応じて使い分けることができる。

【００７０】図１６、図１７は本考案のボディスーツの別の態様の一例の、それぞれほぼ前側と後側から見た斜視図である。図１７については、特に上部の図示を省略した部分斜視図となっている。この例においては、ボディスーツの腹部に三軸織物１６１のほか、腹部のより広い部分とウェスト部にわたる三軸織物１６２とウェスト脇部から下臀部にわたる部分に三軸織物１６３が用いられている。これらはそれぞれ腹部押さえ、ヒップアップ、ウェストの贅肉の補整機能を発揮する。

【００７１】これらの部分に用いられる三軸織物としては三軸織物１６２および１６３は伸縮性の三軸織物を用いることが好ましく、三軸織物１６１としては、伸縮性、非伸縮性のいずれの三軸織物を用いてもよく前述したそれらの特性に応じて使い分けることができる。

【００７２】図１８は本考案のボディスーツの更に別の態様の一例のほぼ前側から見た斜視図である。この例においては、***受けカップ部を除いてボディスーツほぼ全体にわたり三軸織物１８１が使用されている。もちろん本例も含めて図１５〜図１７に示したボディスーツのいずれの***受けカップ部にも前述したブラジャーの例で示したような三軸織物を使用することが好ましい。図１８のボディスーツにおいては、胃部、腹部、ウェスト、ヒップなど全体にわたって身体の美しいシルェットラインを作る補整機能と着崩れしにくい運動追従機能とが付与されたガードルが提供される。尚、この場合の三軸織物１８１としては、伸縮性の三軸織物が好ましく用いられる。また、図１８で示したボディスーツに図１５やあるいは図１６、図１７で示した部分と同じ部分に更に三軸織物を重複して用いてこれらの部分の機能を強化することもできる。

【００７３】図１９は本考案のフィットタイプの衣類の一例のビスチエの主要部分の概略見取図である。図１９のビスチエにおいては、ビスチエ本体ほぼ全体にわたって三軸織物が用いられている。そしてこの場合、三軸織物の等方的性質により、形よくビスチエの形状を整え着崩れを防止する作用があるため、図２０で示した従来のビスチエに比べてボーンの数を例えばボーン１９１と１９２の２つのみに減らすことができ、着用感の向上が達成できる。ここで三軸織物としてはこの図のような場合には伸縮性の三軸織物を用いることが好ましい。また、図示していないが、図２０の図面を参照して説明すれば、ボーン２０３のみを存在させてボーン２０３より前中心側を非伸縮性の三軸織物を用い、ボーン２０３よりバック側を伸縮性の三軸織物としてもよい。こうすることによってもボーンの数を減らすことができ着用感の向上が達成できる。

【００７４】また、図示していないがウェストニッパーを三軸織物で構成する事によっても三軸織物の等方的性質により、形よくウェストニッパーの形状を整え着崩れを防止する作用があるため、従来のウェストニッパーに比べてボーンの数を減らしたり、より拘束力の弱いボーンにしたり、より軽量のボーンにすことができ、着用感の向上が達成できる。ウェストニッパーにおいては、後側で着用時に開いたり閉じたりできるタイプのウェストニッパーについては非伸縮性または伸縮性の三軸織物あるいはそれらの併用とすることができ、着用時に開くことができない環状のウェストニッパーについては伸縮性の三軸織物あるいは非伸縮性と伸縮性の三軸織物の併用とするのが好ましい。

【００７５】以上、本考案について少数の実施例を挙げて説明したが、これらの説明から、このほかサポートタイプのパンティストッキング、スパッツ、ビスチエタイプのアウターウェアー、ハイウェストのスカートやパンツ、その他各種の他のフィットタイプの下着や外着、スポーツウェアーなどの衣類についても、適宜その少なくとも身体のシルエットを補整したい部分および／または前記衣類の形状を整えたい部分に三軸織物が適用できることが理解される。

【００７６】

【考案の効果】

本考案は、柔軟で違和感が少なく、良好な着用感を保持し、且つ、衣類の形状保持や身体の体形を整えて美しいシルエットを作り出すことができ、歪みなどによるたるみや着崩れ、皺の発生が少なく、曲面にも良くフィツトできるフィットタイプの衣類を提供できる。

【００７７】また、本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が***受けカップを有する衣類であって、少なくとも前記カップの一部または全部に三軸織物を使用することにより、より美しいバストシルエットを実現でき、歪み、皺、たるみ、着崩れなどの少ない着用感の良好な***受けカップを有する衣類を提供できる。

【００７８】また、本考案のフィットタイプの衣類において、前記***受けカップを有する衣類が、ブラジヤー、ボディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミソール、スリップ、レオタードあるいは水着から選ばれた衣類である本考案の好ましい態様とすることにより、本考案の前述の効果がより効果的に有効に発揮される衣類を提供できる。

【００７９】また、本考案のフィットタイプの衣類において、少なくとも***受けカップがモールド加工により立体成形されてなる***受けカップとすることにより、皺や歪みの少ない極めて美しい形状の***受けカップを有する衣類を提供することができる。

【００８０】また、本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも腹部の一部に三軸織物を使用した衣類とすることにより、腹部の贅肉の膨出を抑制し、皺や歪みの少ないより美しい腹部シルエットを実現できる衣類を提供することができる。

【００８１】また、本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも下臀部に三軸織物を使用した衣類とすることにより、効果的なヒップアップと歪みのないより美しいヒップ形状を実現できる衣類を提供することができる。

【００８２】また、本考案のフィットタイプの衣類において、衣類が下半身部を有し、且つ股部を有する衣類であって、少なくとも腹部の一部と下臀部に三軸織物を使用した衣類とすることにより、腹部の贅肉の膨出を抑制し、皺や歪みの少ないより美しい腹部シルエットと、効果的なヒップアップと歪みのないより美しいヒップ形状を実現できる衣類を提供することができる。

【００８３】また、本考案のフィットタイプの衣類において、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類が、ガードル、ボディスーツ、レオタード、スパッツあるいは水着から選ばれた衣類である本考案の好ましい態様とすることにより、女性の腹部や臀部の形状を補整する機能をはじめとして、身体の美しいシルエットの実現の要求を満たすことができ、本考案の前述の効果が極めて効果的に有効に発揮され類類を提供できる。

【００８４】また、本考案のフィットタイプの衣類において、少なくとも臀部がモールド加工により立体成形されてなる臀部を有する衣類とすることにより、皺や歪みの少ない極めて美しいヒップの丸みを実現できる衣類を提供することができる。

【００８５】また、本考案のフィットタイプの衣類において、下半身部を有し、且つ股部を有する衣類が、ボディスーツ、レオタードあるいは水着から選ばれた衣類であって、前記衣類の少なくとも臀部と***受けカップがモールド加工により立体成形されてなる臀部と***受けカップを有する衣類とすることにより、皺や歪みの少ない極めて美しい形状の***受けカップを有し、美しいヒップの丸みを実現できる衣類を提供することができる。

【００８６】また、本考案のフィットタイプの衣類において、衣類をビスチエ、ビスチエタイプのアウターウェアーあるいはウェストニッパーから選ばれた衣類とすることにより、着用感を良好に保ったまま、美しい衣類の形状保持機能を発揮することができ、また、ボーンを併用する場合でも、その数を少なくしたり、より柔らかく軽いものを使用でき、着用感が改良された衣類が提供できる。

【００８７】また、本考案のフィットタイプの衣類において、三軸織物として伸縮性の三軸織物を用いることにより、身体の動きやすい部分の動きに対応でき、しかも歪み、皺、たるみなどが少なく、等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性等により、身体の動きに対して歪むことがなく、美しいシルエットを実現でき、且つ運動追従性の良い衣類を提供できる。

【００８８】また、本考案のフィットタイプの衣類において、三軸織物として非伸縮性の三軸織物を用いることにより、歪み、皺、たるみなどが少なく、等方性、曲面へ沿い易い性質、曲面加工性、全方向における強度の強さ、形状保持能力等の三軸織物の特性を生かして、身体の体形補整のパワーをより強くして、より体形補整機能を高めたり、衣類の形状保持機能をより高めた衣類が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案で用いる三軸織物の代表的な織組織の一
例を示す平面図である。

【図２】本考案で用いる三軸織物の代表的な織組織の別
の一例を示す平面図である。

【図３】本考案で用いる三軸織物の代表的な織組織の更
に別の一例を示す平面図である。

【図４】本考案の一実施例のブラジャーの斜視図であ
る。

【図５】図４のブラジャーのＡ−Ａ´方向切断面の端面
模式図である。

【図６】本考案の一実施例の別の態様のブラジャーの斜
視図である。

【図７】本考案の一実施例のガードルのほぼ前側から見
た斜視図である。

【図８】本考案の一実施例のガードルのほぼ後側から見
た斜視図である。

【図９】本考案のガードルの別の一態様のほぼ前側から
見た斜視図である。

【図１０】図９のガードルのほぼ後側から見た斜視図で
ある。

【図１１】本考案の別の一態様のガードルのほぼ前側か
ら見た斜視図である。

【図１２】本考案の別の一態様のガードルのほぼ後側か
ら見た斜視図である。

【図１３】本考案の一実施例の水着のほぼ前側から見た
斜視図である。

【図１４】図１３の水着のほぼ後側から見た斜視図であ
る。

【図１５】本考案の一実施例のボディスーツのほぼ前側
から見た斜視図である。

【図１６】本考案のボディスーツの別の態様のほぼ前側
から見た斜視図である。

【図１７】図１６のボディスーツのほぼ後側から見た部
分斜視図である。

【図１８】本考案のボディスーツの更に別の一態様のほ
ぼ前側から見た斜視図である。

【図１９】本考案の一実施例のビスチエの主要部分の概
略見取図である。

【図２０】従来のビスチエの主要部分の概略見取図であ
る。

【符号の説明】

１、２経糸３緯糸１１上カップ部１２下カップ部１３カップのほぼ下半分のほぼ半円状の縁１４上カップ部と下カップ部の接ぎ部１６土台布１７バック布１８ストラップ（肩紐）２１上カップ表布２２下カップ表布２３上カップ布２４下カップ布２５三軸織物２６バイアステープ２７、２８、２９、３０、３０´ 縫製ライン３１ストレッチテープ３２、３３縫製ライン３４カップワイヤー３５テープ布３６、３６´ 縫製ライン６１、６２三軸織物７１、７２三軸織物１１１、１１２三軸織物１２１、１２２三軸織物１３１、１３２、１３３三軸織物１５１、１６１、１６２、１６３、１８１三軸織物１９１、１９２ボーン２０１、２０２、２０３、２０４ボーン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ４１Ｃ 3/00 ＢＡ４１Ｄ 7/00 Ｆ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】身体にフィットさせて着用するタイプの
衣類において、少なくとも身体のシルエットを補整した
い部分および／または前記衣類の形状を整えたい部分に
三軸織物を使用したことを特徴とする衣類。
【請求項２】衣類が***受けカップを有する衣類であ
って、少なくとも前記カップの一部または全部に三軸織
物を使用した請求項１に記載の衣類。
【請求項３】 ***受けカップを有する衣類が、ブラジ
ヤー、ボディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テ
ディ、キャミソール、スリップ、レオタードあるいは水
着から選ばれた衣類である請求項２に記載の衣類。
【請求項４】少なくとも***受けカップがモールド加
工により立体成形されてなる***受けカップである請求
項２または３のいずれかに記載の衣類。
【請求項５】衣類が下半身部を有し、且つ股部を有す
る衣類であって、少なくとも腹部の一部に三軸織物を使
用した請求項１に記載の衣類。
【請求項６】衣類が下半身部を有し、且つ股部を有す
る衣類であって、少なくとも下臀部に三軸織物を使用し
た請求項１に記載の衣類。
【請求項７】衣類が下半身部を有し、且つ股部を有す
る衣類であって、少なくとも腹部の一部と下臀部に三軸
織物を使用した請求項１に記載の衣類。
【請求項８】下半身部を有し、且つ股部を有する衣類
が、ガードル、ボディスーツ、レオタード、スパッツあ
るいは水着から選ばれた衣類である請求項５〜７のいず
れかに記載の衣類。
【請求項９】少なくとも臀部がモールド加工により立
体成形されてなる臀部を有する請求項５〜８のいずれか
に記載の衣類。
【請求項１０】下半身部を有し、且つ股部を有する衣
類が、ボディスーツ、レオタードあるいは水着から選ば
れた衣類であって、前記衣類の少なくとも臀部と***受
けカップがモールド加工により立体成形されてなる臀部
と***受けカップを有する請求項７に記載の衣類。
【請求項１１】衣類がビスチエ、ビスチエタイプのア
ウターウェアーあるいはウェストニッパーから選ばれた
衣類である請求項１に記載の衣類。
【請求項１２】三軸織物が、伸縮性の三軸織物である
請求項１〜１１のいずれかに記載の衣類。
【請求項１３】三軸織物が、非伸縮性の三軸織物であ
る請求項１〜１１のいずれかに記載の衣類。