JPH0749414B2 - 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルの精製方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、種々の合成用中間体として有用な、下記の一
般式〔I〕により表わされる不飽和カルボン酸イソシア
ナトアルキルエステルの精製法に関する。
〔式中、RはH,メチル基,ビニル基,フェニル基又は、
−CH2COO−A−NCOを、R′はH,メチル基又は、−CH2CO
O−A−NCOを、Aは炭素数2〜14のアルキレン基を表わ
す。〕 〔従来の技術〕 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステル(例え
ば、メタクリル酸−2−イソシアナトエチルエステル)
は、ビニル重合性二重結合とイソシアナート基を同一分
子中にもつため、各種合成中間体、ポリマー中間体とし
て有用であり、その製法に関しては古くから検討されて
きた。例えば、ニューマン・エム・ボートニック(Newm
an M.Bortnick)は、米国特許第2,718,516号に於て、次
の二通りの合成方法を示している。
その一つは、まずアミノアルコールとクロロ炭酸エチル
エステルを反応させて、ヒドロキシカルバミン酸エチル
エステルとし、次いでこれに不飽和カルボン酸クロリド
を反応させてウレタノエステルとした後、五塩化リンな
どの存在下で熱分解して不飽和カルボン酸イソシアナト
アルキルエステルとする方法で、この方法で合成された
生成物は酸性であり、又、多量のHCl−付加物を副生物
として含んでいる。
もう一つの方法は、不飽和カルボン酸メチルエステルと
クロロアルコールとでエステル交換をさせ、得られたク
ロロアルキルエステルとアルカリ金属イソシアン酸塩、
及びエタノールとの反応により不飽和カルボン酸のウレ
タンエステルとし、前記と同様の熱分解によって不飽和
カルボン酸イソシアナトアルキルエステルとするもの
で、この場合も生成物の状態は前記のものと同様であ
る。
又、ハンス・ホルトシュミット(Hans Holt−schmidt)
は、米国特許第2,821,544号に於て、次のような方法を
提案している。
即ち、まず不飽和カルボン酸クロリドとアミノアルコー
ル塩酸塩との反応により不飽和カルボン酸アミノアルキ
ルエステル塩酸塩を合成し、これにホスゲンを反応させ
て目的とする不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエ
ステルを得るものであるが、この方法に於ても生成物は
酸性を示し、多量のHCl−付加物を副生物として含んで
いる。
以上の各方法に於ては、副生物の生成量が非常に多く、
収率が極めて低くなるため、現状では工業的に実施する
には、必ずしも満足は方法とはいい難い。
一方、ディーター・アールト(Dieter Arlt)が開示し
ている方法(米国特許第1,252,099号)は、2−アルケ
ニル−2−オキサゾリンとホスゲンの反応により合成す
るもので、例えばメタクリル酸−2−イソシアナトエチ
ルエステルを合成する場合は、2−イソプロペニル−2
−オキサゾリンにアルカリ水溶液存在下でホスゲンを反
応させる。
この方法は極めて省エネルギー的かつ安全な、すぐれた
ものであり、工業的に実施されて来たほか、いくつかの
改良法や前駆物質である2−アルケニル−2−オキサジ
リンの製法についての提案がなされている。(例えば、
特開昭54−5921号、特公昭59−24977号、特願昭61−152
778〜152782号) これらの方法により合成された化合物は前述の如く、一
つの分子中に不飽和結合とイソシアナート基を併わせも
つため、他の不飽和化合物、例えば、メチルメタクリル
レート,ブチルアクリレート,スチレン等と共重合させ
て、イソシアナート基をもつポリマーを形成させて塗料
や接着剤等の用途に用いたり、あるいは、ヒドロキシル
基やアミノ基のような活性水素を有するポリマーとイソ
シアナート基を反応させて、ポリマーの側鎖に不飽和結
合を導入し、紫外線,電子線,熱などにより硬化する材
料とするのに用いるなど種々の用途に用いることができ
る。
上記の各合成法に於ては、不飽和カルボン酸イソシアナ
トアルキルエステルは反応溶媒との混合物として得られ
るが、この混合物の中には前述したような、塩化水素の
付加した副生物やオリゴマー,その他の副生物も含まれ
ている。従って、各種用途に必要な純度のものを得るに
は、蒸留によって溶媒を留去し、更に含まれている各種
副生物を分離する必要がある。
一般に、不飽和結合を有する化合物を蒸留する場合、ヒ
ドロキノン,p−メトキシフェノール,フェノチアジン等
の重合禁止剤を添加して行うのが普通である。
不飽和カルボン酸及びそのエステルの蒸留時に効果があ
るとされる重合禁止剤としては数多く提案されている
が、例えば、フェノール類及びキノン類(例えば、ヒド
ロキノン,p−メトキシフェノール,ピロガロール,ジメ
トキシフェノール,フェニル−p−ベンゾキノン
等,)、アミン類(例えば、フェノチアジン,p−フェニ
レンジアミン,ヒドラジン等,)、銅化合物(例えば、
塩化第二銅,酢酸第二銅,ジブチルジチオカルバミン酸
銅,酸化第二銅,メタクリル酸銅など,)、その他(メ
チレンブルー,クペロン,6,6−置換フルベン,酸素な
ど)が知られている。
又、これらを単独で用いるだけでなく、いくつかの化合
物を組合せて用いることも効果があるとされており、フ
ェノールと空気の組合せ、ヒドロキノンとヘキサメタリ
ン酸ナトリウム,塩化第二銅,酸化セレン,フェノチア
ジン,ジブチルジチオカルバミン酸塩,酸素,ニトロメ
タンなどとの組合わせ、p−メトキシフェノールとベン
ゾキノン,酸素,フェノチアジン,キノンジオキシム,D
L−アラニンなどとの組合せ、フェノチアジンと硫酸−
アルデヒド,酸素,などとの組合わせなどが提案されて
いる。
しかし、本発明に係る不飽和カルボン酸イソシアナトア
ルキルエステルは重合性が非常に高く、これらの重合禁
止剤を添加したのみでは、蒸留中に所謂ポプコーン重合
を起すため、精製することは、極めて困難であった。
ポプコーン重合については多くの研究がある。〔例えば
(メタ)アクリル酸エステルについて、瀬尾ら:日本化
学雑誌第89巻12号1230頁及び1236頁(1968年)、工業化
学雑誌第74巻12号2581頁(1971年);辰巳ら:日本化学
会誌1386頁(1982年),1200頁及び1282頁(1983年)な
ど〕 これ迄の研究によれば、ポプコーン重合は、網目構造の
ポリマーを作りうる不飽和化合物の混合物が、熱,光,
活性酸素,さびた鉄など、何らかのきっかけでシードと
なるポリマーを生成し、このシードポリマーの網目構造
の内部に埋蔵されているラジカルにモノマーが達して、
重合が起こり、生ずる重合物の機械的圧力によって主鎖
や架橋が切断され、その結果生じるラジカルで更に重合
が促進されて起るとされている。ポプコーンポリマーの
成長は非常に速く、又、体積の増加を伴うため、反応容
器を破裂させることもあるので、非常に危険である。
ポプコーン重合の防止法としては、活性なシードの発生
したプラトンを停止して、薬剤を用いて活性シードを破
壊するか、あるいは、シードの生長抑制剤を連続的に添
加するか、いずれかの方法がとられているが、まだ決定
的な防止法や抑制剤は開発されていないようである(高
分子学会編:高分子辞典)。
不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルに関し
ては、この問題を解決するための方策として、マーク・
ローランド・ジョンソンは、気体上の窒素酸化物の存在
下で蒸留する方法を開示している(特開昭59−7147)。
即り、メタクリル酸−2−イソシアナトエチルエステル
の蒸留に於て、液に約1,000ppmのフェトチアジンを添加
し、更に、酸化窒素を含むガスを液中に吹込みながら、
90〜95℃,9〜10mmHgで減圧蒸留すると、ポプコーンポリ
マーの生成が見られなかった、と述べている。
しかし、この方法では、酸化窒素の発生装置が必要とな
ること、場合によっては留出物が着色すること、廃ガス
中の窒素酸化物により公害問題を起こすこと、などの問
題点があり、実用化する上では、必ずしも十分に満足す
べきものとは言い難い。
一方、クペロン類がビニル化合物の重合防止に有効であ
ることは公知である。
例えばルイス・ジェイ・クーヴィロン(Luis J.Couvill
on)は、米国特許第2,758,131号に於て、クペロンを少
量添加することにより不飽和ニトリル化合物の重合を防
止できることを開示している。又、ポウル・エス・ハド
ソン(Paul S.Hudson),マック・エフ・ポッツ(Mack
F.Potts),及びウォレン・エル・スミス(Warren L.Sm
ith)は、米国特許第2,773,874号に於て、ビニルピリジ
ン類の重合防止に少量のクペロン及びその誘導体が有効
であることを開示している。更に、リチャード・エドワ
ード・クック(Richard Edward Cook)は、米国特許第
3,042,726号に於て、又、エドウィン・ベンジャミンズ
(Edwin Benjamins)は、米国特許第3,634,526号に於
て、クロロプレンの重合防止にやはりクペロンが有効で
あることを開示しており、又、ハロルド・ジョセフ・グ
ロス(Harold Joseph Gros)は、米国特許第3,426,063
に於て、エチレン性不飽和炭化水素及び/又はエステル
の熱重合及び/又はポプコーンポリマーの成長を防止す
るための方法として、クペロン類を用いる方法を開示し
ている。一方、コーネリウス・ディンバーグズ(Kornel
ius Dinbergs),ノース・ロイヤルトン(North Royalt
on),及びジョン・エー・ヤンコ(John A.Yanko)は、
米国特許第3,475,390号に於てメタクリル酸エステルな
どのカルボキシル基を含むモノマーのレドックス触媒に
よる重合を停止させるために、クペロンを加える方法を
開示している。
これらの場合、いかなる機構によって重合が防止される
のかは必ずしも詳らかではないが、前述のエドウィン・
ベンジャミンズは、クペロンの遊離酸の形のものが重合
防止の作用をしていると考えられると述べている。
これらの先行発明は、いずれも固体状のクペロンを直接
モノマーに加えて溶解(又は飽和)させるか、水溶液の
形で添加するかしている。しかし、本発明が対象とする
不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルの蒸留
時の重合防止に関しては、このような使用法では効果が
あらわれない。即ち、蒸留しようとする、不飽和カルボ
ン酸イソシアナトアルキルエステルを含む混合液に直接
溶解して用いる場合は重合防止効果が十分表われずにポ
プコーン重合が起こり、又、水溶液の形で蒸留中に連続
的に添加する場合も、留出物及び釜残中にポリマーと思
われる不溶解物が形成された。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者は、上記実情に鑑み、蒸留時の不飽和カルボン
酸イソシアナトアルキルエステルの重合を防止し、効率
よく精製するための方法につき、種々検討を重ねた。
〔問題点を解決するための手段〕
その結果、クペロン類のグリコール類、例えば、エチレ
ングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレング
リコール,プロピレングリコール等に溶かしたものを加
えると不飽和カルボン酸イソシアナトエチルエステルの
重合が阻止されることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
即ち、本発明は、グリコール類に溶解したクペロン類を
系内に連続的又は断続的に供給しつつ蒸留することによ
り、不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを
効率よく精製する方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が対象とする不飽和カルボン酸イソシアナトアル
キルエステルは、下記の一般式〔I〕により表わされる
ものであって、具体的にはアクリ ル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイン酸,ソルビ
ン酸,イタコン酸,又は桂皮酸等の、2−イソシアナト
エチル,2−イソシアナトプロピル,3−イソシアナトプロ
ピル,2−メチル−2−イソシアナトエチル,4−イソシア
ナトブチル,又は2−イソシアナトブチルエステル等が
これに相当する。これらの合成法としては、前述のよう
にに各種の方法があり、それぞれの方法により含まれる
不純物の種類も異なるのが普通であるが、本発明の精製
法は、いずれの方法により合成された不飽和カルボン酸
イソシアナトアルキルエステルにも適用される。
本発明を適用しうる蒸留法は、揮発性有機物を精製する
場合にごく一般的に行なわれる方法であって、特に変わ
ったものではないが、不飽和カルボン酸イソシアナトア
ルキルエステルは比較的沸点が高いものであるから、50
mmHg以下特に15mmHg以下の圧力下での減圧蒸留が好まし
い。
又、本発明に於て不飽和カルボン酸イソシアナトアルキ
ルエステルの重合防止に用いられるクペロン類とはN−
ニトロソ−N−アリールヒドロキシルアミンアンモニウ
ム塩の総称であって、アリール基としては、フェニル
基,ナフチル基,−ないし三置換フェニル基などが含ま
れるが、入手の容易さという観点から、フェニル基及び
ナフチル基が、更に好ましくはフェニル基が好都合であ
る。
一方、本発明に於て、クペロン類を溶解するのに用いら
れるグリコール類としては常温で液体の各種のグリコー
ルがあるが、入手の容易さという点から、エチレングリ
コール,プロピレングリコール及び、これらのポリエー
テルポリオール,例えば、ジエチレングリコール,トリ
エチレングリコール,ジプロピレングリコールなどが好
ましい。
グリコール類に溶かすクペロン類の濃度は高い方がよい
ことは言うまでもないが、飽和濃度を超えると供給ライ
ンの詰り、液粘度の増加などが起り、取扱い上好ましく
ない。
不飽和カルボン酸イソシアナトナトキルエステルに対す
るクペロン類の添加量は、重量比で、1時間当り50〜1,
000ppmが適当である。これより少ないと、少ない分効果
が小さくなるし、一方、多い場合には、効果としては大
きいが、クペロン類は高価な化合物であるので、経済的
に好ましくない。
添加方法は上記のクペロン類の量に相当するグリコール
類溶液を連続的に系内に注入してもよいし、ある間隔を
おいて断続的に注入してもよいが、予め蒸留に要する時
間分を一度に加えておくと、効果が長続きせず、好まし
くない。又、断続的に注入する場合にはその間隔は2時
間以内、好ましくは1時間以内にする方がよい。
〔実施例〕
次に本発明の方法について、代表的な実施例を示して更
に具体的に説明するが、これらは例示のため代表的な例
を示したもので、本発明の方法はこれらのみに限られな
いことは言うまでもない。
実施例1 ジクロロメタン150mlを0℃に冷やしておき、この中に
攪拌、冷却しながら、2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリン150gを水250mlに溶かした溶液、ホスゲン200gを
ジクロロメタン800mlに溶かした溶液、及び、30重量%
水酸化ナトリウム水溶液670mlを、同時に、温度が15℃
を超えないような速度で添加した。全部加え終ってから
も数分間攪拌した後、静置して二層を分離した。有機層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mlで3回洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、常圧で溶媒をを留去
した。
この中に、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルア
ミンアンモニウム塩(クペロン)0.1gをエチレングリコ
ール1.5mlに溶かして加え、減圧蒸留を行なった。蒸留
中、クペロン0.15gをエチレングリコール10mlに溶かし
た溶液を1時間当り1mlの割合で滴下した。
その結果、沸点75℃/5mmHgのメタクリル酸−2−イソシ
アナトエチルエステル181gが得られた。
実施例2 210gの3−ブロモプロピオニトリルをキシレン1.5に
溶かし、窒素気流中で加熱還流した。これに100gの2−
ヒドロキシエチルアミンを1.5時間かけて滴下した。更
に同一条件で3時間加熱還流を続けた。キシレンを留去
後、0.1mmHgの真空下で蒸留を行ない、64〜68℃の留分2
15gを得た。
上記留分を1.5のジクロロメタンに溶かし、フェノチ
アジン1gを添加した。10gの水酸化ナトリウムと、4.5g
のトリメチルベンジルアンモニウムクロリドを1の水
に溶かした溶液、ならびに200gのホスゲンを1のジク
ロロメタンに溶かした溶液を同時に水層がアルカリ性を
保ち、且、温度が10℃を超えない速度で、約2.5時間か
けて滴下した。滴下終了後も1時間撹拌を続行し、その
後静置して2層を分離した。水層を捨て、ジクロロメタ
ン層を3回水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、常圧で溶媒を留去した。
残りの液にN−ニトロソ−N−ナフチルヒドロキシルア
ミンアンモニウム塩(ネオクペロン)0.1gをジエチレン
グリコール2mlに溶かした溶液を加え、減圧蒸留を行な
った。蒸留の間、ネオクペロン1gをジエチレングリコー
ル10mlに溶かした液を1時間に1mlの割合で滴下した。
その結果、80〜90℃/14mmHgのアクリル酸−2−イソシ
アナトエチルエステル117gが得られた。
実施例3 メタクリル酸300g、ジメチルホルムアミド8g、フェノチ
アジン0.3gの混合物中に70℃で、ホスゲンを1時間当り
平均40.5gの割合で吹き込んだ。約12時間後に吹き込ん
むことを止め、得られた反応液を蒸留して、純度95%の
メタクリル酸クロライド191gを得た。
一方、2−ビドロキシエチルアミン106g及びトルエン60
0mlからなる混合物に70℃で塩化水素ガス85gを5時間か
けて吹き込み、その後、アントラキノン1.5gと前に得ら
れたメタクリル酸クロライドを加え、温度を80℃に上げ
て5時間反応させた。次に液がリフラックスするまで温
度を上げ、ホスゲン300gを5時間にわたって吹き込んだ
後、窒素ガスを吹き込んで、未反応ホスゲンを除いた。
室温迄冷却後、7%炭酸水素ナトリウム水溶液1で2
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
約10mmHgに減圧してトルエンを留去後、クペロン0.2gを
プロピレングリコール2mlに溶かしたものを加えて圧力5
mmHgで減圧蒸留した。蒸留の間、クペロン0.5gをプロピ
レングリコール5mlに溶かした液を1時間に1mlの割合に
なるように15〜20分の間隔をあけて滴下した。
この結果、73〜77℃の留分としてメタクリル酸−2−イ
ソシアナトエチルエステル108gを得た。
比較例1 クペロンを用いなかった以外は実施例1と同様にして実
験を行なったところ、減圧蒸留を始めてしばらくする
と、蒸留釜上部に粒状の重合物と思われるものが生成
し、更に蒸留を続行したところ、全体が重合してしま
い、蒸留装置は使用不能に陥った。
比較例2 実施例1と同様の実験に於て、溶媒留去後、クペロンの
粉末0.25gを加えて減圧蒸留を行なった。蒸留開始後2
時間位たった時点で比較例1と同様のポリマー粒の生成
が見られたので実験を打ち切った。
比較例3 実験例1と同様の実験に於て、エチレングリコールの代
りに水を使用したところ留出液中に不溶解物が見られ、
又、蒸留釜上部にも少さな粒の生成が見られたので実験
を打ち切った。釜残をとり出してみたところ、その中に
も不溶解物が生成していた。
〔発明の効果〕
本発明によればポプコーン重合を起させることなく、不
飽和カルボン酸−2−イソシアナトアルキルエステルを
蒸留により効率よく精製することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリコール類に溶解したクペロン類を系内
    に連続的又は断続的に供給しつつ蒸留することを特徴と
    する、不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステル
    の精製法。
JP19815687A 1987-08-10 1987-08-10 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルの精製方法 Expired - Lifetime JPH0749414B2 (ja)

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