JPH0754260Y2 - 高温高圧プレス機のプレスシリンダー - Google Patents

高温高圧プレス機のプレスシリンダー

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JPH0754260Y2
JPH0754260Y2 JP1767090U JP1767090U JPH0754260Y2 JP H0754260 Y2 JPH0754260 Y2 JP H0754260Y2 JP 1767090 U JP1767090 U JP 1767090U JP 1767090 U JP1767090 U JP 1767090U JP H0754260 Y2 JPH0754260 Y2 JP H0754260Y2
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精 武居
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大和田カーボン工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、各種セラミックや超硬合金などの高温高圧下
の焼結成型などで用いる高温高圧プレス機のプレスシリ
ンダーに関するものである。
従来の技術 従来、特殊なセラミックや超硬合金を製造する際に用い
る高温高圧プレス機は、第4図に示すように、受台1
と、この受台1の上に設置した人造黒鉛からなる円筒状
の外筒2と、この外筒2の内側に内周面に接して嵌合し
た人造黒鉛材からなる一般にスリーブといわれる内筒3
と、この内筒3の内側に嵌合した人造黒鉛材からなる上
下2枚の押板4A,4Bおよび上側の押板4Aの上方の押棒5
とで形成したプレスシリンダーを備えている。この高温
高圧プレス機によりセラミックや超硬合金を焼結成型す
る場合、上下2枚の押板4Aと4Bの間に被焼結成型材料を
装填し、真空中またはアルゴン、窒素などの非酸化性の
雰囲気中で押棒5により100kg/cm2以上の圧力で加圧
し、誘電加熱または人造炭素材料による電気抵抗加熱に
より1000℃以上に加熱する。ここで内筒3は焼結したセ
ラミックや金属が内壁に付着した場合、廃棄して新品と
交換すればよく、これにより外筒2の内周面へのセラミ
ックや金属の付着を防止して長期間使用を可能にしてい
る。
ところで、上記のような1000℃以上の温度で高圧に耐え
る材料としては、従来人造黒鉛材のほかには無かった
が、それにもかかわらず最近はさらに高圧条件に耐え得
るものが要望され、人造黒鉛材の外筒2の肉厚を厚くす
ることによる対応が考えられている。しかしなお強度不
足で、しかも著しく厚くする必要があり、重量が重くて
作業しにくく、かつ内部容積が小さくなり、収容量が少
なく非能率となっている。
上記のような問題を改善するために、最近開発された炭
素繊維強化炭素複合材(以下CRCという)を上記の高温
高圧プレス機におけるプレスシリンダーの外筒2に用い
ることが試みられている。なおこのCRCは比重が小さ
く、一般の人造黒鉛材に比べて数倍の曲げ、引張り、衝
撃などの強度を有し、さらに非酸化性雰囲気中の高温で
の特性が他の材料よりも顕著にすぐれているため、たと
えばミサイル、ロケットなどの部品、航空機のブレーキ
などに使用されている。CRCによる円筒状の外筒の作製
は通常次のような手順で行なう。すなわち炭素長繊維に
フェノール樹脂、エポキシ樹脂あるいはフラン樹脂を含
浸させて、所定の直径の金属円筒に所定の幅(すなわち
外筒の長さ)および厚さに巻付け、100℃〜200℃で硬化
反応させ、金属円筒を抜き取って円筒を形成した後、こ
の円筒を1000℃以上で焼成し、次いでさらにフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、あるいはフラン樹脂含浸ー焼成を
数回繰返す。
CRCからなる円筒の円周方向の引張強度は 2500kg/cm2程度で、一般人造黒鉛材の約10倍以上であ
る。一方高温高圧プレス機のプレスシリンダーの外筒の
強度と内圧とには次式の関係があり、 σ=P(γ1 2+γ2 2)/(γ1 2−γ2 2) (ただしσ:円筒方向の引張応力、P:内圧、γ1:外
半径、γ2:内半径)円周方向の引張強度が強いことは
高い内圧をかけることができる。したがって、CRCから
なる外筒2を用いることにより、高温高圧でのセラミッ
クや合金などの焼結成型を、従来の高温高圧プレス機の
場合より高い圧力を加えて実施できるので、高密度の焼
結体を得ることができ、かつ外筒2の肉厚を薄くするこ
とができて軽量となり、一方内径を大きくすることがで
きて容量が大きくなり生産性が向上するなどの利点があ
ることが知られている。
しかしながらCRCの線膨脹係数が一般人造黒鉛材の線膨
脹係数に比べて小さい。その結果、外筒2の内側に嵌合
する人造黒鉛材の内筒3、上下2枚の押板4A,4B、押棒
5が、温度上昇に基づく熱膨脹により寸法増大した際、
熱膨脹の少ないCRCからなる外筒2に圧縮応力がかか
り、限界をこえて破損することがあり、また前記圧縮応
力により外筒2が塑性変形して径が増大し、再使用の際
内筒3との嵌め合い間隙が大きくなって精密な作業が困
難となるなどの問題があり、このCRCからなる外筒2は
上記のような利点があるにもかかわらず実用化が困難で
あった。
上記の課題を解決するために特開平1−224570号公報に
記載の方法がある。即ち、内筒と外筒の嵌め合い間隙と
内筒のスリットによりCRCによる外筒の小さい熱膨張と
人造黒鉛による内筒の大きい熱膨張を吸収することがで
きた。
考案が解決しようとする課題 しかるに焼結体が微小粉末で相互の摩擦係数の少ない原
料(例えばSicまたはBNまどの微粉末)の場合、特開平
1−224570号公報に記載の構造で押板間または押棒間に
原料を入れ、焼結温度に達しない前に加圧すると、スリ
ットおよび嵌め合い間隙から焼結原料の粉末が洩れるこ
とがあった。そのため、焼結原料が減り、場合によれば
スリットのある部分の原料が片減りし、部分的に粗にな
り、加圧が不均一となりよい品質の焼結体が得られなか
った。
したがって、スリットの巾を焼結の温度で閉じるよう
に、また嵌め合い間隙がなくなるように即ち、 A=α・T1・D・π・(C2−C1) α=0 B=β・T1・D・(C2−C1) β=1 ただし、A:スリットの巾mm、 B:嵌め合い間隔mm、T1:焼結温度、 C1:炭素繊維強化炭素複合材の線膨張係数、 C2:内筒の耐熱材料の線膨張係数、 D:内筒の外径 とし、焼結温度T1迄殆んど無加圧とし、焼結温度T1に達
してから焼結に必要な加圧を行なったところ焼結原料が
洩れることはなかった。また、熱膨張の少ないCRCから
なる外筒は熱膨張の大きい人造黒鉛からなる押棒、押
板、内筒の圧縮応力により破損したり変形することはな
かったが、温度の不均一のため部分的に焼結温度に達し
ているところ、達していないところがあり、加圧が不充
分のため焼結が不均一となり、品質が不充分であった。
そのため焼結完結温度よりやや低い温度に達したとき、
加圧を開始しなければならないことがわかった。
そのため焼結温度T1より低い温度T2にてスリットの巾が
閉じ嵌め合い間隙Bがなくなるように A=α・T2・D・π・(C2−C1) (1)A=0 B=β・T2・D・(C2−C1) (2)B=1 とし、焼結温度より低い温度T2迄軽加圧して、T2に達し
たとき、必要な加圧を開始し、焼結に充分な焼結温度T1
に昇温した所、焼結原料が洩れることもなく、また焼結
に必要な温度と加圧も充分で均一な製品を得ることがで
きたが、T2からT1に昇温する間で熱膨張の大きい人造黒
鉛からなる押棒、押板、および内筒の圧縮応力により熱
膨張の少ないCRCによる外筒が押し広げられ、内径が大
きく変形し、使用すると原料が洩れ出るなどして再び使
うことは困難であった。
そのため押棒、押板、内筒の熱膨張による圧縮力に堪え
得るCRCによる外筒は肉厚を充分にする必要があり、そ
のため非常に重く且つ高価にならざるを得なかった。
本考案は上記のような課題を解決するもので、CRCから
なる外筒を用いて、しかも人造黒鉛材などの耐熱性材料
からなる内筒あるいは押板、押棒との熱膨脹の差に起因
する破損などの生ずることがなく、また嵌め合い間隙、
内筒のスリット、補助内筒の割目から焼結粒子が洩れる
こともない高温高圧プレス機のプレスシリンダーを提供
することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために第1考案の高温高圧プレス
機のプレスシリンダーは、炭素繊維強化炭素複合材から
なる第(III)式に示す外筒の内側に耐熱材料からなり
長さ方向に(I)式に示す巾Aのスリットを有する内筒
(II)式に示す嵌め合い間隙Bで嵌合し、この内筒の内
側に耐熱性材料からなる上下2枚の押板と押棒を嵌合し
たものであり、第2考案の高温高圧プレス機のプレスシ
リンダーはさらに前記内筒の内周面を上部または下部の
いずれか一方が厚い15°以下の傾斜面とし、この内筒と
押板および押棒との間に内筒の内周面に接して、この内
周面の傾斜とは逆傾斜の外周面を有し少なくとも1本の
長さ方向のスリットを設けた耐熱性材料からなる補助内
筒を嵌合したものである。
A=α・T2・D・π・(C2−C1) ……(I) B=β・T2・D・(C2−C1) ……(II) F=θD{2(σE1+PE2) +〔4(σE2+PE22−4(σ2−P1)(E1 2−E2 2)−4(σE2−PE2)(C2
C1) (T1−T2)E1E2+(C2−C12(T1−T22E1 2E2 21/21/2 ÷{2(σ−P)(E1+E2)−(C2−C1)(T1−T2)E1E21/2 …(III) ただし、A:スリット巾mm、B:嵌め合い間隙mm、α:0〜2.
0、β:0.1〜2.0 T1:焼結最高温度°K T2:焼結開始温度°K T1>T2 C1:炭素繊維強化炭素複合材の線膨張係数/°K C2:内筒の耐熱材料の線膨張係数/°K E1:炭素繊維強化炭素複合材の引張弾性係数 kg/mm2 E2:内筒の耐熱材料の圧縮弾性係数 kg/mm2 σ:炭素繊維強化炭素複合材の引張強度 kg/mm2 P:焼結成形物作製に必要な加圧力 kg/mm2 D:内筒の外径mm F:外筒の外径mm θ:0.5〜2.0 第1考案および第2考案の高温高圧プレス機のプレスシ
リンダーにおいて、外筒を形成する炭素繊維強化炭素複
合材(CRC)で用いる炭素繊維としては、炭素質繊維と
黒鉛質繊維のいずれでもよく、またアクリロニトリル
系、レーヨン系、ピッチ系、リグニン系あるいは熱硬化
樹脂系の炭素繊維のいずれも用いることができ、長繊
維、チョップストランド、二次元織物、三次元織物ある
いは不織布の形態で用いる。CRCの形成は、上記のよう
な形態の炭素繊維への熱硬化性樹脂の含浸と焼成を数回
繰返して行なう。熱硬化性樹脂は、たとえばフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂あるいはポリイミド樹
脂などを用いる。CRCからなる外筒の成形の好ましい手
順は、ピッチ系、アクリロニトリル系などの炭素長繊維
にフェノール樹脂などを含浸し、これを所定の直径の金
属円筒に所定の幅および厚さに巻付け、100℃〜200℃で
硬化させ、金属円筒を抜き取って円筒を形成した後、こ
の円筒を700℃以上で焼成し、次いでさらにフェール樹
脂などの含浸ー焼成を数回繰返すことである。炭素繊維
はCRCの40%以上を占めることが望ましい。
一般にCRCは材料、製造方法などにより線膨脹係数が異
なり、また構造の異方性に基づきその線膨脹係数も異方
性であり、炭素繊維に対し直角方向は一般炭素材料と殆
んど同程度であるが、炭素繊維の方向に対しては1〜3
×10-6/°Kで人造黒鉛材に比べて5〜7割小さい。
次に内筒、補助内筒、押板、押棒を形成する耐熱性材料
としては、人造黒鉛材、人造炭素材、CRC、セラミック
などを用い得るが、耐熱性、強度などの点から人造黒鉛
材が好ましい。人造黒鉛材の原料としては、ピッチコー
クス、石油コークス、ハードコークスなどを用い、一般
的にはコークスなどのフィラーとピッチなどのバインダ
ーとを混合し、押出しあるいは型込めなどの方法により
成形し、焼成して製造する。多くの場合、黒鉛化といわ
れる約3000℃の高温処理を行なう。このようにして製造
した人造黒鉛材の線膨脹係数も異方性で、押出し法では
押出方向の方がこれに垂直な方向より、また型込め法で
は加圧方向に直角な方が加圧方向よりそれぞれ約5割程
度小さい。しかし最近は流体を利用して周囲から均一に
加圧した等方性のものが製造されるようになり、この人
造黒鉛材は線膨脹係数や電気的、機械的強度に方向性を
有しないので、高温高圧プレス機用の材料として好適で
ある。一般的に人造黒鉛材は、温度より線膨脹係数が変
化し、一例を示すと第1表のとおりであり、 外筒の内側には上記(I)式に示す幅Aのスリットを有
する内筒を上記(II)式に示す嵌め合い間隙Bで嵌合す
る。(I),(II)式中、T2は焼結必要温度の20〜30%
以下で焼結の反応が生ぜず、且つ焼結反応が開始する温
度に望ましくは近い方がよい。C1−C2はT2の温度での線
膨張係数に相応するのが望ましい。また、α,βはT2
嵌め合い間隙およびスリット巾が閉じる値が良い。した
がって、βが1のときはαが0であることが望ましい。
一般的には押板、押棒の自重に5〜20kg/cm2程度の加重
を加えてもα=0〜2.0のスリット巾のスリットを通し
て、また嵌め合い間隙から焼結原料の粉末が出て来るこ
とはないが、50kg/cm2以上になると、出て来る場合もあ
る。また、弾性率の高い材料で内筒を作り、α=0、β
=1にして低荷重のとき、スリットが閉じて原料が外部
に出て行くことを避けることもできる。T2に達したと
き、スリット巾および嵌め合い間隙はなくなり、それか
ら焼結反応に必要な加圧を行なう。そのときすでにスリ
ットおよび嵌め合い間隙は閉じられているために、粉体
が外部に出ることはない。しかし、それから昇温して行
くと外筒には上述した如く、Pなる加圧によって円周方
向に生ずる引張力以外に内筒、押板、押棒の熱膨張によ
る外筒内面の圧縮力により、円周方向に引張力が加わっ
て働く。一方、、内筒、押板、押棒の熱膨張による拡大
は外筒の内径により制約され、圧縮力がかかり、圧縮弾
性の範囲で収縮し、熱膨張よりやや小さくなる。外筒の
加圧と、押板、押棒、内筒の熱膨張に起因する引張力は
CRC弾性変形内にとどめるため、(III)式による外径が
適切である。CRCは高価であり、作業性からも軽量であ
ることが望ましい。したがって、(T1−T2)の差が少な
い程有利である。σがCRCの引張強度であるが、望まし
くは安全係数を0.5〜0.8乗じた値がよい。θはσの安全
係数の考え方により変るが、安全係数が0.5の場合は1
でもよい。
第2考案では前記内筒の内側に少なくとも1本の長さ方
向のスリットを設けた補助内筒を嵌合する。この場合内
筒の内周面を上部または下部のいずれか一方の肉厚が厚
い15°以下の傾斜面とし、この内筒の内周面に接して内
周面の傾斜とは逆に上部または下部のいずれか一方の肉
厚が薄い15°以下の傾斜の外周面を有する補助内筒を嵌
合させており、内筒と補助内筒との嵌合の着脱が容易で
ある。傾斜が15°を超えると内筒の上部または下部や補
助内筒の上部または下部の肉厚が薄くなり過ぎて破損す
る場合があり好ましくない。前記補助内筒は少なくとも
1本のスリットを有している。このスリットは2本また
はそれ以上でもよく、その場合補助内筒は二つ割、三つ
割…となる。また前記補助内筒を内筒に嵌合する際、内
筒のスリットと補助内筒のスリットとが合致しないよう
に位置決めすることが望ましい。さらに前記補助内筒の
内周面には焼結した屑が付着するため数回で使用できな
くなることがあって不経済であり、その対策として高さ
長さ方向にたとえば上,中,下段の3段に分割して、屑
が付着した段部だけを交換するようにしてもよい。
本考案においては、内筒または補助内筒の内側の2枚の
押板の間に被焼結成型材料を装填し、加熱加圧する。前
記押板の内筒または補助内筒への嵌合は、通常0.1〜0.2
mm隙間を設けることが望ましい。押棒は高強度が要求さ
れるが、CRCを用いてもよい。
作用 上記の構成からなる高温高圧プレス機のプレスシリンダ
ーは、焼結反応の生じる前の温度に軽荷重のもとで昇温
したときの異種材料の組み合わせで生じる熱膨張の差を
内筒の所定幅Aのスリットと所定の嵌め合い間隙Bで吸
収することができ、焼結反応に必要な加圧をする前にA
のスリットと嵌め合い間隙Bがなくなるため加圧による
焼結粉体が外に出ることがなく、加圧されたまま焼結反
応に充分な温度迄昇温させて、内筒、押板、押棒の膨張
による外筒内面の圧縮力による外筒円周方向に生ずる引
張応力に耐え得る外径Fを持たせることができ、破損し
たり塑性変形を起こすようなことがない。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は第1考案の一実施例の高温高圧プレス機のプレ
スシリンダーにおける要部の一部切欠き正面図である。
第1図において、CRCからなる円筒状の外筒11は(III)
式で示す外径を有している。この外筒11の内側に円筒状
の耐熱性材料からなる内筒12を嵌合している。この内筒
12は長さ方向に前記(I)式で示す所定の幅Aのスリッ
ト12Aを有し、かつ外筒11の内周面11aと内筒12の外周面
12aとの間に前記(II)式で示す所定の嵌め合い間隙B
の間隔13をおいて嵌合している。内筒12の内側には上下
2枚の耐熱性材料からなる押板14A,14Bを対向して配設
し、かつ上側の押板14Aの上方に耐熱性材料からなる押
棒15を配設している。16は受台である。
上記第1図に示す高温高圧プレス機のプレスシリンダー
においては、上下2枚の押板14A,14Bと内筒12の内周面1
2bとの間に被焼結成型材料を装填し、押棒15で軽荷重で
加圧して、誘電加熱あるいは電気抵抗加熱などにより焼
結反応が生ずる前の温度迄加熱する。この場合内筒12が
長さ方向に幅Aのスリット12Aを有し、かつ外筒11に嵌
め合い間隙Bの間隙をおいて嵌合しているので、線膨脹
係数が小さいCRCからなる外筒11と線膨脹係数がCRCより
大きい耐熱性材料からなる内筒12との加熱時の熱膨脹の
差を、完全に吸収することができ、それにより加熱、加
圧によって外筒11や内筒12に破損を生じたり塑性変形を
来たしたりするようなことがない。そしてスリット12A
はその間隙がなくなり、嵌め合い間隙Bの間隙もなくな
り、焼結反応に必要な加圧をしても原料がスリットを通
して、また嵌め合い間隙から出てくることはない。加圧
をしながら焼結反応に充分な温度迄昇温しても(III)
式に示す外径を有したCRCによる外筒は加圧と内筒、押
板、押棒の熱膨張による圧縮応力により破損したり塑性
変形を来たしたりすることがない。
次に第2図は第2考案の一実施例の高温高圧プレス機の
プレスシリンダーにおける要部の一部切欠き斜視図、第
3図は同高温高圧プレス機のプレスシリンダーの要部の
概略縦断面図である。第2図および第3図において、CR
Cからなる円筒状の外筒21の内側に円筒状の耐熱性材料
からなる内筒22を嵌合している。この内筒22は長さ方向
に前記(I)で示す所定の幅Aのスリット22Aを有し、
かつ外筒21の内周面21aと内筒22の外周面22aとの間に前
記(II)式で示す所定の嵌め合い間隙Bの間隔23を置い
て嵌合している。さらに前記内筒22の内周面22bは、上
部が肉厚の15°以下の傾斜角θの傾斜面である。この円
筒22の内周面22bの傾斜面に接して、その傾斜に対応し
て上部が肉薄の逆傾斜の外周面を有する耐熱性材料から
なる補助内筒24を嵌合している。この補助内筒24は長さ
方向に2本のスリット、すなわち二つ割で2個の半円筒
状部24A,24Bで形成し、この2個の半円筒状部24A,24Bの
合せ目部分が前記内筒22のスリット22Aと合致しないよ
う位置決めして嵌合している。補助内筒24の内側には上
下2枚の耐熱性材料からなる押板25A,25Bを対向して配
設し、かつ上側の押板25Aの上方に耐熱性材料からなる
押棒26を配設している。27は受台である。
上記第2図および第3図に示す高温高圧プレス機のプレ
スシリンダーにおいて、上下2枚の押枚25A,25Bと補助
円筒24の内周面との間に被焼結成形材料を充填し、軽荷
重をかけて焼結反応の生ずる前の温度迄誘電加熱あるい
は電気抵抗加熱などにより加熱すると、線膨張係数の大
きい耐熱性材料による内筒22にある長さ方向に巾Aのス
リット22AおよびCRCからなる外筒21と内筒22の嵌め合い
間隙Bはその温度でなくなり、補助内筒24の2個所の割
れ目(合せ目)の間隙もなくなり、この状態になってか
ら焼結反応に必要な加圧を押棒26で行なっても各々の間
隙から焼結原料が外に洩れることはない。さらに焼結反
応に必要な温度迄昇温しても、(III)式に示す外径を
有する外筒は破損を生じたり塑性変形を来たしたりする
ことがなく、またさらに内筒内側に補助内筒24を嵌合し
たことにより外筒21の内周面21aに被焼結材料が流れ出
て付着することない。
実施例 上記の第1図に示す高温高圧プレス機のプレスシリンダ
ーを次のとおり形成した。使用したCRCは 引張強度18kg/mm2 引張弾性率6×103kg/mm2 熱膨張係数 300℃ 1.5×10-6/K° 1500℃ 2.2×10-6/K° 2100℃ 2.6×10-6/K° 使用した等方性人造黒鉛は 圧縮弾性率 1×103kg/mm2 熱膨張率 300℃ 4.6×10-6/K° 1500℃ 5.6×10-6/K° 2100℃ 6.1×10-6/K° この高温高圧プレスにより非常に滑りやすい微粉末で4k
g/mm2の圧力のもとで1500℃から焼結反応が始まり2100
℃で完結する焼結原料を用い、直径210m/mの焼結製品を
作ろうとした。CRCの外筒の内径250m/m、外径325m/m、
高さ400m/mとし、そのときの重量は20kgとなった。一方
等方性人造黒鉛により内筒の外径248.73m/m、スリット
巾0.01m/m、高さ400m/m、内径は240m/mから220m/mの勾
配とした。二つ割補助内筒の外径は240m/mから220m/mの
勾配をなして内筒と密着し、内径210.1m/mとし、高さは
400m/mとした。そして210m/mの径の上下の等方性人造黒
鉛による押板の間に焼結原料を入れ、上下に等方性人造
黒鉛による押棒を配した。1500℃迄0.2kg/mm2の圧力で
加圧し、1500℃に達してから4kg/mm2に圧力を増し、210
0℃に昇温し、5時間保ち、その後冷却した。上記構成
による室温での内筒と外筒との嵌め合い間隙は1.27m/m
であった。
その結果、均一な品質の焼結製品ができ、且つCRCのモ
ールドは変形もせず、その後何度も同じ条件で使用でき
た。
比較例1 CRCおよび人造黒鉛とも前記実施例と同じ材質のものを
用い、焼結原料も同じものを用い、同じ径のものを得よ
うとした。CRCによる外筒は内径250m/m、外径315m/m、
高さ400m/mとし、そのときの重量は17.3kgであった。一
方等方性人造黒鉛により内筒の外径248.16m/m、二つ割
補助内筒のスリット巾5.77m/mとし、他の勾配、内径、
高さは前記実施例と同じにした。
室温で4kg/mm2で加圧したところ、嵌め合い間隙、補助
内筒の割目から原料がこぼれ出た。そのまま2100℃に昇
温して冷却した。なお、上記構成による室温での内筒と
外筒との嵌め合い間隙は1.84m/mであった。この比較例
1ではモールドは変形しなかったが、焼結した製品は薄
く片べりした満足なものではなかった。
比較例2 CRCおよび人造黒鉛とも前記実施例と同じ材質のものを
用いた。また、焼結原料も同じものを用い、同じ径のも
のを得ようとした。CRCによる外筒は内径、外径、高さ
とも比較例1と同様に外径315m/m、内径250m/m、高さ40
0m/mとした。等方性人造黒鉛により内筒の外径248.73m/
m、スリット巾0.01m/m、高さ400m/m、内径は240m/mから
220m/mの勾配とした。二つ割補助内筒の外径は240m/mか
ら220m/mの勾配をなして内筒と密着し、内径210.1m/mと
し、高さは400m/mとした。そして210m/mの径の上下の等
方性人造黒鉛による押板の間にすべりの良い微粉末の焼
結原料を入れ、上下に等方性人造黒鉛による押棒を配し
た。1500℃迄0.2kg/mm2の圧力で加圧し、1500℃から4kg
/mm2の圧力で2100℃に昇温し、5時間保ち、その後冷却
した。上記構成による室温での内筒と外筒との嵌め合い
間隙は1.27m/mであった。
その結果、均一な品質の焼結製品ができたが、CRCのモ
ールドは内径が250.5m/mと大きくなった。また、再度の
使用は困難であった。
比較例3 CRCおよび人造黒鉛とも前記実施例と同じ材質のものを
用い、また焼結原料も同じものを用い、同じ径のものを
得ようとした。CRCによる外筒は内径、外径、高さとも
前記実施例と同じように内径250m/m、外径325m/m、高さ
400m/mとし、そのときの重量は20kgとなった。一方、等
方性人造黒鉛により内筒は外径249.99m/m、スリット巾
0.01m/m、高さ400m/m、内径は240m/mから220m/mの勾配
をなした。二つ割の補助内筒と押板、押棒は実施例1と
同様にした。押板の間に焼結原料を入れ、常温で4kg/mm
2で加圧し、2100℃に昇温した状態で5時間保持し、そ
の後冷却した。上記構成による室温での内筒と外筒との
嵌め合い間隙は0.01m/mであった。焼結原料は殆んど洩
れず、品質のよい製品を得たが、CRCのモールドは内径
が251.3m/mと変形し、再度使用することは困難であっ
た。
比較例4 CRCおよび人造黒鉛とも前記実施例と同じ材質のものを
使い、また焼結原料も同じものを用い、同じ径のものを
得ようとした。CRCによる外筒は内径250m/m、外径365m/
mとして肉を厚くし、高さ400m/mとした。そのときの重
量は33kgとなった。一方、等方性人造黒鉛により内筒は
外径249.99m/m、スリット巾0.01m/m、高さ400m/m、内径
は240m/mから220m/mの勾配をなした。二つ割の補助内筒
と押板、押棒は、実施例1と同様にした。押板の間に焼
結原料を入れ、常温で4kg/mm2で加圧し、2100℃に昇温
した状態で5時間保持し、その後冷却した。上記構成に
よる室温での内筒と外筒との嵌め合い間隙は0.01m/mで
あった。焼結原料は殆んど洩れず、品質のよい製品を
得、またCRCのモールドは変形しなかったが、CRCの重さ
が重く、作業性が悪く高価になった。
考案の効果 以上のように本考案によれば次のような効果が得られ
る。まず、特開平1−224570号に記載の発明では外筒と
内筒での異種材料間の線膨張係数の差に基づく熱膨張の
差を吸収することができたが、平滑性のよい微粉末の焼
結材料の場合、スリットの隙間や嵌め合い間隙から洩れ
る弊害が生じた。本考案はこれを解決し、加圧を2段階
とし、即ち焼結温度になる迄は低加圧とし、スリットお
よび嵌め合い間隙からの洩れを少なくし、焼結が始まる
温度に達したとき熱膨張でスリットおよび嵌め合い間隙
がなくなり、高加圧をかけても焼結原料が洩れることが
なくなった。しかもその後の昇温による熱膨張と加圧に
よる外筒にかかる圧縮力によって変形しない且つ経済的
で軽量な外筒を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1考案の一実施例の高温高圧プレス機のプレ
スシリンダーにおける要部の一部切欠き正面図、第2図
は第2考案の一実施例の高温高圧プレス機のプレスシリ
ンダーにおける要部の一部切欠き斜視図、第3図は同高
温高圧プレス機のプレスシリンダーの要部の概略縦断面
図、第4図は従来例の要部の概略縦断面図である。 11,21…外筒、12,22…内筒、12A,22A…スリット、24…
補助内筒、14A,14B,25A,25B…押板、15,26…押棒。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維強化炭素複合材からなる外筒の内
    側に耐熱性材料からなり長さ方向に(I)式に示す巾A
    のスリットを有する内筒を(II)式に示す嵌め合い間隙
    Bで嵌合し、この内筒の内側に耐熱性材料からなる上下
    2枚の押板と押棒を嵌合し、(III)式の外径を持つ高
    温高圧プレス機のプレスシリンダー。 A=α・T2・D・π・(C2−C1) ……(I) B=β・T2・D・(C2−C1) ……(II) ただし、A:スリットの巾m/m、B:嵌め合い間隙mm、α:0
    〜2.0、β:0.1〜2.0、 T2:焼結開始温度、T1:焼結必要最高温度、 D:内筒の外径mm、 C1:炭素繊維強化炭素複合材の線膨脹係数、 C2:内側の耐熱性材料の線膨脹係数 F=θD{2(σE1+PE2) +〔4(σE1+PE22−4(σ2−P2)(E1 2−E2 2)−4(σE2−PE2)(C2
    C1) (T1−T2)E1E2+(C2−C12(T1−T22E1 2E2 21/21/2 ÷{2(σ−P)(E1+E2)−(C2−C1)(T1−T2)E1E21/2 …(III) E1:炭素繊維強化炭素複合材の弾性係数 kg/cm2 E2:内側の耐熱性材料の弾性係数 kg/cm2 σ:炭素繊維強化炭素複合材の引張強度 kg/cm2 P:焼結成形に要する加圧 kg/cm2 θ:0.5〜2.0 F:外筒の外径mm
  2. 【請求項2】内筒の内周面を上部または下部のいずれか
    一方が厚い15°以下の傾斜面とし、この内筒と押板およ
    び押棒との間に内筒の内周面に接して、この内周面の傾
    斜とは逆傾斜の外周面を有し少なくとも1本の長さ方向
    のスリットを設けた耐熱性材料からなる補助内筒を嵌合
    した請求項1記載の高温高圧プレス機のプレスシリンダ
    ー。
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