JPH0750288Y2 - 自動車のシートベルト装置固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は、自動車のシートベルト装置固定構造に関す
る。

b.従来の技術とその課題 第６図に示すような自動車においては、センタピラーａ
とサイドシルｂの会合部に両者にまたがるシートベルト
リトラクタリーンフォースメント（以下、リーンフォー
スメントという）を固着し、該リーンフォースメントに
シートベルトリトラクタとシートベルトアンカプレート
とを固定してなる構造が採用されている。

ところで、このような構造のものにおいては、シートベ
ルトに強い引張荷重がかかった場合に、上記会合部にお
いてその荷重をできるだけ分散させて受けるようにした
構造のものがよく、また必要に応じて、この結合構造の
強度の強化が容易にできることが好ましい。

そこで、従来より、シートベルトリトラクタを取付ける
シートベルトリトラクタリーンフォースメントを、セン
ターピラーからフロアに渡って配設した自動車のシート
ベルト装置固定構造が提案されている。

しかしながら、このような従来の固定構造では、上記リ
ーンフォースメントに加えられるシートベルトの引張力
が他の隣接部材に効果的に分散され難かったので、上記
リーンフォースメントの機能を十分に発揮させることが
できなかった。

c.課題を解決しようとするための手段 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、部品点数を増すことなく、簡単な構造に
よりシートベルトの引張力に対するシートベルトリトラ
クタリーンフォースメントの機能を十分に発揮させるこ
とができ、しかも、シートベルトの引張力に対して車体
に求められる支持強度の変更に容易に対応することがで
きる自動車のシートベルト装置固定構造を提供すること
にある。

本発明では、上記目的を達成するために、シートベルト
リトラクタを取付けるためのシートベルトリトラクタリ
ーンフォースメントを、センターピラーからフロアに渡
って配設した自動車のシートベルト装置固定構造におい
て、上記リーンフォースメントを、シートベルトリトラ
クタ取付部と、シートベルトアンカプレート取付部と、
シートマウントブラケット取付部とを一体に形成したも
のとし、上記センターピラーおよびサイドシルの内側の
同一面上で、上記リーンフォースメントを上記センター
ピラーおよびサイドシルに溶着し、上記面とは略直角に
曲がった上記フロアパネルの面上で、上記リーンフォー
スメントを上記フロアパネルに溶着した構成としてい
る。

d.実施例 以下、本考案に係る自動車のシートベルト装置固定構造
の一実施例を、添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図において、１はセンタピラー、２は
サイドシル、３はフロアパネルである。センタピラー１
とサイドシル２の会合部の室内側には、両者にまたがる
リーンフォースメント４が固着してある。

リーンフォースメント４は、シートベルトリトラクタ取
付部4aと、シートベルトアンカプレート取付部4bと、シ
ートマウントブラケット取付部4cとを一体に形成したも
のとしている。

リーンフォースメント４のシートベルトリトラクタ取付
部4aには、これとセンタピラー１を貫通する矩形の孔５
が設けてあり、第３図に示すように、孔５内にシートベ
ルトリトラクタ６を収容・固定してある。

また、リーンフォースメント４の後部のシートベルトア
ンカプレート取付部4bには、ボルト孔７が設けてあり、
該孔７にボルトを螺入してシートベルトアンカプレート
９を固定するようになっている（第２図参照）。８は断
面コ字状のシートマウントブラケットで、その端縁には
フランジ部8aが延設してある。そして、ブラケット８
は、そのフランジ部8aをそれぞれリーンフォースメント
４とフロアパネル３に当接し、該フランジ部をスポット
溶接などでリーンフォースメント４のシートマウントブ
ラケット取付部4cとフロアパネル３に固着してある。

本実施例では、リーンフォースメント４は、図３に示す
ように、センターピラー1,サイドシル２およびフロアパ
ネル３の三者に同一面上で溶着されている。これによ
り、リーンフォースメント４に加えられるシートベルト
の引張力は、センターピラー１、サイドシル２およびフ
ロアパネル３等の隣接部材に効果的に分散されるため、
リーンフォースメント４の機能を十分に発揮させること
ができる。

なお、第４図と第５図に示すように、リーンフォースメ
ント４とシートマウントブラケット８を一体成形し、こ
れを車体に組付けるようにしてもよい。

e.考案の効果 以上説明したように、本考案に係る自動車のシートベル
ト装置固定構造によれば、シートベルトリトラクタを取
付けるためのシートベルトリトラクタリーンフォースメ
ントを、センターピラーからフロアに渡って配設した自
動車のシートベルト装置固定構造において、上記リーン
フォースメントを、シートベルトリトラクタ取付部と、
シートベルトアンカプレート取付部と、シートマウント
ブラケット取付部とを一体に形成したものとし、上記セ
ンターピラーおよびサイドシルの内側の同一面上で、上
記リーンフォースメントを上記センターピラーおよびサ
イドシルに溶着し、上記面とは略直角に曲がった上記フ
ロアパネルの面上で、上記リーンフォースメントを上記
フロアパネルに溶着した構成としているので、次のよう
な効果を得ることができる。

すなわち、本考案によれば、上記リーンフォースメント
に加えられるシートベルトの引張力が、上記センターピ
ラー，上記サイドシルおよび上記フロアパネル等の隣接
部材に同一面内で加えられるため、その力がこれらの隣
接部材に効果的に分散される。

したがって、簡単な構造によりシートベルトの引張力に
対する上記リーンフォースメントの機能を十分に発揮さ
せることができる。

また、上記リーンフォースメントを上記センターピラ
ー，サイドシルおよびフロアパネルの三者に同一面上で
溶着しただけの構造であるので、部品点数の増加もな
く、その生産コストを上昇させることもない。

さらに、上記リーンフォースメントを、上記センターピ
ラー，サイドシルおよびフロアパネル等とは別体の小物
部品としたことにより、上記リーンフォースメントだけ
の板厚を変更するだけで、その強度の調整ができ、シー
トベルトの引張力に対して車体に求められる支持強度の
変更に容易にかつ安価に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る自動車のシートベル
ト装置固定構造の一実施例を示し、第１図はその車体構
造を示す斜視図で、第６図の点線枠Ｃ内を車室側から見
た図、第２図は第１図を矢印Ａ方向から見た図、第３図
は第２図に示したＢ−Ｂ線による断面図、第４図及び第
５図は本考案の他の実施例を示し、第４図はリーンフォ
ースメントの斜視図、第５図は第２図と対応する図、第
６図は自動車の斜視図である。 １……センタピラー、２……サイドシル、３……フロア
パネル、４……シートベルトリトラクタリーンフォース
メント、６……シートベルトリトラクタ、８……シート
マウントブラケット、９……シートベルトアンカプレー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートベルトリトラクタ６を取付けるため
   のシートベルトリトラクタリーンフォースメント４を、
   センターピラー１からフロア３に渡って配設した自動車
   のシートベルト装置固定構造において、 上記リーンフォースメント４を、シートベルトリトラク
   タ取付部4aと、シートベルトアンカプレート取付部4b
   と、シートマウントブラケット取付部4cとを一体に形成
   したものとし、 上記センターピラー１およびサイドシル２の内側の同一
   面10上で、上記リーンフォースメント４を上記センター
   ピラー１およびサイドシル２に溶着し、 上記面10とは略直角に曲がった上記フロアパネル３の面
   11上で、上記リーンフォースメント４を上記フロアパネ
   ル３に溶着したことを特徴とする自動車のシートベルト
   装置固定構造。