JPH0755151Y2 - ドアアームレストの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ドアグリップを一体
化したドアアームレストに関し、特に、ドアグリップ部
の強度を向上させ、しかも外観意匠性に優れたドアアー
ムレストの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、ドアトリムに取付けられるドア
アームレストを示すものであり、車体側に取付けられ、
サポート機能をもつアームレストロア１と、このアーム
レストロア１の上面に接合固定され、クッション機能を
もつアームレストアッパー２とから構成されており、ア
ームレストロア１の上面にドアグリップ部３を取付けた
構成のものが多い。

【０００３】そして、この種のドアアームレストを車体
側に取付ける取付構造は、図６に示すように、ドアグリ
ップ部３の芯材３ａを、ビスにより予めアームレストロ
ア１の内面に固定した後、ドアグリップ部３を一体化し
たアームレストロア１をドアトリム４の表面に装着し、
アームレストロア１からドアインナーパネル５側に突出
するように成形してなるブラケット部６をドアトリム４
の開口４ａを通して、ドアインナーパネル５にビス７止
め固定し、次いで、ブラケット部６やビス７をキャップ
８により被覆して構成している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドアアームレストの取付構造においては、アームレスト
ロア１の表面に取付部材を隠すためのキャップ８が嵌め
込まれるため、このキャップ８により見栄えの低下を招
くという欠点が指摘されている。

【０００５】さらに、ドアグリップ部３をつかんでドア
を開閉操作する際、グリップ部３の下端と連結している
アームレストロア１の上面はドアインナーパネル５に固
定されておらず、ドアインナーパネル５に対する固定点
とドアグリップ部３の下端とは離れているため、図６中
Ａで示す部分にすきが発生し、良好な開閉操作性が得ら
れないとともに、すき発生により見栄えの低下を招くと
いう不具合がある。

【０００６】この考案は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、本考案の目的とするところは、ドアグリッ
プ部を一体化したドアアームレストにおいて、ドアグリ
ップ部の強度を高めるとともに、従来のキャップを廃止
し、かつドアトリムとアームレストの間に生じる隙間の
発生をなくし、見栄えを著しく向上させたドアアームレ
ストの取付構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案は、ドアグリップ部を一体に設け、ドアイン
ナーパネルに取付けられるアームレストロアと、アーム
レストロア上面に接合固定されるアームレストアッパー
とから構成されるドアアームレストの取付構造におい
て、前記ドアグリップ部の下端に、ドアグリップ部の芯
材と一体あるいは別体に取付用ブラケットを連設形成す
るとともに、この取付用ブラケットをドアインナーパネ
ルに固着された車体側ブラケット上面に載置し、その上
側からアームレストロアの芯材を重合し、両者を共締め
固定したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】以上の構成から明らかなように、ドアグリップ
部の芯材と一体あるいは別体に連設形成された取付用ブ
ラケットがドアインナーパネルに取付けられた車体側ブ
ラケットにアームレストロアとともに、直接固定される
ため、ドアの開閉時、ドアグリップ部に荷重が加わって
も、荷重に耐え得る充分な強度を備えるとともに、アー
ムレストロア上面とドアトリムとの間に隙間が生じるこ
とがない。

【０００９】さらに、アームレストロアの上面を車体側
ブラケットに固定したため、従来のキャップが廃止でき
る。

【００１０】

【実施例】以下、本考案を図面に基いて詳細に説明す
る。

【００１１】図１は本考案に係るドアアームレストの第
１実施例を示す外観図、図２は同アームレストをドアイ
ンナーパネルに取付けた状態を示す断面図、図３は本考
案によるドアアームレストの第２実施例を示すもので、
ドアアームレストをドアインナーパネルに取付けた状態
を示す断面図、図４は第２実施例に使用するドアグリッ
プ芯材の要部斜視図である。

【００１２】図１において、本実施例によるドアアーム
レスト１０は、サポート機能をもつアームレストロア２
０と、クッション機能をもつアームレストアッパー３０
とから大略構成され、さらに、ドア開閉の際使用するド
アグリップ部４０がアームレストロア２０と一体に成形
されている。

【００１３】さらに詳しくは、図２に示すように、アー
ムレストロア２０は、樹脂芯材２１の表面にポリウレタ
ンフォーム等のパッド材２２が一体化され、更に、その
外表面がスラッシュ成形表皮２３により被覆されてお
り、同様に、ドアグリップ部４０は、金属板等からなる
グリップ部芯材４１の外周をポリウレタンフォーム等の
パッド材４２で被覆し、さらにその外表面がアームレス
トロア２０の表皮２３により被覆されている。

【００１４】参考までに、アームレストアッパー３０の
構成は、図示はしないが、樹脂芯材の表面にポリウレタ
ンフォーム等のパッド材を積層し、さらにその外表面を
装飾性シートで被覆して構成されている。

【００１５】次いで、ドアアームレスト１０をドアイン
ナーパネル７０に取付ける構造について説明する。

【００１６】まず、図２に示すように、アームレストロ
ア２０を車体側に取付ける前に、ドアグリップ部４０に
おけるグリップ芯材４１に取付用ブラケット５０をビス
５１により固定し、この取付用ブラケット５０をアーム
レストロア２０の上面に延在するように位置させる。

【００１７】そして、アームレストロア２０をドアトリ
ム６０の所定箇所に位置決めした後、ドアトリム６０に
設けられた開口６１を通して、室内側に突出している車
体側ブラケット７１の上面に取付用ブラケット５０並び
にアームレストロア２０の樹脂芯材２１を重ねてビス７
２により固定すれば、アームレストロア２０の取付が完
了する。尚、アームレストロア２０のドアグリップ部４
０以外の部分は、樹脂芯材２１をグロメットを介してド
アインナーパネル７０に固定するようにしている。

【００１８】その後、アームレストロア２０の上面にア
ームレストアッパー３０をセットして、図示しないクリ
ップ手段等により両者を接合固定すればよい。

【００１９】本考案によるドアアームレスト１０の取付
構造は、以上のように構成されているため、ドア開閉の
際、ドアグリップ部４０に荷重を加えても、ドアグリッ
プ部４０の下端に連結している取付用ブラケット５０が
ドアインナーパネル７０の車体側ブラケット７１に強固
に固定されているため、荷重に耐え得る充分な強度を備
えているとともに、ドアトリム６０表面とアームレスト
ロア２０との間に従来生じていたすきが発生することが
なく、見栄え上も好ましい。

【００２０】さらに、本考案による取付構造は、アーム
レストロア２０の上面に取付固定点を設定したものであ
り、従来の取付部品を覆うためのキャップを廃止するこ
とができ、部品点数の削減を図れるとともに、キャップ
を廃止することにより体裁上も好ましいものとなる。

【００２１】加えて、アームレストアッパー３０に肘を
ついて下方向に大きな荷重を加えても、アームレストロ
ア２０の上面を車体側ブラケット７１に固定する構造で
あるため、従来構造のものに比べ下方向の荷重に対して
も強化された構造となる。

【００２２】次いで、図３は本考案によるドアアームレ
スト１０の取付構造の別実施例を示すもので、本実施例
においては、ドアグリップ部４０の芯材４１と一体に設
けた取付用ブラケット５０をアームレストロア２０の上
面に沿って延在させた実施例であり、図４に示すグリッ
プ芯材４１を使用する。

【００２３】したがって、ドアグリップ部４０と一体化
したアームレストロア２０をドアインナーパネル７０側
に取付ける構造は上述実施例と同一であり、ドアグリッ
プ部４０の強度が確保でき、製品の外観意匠性を向上さ
せるという上述実施例と同様の効果を備えているととも
に、取付用ブラケット５０をグリップ芯材４１と一体化
したため、組付け工数ならびに材料費を低減させること
ができ、構造を簡素化することにより一層のコストダウ
ンが見込めるという付随的な効果がある。

【００２４】

【考案の効果】以上説明した通り、本考案によれば以下
に記載する格別の作用効果を有する。

【００２５】（１）本考案によれば、ドアグリップ部芯
材と連設する取付用ブラケットをアームレストロアの上
面に沿って延在させ、この取付用ブラケットとアームレ
ストロアとを車体側ブラケットに固定するという構成で
あるから、ドア開閉の際、ドアグリップ部に荷重を加え
ても、ドアグリップ部下端とアームレストロアの車体側
固定点とが接近しているため、ドアグリップ部は荷重に
耐え得る充分な強度を備えており、ドア開閉における操
作性が向上するという効果を有する。

【００２６】（２）本考案によれば、ドアグリップ部下
端に設けられた取付用ブラケットをアームレストロア上
面に延在させ、アームレストロアとともに車体側ブラケ
ットに固定するという構成であるため、ドアグリップ部
に荷重を加えても、アームレストロアの変形が確実に防
止でき、ドアトリムとアームレストロアとの間に隙間が
発生することがなく、従来生じていた外観上の不具合を
有効に解決するという効果を有する。

【００２７】（３）本考案によれば、アームレストロア
上面を車体側ブラケットに固定するという構成であるた
め、従来のようにアームレストロア側面部分に取付部材
を隠すためのキャップが不要となり、外観上違和感を与
えるキャップを廃止することにより、見栄えが向上する
という効果を有する。

【００２８】（４）本考案によれば、アームレストロア
上面に沿って延在する取付用ブラケットをアームレスト
ロアとともに、車体側ブラケットの上面に重ねて取付固
定するため、ドアアームレストに加わる下方向の荷重に
対して充分な強度を備えるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例に使用するドアアームレ
ストを示す外観図。

【図２】図１に示すドアアームレストをドアインナーパ
ネルに取付けた状態を示す断面図。

【図３】本考案によるドアアームレストの取付構造の第
２実施例を示す断面図。

【図４】図３に示すドアアームレストの取付構造に使用
するドアグリップ芯材の要部斜視図。

【図５】従来のドアアームレストの構成を示す外観図。

【図６】従来のドアアームレストをドアインナーパネル
に取付ける状態を示す断面図。

【符号の説明】

１０ ドアアームレスト ２０ アームレストロア ２１ 樹脂芯材 ２２ パッド材 ２３ 表皮 ３０ アームレストアッパー ４０ ドアグリップ部 ４１ グリップ芯材 ４２ パッド材 ５０ 取付用ブラケット ６０ ドアトリム ６１ 開口 ７０ ドアインナーパネル ７１ 車体側ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアグリップ部（４０）を一体に設け、
   ドアインナーパネル（７０）に取付けられるアームレス
   トロア（２０）と、アームレストロア（２０）上面に接
   合固定されるアームレストアッパー（３０）とから構成
   されるドアアームレストの取付構造において、 前記ドアグリップ部（４０）の下端に、ドアグリップ部
   （４０）の芯材（４１）と一体あるいは別体に取付用ブ
   ラケット（５０）を連設形成するとともに、この取付用
   ブラケット（５０）をドアインナーパネル（７０）に固
   着された車体側ブラケット（７１）上面に載置し、その
   上側からアームレストロア（２０）の芯材（２１）を重
   合し、両者を共締め固定したことを特徴とするドアアー
   ムレストの取付構造。