JPH0749180B2 - 工作機械 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、複数種類の加工を連続して行う工作機械に関
する。

［従来技術］ 従来この種の工作機械は、複数の工具を保持する工具マ
ガジンから所定の工具を選択して主軸に装着するための
工具交換装置と、前記主軸を被加工物に向って相対的に
移動するための主軸移動装置とを備えており、例えば第
２図に示すように、被加工物Ｗに２個の穴H1,H2を、第
３図に示すような複数の工具を使用して加工する場合、
まず工具01,02,03の順で工具交換を行いながら穴H1に加
工が行われた後、工具01,04,03の順で工具交換を行いな
がら穴H2に加工が行われていた。ところが、このように
各工程毎に加工を行うものにおいては、一加工毎に工具
の交換を行う必要があるため、加工時間が著しく長くな
り効率が悪いという欠点があった。このため最近では、
各工具毎にその工具がいずれの工程で使用されるかを工
程順に検索集計し、その結果に基いて、第４図に示すよ
うに、工具の使用順を自動的に決定して、その結果をメ
モリ中に記憶し、そのメモリに記憶された工具の使用順
に基づいて複数の工程で使用される同一工具による加工
をまとめて行うものも見受けられる。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記のように加工工程順に、使用される工具を検索して
工具の使用順序を設定するものにおいては、第４図に示
す工具順に基づいて工具01で工程１及び工程２の加工を
行った後、工具02で工程１の加工を行い、次に、工具03
で工程１及び工程２の加工を行おうとした際、工程２に
おいて工具03による加工の前加工である工具04の加工が
終了していないため前記工具04に交換をしてその加工を
行った後、再度前記工具03に交換して加工を行う必要が
あり、工具の交換回数が増加し加工時間が長くなる等の
問題点があった。

［発明の目的］ 本発明は上記の問題点を解消するものであり、工具の交
換回数を最少にして加工時間を短縮することができる工
作機械を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために本発明においては、各加工
位置における加工情報を有する加工プログラムが記憶さ
れた加工プログラム記憶手段と、各加工工程で使用され
る工具が記憶された使用工具記憶手段と、その使用工具
記憶手段に記憶された内容に基づいて各工具毎にその工
具がいずれの工程で使用されるかが作成されて、記憶さ
れた加工工程記憶手段と、使用工具記憶手段及び加工工
程記憶手段の内容をそれぞれ表示する表示手段と、工具
マガジン上の各工具の装着位置を記憶するための工具装
着位置記憶手段と、表示手段に表示された使用工具記憶
手段及び加工工程記憶手段の内容に基づいて、加工で使
用される工具の交換回数が最少になるように工具装着位
置記憶手段上に工具の使用順序を設定するための入力手
段と、その使用順序に従って加工を行うように工具交換
装置及び主軸移動装置を制御する制御手段とが設けられ
ている。

［作用］ 本発明は上記した構成により、加工で使用される工具の
交換回数が最少になるように入力手段によって工具装着
位置記憶手段に工具の使用順序を設定し、該工具装着位
置に対応した工具を工具マガジンの所定の工具装着位置
に装着することにより、制御手段によって前記工具装着
位置記憶手段に記憶された工具使用順に従って工具交換
装置及び主軸移動装置が制御されて最短時間で加工が行
われる。

［実施例］ 以下に本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説
明する。

工作機械は、第７図に示すように、主軸14を回転可能に
支持する主軸ヘッド13がフレーム17の一側に往復昇降可
能に支持されている。その主軸ヘッド13は、フレーム17
の上面に取付けられたACサーボモータ23及びそのモータ
23に連結されたボールネジ（図示せず）により所定のス
トロークだけ昇降される。また、主軸ヘッド13の上面に
は、主軸14の一端に連結された正逆両回転可能なスピン
ドルモータ11が取付けられている。

前記フレーム17の一側には、10個の工具21を保持する工
具マガジン16が主軸14の軸線に対して傾斜した軸線を中
心にして回転割出しモータ16a（第１図参照）によって
回転割出し可能に支持されている。前記工具マガジン16
の各工具装置位置には、１〜10の工具ポット番号が示さ
れている。

尚、主軸ヘッド13、工具マガジン16等は、特開昭60−15
5338号公報に示されるように作動されて工具21の交換等
を実行する。

前記フレーム17の一側には、各種加工データ等を入力す
るためのキーボード６及び各種操作情報等を表示するた
めのCRT7を備えたコンピュータ19が支持アーム20によっ
て固定されている。また、前記主軸ヘッド13の下方に
は、水平方向の任意の位置に被加工物Ｗを移動可能なX,
Yテーブル10が取付けられている。

前記コンピュータ19内の中央演算処理装置（以下CPUと
いう）５には、第１図に示すように、各種制御プログラ
ム等が記憶されたROM9、前記キーボード６より設定され
た加工情報等が記憶されるRAM1及び前記工具マガジン16
の工具ポット番号Ｎに対応した所定の工具が記憶される
工具装着位置メモリ８（第５図参照）が接続されると共
に、前記キーボード６及びCRT7が接続されている。

前記RAM1内には、キーボード６より設定された加工プロ
グラムが記憶されるエリア３、加工プログラム中の各工
程で使用される工具が使用順に記憶されるエリア４（第
３図参照）及びそのエリア４に記憶された情報に基づい
て作成され、各工具がいずれの工程で使用されるかを示
すと共に、各工具に対して加工順にシーケンス番号PNが
登録された情報が記憶されるエリア２（第４図参照）等
が設けられている。

本実施例は以上のように構成されており、第２図に示す
ような２種類の穴明加工を行う方法を例にあげて、その
作用を次に説明する。

まず、第２図に示す各穴明加工に応じた加工プログラム
が、CRT7に表示された操作情報に基いてキーボード６か
ら入力されると共に、その加工に必要な加工情報が入力
されると、CPU5はRAM1のエリア３に前記加工プログラム
を記憶させると共に、エリア４に各工程1,2で使用され
る工具をその使用順に設定する（第３図参照）。次にエ
リア４に記憶された情報に基いて各工具毎にその工具が
いずれの工程で使用されるかを加工工程順にRAM1のエリ
ア２に設定する（第４図参照）。

以上の設定が完了した後、キーボード６のマガジン工具
キー（図示せず）が押されると、CPU5はCRT7の上部に工
具マガジン16の工具ポット番号Ｎを表示すると共に、CR
T7の下部にRAM1のエリア２及びエリア４の表示する。そ
してその表示に基いて、オペレータにより工具の交換回
数が最少になるように工具の使用順を考慮しながらキー
ボード６から工具番号がセットされる（第５図参照）。
更に、CPU5はその情報を工具装着位置メモリ８に記憶さ
せると共に、そのデータに基いてオペレータにより工具
マガジン16の所定の工具ポットに各工具が装着される。

以上のようにして全ての設定が完了すると、第６図に示
すフローチャートに従って各穴明加工が実行される。

まずCPU5は、ステップS0においてキーボード６のプログ
ラムスタートキー（図示せず）が押されたか否かの確認
を行い、該スタートキーが押されると、次にステップS1
を実行し、RAM1の工具ポット番号記憶エリア（図示せ
ず）に工具ポット番号Ｎ＝０を登録する。

次にステップS2を実行し、前記エリアにＮ＝Ｎ＋１を登
録すると共に、ステップS3において前記Ｎの値が11とな
ったか否かの確認を行い、Ｎ≠11と判定すると、ステッ
プS5を実行する。

前記ステップS3においてＮ＝11と判定すると、ステップ
S4を実行して前記エリアにＮ＝１と新たに登録した後、
ステップS5を実行する。

そしてステップS5において、Ｎ番の工具ポットに装着さ
れた工具を加工工程記憶エリア２（第４図参照）より検
索する。

その後ステップS6を実行し、RAM1のシーケンス番号記憶
エリア（図示せず）にシーケンス番号PN＝１を登録した
後、ステップS7において使用工具記憶エリア４（第３図
参照）を検索してPNで指定された工程でＮ番の工具の前
加工が終了しているか否かを判別する。

前記ステップS7においてPNで指定された工程の前記工具
による加工の前加工が終了していると判別すると、次に
ステップS8を実行し、前記Ｎ番の工具を主軸14に装着し
てPNで指定された工程の加工を実行させる。

前記ステップS8において加工が終了すると、ステップS9
を実行し、前記エリアにPN＝PN＋１を登録する。また、
前記ステップS7においてPNで指定された工程のＮ番の工
具による加工の前加工が終了していないと判別される
と、ステップS9を実行する。

次にステップS10において、加工工程記憶エリア（第４
図参照）を検索してＮ番の工具による加工が全て終了し
たか否かを判別し、終了していないと判別すると前記ス
テップS7から同様の動作を実行する。

また、ステップS10において前記工具による加工が全て
終了したと判別すると、次にステップS11を実行し、全
工具による全ての加工が終了したか否かを判別する。

前記ステップS11においてまだ全加工が終了していない
と判別すると、前記ステップS2から前述した動作を繰返
し、全加工が終了したと判別すると、プロブラムの実行
を終了して主軸14を原位置に復帰させる。

上述した本実施例においては、工具装着位置メモリ８に
加工で使用される工具を順に設定する際に、CRT7の同一
画面上に工具ポット番号を表示すると共に、RAM1の加工
工程記憶エリア２及び使用工具記憶エリア４の内容を表
示するようにしたため、オペレータはその表示を見なが
ら工具の交換回数を最少にする工具の使用順を容易に設
定することができる。

尚、多数の工具及び工程を要する加工において一画面上
に前記エリア2,4の内容を表示することができない場
合、工具ポット番号のみをCRT7の一部に表示し続け、前
記エリア2,4の内容のみを画面上の一部でページ送りを
しながら見るようにしてもよく、又前記エリア2,4の内
容を別画面で表示してもよい。

［発明の効果］ 以上詳述したように本発明は、工具マガジンの工具装着
位置に対応した工具装着位置記憶手段に工具の交換時間
が最短になるようにその使用順を設定し、その使用順に
従って加工を実行するようにしたので、各加工工程で使
用される同一工具による加工を一括して行って不必要な
工具の交換を行わないようにすると共に、工具マガジン
に装着された順に工具を使用するため工具交換に要する
時間が最短になり、加工時間を短縮できる等の効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を具体化した一実施例のブロック図、第
２図は一加工例を示す被加工物の平面図、第３図は使用
工具記憶エリアの内容を示す説明図、第４図は加工工程
記憶エリアの内容を示す説明図、第５図は工具装着位置
メモリの内容を示す説明図、第６図は作用を説明するた
めのフローチャート、第７図は工作機械の全体斜視図で
ある。 図中、１はRAM、２は加工工程記憶エリア、３は加工プ
ログラム記憶エリア、４は使用工具記憶エリア、５はCP
U、６はキーボード、８は工具装着位置メモリ、12は被
加工物、13は主軸ヘッド、14は主軸、16は工具マガジ
ン、16aは回転割出しモータ、21は工具、23はACサーボ
モータである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０５Ｂ 19/18

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の工具（21）を保持する工具マガジン
   （16）から所定の工具（21）を選択して主軸（14）に装
   着するための工具交換装置（16,16a）と、前記主軸（1
   4）を被加工物に向って相対的に移動するための主軸移
   動装置（13,23）とを備え、複数種類の加工を連続して
   行う工作機械において、 各加工位置における加工情報を有する加工プログラムが
   記憶された加工プログラム記憶手段（３）と、 前記加工プログラムの各加工工程毎にその加工工程で使
   用される工具が記憶された使用工具記憶手段（４）と、 その使用工具記憶手段（４）に記憶された内容に基づい
   て各工具毎にその工具がいずれの工程で使用されるかが
   作成されて、記憶された加工工程記憶手段（２）と、 前記使用工具記憶手段（４）及び加工工程記憶手段
   （２）の内容をそれぞれ表示する表示手段（７）と、 前記工具マガジン（16）上の各工具の装着位置を記憶す
   るための工具装着位置記憶手段（８）と、 前記表示手段（７）に表示された前記使用工具記憶手段
   （４）及び加工工程記憶手段（２）の内容に基づいて、
   前記加工で使用される工具の交換回数が最少になるよう
   に前記工具装着位置記憶手段（８）上に工具の使用順序
   を設定するための入力手段（６）と、 その入力手段（６）により設定された各工具装着位置に
   対応した工具が前記加工マガジン（16）の所定の工具装
   着位置に装着された後、前記工具装着位置記憶手段
   （８）に記憶された工具使用順に従って加工を行うよう
   に前記工具交換装置（16,16a）及び主軸移動装置（13,2
   3）を制御する制御手段（５）と を備えていることを特徴とする工作機械。