JPH075375A - X線観察用の生体試料槽 - Google Patents

X線観察用の生体試料槽

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JPH075375A
JPH075375A JP5144071A JP14407193A JPH075375A JP H075375 A JPH075375 A JP H075375A JP 5144071 A JP5144071 A JP 5144071A JP 14407193 A JP14407193 A JP 14407193A JP H075375 A JPH075375 A JP H075375A
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JP
Japan
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rays
ray
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space
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JP5144071A
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English (en)
Inventor
Hisao Fujisaki
久雄 藤崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 生体試料を含む試料溶液を入れる空間(3)
と、この空間を真空雰囲気から気密に隔離するハウジン
グ(2、4、5、6、7、9)及びハウジングの一部に
取りつけられたX線および可視光を透過する窓(1)か
らなるX線観察用の生体試料槽において、ハウジングの
一部に試料溶液の装入空間(3)に連通する穴と、その
穴を閉じる蓋(10)とを備える。 【効果】 生体試料槽は、直接に真空容器内に入れられ
るので、途中でのX線の減衰が少なく、鮮明なX線観察
像が得られる。しかも、簡単に試料溶液の入れ換えや試
薬の添加が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線観察用の生体試
料槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の生物工学技術の発展は、光学顕微
鏡や電子顕微鏡などの観察手段に負うところが大きい。
ところが、光学顕微鏡は生きた生体試料を扱えるのが特
長であるが、可視光の波長に空間分解能が制限される欠
点がある。一方、電子顕微鏡は空間分解能は高いが、真
空中に試料を置かなければならず、電子線が透過する窓
材が存在しないために生きたままでは生体試料を観察で
きなかった。
【0003】そこで、生きたままの生体試料を高分解能
で観察できる可能性を持つX線顕微鏡が注目され、その
開発が進められており、微細精密工学の発展によってX
線顕微鏡用のX線光学素子の性能が向上し、X線顕微鏡
の試験機が作られるまでになっている。このX線顕微鏡
に使用する波長2.4〜4.4nmのX線は、水に余り
吸収されないので、X線顕微鏡で生体試料を観察するの
に適しているが、空気には吸収される。そのため、生体
試料を真空中に置かなければならないので、生体試料を
真空雰囲気から隔離する生体試料槽が必要になる。
【0004】幸い、電子線と違ってX線の場合には、窒
化珪素のようなX線を透過する窓材が存在するため、生
体試料槽に窓を設ければ、生体試料を生体試料槽内に置
いて観察できる。生体試料へのX線照射位置を確認する
ためや、照射(観察)後の生体試料のX線損傷を光学的
に観察するために、窓は可視光を透過するものが好まし
い。生体試料は生きたままとするため、生体試料を水に
入れた試料溶液の形で、生体試料槽に入れる。こうし
て、水中での生体試料の観察が試みられている。
【0005】生体試料槽は、通常、主に生体試料を含む
試料溶液を入れる空間と、この空間を真空雰囲気から気
密に隔離するハウジング及び該ハウジングの一部に取り
つけられたX線および可視光を透過する窓から構成され
ている。図5は従来の生体試料槽の断面を示したもので
ある。すなわち、この一対の窓51は、シリコンウエハ
からなる支持板52の上に形成された窒化珪素膜であ
る。この一対の窓51に挟まれた空間53の厚さはスペ
ーサ54によって5〜10μmに規定されている。スペ
ーサ54は、空間53に置かれる試料溶液を封じ込める
隔壁も兼ねている。支持板52は枠55に装着され、O
リング57、59を介して蓋56で押さえられる。蓋5
6はネジ58で枠55に固定される。固定圧はネジ58
でOリング59を押しつぶして調節される。ハウジング
は支持板52とスペーサ54からなるが、ハウジングの
組立は極めて面倒であり、時間がかかる。
【0006】従って、別の生体試料を観察する場合に
は、その入れ換えが面倒であり、時間がかかることにな
る。特に一度観察してX線損傷があったか否か調べる場
合、特別な試薬が必要になり、これを試料溶液に添加す
る必要がある。添加する場合にはハウジングを分解し、
その後組立なければならない。そこで、これまでも、試
料溶液を入れ換え、また生体試料の位置を調整できる等
の機能を備えた生体試料槽がいくつか提案された(特開
平3−282230号、特願平3−290766)。し
かしながら、これまでに提案されたものは、いずれも大
気中で使用するものであった。従って、ハウジングは真
空雰囲気に対して気密性がない。
【0007】また、X線顕微鏡は大きく分けて2つの直
列につないだ真空容器で構成されており、一方の真空容
器に第1の窓があり、第1の窓を通して、第1の窓の外
に置かれた生体試料槽にX線が照射される。他方の真空
容器には第2の窓があり、生体試料槽に照射されたX線
は、第2の窓を通じて真空容器内に入射し、結像する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の通りの従来技術
では、様々に工夫された構成に差異はあるものの、いず
れも共通して線源を出たX線は、少なくとも第1の窓、
生体試料槽の窓(通常は一対)及び第2の窓を通るよう
になっている。しかしながら、この窓材は、X線を透過
するとは言うものの、従来の技術ではその透過率は比較
的低く、また、強力なX線源が現在のところ存在しない
ことから、途中でX線の減衰が激しく、鮮明なX線観察
像が得られないという問題点があった。
【0009】このため、簡単に試料の入れ換えや試薬添
加が可能で、X線照射による生体試料の損傷程度の観察
が容易で、しかも観察操作過程でのX線の減衰を少なく
することのできる改善された方策の実現が求められてい
た。この発明はこのような問題点を解決することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の発
明者は、上記の問題点に鑑みて、直接に真空容器内に入
れられ、しかも簡単に試料溶液の入れ換えや試薬の添加
が可能な生体試料槽を得るべく研究の結果、生体試料を
含む試料溶液を入れる空間と、この空間を真空雰囲気か
ら気密に隔離するハウジング並びに該ハウジングの一部
に取りつけられたX線及び可視光を透過する窓からなる
X線観察用の生体試料槽であって、ハウジングの一部に
試料溶液の装入空間に連通する穴と、その穴を閉じる蓋
とを備えた生体試料槽を提供するものである。
【0011】
【作用】図1および図2に沿ってこの発明の構成に基づ
く作用を説明すると、まず図1および図2のスペーサ3
は不連続で隔壁とはなっておらず、空間3’も試料溶液
で満たされている。図1のように、空間3’をネジ蓋1
0で密閉した状態で、生体試料槽を図3で一例を示した
X線顕微鏡あるいは図4で一例を示したX線照射装置に
設置し、真空下で窓1を通して溶液中の生体試料にX線
を照射する。その後、生体試料槽を空気中に取り出し、
ネジ蓋10を図2のように管付きのネジ蓋10’に交換
し、試料溶液の入れ換えや試薬の添加ができるようにす
る。
【0012】従って、簡単に試料の入れ換えや試薬添加
が可能となる。また、直接に真空容器内に入れられるの
で、X線の減衰も少ない。光学顕微鏡下では、管付きの
ネジ蓋10’を通して、生体試料が反応するような試薬
を添加し、生体試料の反応の程度を観察することによっ
て、X線照射による生体試料の損傷の程度を知ることが
できる。
【0013】
【実施例】図1および図2にこの発明の一実施例を示
す。一対の窓1は、シリコンウエハからなる円形の支持
板2の上に形成された窒化珪素膜である。開口部は、シ
リコンウエハ上に窒化珪素膜を化学気相堆積法(CV
D)によって形成した後に、シリコンウエハのバックエ
ッチングによって形成した。一対の窓1に挟まれた空間
3の厚さはスペーサ4によって5〜10μmに規定され
ている。
【0014】スペーサ4はX線入射方向からみて不連続
(つまり、切れ目がある)で、空間3は空間3’とつな
がっており、試料溶液は空間3と空間3’とを満たす。
支持板2は下枠5に装着され、Oリング9を介して上蓋
6で押さえられる。上蓋6はネジ8で下枠5に固定され
る。固定圧はネジ8でOリング9を押しつぶして調節さ
れる。Oリング7と9が、試料溶液と外界(真空雰囲
気)との間の気密を保つ要である。
【0015】ここでは、主に支持板2と枠5と蓋6がハ
ウジングを構成する。空間3’は必ずしも必要ではな
く、溶液交換用の穴は、たとえば試料槽の側面に設けて
空間3’が最小限になるような構成にすることも可能で
ある。このようにして作製した生体試料槽に試料溶液を
入れ、図1のようにOリング11を介して2個のネジ蓋
10(この発明で言う「蓋」に相当)で密封する。試料
はツリガネムシストークの収縮要素であるスパスモネー
ムで、溶液はスパスモネーム収縮を引き起こすカルシウ
ムイオンを取り除くキレート剤EGTAの水溶液とし
た。光学顕微鏡下で、スパスモネームが視野内にあるこ
とを確認してから、以上の構成からなる試料槽40を図
3のような構成のX線顕微鏡にセットし、試料観察を行
った。
【0016】このX線顕微鏡は、用いる波長のX線が数
mm程度の空気層で吸収されてしまうため、X線光学系
のすべてが真空容器34の中にあり、真空下で作動す
る。高輝度パルスレーザ光31を集光レンズ32で集光
して、レーザ光取り込み窓33を通して標的板35の表
面に当て、プラズマ36を生成させる。プラズマから発
生したX線37の内、所望の波長のX線だけをフィルタ
38で取り出し、集光用X線光学素子ウォルタ鏡39で
生体試料槽40の窓の部分に集光し、生体試料槽内の試
料を照射する。生体試料槽を透過したX線は、結像用X
線光学素子ウォルタ鏡41で撮像器42の受光面上に結
像する。
【0017】生体試料に過剰のX線を照射してから、生
体試料槽40を真空容器から取り出した。光学顕微鏡下
では、生体試料の形態に異常は見られなかった。しか
し、ネジ蓋10を図2のように管付きネジ蓋10’に替
えて、一方から吸い出しながらもう一方からカルシウム
溶液(試薬)を注入したところ、カルシウムイオンが生
体試料に到達した時点で、X線を照射してない部分は収
縮したが、X線を照射した部分は収縮しなかった。
【0018】ここでは、X線顕微鏡を用いて試料にX線
を照射したが、図4に示すように、結像系のない装置で
も同様の実験は行える。ただし、照射X線量を知るため
に、X線検出器43は備えていたほうがよい。また、X
線源はここで用いたレーザプラズマX線源に限らず、ど
のようなX線源でも使える。X線光学素子もウォルタ鏡
に限らない。
【0019】
【発明の効果】この発明の試料槽は、直接に真空容器内
に入れられるので、途中でのX線の減衰が少なく、鮮明
なX線観察像が得られる。しかも簡単に試料溶液の入れ
換えや試薬の添加が可能である。そのため、X線照射に
よる生体試料の損傷の程度を大気下で光学顕微鏡で容易
に調べることができる。また、光学顕微鏡を真空容器内
に組み込み、図2のように管付きネジ蓋11’を試料槽
に装着し、管を真空容器外に通じされば、生体試料を真
空容器から出さなくても同様の試験ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係わる生体試料槽の概略
垂直断面である。
【図2】別の実施例に係わる生体試料槽の概略垂直断面
である。
【図3】この発明の試料槽を組み込んだX線顕微鏡の構
成を示す概念図である。
【図4】この発明の試料槽を組み込んだX線照射装置の
構成を示す概念図である。
【図5】従来の生体試料槽の概略垂直断面である。
【符号の説明】 1,51 X線透過窓 2,52 支持板(窓基板) 3,3’,53 試料溶液が入る空間 4,54 スペーサ 5,55 下枠 6,56 上蓋 7,9,11,57,59 Oリング 8,58 上蓋の留めネジ 10 蓋ネジ 10’管付き蓋ネジ 31 レーザ光 32 レーザ光集光用レンズ 33 レーザ光取り込み窓 34 真空容器 35 標的板 36 プラズマ 37 X線 38 フィルタ 39 集光用X線光学素子 40 試料槽 41 結像用X線光学素子 42 X線撮像器 43 X線検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料を含む試料溶液を入れる空間
    と、この空間を真空雰囲気から気密に隔離するハウジン
    グ並びにこのハウジングの一部に取りつけられたX線及
    び可視光を透過する窓からなるX線観察用の生体試料槽
    において、 ハウジングの一部に試料溶液装入空間に連通する穴と、
    その穴を閉じる蓋とを備えたことを特徴とするX線観察
    用の生体試料槽。
JP5144071A 1993-06-15 1993-06-15 X線観察用の生体試料槽 Withdrawn JPH075375A (ja)

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JP5144071A JPH075375A (ja) 1993-06-15 1993-06-15 X線観察用の生体試料槽

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JP5144071A JPH075375A (ja) 1993-06-15 1993-06-15 X線観察用の生体試料槽

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JPH075375A true JPH075375A (ja) 1995-01-10

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6271163B1 (en) 1998-07-22 2001-08-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Aluminum nitride sintered body and method of preparing the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6271163B1 (en) 1998-07-22 2001-08-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Aluminum nitride sintered body and method of preparing the same
US6428741B2 (en) 1998-07-22 2002-08-06 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Aluminum nitride sintered body and method of preparing the same

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