JPH0754619Y2 - 内燃機関の渦巻バネ式始動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、セルスタータなどの自動始動装置に替わるエ
ンジンの渦巻バネ式始動装置に関する。

〔従来の技術〕

小形エンジンのリール式始動装置に替わる省人力型始動
装置として、渦巻バネとエネルギー蓄力器を用いた始動
装置が、第３図に示した特願平01-84708号、および特願
昭63-10860号、特願昭63-294600号として特許出願され
ている。

また、渦巻バネの回転駆動軸に着脱可能に係合する手動
クランクを有する始動装置が実願昭63-087945号として
実用新案登録出願されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述の従来技術には次のような問題点がある。

第３図（特願平01-84708号）において、 （１）フレームA26にスタータ軸12、バネ蓄力室10、モ
ータ25、高減速比減速機40等を取り付けた後、フレーム
B27を取り付けるが、この時フレームB27の軸受20および
高減速比減速機40の固定内歯歯車のインロー部に、バネ
蓄力室10の軸および固定内歯歯車を差し込む必要がある
ため、組立性が悪い。

（２）フレームA26とフレームB27に軸受が設けられてお
り、またスタータの幅を狭くしたので、モータ25位置が
制約されて高減速比減速機40のエンジン取付面からの高
さが規定される。

（３）上記（１），（２）項により、スタータのエンジ
ン取付面からの高さが高くなり、エンジンとして大きく
なる。

本考案は上記問題点を解消した渦巻バネ式始動装置を提
供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

第１図，第２図に示す如く、 （１）プレート1026にバネ蓄力室10の軸受1020を設け、
バネ蓄力室10の軸に、スタータ軸1012の軸受1013を設
け、片持ち２重軸受構造とする。

（２）モータ25と同一軸芯上に、高減速比減速機40の固
定内歯歯車40-4のインロー部1026-1をプレート1026に設
ける。

（３）ケース1027には、軸受およびインロー部を設け
ず、プレート1026を取付けるネジ穴を設ける。

（４）バネ蓄力室10の外周の歯車10-2と、高減速比減速
機40の可動内歯歯車40-3の外歯40-10との間に、アイド
ラ歯車1100を設ける。

〔作用〕

（１）従来フレームA26とフレームB27の両方に、軸受と
インロー部を設けていたのを取止め、プレート1026に全
ての軸受とインロー部を設けたことにより、同プレート
1026に渦巻バネ式蓄力装置、ラチエツト機構および動力
源が全て取り付けられ、組立てが容易になる。

（２）アイドラ歯車により、バネ蓄力室10の外周歯車10
-2と、高減速比減速機40の外歯40-10の軸間距離が任意
にできる。

〔実施例〕

第１図，第２図において、５はラチエツトホイール、６
は始動ラチエツトレバー、10はバネ蓄力室、10aは箱
体、11は渦巻バネ、25はモータ、40は高減速比減速機、
1012はスタータ軸、1013はスタータ軸1012の軸受、1020
はバネ蓄力室10の歯受、1026はプレート、1026-1は固定
内歯歯車40-4のインロー部、1027はケース、1100はアイ
ドラ歯車である。

このような装置において、プレート1026にモータ25がと
りつけられ、モータ25と同一軸芯上のインロー部1026-1
に、高減速比減速機40の固定内歯歯車40-4がとりつけら
れ、モータ出力が高減速比減速機40に伝達される。

高減速比減速機40の出力は、アイドラ歯車1100を経てバ
ネ蓄力室10を回転させ、渦巻バネ11に蓄力される。

この時ラチエツトホイール５は始動ラチエツトレバー６
でロツクされている。

始動ラチツトレバー６を解除することにより、ラチエツ
トホイール５は回転する。

この時、バネ蓄力室10は高減速比減速機40のため逆転し
ないので、スタータ軸1012は、軸受1013で決まる芯で回
転する。

なお、アイドラ歯車1100により、高減速比減速機40の位
置、即ち、モータ25の取付位置は、スタータ取付面より
エンジン側に入る位置に設定されており、スタータのエ
ンジンからの出張り量は、バネ蓄力室10の位置で決まる
ようになっている。

また、プレート1026はケース1027にとりつけられ、スタ
ータアセンブリとなり、このケース1026をエンジンに取
りつけることにより、エンジンアセンブリとなる。

〔考案の効果〕

本考案は、渦巻バネの内端をスタータ軸に固定し外端を
箱体に固定したバネ蓄力室と、高減速比減速機を介して
前記バネ蓄力室の箱体を回転させるモータと、前記バネ
蓄力室のスタータ軸の回転力をクランク軸に伝えるマグ
ネツト組立とを内燃機関のケース内に組込んだ渦巻バネ
式始動装置において、前記ケース内にクランク軸の軸線
に直交するプレートを配置し、前記箱体に突設されスタ
ータ軸を回転自在に支持する筒状軸受を前記プレートに
より回転自在に支持し、前記モータ及び高減速比減速機
を前記プレートにより固定してなることにより、次の効
果を生ずる。

（１）プレート（1026）に渦巻バネ式始動装置、ラチエ
ツト機構、そして動力源を一体的にとりつけるため、組
立が容易になる。

（２）軸芯の加工精度が向上し、動力伝達効率が向上す
る。

（３）アイドラ歯車（1100）により、モータ（25）およ
び高減速比減速機（40）をスタータのデザイン上最適の
位置に設定することができる。

（４）片持２重軸受により、始動装置の出張り量が激源
し、小スペース化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る渦巻バネ式始動装置の断
面図、第２図は第１図のＡ視図、第３図は従来装置の断
面図である。 ２……クランク軸 ３……マグネツトホイール組立 10……バネ蓄力室、10a……箱体 11……渦巻バネ、25……モータ 40……高減速比減速機、1012……スタータ軸 1013,1020……２重軸受、1026……プレート 1027……ケース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】渦巻バネの内端をスタータ軸に固定し外端
   を箱体に固定したバネ蓄力室と、高減速比減速機を介し
   て前記バネ蓄力室の箱体を回転させるモータと、前記バ
   ネ蓄力室のスタータ軸の回転力をクランク軸に伝えるマ
   グネツトホイール組立とを内燃機関のケース内に組込ん
   だ渦巻バネ式始動装置において、前記ケース内にクラン
   ク軸の軸線に直交するプレートを配置し、前記箱体に突
   設されスタータ軸を回転自在に支持する筒状軸受を前記
   プレートにより回転自在に支持し、前記モータ及び高減
   速比減速機を前記プレートにより固定支持してなること
   を特徴とする内燃機関の渦巻バネ式始動装置。