JPH075304B2 - 硫酸バリウムの粒径コントロール方法 - Google Patents

硫酸バリウムの粒径コントロール方法

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JPH075304B2 JP22616689A JP22616689A JPH075304B2 JP H075304 B2 JPH075304 B2 JP H075304B2 JP 22616689 A JP22616689 A JP 22616689A JP 22616689 A JP22616689 A JP 22616689A JP H075304 B2 JPH075304 B2 JP H075304B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料、インキ、プラスチックスの顔料などと
して好適に用いられる硫酸バリウムの粒径をコントロー
ルする方法に係わり、詳しくは、中性で、白色度が高
く、しかも用途に応じた所望の粒径の硫酸バリウムを容
易に得ることが可能な硫酸バリウムの粒径コントロール
方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、塗料、インキ等の顔料として、硫酸バリウムが化
学的、物理的に安定であることから広く用いられてい
る。
ところで、硫酸バリウムの工業的な製造方法としては、
硫酸過剰硫酸法、硫酸バリウム過剰硫酸法および芒硝法
などが公知である。
硫酸過剰硫酸法は、硫酸バリウム水溶液に過剰の硫酸水
溶液を反応させる方法であって、pH3以下の酸性領域で
反応が進行するところに特色があり、粒径コントロール
は硫酸の過剰量を調節することにより行われる。
しかしながら、特開昭55−42233号公報にも記述されて
いるように、硫酸過剰硫酸法により得られた硫酸バリウ
ムは油性ビヒクルに対する湿潤性、分散性、レベリング
等の顔料特性が劣るため、油性塗料等の顔料としては不
敵である他、後処理として行うアルカリ熟成により粒子
が生長してしまうため、微細な粒径範囲での粒径コント
ロールが困難であるという問題がある。
次の硫化バリウム過剰硫酸法は、硫酸水溶液と過剰の硫
化バリウム水溶液と反応させる方法であり、反応がほぼ
中性領域で行われるため、後処理を要しないという利点
を有している。
しかしながら、この方法には、黄色みを帯び白色度の低
いものしか得られ難いという問題がある。
さらに、芒硝法は、芒硝(硫酸ナトリウム+水和物)と
硫化バリウム水溶液とを当量反応させる方法であり、芒
硝中には不純物が少なく、またその不純物も容易に除去
することができて白色度の高い硫酸バリウムが得られ易
いため、従来工業的に広く用いられてきた方法である。
しかしながら、反応が強アルカリ性の下で行われ、強ア
ルカリ性下での反応においては粒子生長が速やかに起こ
るため、硫酸過剰硫酸法同様、微細な粒径範囲での粒径
コントロールが困難であるという問題がある。
本発明は以上の事情に鑑みなされたものであって、その
目的とするところは、中性であって、白色度が高く、し
かも用途に応じて幅広く所望の粒径の硫酸バリウムを容
易に得ることができる硫酸バリウムの粒径コントロール
方法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明に係る硫酸バリウムの
粒径コントロール方法は、硫化バリウム水溶液、硫酸水
溶液および水酸化ナトリウム水溶液を、生成する反応ス
ラリーのpHが3〜6となるように連続的に供給する一
方、反応系の液量が一定になるように、生成した反応ス
ラリーを排出して硫酸バリウムを製造するにあたり、前
記水酸化ナトリウム水溶液を、所望する粒径に応じて前
記硫酸水溶液に対して適宜の割合で使用することを骨子
とする。
以下、本発明に係る硫酸バリウムの粒径コントロール方
法について第1図を参照しつつ説明する。
第1図は本発明に係る硫酸バリウムを製造するための反
応装置1の一例を示すものであり、同図において、2は
反応槽であり、反応槽2内には、供給管3〜5が導入さ
れて、それぞれ硫化バリウム水溶液、水酸化ナトリウム
水溶液、硫酸水溶液を反応槽2に送液し得るようになっ
ている。
反応槽2の上部には反応により発生した硫化水素を排出
するためのガス排出管6が、また反応槽2の底部には生
成した反応スラリーを排出するためのスラリー排出管7
がそれぞれ取り付けられている。
また、硫化バリウム水溶液を送液するための供給管3に
は、硫酸水溶液の一部を送液するための供給管8が反応
槽2の入り口手前所定距離離隔したところで接管されて
おり、反応槽2に入る手前で硫酸水溶液の一部を硫化バ
リウム水溶液に合流させて両者を予め反応させることに
より、硫酸バリウムのシードを作製し得るようになって
いる。
なお、図中、Sは攪拌機、Fは流量計、V1〜V5は流量可
変型バルブ、PはpHメーターである。
以上のような反応装置において、所望する硫酸バリウム
の粒径に応じてバルブV3の開度を調節し、適宜の流量、
例えば硫酸水溶液を硫酸として100モル部反応槽2に供
給する一方、バルブV1およびバルブV2の開度を調節し
て、生成する反応スラリーのpHが3〜6の範囲内、例え
ばpH4.5を目標にして±1.5の範囲内におさまるように、
供給管3より硫化バリウム水溶液を硫化バリウムとして
(100−100×a/2)モル部、また供給管4より水酸化ナ
トリウム水溶液を水酸化ナトリウムとしてaモル部供給
する。
また、スラリー排出管7に付設せるバルブV5の開度を調
節して、反応槽2の液量が一定になるように、反応スラ
リーを連続的に排出する。
排出された反応スラリー中に存在するH2Sを溶出除去す
べく水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリを添加して、
pHを約11〜11.5に上げ、必要に応じて熟成し、次いで常
法により順次、濾過、水洗、乾燥した後、粉砕すること
により、中性で、白色度が高く、しかも所望の粒径の硫
酸バリウムの微粉末を得ることができる。
以下、本発明の原理について順を追って説明する。
先ず、バルブV2およびバルブV4を閉じて水酸化ナトリウ
ム水溶液の流量および硫酸バリウムに予め反応させるた
めの硫酸水溶液の流量をゼロにするとともに、バルブV1
およびバルブV3の開度を調節して硫化バリウムおよび硫
酸が等当量で反応槽2へ連続的に送液されるようにした
場合を考えてみよう。
この場合、スラリー排出管7より排出される反応スラリ
ーのpHは理論上約4.5となり、反応系pHを3〜6から逸
脱させないという本発明の目的の一つは達成される。
しかし、当量反応であるため、このままでは平均粒径5
〜10μm程度の粗大な燐片状の硫酸バリウムしか得られ
ない(特公昭62−34688号公報参照)。
そこで、次に、バルブV1およびバルブV3の開度を調節し
て硫化バリウムおよび硫酸が等当量で反応槽2へ連続的
に送液されるようにするとともに、バルブV2を開いて硫
酸水溶液の硫酸100モル部に対して水酸化ナトリウム水
溶液を水酸化ナトリウムとしてaモル部反応槽2に送液
した場合を考える。しかし、このままでは反応スラリー
のpHは当然のことながら上昇してしまうので、結局、pH
を初期設定した4.5に保持するためには、バルブV1を当
量反応させる場合の開度より小さく設定すればよいこと
になる。
例えば、仮に硫化バリウムの流量を当量反応の場合に比
べてa/2%低くして送液したとしよう。そうすると、反
応スラリー中には、全硫酸根に対して、a/2モル%の硫
酸ナトリウムが含まれることとなる。
このときの反応系の過飽和度は硫酸ナトリウムのSO4 2-
イオン濃度により決まるので、下記ワイマルンの法則式
より理解されるように、水酸化ナトリウムの流量を加減
してSO4 2-イオン濃度を調節することにより、生成する
硫酸バリウムの粒径をコントロールすることができる。
〔但し、上式中、G:粒径、Q:濃度、L:溶解度、Q−L:過
飽和度、K:定数である。〕 すなわち、上式に基づき反応系を考えると、SO4 2-イオ
ンと硫化バリウムとが反応するこの反応系では、濃度Q
はSO4 2-イオン濃度に比例する。従って、水酸化ナトリ
ウム水溶液の流量を大きくしてSO4 2-イオン濃度を大き
くすれば、濃度Qが大きくなる結果、生成する反応スラ
リーの粒径Gが小さくなるのである。
以上が請求項1記載の発明の原理であるが、請求項1記
載の発明によりコントロール可能な粒径範囲は、約0.3
〜2μmである。
上記ワイマルンの法則式からは、濃度Qをさらに大きく
すればさらに微細な粒径のものを得ることができるよう
にも思われるが、実際には、反応系は生成した反応スラ
リーで希釈化されるため、濃度Qを或る程度以上大きく
することは困難である。このため、第1の発明では、微
細な範囲での粒径コントロールに限界があると言える。
この請求項1記載の発明ではなし得ないところのさらに
微細な範囲まで粒径コントロール可能にしたのが、以下
に説明する請求項2に記載される第二の発明である。こ
の第二の発明によれば、0.1〜2μmというさらに広範
囲な粒径コントロールが可能になるのである。
請求項2記載の発明に係る硫酸バリウムの粒径コントロ
ール方法は、硫酸水溶液の一部と硫化バリウム水溶液と
を予め反応させ、次いでその反応液、残部の硫酸水溶液
および水酸化ナトリウム水溶液を、生成する反応スラリ
ーのpHが3〜6となるように連続的に供給する一方、反
応系の液量が一定になるように、生成した反応スラリー
を排出して硫酸バリウムを製造するにあたり、前記水酸
化ナトリウム水溶液を、所望する粒径に応じて前記硫酸
水溶液に対して適宜の割合で使用するとともに、前記予
め反応させる硫酸水溶液を、所望する粒径に応じて適宜
量使用することを骨子とする。
すなわち、第二の発明は、上記第一の発明における水酸
化ナトリウムの量を適宜選択することによる粒径コント
ロール以外に、さらに硫酸水溶液の一部と硫化バリウム
水溶液とを予め反応させることとし、その予め反応させ
る硫酸水溶液の量を選択することによりさらに微細な範
囲まで粒径コントロール可能にしたものである。
このように、硫酸水溶液の一部を予め硫化バリウムと反
応させることにより、粒径コントロール可能な範囲をさ
らに微細な範囲にまで拡大することができるのは、次の
理由による。
すなわち、硫酸水溶液の一部と、反応槽2に送液される
前の硫化バリウムとの反応は、過飽和度の極めて高い条
件下での反応である。このため、前出のワイマルンの法
則式より明らかなように、粒径の極めて微細なシードが
得られることになるのである。而して、この微細なシー
ドを含む反応液を、水酸化ナトリウムの存在下で、残部
の硫酸水溶液と反応させて生長させることにより、均一
微細な粒径の硫酸バリウムを作製することができるので
ある。因みに、硫化バリウムと予め反応させる硫酸水溶
液の量が多い程、過飽和度が大きくなるので、粒径は小
さくなる。
両発明において、反応スラリーのpHが3〜6とにるよう
に反応系を制御する。これは、次の理由による。
すなわち、pHが6を越えた場合、得られる硫酸バリウム
中に残存するイオウイオンSm2-(mは整数)により硫酸
バリウムが着色するのに対して、pH6以下の場合は、次
式で示す反応がおこり、 Sm2-+2H→H2S↑+(m−1)S↓ 着色の原因であるSm2-が消失し、白色度の高い硫酸バリ
ウムを得ることができるからである。なお、この程度の
pH領域であれば、反応終了後のスラリーに水酸化ナトリ
ウム等のアルカリを加えてpHを11程度に上げた後、水洗
することにより、反応スラリー中に存在するH2Sを容易
に除去し得るので、ほぼ中性の硫酸バリウムを得ること
ができる。
また、pH3以上としたのは、樹脂に対する湿潤性および
分散性については、前述したとおり、強酸性下での反応
は好ましくなく、少なくともpH3以上、とりわけ中性下
での反応が好ましいからである。
上記硫化バリウム水溶液は、硫化バリウムを純粋に溶解
して調製されるが、用いる硫化バリウムとしては、ジョ
ウショウ石を還元ばい焼して得られる黒灰を熱水により
浸出して得たものを用いることができる。硫化バリウム
水溶液の濃度および温度は特に限定されないが、工業的
に実施する場合は、濃度50〜200g/lのものを、30〜80℃
の温度で用いることが好ましい。
また、硫酸水溶液の濃度および温度についても特に限定
されず、例えば濃度98%の濃硫酸を用いることもできる
が、一般的には濃度100〜500g/lのものを、20〜60℃の
温度で用いる。
水酸化ナトリウム水溶液の濃度および温度についても本
発明においては特に限定されない。
硫酸バリウムの生成反応は、通常30〜80℃の温度で行う
ことができるが、必ずしもこの温度範囲に限定されるも
のではない。
供給原料の反応槽2内での滞留時間は3〜60分が好まし
い。滞留時間が3分未満の場合、pHのバラツキが大きく
なりpHを3〜6の範囲内に保持することが困難になる。
また、60分以下が好ましいのは、60分を越えるようにす
るためには、大型の反応装置が必要となり、経済的でな
いからである。
第2の発明において、硫化バリウム水溶液と予め反応さ
せる硫酸水溶液の量は特に限定されないが、全硫酸水溶
液の50%を越えない範囲で選択使用することが好まし
い。50%を越える量を硫化バリウム水溶液と反応させて
も、増量に応じた有意な粒径の微細化が起こらず、経済
的でないばかりでなく、黄色みをおびた白色度の低い硫
酸バリウムが生成してしまうからである。
なお、両発明において、原材料として鉄等の不純物の少
ないものを用いることが好ましいことは勿論である。
また、上記シード生成反応は、上述の如く硫化バリウム
水溶液を供給する配管内で行うことの他、ラインミキサ
ー、渦巻きポンプ等を用いて行うこともできる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する
が、本発明は下記実施例により何ら限定されるものでは
なく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施
可能なものである。
A.硫酸バリウムの調整 (実施例1) 第1図に示す反応装置1(反応槽の有効容積:250l)を
用いて、平均滞留時間約15分にて反応を行いスラリー排
出管7から反応スラリーを得た。
なお、シード生成反応は用いなかった。
硫酸水溶液としては、鉄イオン等の重金属イオンの総量
が1ppm以下である硫酸を希釈して濃度130g/lとしたもの
を用い、これを温度25℃で、6.7l/分の流量で反応槽2
へ送液した。
水酸化ナトリウム水溶液としては、濃度400g/l、温度25
℃のものを用い、流量を変化させた。
具体的には、硫酸100モル部に対して水酸化ナトリウム
として、試料1−1については0.4モル部(流速:3.5ml/
分)、試料1−2については4モル部(流速:35ml/
分)、試料1−3については10モル部(流速:89ml/
分)、試料1−4については20モル部(流速:178ml/
分)、それぞれ送液した。
硫化バリウム水溶液としては、濃度150g/lのものを50℃
の温度で用いた。
硫化バリウムは、反応槽2から排出される反応スラリー
のpHが4.5±1.5となるように、試料1−1については10
l/分、試料1−2については9.8l/分、試料1−3につ
いては9.5l/分、試料1−4については9.0l/分の各流量
で送液した。
次いで、得られた各反応スラリー500lに、濃度400g/lの
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整した後、
常法により、濾過、水洗、乾燥、粉砕して硫酸バリウム
を得た(試料1−1、1−2、1−3および1−4)。
(実施例2) さらにシード生成反応を用いたこと以外は実施例1と同
様にして、硫酸バリウムを得た(試料2−1〜2−
4)。
すなわち、反応槽2に入る前に、全硫酸水溶液の、試料
2−1については1%、試料2−2については3%、試
料2−3については10%、試料2−4については30%の
硫酸水溶液を、それぞれ硫化バリウム水溶液と反応させ
た。
硫化バリウム水溶液は、9,5l/分の流量で送液した。
水酸化ナトリウム水溶液は、硫酸100モル部に対して、
水酸化ナトリウム10モル部の割合で送液した(流量:89m
l/分)。
(比較例1) 第1図に示す反応装置1(反応槽の有効容積:250l)を
用いて、平均滞留時間約15分にて反応を行いスラリー排
出管7から反応スラリーを得た。
なお、シード生成反応は用いず、また水酸化ナトリウム
水溶液の流量をゼロとした。
硫酸水溶液としては、鉄イオン等の重金属イオンの総量
が1ppm以下である硫酸を希釈して濃度130g/lとしたもの
を用い、これを25℃の温度、流量6.7l/分で反応槽2に
送液した。
硫化バリウム水溶液としては、濃度150g/lのものを、50
℃の温度で、反応槽2から排出される反応スラリーのpH
が4.5±1.5となるように、10l/分の流量で送液した。
次いで、得られた反応スラリー500lに、濃度400g/lの水
酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整した後、常
法により、濾過、水洗、乾燥、粉砕して硫酸バリウムを
得た(比較試料1)。
(比較例2) 排出する反応スラリーのpHが1.0となるように硫化バリ
ウム水溶液を9.1/分の流量で送液したこと以外は、
比較例1と同様にして硫酸バリウムを得た(比較試料
2)。
(比較例3) 排出する反応スラリー中に含まれる硫化バリウム濃度が
5g/lとなるように、硫化バリウム水溶液を10.6l/分の流
量で送液したこと以外は、比較例1と同様にして硫酸バ
リウムを得た(比較試料3)。
B.粒径および粉体色の測定 実施例1、2および比較例1〜3で作製した試料および
比較試料の各粒径を電子顕微鏡写真にて測定するととも
に、顔料pHをJIS K5101A法にて測定した。また、カラー
メーターにて、ハンター系L、a、b、Wを測定すると
ともに、目視にて着色の有無を判定した。
以上の結果を票に示すとともに、粒径を縦軸に、また硫
酸水溶液100モル部に対する水酸化ナトリウムの流量
(モル部)を横軸にとってプロットした両対数グラフを
第2図に示す。
上記表および第2図により、水酸化ナトリウム水溶液の
流量、さらにはシード生成反応に用いる硫酸水溶液の流
量を変化させることにより、0.1〜2μmの範囲で自由
に粒径コントロールすることが可能であることが分か
る。
これに対して、水酸化ナトリウム水溶液の流量をゼロと
した比較試料1は、8μm(板状粒子)であった。ま
た、比較試料2は反応スラリーのpHが1.0と低いため、
得られた硫酸バリウムの顔料pHが3.5となり、顔料とし
ては異常に低い値となってしまっている。さらに、比較
試料3は、黄味を帯び顔料としては好ましくないことが
分かる。この着色は、製法に起因するものであることは
明白である。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載する硫酸
バリウムの粒径コントロール方法によれば、白色顔料と
しての基本特性である中性で、しかも白色度の高い硫酸
バリウムを得ることができるとともに、水酸化ナトリウ
ム水溶液の流量を変化させるだけで、容易に所望の粒径
を有する硫酸バリウムを得ることができる。
また、請求項2に記載する硫酸バリウムの粒径コントロ
ール方法によれば、中性で、しかも白色度の高い硫酸バ
リウムを得ることができることはもとより、硫化バリウ
ムと予め反応させる硫酸水溶液の流量を変化させること
により、さらに微細な範囲まで粒径をコントロールする
ことが可能になる。
以上の如く、本発明は優れた特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための反応装置の一例を
示す正面図、第2図は本発明の効果を示すグラフであ
る。 1……反応装置、2……反応槽 3……硫化バリウム水溶液供給管 4……水酸化ナトリウム水溶液供給管 5……硫酸水溶液供給管、6……ガス排出管 7……スラリー排出管、8……硫酸水溶液供給管 S……攪拌機、F……流量計 V1〜V5……流量可変型バルブ P……pHメーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫化バリウム水溶液、硫酸水溶液および水
    酸化ナトリウム水溶液を、生成する反応スラリーのpHが
    3〜6となるように連続的に供給する一方、反応系の液
    量が一定になるように、生成した反応スラリーを排出し
    て硫酸バリウムを製造するにあたり、 前記水酸化ナトリウム水溶液を、所望する粒径に応じて
    前記硫酸水溶液に対して適宜の割合で使用することを特
    徴とする硫酸バリウムの粒径コントロール方法。
  2. 【請求項2】硫酸水溶液の一部と硫化バリウム水溶液と
    予め反応させ、次いでその反応液、残部の硫酸水溶液お
    よび水酸化ナトリウム水溶液を、生成する反応スラリー
    のpHが3〜6となるように連続的に供給する一方、反応
    系の液量が一定になるように、生成した反応スラリーを
    排出して硫酸バリウムを製造するにあたり、 前記水酸化ナトリウム水溶液を、所望する粒径に応じて
    前記硫酸水溶液に対して適宜の割合で使用するととも
    に、前記予め反応させる硫酸水溶液を、所望する粒径に
    応じて適宜量使用することを特徴とする硫酸バリウムの
    粒径コントロール方法。
  3. 【請求項3】前記水酸化ナトリウム水溶液を水酸化ナト
    リウムとして前記硫酸水溶液中の硫酸100モル部に対し
    て40モル部を越えない場合で選択使用する請求項1また
    は2記載の硫酸バリウムの粒径コントロール方法。
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