JPH07103085B2 - 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを精製する方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを精製する方法

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JPH07103085B2 JP19815787A JP19815787A JPH07103085B2 JP H07103085 B2 JPH07103085 B2 JP H07103085B2 JP 19815787 A JP19815787 A JP 19815787A JP 19815787 A JP19815787 A JP 19815787A JP H07103085 B2 JPH07103085 B2 JP H07103085B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、種々の合成用中間体として有用な、下記の一
般式〔I〕により表わされる不飽和カルボン酸イソシア
ナトアルキルエステルの精製法に関する。
〔式中、RはH,メチル基、ビニル基,フェニル基又は、
-CH2COO-A-NCOを、R′はH,メチル基又は、-CH2COO-A-N
COを、Aは炭素数2〜14のアルキレン基を表わす。〕 〔従来の技術〕 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステル(例え
ば、メタクリル酸−2−イソシアナトエチルエステル)
は、ビニル重合性二重結合とイソシアナート基を同一分
子中にもつため、各種合成中間体、ポリマー中間体とし
て有用であり、その製法に関しては古くから検討されて
きた。例えば、ニューマン・エム・ボートニック(Newm
an M.Bortnick)は、米国特許第2,718,516号に於て、次
の二通りの合成方法を示している。
その一つは、まずアミノアルコールとクロロ炭酸エチル
エステルを反応させて、ヒドロキシカルバミン酸エチル
エステルとし、次いでこれに不飽和カルボン酸クロリド
を反応させてウレタノエステルとした後、五塩化リンな
どの存在下で熱分解して不飽和カルボン酸イソシアナト
アルキルエステルとする方法で、この方法で合成された
生成物は酸性であり、又、多量のHCl−付加物を副生物
として含んでいる。
もう一つの方法は、不飽和カルボン酸メチルエステルと
クロロアルコールとでエステル交換をさせ、得られたク
ロロアルキルエステルとアルカリ金属イソシアン酸塩、
及びエタノールとの反応により不飽和カルボン酸のウレ
タノエステルとし、前記と同様の熱分解によって不飽和
カルボン酸イソシアナトアルキルエステルとするもの
で、この場合も生成物の状態は前記のものと同様であ
る。
又、ハンス・ホルトシュミット(Hans Holtschmidt)
は、米国特許第2,821,544号に於て、次のような方法を
提案している。即ち、まず不飽和カルボン酸クロリドと
アミノアルコール塩酸塩との反応により不飽和カルボン
酸アミノアルキルエステル塩酸塩を合成し、これにホス
ゲンを反応させて目的とする不飽和カルボン酸イソシア
ナトアルキルエステルを得るものであるが、この方法に
於ても生成物は酸性を示し、多量のHCl−付加物を副生
物として含んでいる。以上の各方法に於ては、副生物の
生成量が非常に多く、収率が極めて低くなるため、現状
では工業的に実施するのには、必ずしも満足な方法とは
いい難い。
一方、ディーター・アールト(Dieter Arlt)が開示し
ている方法(英国特許第1,252,099号)は、2−アルケ
ニル−2−オキサゾリンとホスゲンの反応により合成す
るもので、例えば、メタクリル酸−2−イソシアナトエ
チルエステルを合成する場合は2−イソプロペニル−2
−オキサゾリンにアルカリ水溶液存在下でホスゲンを反
応させる。
この方法は極めて省エネルギー的かつ安全な、すぐれた
ものであり、工業的に実施されて来たほか、いくつかの
改良法や前駆物質である2−アルケニル−2−オキサゾ
リンの製法についての提案がなされている。(例えば、
特開昭54-5921号、特公昭59-24977号、特願昭61-152778
〜152782号) これらの方法により合成された化合物は前述の如く、一
つの分子中に不飽和結合とイソシアナート基を併わせも
つため、他の不飽和化合物、例えば、メチルメタクリレ
ート,ブチルアクリレート,スチレン等と共重合させ
て、イソシアナート基をもつポリマーを形成させて塗料
や接着剤等の用途に用いたり、あるいは、ヒドロキシル
基やアミノ基のような活性水素を有するポリマーとイソ
シアナート基を反応させて、ポリマーの側鎖に不飽和結
合を導入し、紫外線,電子線,熱などにより硬化する材
料とするのに用いるなど種々の用途に用いることができ
る。
上記の各合成法に於ては、不飽和カルボン酸イソシアナ
トアルキルエステルは反応溶媒との混合物として得られ
るが、この混合物の中には前述したような、塩化水素の
付加した副生物やオリゴマー,その他の副生物も含まれ
ている。従って、各種用途に必要な純度のものを得るに
は、蒸留によって溶媒を留去し、更に含まれている各種
副生物を分離する必要がある。
一般に、不飽和結合を有する化合物を蒸留する場合、ヒ
ドロキノン,p−メトキシフェノール,フェノチアジン等
の重合禁止剤を添加して行うのが普通である。
不飽和カルボン酸及びそのエステルの蒸留時に効果があ
るとされる重合禁止剤としては数多く提案がされている
が、例えば、フェノール類及びキノン類(例えば、ヒド
ロキノン,p−メトキシフェノール,ピロガロール,ジメ
トキシフェノール,フェニル−p−ベンゾキノン
等,)、アミン類(例えば、フェノチアジン,p−フェニ
レンジアミン,ヒドラジン等,)、銅化合物(例えば、
塩化第二銅,酢酸第二銅、ジブチルジチオカルバミン酸
銅,酸化第二銅,メタクリル酸銅など,)、その他(メ
チレンブルー,クペロン,6,6−置換フルベン,酸素な
ど)が知られている。
又、これらを単独で用いるだけでなく、いくつかの化合
物を組合せて用いることも効果があるとされており、フ
ェノールと空気の組合せ、ヒドロキノンとヘキサメタリ
ン酸ナトリウム,塩化第二銅,酸化セレン,フェノチア
ジン,ジブチルジチオカルバミン酸塩,酸素,ニトロメ
タンなどとの組合わせ,p−メトキシフェノールとベンゾ
キノン,酸素,フェノチアジン,キノンジオキシム,DL
−アラニンなどとの組合せ,フェノチアジンと硫酸−ア
ルデヒド,酸素,などとの組合わせなどが提案されてい
る。
しかし、本発明に係る不飽和カルボン酸イソシアナトア
ルキルエステルは重合性が非常に高く、これらの重合禁
止剤を添加したのみでは、蒸留中に所謂ポプコーン重合
を起すため、精製することは、極めて困難であった。
ポプコーン重合については多くの研究がある。〔例えば
(メタ)アクリル酸エステルについて、瀬尾ら:日本化
学雑誌第89巻12号1230頁及び1236頁(1968年)、工業化
学雑誌第74巻12号2581頁(1971年);辰己ら:日本化学
会誌1386頁(1982年),1200頁及び1282頁(1983年)な
ど〕 これ迄の研究によれば、ポプコーン重合は、網目構造の
ポリマーを作りうる不飽和化合物の混合物が、熱,光,
活性酸素,さびた鉄など、何らかのきっかけでシードと
なるポリマーを生成し、このシードポリマーの網目構造
の内部に埋蔵されているラジカルにモノマーが達して、
重合が起こり、生ずる重合物の機械的圧力によって主鎖
や架橋が切断され、その結果生じるラジカルで更に重合
が促進されて起るとされている。ポプコーンポリマーの
成長は非常に速く、又、体積の増加を伴うため、反応容
器を破裂させることもあるので、非常に危険である。
ポプコーン重合の防止法としては、活性なシードの発生
したプラントを停止して、薬剤を用いて活性シードを破
壊するか、あるいは、シードの生長抑制剤を連続的に添
加するか、いずれかの方法がとられているが、まだ決定
的な防止法や抑制剤は開発されていないようである(高
分子学会編:高分子辞典)。
不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルに関し
ては、この問題を解決するための方策として、マーク・
ローランド・ジョンソンは、気体状の窒素酸化物の存在
下で蒸留する方法を開示している(特開昭59-7147)。
即ち、メタクリル酸−2−イソシアナトエチルエステル
の蒸留に於て、液に約1,000ppmのフェノチアジンを添加
し、更に、酸化窒素を含むガスを液中に吹込みながら、
90〜95℃,9〜10mmHgで減圧蒸留すると、ポプコーンポリ
マーの生成が見られなかった、と述べている。
しかし、この方法では、酸化窒素の発生装置が必要とな
ること、場合によっては留出物が着色すること、廃ガス
中の窒素酸化物により公害問題を起こすこと、などの問
題点があり、実用化する上では、必ずしも十分に満足す
べきものとは言い難い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、上記実情に鑑み、蒸留時の不飽和カルボ
ン酸イソシアナトアルキルエステルの重合を防止するた
めの方法につき、種々検討を重ねた。
〔問題点を解決するための手段〕
その結果、特定の二種以上の重合禁止剤の組合せが不飽
和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルのポプコー
ン重合防止に効果的であることを見出し、本発明に到っ
た。
即ち、本発明は、重合禁止剤として、 (A)フェノチアジン,アルキル置換フェノール,ヒド
ロキノン,アルキル置換ヒドロキノン,パラメトキシフ
ェノール,タンニン酸,アントラキノン の中から選ばれた、少なくとも一種の化合物 (B)N,N−ジエチルヒドロキシルアミン,N−ニトロソ
−N−アリールヒドロキシルアミンアンモニウム塩,N−
ニトロソ−N−n−プロピルウレタン,2−ヒドロキシエ
チルヒドラジン,ジニトロベンゼン類 を共存されることにより、ポプコーン重合体を起させる
ことなく、不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエス
テルを蒸留により精製する方法を提供するものである。
(A)群に属する化合物のうちアルキル置換フェノール
とは2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノー
ル,クレゾール類など、又、アルキル置換ヒドロキノン
とは、ターシャリーブチルヒドロキノン,2,5−ジターシ
ャリーブチルヒドロキノンなど、夫々ベンゼン環上にア
ルキル基をもつものをいう。
本発明の於て使用される重合禁止剤は前記(A)群及び
(B)群から夫々一種類以上選ぶことが必要で、(A)
群からのみ、又は(B)群からのみ二種類以上選んでも
効果はない。
(A)群より選ばれる化合物の使用量は蒸留しようとす
る不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを含
む混合物に対し、重量比で10〜10,000ppm、好ましくは1
00〜5,000ppmが適当である。これより少ない場合は効果
はあるがあまり期待できない。又、これより多い場合は
効果はあるが、経済的に適当ではない。(A)群の化合
物は予め該混合物中に添加しておくことができる。これ
らの化合物はビニル化合物の重合防止に通常よく用いら
れるものであり、本発明が不飽和カルボン酸イソシアナ
トアルキルエステルの合成後に反応混合物から目的物を
単離するために用いられる場合には(A)群の化合物
は、合成反応中に加えてあったものでよい。又、本発明
が貯蔵してあった、より純度の低い不飽和脂肪酸イソシ
アナトアルキルエステルをより高純度にするために用い
られる場合には、貯蔵中の安定化のために添加してあっ
たものでよい。
これに対し、(B)群から選ばれる化合物は、連続式蒸
留の場合にはフィードされる不飽和カルボン酸イソシア
ナトアルキルエステル混合液中に加えておいてもよいが
回分式蒸留の場合には、連続的又は、断続的に添加する
ことが望ましい。回分式蒸留に於て、(B)群の化合物
を予め添加しておくだけで、後から追加しない場合に
は、初期には効果があるものの長続きせず、数時間後、
早き場合には1〜2時間後にはポプコーン・シードが発
生しはじめる。
(B)群から選ばれる化合物の使用量は、蒸留しようと
する不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを
含む混合物に対し、重量比で、1時間当り10〜10,000pp
m、好ましくは50〜5,000ppmの範囲が適当である。この
場合も、少なすぎると効果が期待できず、又、あまり多
すぎても不経済である。
尚、本発明の対象となる不飽和カルボン酸イソシアナト
アルキルエステルは極めて重合しやすいため、本発明の
方法に於ても、なるべく低い温度で蒸留するために、減
圧蒸留を行なうことが望ましい。
又、本発明の方法が対象とする不飽和カルボン酸イソシ
アナトアルキルエステルは、どの方法により合成された
ものでもよい。
〔実施例〕
次に本発明の方法について、代表的な実施例を示して更
に具体的に説明するが、これらは例示のため代表的な例
を示したもので、本発明の方法はこれらのみに限られな
いことは言うまでもない。
実施例1 2−オキサゾリジノン300g(3.45mol)を2lのトルエン
にとかし、5gのフェノチアジンを加え、攪拌下60℃に加
熱し、塩化水素ガスを150ml/minの速度で泡出させた。
ここでメタアクリル酸320g(3.7mol)を60分かけて注入
した。更に塩化水素ガスを流しつつ、60℃で30分間反応
させた。次いで80℃に昇温し、ホスゲンを泡出させ、均
一溶液になる迄反応させた。トルエンを留去後、反応混
合液中には291gのメタクリル酸−2−イソシアナトエチ
ルエステルが含まれていた。
この反応混合液230gをとり、これにN,N−ジエチルヒド
ロキシルアミン0.3gを加え、10〜12mmHgで減圧蒸留を行
なった。蒸留の間、反応混合液50gにN,N−ジエチルヒド
ロキシルアミン3gを加えたものを1時間に10gの割合で
滴下した。その結果、108gのメタクリル酸−2−イソシ
アナトエチルエステルを得た。
比較例1 実施例1で得られた、トルエン留去後の反応混合液230g
をそのまま減圧蒸留しようとして、110〜115℃の油浴に
浸漬し、約10mmHgの圧力にしたところ、留出物が得られ
る前のリフラックス状態の間に蒸留装置上部(反応混合
液とは直接触れない、気相部分)に重合物の粒が発生
し、更にそのまま加熱を続けたところ、今度は反応混合
液中にポリマーの玉が生成して、成長し、メタアクリル
酸−2−イソシアナトエチルエステルは9gしか得られな
かった。
実施例2 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン200gを水350ml
中に加えて作った水溶液と塩化メチレン1,000mlに溶か
したホスゲン270g、及び35重量%水酸化ナトリウム水溶
液700mlを塩化メチレン200ml中に攪拌、冷却下、温度が
15℃を超えないように注意しながら、同時に注加して行
った。全部加え終ってから10分間そのまま攪拌した後、
攪拌を止め、静置した。二層が分離した後、水層を捨
て、有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液250mlで
2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。アン
トラキノン1gを加えてから塩化メチレンを留去後、N−
ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウ
ム塩0.015gを加えて10mmHgで減圧蒸留を行なった。途
中、30分毎にN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシル
アミンアンモニウム塩0.15gをジエチレングリコール10m
lに溶かした溶液を1mlずつ滴下した。その結果、メタク
リル酸−2−イソシアナトエチルエステル216gを得た。
実施例3 メタクリル酸300g、ジメチルホルムアミド8g、フェノチ
アジン0.3gの混合物中に70℃でホスゲンを1時間当り約
40gの割合で吹き込んだ。12時間後に吹き込むことをや
め、得られた反応液を蒸留して純度94.5%のメタクリル
酸クロライド189gを得た。
一方、2−ヒドロキシプロピルアミン128g及びトルエン
800mlからなる混合物を80℃に加温しておき、塩化水素
ガス80gを5時間かけて吹き込み、その後、前述のメタ
クリル酸クロライドを添加して5時間反応させた。
次に、液がリフラックスするまで温度を上げ、ホスゲン
300gを5時間にわたって吹き込んだ後、窒素ガスを吹き
込んで未反応ホスゲンを除いた。
こうして得られた反応混合液を室温まで冷却した後、7
%炭酸水素ナトリウム水溶液1で2回洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。これに2,6−ジタ−シャリ−
ブチル−4−メチルフェノール0.3gを加えて70mmHgでト
ルエンを留去した。
次いでN−ニトロソ−N−ナフチルヒドロキシルアミン
アンモニウム塩0.1gを加えて10mmHgで減圧蒸留を行なっ
た。
蒸留の間、N−ニトロソ−N−ナフチルヒドロキシルア
ミンアンモニウム塩1gを10mlのジエチレングリコールに
溶かした溶液を30分毎に1mlずつ滴下した。その結果、
メタクリル酸−2−イソシアナトプロピルエステル69g
を得た。
比較例2 N−ニトロソ−N−ナフチルヒドロキシルアミンアンモ
ニウム塩を用いなかった以外は、実施例3と同様な操作
を行なったが、最後の蒸留で目的物が留出しはじめない
うちに、重合してしまった。
実施例4 210gのβ−ブロモプロピオニトリルをキシレン1.5lに溶
かし、窒素気流中で加熱還流した。これに100gのモノエ
タノールアミンを1.5時間にわたって滴下した。更に同
一条件で3時間加熱還流を続けた。キシレンを留去後、
0.1mmHgの真空下で蒸留を行ない、64〜68℃の留分225g
を得た。
上記留分を1.5lの塩化メチレンに溶かし、2gの2,5−ジ
ターシャリーブチルヒドロキノンを添加した。100gの水
酸化ナトリウムと4.5gのトリメチルベンジルアンモニウ
ムクロリドを1の水に溶かした溶液ならびに200gのホ
スゲンを含む1の塩化メチレン溶液を同時に水層がア
ルカリ性を保ち、且、温度が10℃を超えないような速度
で2時間にわたって滴下した。
滴下終了後、1時間そのまま攪拌を続け、静置して二層
を分離した。塩化メチレン層を3回水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、常圧で溶媒を留去した。残りの
液にN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンア
ンモニウム塩0.05gを加え、14mmHgで減圧蒸留を行なっ
た。
蒸留の間、N−ニトロソ−N−ナフチルヒドロキシルア
ミンアンモニウム塩0.5gをジエチレングリコール10mlに
溶解した溶液を1時間毎に約2mlの割合で連続的に滴下
した。その結果、メタクリル酸−2−イソシアナトエチ
ルエステル154gを得た。
比較例3 N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモ
ニウム塩を用いない以外は実施例4と同様の操作を行な
ったところ、最後の蒸留操作中に全体が固まってしまっ
た。
実施例5 温度計,攪拌機,分留装置を備えたガラス製反応器にメ
タクリル酸メチルエステル1,000g,2−クロロエタノール
165g,p−トルエンスルホン酸5gを入れ、15時間加熱し
た。
この間、メタノールとメタクリル酸メチルエステルの共
沸混合物が留出するように加熱温度及び還流比を調整
し、メタノール量にして50.2gを留出させた。
次いで過剰のメタクリル酸メチルエステルを留去し、こ
の中に、エタノール72g,ヨウ化カリウム26g,イソシアン
酸カリウム138g,及びジメチルホルムアミドを620g加え
て85℃で72時間反応させた後、反応混合物を濾過し、濾
液の溶媒を留去した。(残りをAとする。) 100gのミネラルオイル(赤外分析のヌジョール用)と20
0gの五塩化リンの混合物を70℃,120mmHgに保っておき、
ここへ上記のAを溶媒状態で65分かけて滴下した。加え
終った後、圧力を25mmHgに下げ、更に1時間反応させ
た。反応終了後、タンニン酸0.3gを加え、更にジニトロ
ベンゼンを1時間に1.2gの割合でゆっくりと滴下しなが
ら圧力5mmHgで減圧蒸留を行なった。その結果、メタク
リル酸イソシアナトエチルエステル64gを得た。
実施例6 実施例2に記したのと同様の方法で合成したメタクリル
酸−2−イソシアナトエチルエステル(純度95%)200g
の中にパラメトキシフェノール0.4gを加え、オルダーシ
ョー型精密蒸留装置で10段のカラムを用い、減圧蒸留を
行なった。
2−ヒドロキシエチルヒドラジン0.35gをジエチレング
リコール5mlに溶かし、1時間に1mlの割で蒸留器中に滴
下しながら、圧力4mmHg,還流比3の条件で蒸留したとこ
ろ、初留4gを捨てた後、沸点74〜75℃の留分として純度
98.5%(ガスクロマトグラフィーによる分析値)のメタ
アクル酸−2−イソシアナトエチルエステル157gが得ら
れた。
実施例7 パラメトキシフェノールの代わりにヒドロキノンを、
又、2−ヒドロキシエチルヒドラジンの代りにN−ニト
ロソ−N−n−プロピルウレタンを用いた以外は実施例
6と同様にして蒸留を行なった。その結果、純度98.1%
のメタアクル酸−2−イソシアナトエチルエステル171g
が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によればポプコーン重合を起させることなく、不
飽和カルボン酸−2−イソシアナトアルキルエステルを
蒸留により効率よく精製することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フェノチアジン,アルキル置換フェ
    ノール,ヒドロキノン,アルキル置換ヒドロキノン,パ
    ラメトキシフェノール,タンニン酸,アントラキノン の中から選ばれた、少なくとも一種の化合物及び (B)N,N−ジエチルヒドロキシルアミン,N−ニトロソ
    −N−アリールヒドロキシルアミンアンモニウム塩,N−
    ニトロソ−N−n−プロピルウレタン,2−ヒドロキシエ
    チルヒドラジン,ジニトロベンゼン類 の中から選ばれた少なくとも一種の化合物の共存下に蒸
    留することを特徴とする不飽和カルボン酸イソシアナト
    アルキルエステルの精製法
JP19815787A 1987-08-10 1987-08-10 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを精製する方法 Expired - Lifetime JPH07103085B2 (ja)

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