JPH0751944Y2 - 車両等の格納式座席 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車等の車両に設置される格納式座席に
関する。

（従来の技術） 従来、車両、例えばバン型車両の後部座席は後部室を荷
室として使用する場合に積載スペースを拡大するため、
折畳み可能なベンチタイプのものが使用されており、こ
のリヤシート１は第５図に示すようにシートクッション
２とシートバック３とがヒンジ４を介して折畳み可能に
形成され、このシートクッション２には前部脚部５が取
付けられるとともに、後部脚部６が枢着され、前部脚部
５の下端はフロア７にブラケットを介して枢着され、ま
た、後部脚部６はフロア７に取付けたストライカにロッ
ク装置を介して係脱可能に設けられ、フロア７を拡大す
る場合にはシートバック３をシートクッション上にヒン
ジ４を介して折畳み、ロック装置を解除した後、前部脚
部５の下端を中心として前方へ回動して折畳み状リヤシ
ート１を倒立状にし、後部脚部６をシートクッション２
の背面へ折畳むように構成されている。

（解決しようとする課題） しかしながら、この従来の構成のものではリヤシート１
がフロア７に対し倒立状に保持されていることから、乗
員が室内をウオークスルーの場合に邪魔になる等の問題
点があった。

本考案は、上記従来の問題点を解決すべくなされたもの
で、リヤシートを転回格納した場合にウオークスルーに
邪魔になることのない格納式座席を提供することを目的
とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記技術課題を解決するため、下端部を車両
フロアに前後方向に間隔をおいて回動自在に枢支した各
支持脚の上端にそれぞれ回動自在にシート本体を連接せ
しめ、前記シート本体はシートバックをシートクッショ
ン上に折畳み可能で、折畳み状態でシートクッションを
前方フロア上に転回可能となし、一方車両フロア上に転
回された格納位置のシート本体の上部を覆うカバーを形
成するとともに、車両フロア上に起立された通常位置の
シート本体のステップを形成する補助フロア装置を車両
要部に跳ね上げ自在に設け、さらに、補助フロア装置と
支持脚間に係止手段を設けて、補助フロア装置と支持脚
との係止によりシート本体を起立保持する構成とした車
両等の格納式座席である。

（作用） 上記構成としたことにより、補助フロア装置はリヤシー
ト使用時には座席用ステップとして機能し、リヤシート
格納時には格納シートを覆うカバーとして機能するとと
もに、ウオークスルー時の通路として機能する。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがって説明する
と、図中11はフロア（低床）10に設置されたリヤシート
（ベンチタイプ）であって、該リヤシート11はシート部
12と前後の支持脚19,20とより構成されている。

このシート部12はシートクッション13とシートバック14
とが左右のシートバックストッパヒンジ15を介して同シ
ートバック14はシートクッション13上に折畳み可能に連
結されている。

16はシート部12の支持枠であって、該支持枠16は例えば
パイプ材等を折曲成形してなるもので、前後枠16a,16b
と左右枠16cとによりシートクッション13を取付支持可
能な枠体に形成され、この前枠16aの左右端部寄りの所
定の位置にはブラケット17が図示下向きに溶着手段等に
より取付けられ、また、後枠16bには前枠16aに取付けた
ブラケット17の取付位置より所定の距離を隔てた内側寄
り位置にブラケット18が同様に下向きにして取付けられ
るとともに、この各ブラケット17,18には同じ長さを有
する前部支持脚19,19および後部支持脚20,20が連結ピン
21を介して枢着されている。また、前部支持脚19,19間
および後部支持脚20,20間の所定の高さ位置には連結杆2
2a,22bが取付けられて相互に連結されている。このよう
に枢着された前後の各支持脚19,20の下端にはフロア用
ヒンジ金具23がそれぞれ取付けられ、同ヒンジ金具23を
介してフロア10の取付対象とする位置に取付けられてい
る。このように取付けられたリヤシート11は各支持脚1
9,20を立設することでシート部12のシートクッション13
は水平状に所定の高さ位置に保持され、また、シートバ
ック14をシートクッション13上に折畳んで前方へヒンジ
金具23を中心として回動すると、シートクッション13と
支持脚19,20とにより四節リンクを構成して折畳み状態
のシート部12は水平状態を維持して図示のようにフロア
10の前部側に設けられた例えばエンジンカバー部24に近
接したフロア10上の格納位置に転回格納される。なお、
図示はしないが各支持脚19,20を立設した際、後方への
回動を規制するため例えば支持枠16と支持脚19,20との
間にはストッパー装置が設けられている。このようにし
て転回格納可能に設けられたシート部12の格納位置側の
例えばエンジンカバー部24には補助フロア装置25が設け
られている。

この補助フロア装置25はフロア10上に起立したリヤシー
ト11の通常位置でのステップを構成し、また、リヤシー
ト11を転回格納したシート部12の上方を覆うカバーを構
成するもので、エンジンカバー24に取付けられて上方へ
跳上げ状の回動可能に設けられている。

この補助フロア装置25は支持枠体26とカバーあるいはス
テップとなるプレート30とからなり、この支持枠体26は
例えばパイプ材等を折曲成形してなるもので、左右の側
枠27a,27bと前枠27cとにより略コ字形状に形成され、左
右の側枠27a,27bの取付基部側には連結杆27dが取付けら
れて転回格納されたシート部12の上部側を覆うに足る枠
体に形成された支持部27と、この支持部27の前枠27c寄
りには直角状に図示のように横倒し状にされた前部支持
脚19と後部支持脚20との間に位置してフロア10に当接し
て立設される脚部28aを折曲成形した支持脚28が取付け
られている。また、支持部27の左右の側枠27a,27bの前
側部には下方に開口するロック凹部29aを有するロック
金具29が例えばねじ、リベット、等の止着手段により止
着されたいる。このように形成されて支持枠体26の支持
部27の上面側には転回格納されたシート部12の上方を覆
設可能とする面積を有し上面側に滑り止め等を施したプ
レート30が取付けられている。かくして形成された支持
枠体26の側枠27a,27bの取付端部はエンジンカバー部24
の所定の位置にヒンジ31を介して上方へ跳上げ状に回動
可能に取付けられ、同支持枠体26は支持脚28がフロア10
に当接されることでプレート30はエンジンカバー部24と
ほぼ連続状して水平状に保持され、この状態でリヤシー
ト11が立設された通常時には支持枠体26の両側に設けた
ロック金具29は前部支持脚19a,19bの所定の高さ位置に
対向状の取付けたストライカ32と係脱可能に係合され
る。

なお、図中33は前部支持脚19の上端部寄りに取付けたク
ッションゴムである。

さて、本実施例は上記のように構成されたもので、この
フロア10上に配置されたリヤシート11は通常時には、そ
のシート部12は前後の支持脚19,20により支持されると
ともに、補助フロア装置25はその支持脚28がフロア10に
当接されてプレート30は水平状に保持され、同支持部27
の両側に取付けたロック金具29はリヤシート11の前部支
持脚19に取付けたストライカ32に係合されている。この
状態で補助フロア装置25はリヤシート11に着座する乗員
のステップとして供される。また、リヤシート11を格納
する場合には補助フロア装置25のロック金具29とリヤシ
ート11のストライカ32との係合を解いて同フロア装置25
をヒンジ31を介して上方へ跳上げ状に回動して後、シー
トバック14をヒンジ15を介してシートクッション13上に
折畳み状態とし、各支持脚19,20のフロア用ヒンジ金具2
3を介して前方へ転回していくと、折畳み状態のシート
部12は水平状に保持された状態で転回格納位置のフロア
10上に載置される。この格納状態としたシート部12に対
し跳上げ回動した補助フロア装置25を回動降下して支持
脚28をフロア10に当接することでプレート30は水平に保
持されて格納された折畳み状のシート部12の上部は覆わ
れる。

このように通常時にはリヤシート11は立設されて補助フ
ロア装置25はそのロック金具29とリヤシート11のストラ
イカ32とからなる係止手段を掛合することでステップと
して使用されるとともに、同リヤシート11は格別なロッ
ク装置を要することなく起立保持され、リヤシート11を
使用しない場合にはシート部12を折畳み状にして転回格
納しシート部12の上部を補助フロア装置25により水平状
に覆設して格納するものであるから、この格納時におい
ては室内フロア（補助フロア装置部分を含む）をほぼ平
面的にすることができるので例えば荷物の積載の使用性
を向上することができるとともに、ウオークスルー時に
補助フロア装置25を通路として活用することができる。
また、シート部12は補助シート装置25により覆われるの
でその汚れることを著減することができる。また、リヤ
シート11の使用時、ステップとして使用する補助フロア
装置25の下部に形成される空間部をもの入れとして使用
することのできる便利性がある。

なお、上記実施例においては補助フロア装置25をエンジ
ンカバー部24に設けて例示したが、これに限定するもの
ではなく、例えばサイドホデー側に設けてもよい。

（考案の効果） さて、本考案は上記のように構成したことにより、リヤ
シートの格納時においては補助フロア装置を介して格納
したシート部を覆うことで室内フロアをほぼ水平状にす
ることができるので、荷物の積載の使用性を向上するこ
とができるとともに、ウォークスルー時に補助フロア装
置を通路として活用することができる。また、シート部
を補助フロア装置により覆うことでその汚損することを
著減することができる。また、リヤシートの使用時には
補助フロア装置を係止手段により支持脚に係止すること
で同補助フロア装置をステップとして使用することがで
きるとともに、同補助フロア装置の下部側に形成される
空間部を物入れとして使用することのできる便利性があ
り、また、補助フロア装置をリヤシートに掛合すること
で、リヤシートに格別なロック装置を要することなく起
立保持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示し、第１図は格納式座席
の正面図、第２図はリヤシートと補助フロア装置とのロ
ック部分を示す斜視図、第３図はリヤシートを立設した
状態を示す斜視図、第４図はリヤシートを格納した状態
を示す斜視図、第５図は従来例である。 10…フロア 11…リヤシート 12…シート部（シート本体） 13…シートクッション 14…シートバック 19…前部支持脚 20…後部支持脚 25…補助フロア装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端部を車両フロアに前後方向に間隔をお
   いて回動自在に枢支した各支持脚野上端にそれぞれ回動
   自在にシート本体を連接せしめ、前記シート本体はシー
   トバックをシートクッション上に折畳み可能で、折畳み
   状態でシートクッションを前方フロア上に転回可能とな
   し、一方車両フロア上に転回された格納位置のシート本
   体の上部を覆うカバーを形成するとともに、車両フロア
   上に起立された通常位置のシート本体のステップを形成
   する補助フロア装置を車両要部に跳ね上げ自在に設け、
   さらに、補助フロア装置と支持脚間に係止手段を設け
   て、補助フロア装置と支持脚との係止によりシート本体
   を起立保持する構成とした車両等の格納式座席。