JPH0748314A - ナフタレンジカルボン酸の連続製造法 - Google Patents

ナフタレンジカルボン酸の連続製造法

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JPH0748314A
JPH0748314A JP5191186A JP19118693A JPH0748314A JP H0748314 A JPH0748314 A JP H0748314A JP 5191186 A JP5191186 A JP 5191186A JP 19118693 A JP19118693 A JP 19118693A JP H0748314 A JPH0748314 A JP H0748314A
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heavy metal
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oxidation
acid
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Mitsuhito Aoyanagi
三仁 青柳
Kazuhiro Sato
和広 佐藤
Akio Hosoi
昭雄 細井
Koji Sumitani
浩二 隅谷
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Teijin Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジメチルナフタレンを連続的に酸化せしめて
効率よくナフタレンジカルボン酸を製造する技術の提
供。 【構成】 ナフタレンジカルボン酸の酸化工程におい
て、副生されるオルト―ベンゼンジカルボン酸が重金属
とキレート型錯体を生成して活性を呈する重金属酸化触
媒が減少することを考慮して、重金属触媒の有効濃度と
ほぼ一定に維持することを特徴とするナフタレンジカル
ボン酸の連続製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジメチルナフタレン及
び/またはその酸化誘導体を酸化してナフタレンジカル
ボン酸(以下、NDCAと略称することがある)を連続
的に製造する方法に関するものである。更に詳しくは、
酸化反応触媒を循環再使用した酸化方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】NDCA及びそのエステル(以下、ND
CA等と略称することがある)は、高分子材料、染料中
間体等として有用な物質である。特に2,6―NDCA
等とエチレングリコールとから形成されるポリエチレン
ナフタレートはポリエチレンテレフタレートよりも耐熱
性、破断強度等に優れており、フィルム、食品包装材料
等の素材として注目されている。更に、ポリブチレンナ
フタレート樹脂はポリブチレンテレフタレート樹脂に比
べて、結晶化速度が大きく、高い耐湿熱性を有している
ので、NDCA等は樹脂原料としても有用である。
【0003】従来からNDCAの製造方法としては、ジ
アルキルナフタレン及び/またはその酸化誘導体をコバ
ルト、マンガン、臭素等を触媒に用いて、低級脂肪族カ
ルボン酸溶媒中で、分子状酸素により酸化する方法が多
数提案されている。
【0004】これらの方法は、その反応様式によって回
分式、半連続式または連続式に分類され、また触媒を回
収・再使用する場合としない場合とに分類される。
【0005】NDCAを工業的規模で効率よく製造する
には、回分式または半連続式の反応様式では装置効率が
低く不適当であることから、連続運転方式として効率を
高めることが必要である。
【0006】また、一般に芳香族炭化水素の液相酸化に
よるカルボン酸の製造では、比較的高価な触媒を使用す
るため、触媒を循環再使用する、即ち、反応混合物から
生成粗NDCAを回収した残りの反応母液及び/または
生成粗NDCAの洗浄濾液を循環使用することが、プロ
セスの経済性を高める上で不可欠である。
【0007】酸化反応触媒を酸化反応混合物から回収し
循環再使用する方法の一つとして、反応混合物から触媒
のみを回収する方法が提案されている。例えば、2,6
―ジイソプロピルナフタレンの酸化反応において、コバ
ルト、マンガン、セリウム及び臭素を触媒として反応を
行う際、反応母液から触媒を回収するためにアルカリを
使用する方法(特開平2―250850号公報)、硫酸
を使用する方法(特開平2―250851号公報)、硫
酸及びアルカリを使用する方法(特開平2―25261
3号公報)等が提案されている。しかし、いずれの方法
も、装置材質に対する腐食性、あるいは操作性という面
から見て、NDCAを工業的規模で安価に製造しようと
するためには、現実性、経済性ともに充分とはいえな
い。
【0008】また、酸化反応触媒を酸化反応混合物から
回収し循環再使用する別な方法として、反応濾液を循環
使用する技術が提案されている。例えば、2,6―ジイ
ソプロピルナフタレンの酸化反応において、コバルト、
マンガン、セリウム及び臭素を触媒として反応を行う
際、2段反応を行って、反応濾液を循環使用する方法
(特開平4―330039号公報)が提案されている
が、この方法は、後酸化という工程を有しているため、
プロセスの初期投資が増大し、経済性の面で有利とはい
えない。
【0009】更に、2,6―ジイソプロピルナフタレン
や2,6―ジエチルナフタレンの酸化方法として、反応
母液を再使用する方法が提案されている(特開平4―2
66846号公報)。この方式による循環酸化反応は基
本的には可能であるが、2,6―ジイソプロピルナフタ
レン、2,6―ジエチルナフタレンの酸化反応の場合で
は反応母液分離後の粗DNCA中には未だ多量のコバル
ト、マンガンが同伴されていることを考慮すると、粗N
DCAを酢酸、水等で洗浄してこれらの触媒を回収し
て、触媒コストの低減化を図る必要がある。
【0010】ところで、減量がジメチルナフタレンの場
合については、上記の文献にはこの方式による酸化反応
については何ら記述されていない。そこで、本発明者ら
が、ジメチルナフタレンについて連続酸化法を試みたと
ころ、循環の早い時期(循環初回)に反応が停止してし
まうという重大な問題が発生した。
【0011】本発明者らは、この原因について鋭意究明
を行ったところ、2,6―ジイソプロピルナフタレンや
2,6―ジエチルナフタレンの場合と異なって、ジメチ
ルナフタレンの場合の循環初回で反応が停止してしまう
現象は、ナフタレン核開裂副生成物であるトリメリット
酸、フタル酸、メチル置換フタル酸などのオルソ位置に
ジカルボン酸を有する酸(即ち、オルソ―ベンゼンジカ
ルボン酸類、以下ODCAと略記することがある)が酸
化触媒である重金属とキレート型錯体を形成し、しかも
安定な化合物となるため、重金属の触媒活性が損われて
しまうこと、結果的に粗NDCAに同伴された触媒を補
足するだけでは有効な触媒量が不足することを知見し
た。
【0012】これらの問題を回避するための方策とし
て、多量の重金属触媒を使用するという手段が考えられ
るが、ジメチルナフタレンの場合は(2,6―ジイソプ
ロピルナフタレンや2,6―ジエチルナフタレンの場合
とは異なって)、収率からみて適正な触媒濃度が比較的
低く、徒らに多量の触媒を使用すると、NDCAの収率
はむしろ逆に低減してしまう。しかも過剰に加えられた
重金属の一部が酸化反応の間に変化してしまい、生成さ
れた粗NDCAが濃灰色に着色して精製困難になるこ
と、加えて溶媒の低級脂肪族カルボン酸の燃焼ロスが増
大するという不利な結果を招くことがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑み、その目的とするところは、ジメチルナフタレン
及び/またはその酸化誘導体からNDCAを製造するに
際し、生産効率の優れた連続製造法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記方法
を確立するために鋭意検討を行い、重金属酸化触媒及び
臭素を触媒に用いたジメチルナフタレン及び/またはそ
の酸化誘導体の液相酸化反応において、粗NDCAに同
伴された触媒を補充すると同時に、反応母液中に含まれ
るODCAと重金属酸化触媒とから形成される、不活性
なキレート型錯体のモル数と等量の重金属酸化触媒を補
充すれば、反応系内における有効な触媒濃度を一定に維
持することができ、NDCAを高収率で連続的に製造で
きること、及び母液循環の進行に伴って触媒液中の全重
金属濃度も一定にすることができることを見い出し、本
発明を完成したものである。
【0015】即ち、本発明は、水を含んでもよい低級脂
肪族カルボン酸の溶媒中で、重金属及び臭素からなる触
媒の存在下に、分子状酸素含有ガスを用いて、ジメチル
ナフタレン及び/またはその酸化誘導体を酸化する方法
において、触媒を循環再使用するに際し、溶媒中の酸化
活性を呈する有効な重金属触媒濃度を0.2重量%以上
となるように該重金属触媒を補充すること、反応母液及
び/または生成ケークの洗浄濾液を全量循環して再使用
することを特徴とするNDCAの連続製造法である。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明で酸化原料として用いるジメチルナ
フタレン及び/またはその酸化誘導体は通常どのような
方法で得られたものでもよく、また、それらの混合物で
もよい。酸化誘導体としては、ホルミルナフトエ酸、メ
チルナフトエ酸等が挙げられるが、これらには何等限定
されない。そして、これらのうち、特に2,6―体が工
業的に有利である。酸化原料は高純度のものが好まし
く、純度95%以上、好ましくは98%以上であること
が望ましいが、収率に影響を及ぼさない程度及び酸化反
応終了後生成物を各種方法で精製した際除去できる程度
であれば2,6―体以外の成分、例えば2,7―ジメチ
ルナフタレン等の異性体を含んでいても差し支えない。
【0018】本発明における溶媒としては、炭素原子数
1乃至5の脂肪族モノカルボン酸、即ち蟻酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、バレリアン酸及びブロモ酢酸等やこ
れらの混合物が使用できる。これらの溶媒のうち酢酸及
びプロピオン酸が好ましく、酢酸は最も好ましい。
【0019】本発明方法において使用される溶媒は、上
記脂肪族モノカルボン酸に5〜45重量%、好ましくは
7〜35重量%、更に好ましくは10〜30重量%の水
を含んだものである。溶媒中の水分がこれより少ないと
脂肪族モノカルボン酸の燃焼ロスが大きく、反対に、こ
れより多いとNDCAの収率低下、純度低下を招き好ま
しくない。
【0020】なお、ジメチルナフタレン及び/またはそ
の酸化誘導体に対する溶媒の使用量は通常2〜15重量
倍、好ましくは3〜10重量倍である。
【0021】本発明で使用する酸化触媒は、重金属化合
物及び臭素化合物である。重金属酸化触媒としては、コ
バルト及びマンガンを用い、必要に応じて、セリウム、
ニッケル等を添加してもよい。これらは蟻酸塩、酢酸
塩、プロピオン酸塩等の有機酸塩、ハロゲン化物、水酸
化物、酸化物、炭酸塩等の形で用いられ、脂肪酸塩、特
に酢酸塩及び臭化物が好ましい。
【0022】本発明方法における重金属酸化触媒の有効
な量は、オルソ―ベンゼンジカルボン酸とのキレート型
錯体の生成により活性を失った重金属化合物成分を除い
た触媒量である。そして、溶媒中での使用量濃度は、溶
媒に対して0.2重量%以上1.5重量%以下であり、
好ましくは0.4重量%以上1.0重量%以下である。
有効重金属酸化触媒の使用量がこれより少ないかまたは
多い場合、NDCAの収率低下、純度低下、溶媒である
低級脂肪族カルボン酸の燃焼ロスの増大、精製困難な着
色等を招き好ましくない。また、コバルトに対するマン
ガンの比率(グラム原子比)は特に規制されないが、O
DCA等の収率を考慮すると、この比率は好ましくは
1.0以下である。
【0023】一方、臭素化合物としては、酸化反応系に
溶解し、臭素イオンを発生するものであれば有機化合物
または無機化合物のいずれであってもよく、具体的に
は、分子状臭素(Br2 )、臭化水素、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化アンモニウム等の無機臭化物、
または臭化アルキル、ブロモ酢酸のごとき臭素化脂肪酸
等の有機臭化物が挙げられる。臭化水素、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化コバルト及び臭化マンガン等が
特に好ましい例である。臭素は、重金属酸化触媒の合計
に対して原子比で0.01〜2の範囲で通常使用でき
る。
【0024】本発明方法における酸化反応温度は、18
0〜230℃、好ましくは190〜220℃の範囲であ
る。反応温度が低いと、反応速度が低下し、反対に高い
場合は、副反応生成物が増加してNDCAの純度が低下
する。反応圧力は前記反応温度において反応系が液相に
保持される圧力であればよいが、通常10〜30kg/
cm2 G程度が適当である。
【0025】本発明方法において使用する分子状酸素含
有ガスとしては、酸素ガスまたはそれを窒素などの不活
性ガスで希釈した任意の混合ガスが使用される。工業的
には空気が最も入手しやすく好ましい。
【0026】本発明の方法は回分式酸化法、半連続式酸
化法及び連続式酸化法のいずれに適用しても効果がある
が、特に連続式酸化法の場合に効果が大きい。
【0027】酸化反応によって生成した粗NDCAは、
反応生成物を固液分離することにより固相側に得ること
ができる、固液分離によって得られた粗NDCAは、酢
酸等による洗浄、水洗浄によって付着触媒溶液、酸化反
応中間体及びODCA触媒金属錯体を除去することがで
き、高純度化が可能である。さらに必要な場合には、公
知の方法として知られている通常のNDCA精製法を用
いれば、極めて高純度のNDCAを得ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、NDCAを工業
的規模で効率よく、かつ連続的に製造することができ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例における部及び%は
それぞれ重量部及び重量%を示す。また、低級脂肪族カ
ルボン酸の分解率は、生成物組成のガスクロマトグラフ
分析値より求めた。
【0030】
【実施例1】還流冷却器を付したガス排出管、ガス吹き
込み管、原料連続送入ポンプ、触媒液連続送入ポンプ、
生成物抜き出し管及び攪拌機を有するチタン製オートク
レーブに、 酢酸 160部 酢酸コバルト・4水塩[Co(OOCCH3 2 ・4H2 O] 2.36部 酢酸マンガン・4水塩[Mn(OOCCH3 2 ・4H2 O] 1.26部 47%臭化水素水 0.93部 水 17部 を装入した。この触媒液中の水分濃度は10%、有効コ
バルト濃度、有効マンガン濃度はそれぞれ0.31%、
0.16%であった。この触媒液を、温度200℃、圧
力20kg/cm2 Gの条件下で激しく攪拌しながら、
これに純度99.5%の 2,6―ジメチルナフタレン 42部 を連続的に1時間かけて送入するとともに過剰の圧縮空
気を流通して酸化反応を行った。2,6―ジメチルナフ
タレンの送入開始1時間経過後、2,6―ジメチルナフ
タレンの送入を継続しつつ、上記組成の触媒液の送入を
開始した。その後、オートクレーブ内の反応混合物の量
を一定に維持するために、反応混合物の一部を抜き出し
つつ反応を継続し、計50時間反応を行った。
【0031】抜き出した反応混合物から主としてNDC
Aよりなる固体沈澱を分離して反応母液を得た。固体沈
澱を、酢酸洗浄した後固体分離して洗浄濾液を得た。固
体沈澱の分離性は良好であった。この時NDCAの収率
93.2モル%、ODCAの収率3.8モル%、酢酸の
分解率は5.0%であった。また、反応母液と洗浄濾液
に含まれるODCAはすべて、コバルト、マンガンとキ
レート型錯体を形成し触媒活性を失活化していた。反応
母液と洗浄濾液を合一後、濃縮して過剰な水分を除去し
た。また、使用したコバルト、マンガンのうち、それぞ
れ85%、70%が濃縮後の液中に含まれていた。
【0032】
【実施例2〜11】実施例1で得た濃縮液に、これに含
まれる不活性なODCA金属錯体と総計が等モル量とな
るようにコバルト、マンガンを、実施例1における酢酸
洗浄後のケークに含まれるコバルト、マンガンと同じ比
率で添加し、更にコバルト、マンガン、臭化水素酸を添
加して、実施例1で使用した触媒液と、有効触媒濃度が
等しくなるように酢酸、水を添加して触媒液を調製し
た。この触媒液を用いた以外は実施例1と同様の操作を
行った。以下、これと同様の操作を繰り返し、計10回
反応を行った。各回の反応における固体沈澱の分離性は
良好であった。また、触媒液中の全コバルト、マンガン
濃度も一定値に到達し、触媒液中へのコバルト、マンガ
ンの蓄積は見られなかった。また、副生成物の蓄積も見
られなかった。反応結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示した通り、反応母液、洗浄濾液を
循環再使用することにより、これらの液に溶解している
反応中間体から生成するNDCAを回収できることか
ら、NDCA収率は、実施例1に比べて実施例2、3で
向上し、以降良好なレベルを維持していることが判っ
た。
【0035】
【比較例1】実施例1で得た濃縮液に、これに含まれる
ODCA金属錯体に相当するコバルト、マンガンを添加
しなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。触媒
用液中の重金属触媒有効濃度は、コバルト0.096重
量%、マンガン0.047重量%であった。この時、
2,6―ジメチルナフタレン送入開始40分後に酸素級
主が停止し、反応の回復は不可能であった。2,6―ジ
メチルナフタレンの転化率は65%であった。
【0036】
【比較例2】実施例1で使用した触媒液にODCAとし
てトリメリット酸2.16部を添加した下記組成の触媒
液を使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0037】 酢酸 160部 酢酸コバルト・4水塩[Co(OOCCH3 2 ・4H2 O] 2.36部 酢酸マンガン・4水塩[Mn(OOCCH3 2 ・4H2 O] 1.26部 47%臭化水素水 0.93部 トリメリット酸 2.16部 水 17部 この時、添加したトリメリット酸を考慮した有効なコバ
ルト、マンガンの総量は0.15%であった。NDCA
の収率は81.6モル%であった。
【0038】
【比較例3】実施例1で使用したオートクレーブに
【0039】 酢酸 160部 酢酸コバルト・4水塩[Co(OOCCH3 2 ・4H2 O] 10.2部 酢酸マンガン・4水塩[Mn(OOCCH3 2 ・4H2 O] 5.43部 47%臭化水素水 0.93部 トリメリット酸 10.2部 水 13.5部 を送入した。この触媒液中の水分濃度は10%、コバル
ト濃度、マンガン濃度はそれぞれ1.3%、0.64%
であった。上記組成の触媒液を使用した以外は実施例1
と同様の操作を行った。この時、NDCAの収率は7
4.1モル%であった。
【0040】
【実施例12】比較例3で使用した触媒液にODCAと
してトリメリット酸10.2部を添加した下記組成の触
媒液を使用した以外は比較例3と同様の操作を行った。
【0041】 酢酸 160部 酢酸コバルト・4水塩[Co(OOCCH3 2 ・4H2 O] 10.2部 酢酸マンガン・4水塩[Mn(OOCCH3 2 ・4H2 O] 5.43部 47%臭化水素水 0.93部 水 13.5部 この時、添加したトリメリット酸を考慮した有効なコバ
ルト、マンガンの総量は0.45%であった。反応後、
NDCAの収率は93.1モル%であった。
【0042】
【実施例13】原料2,6―ジメチルナフタレンの純度
が98.5%のものを使用した以外は実施例1と同様の
操作を行った。この時、2,6―ジメチルナフタレンを
ベースとしたNDCAの収率は93.0モル%、ODC
Aの収率3.8モル%、酢酸の分解率は5.0%であっ
た。また、反応母液と洗浄濾液に含まれるODCAはす
べて、コバルト、マンガンとキレート型錯体を形成し触
媒活性を失活化していた。反応母液と洗浄濾液を合一
後、濃縮して過剰な水分を除去した。また、使用したコ
バルト、マンガンのうち、それぞれ85%、70%が濃
縮後の液中に含まれていた。
【0043】
【実施例14〜23】実施例13で得た濃縮液を用い
て、実施例13と同様の操作を行った。以下、これを同
様の操作を繰り返し、計10回反応を行った。各回の反
応における固体沈澱の分離性は良好であった。また、触
媒液中の全コバルト、マンガン濃度も一定値に到達し、
触媒液中へのコバルト、マンガンの蓄積は見られなかっ
た。また、副生成物の蓄積も見られなかった。反応結果
を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2に示した通り、反応母液、洗浄濾液を
循環再使用することにより、これらの液に溶解している
反応中間体から生成するNDCAを回収できることか
ら、NDCA収率は、実施例13に比べて実施例14、
15で向上し、以降良好なレベルを維持していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 隅谷 浩二 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルナフタレン及び/またはその酸
    化誘導体を、少なくとも2重量倍の低級脂肪族カルボン
    酸を含む溶媒中で、重金属及び臭素からなる酸化触媒の
    存在下に分子状酸素含有ガスを用いて酸化する方法にお
    いて、触媒を循環再使用するに際し、溶媒に含まれる重
    金属のオルソ―ベンゼンジカルボン酸錯体を除いた有効
    な重金属触媒濃度が0.2重量%以上になるように該触
    媒を補充すること、しかも反応母液及び/または生成ケ
    ークの洗浄濾液をほぼ全量循環して再使用することを特
    徴とするナフタレンジカルボン酸の連続製造法。
  2. 【請求項2】 重金属酸化触媒がコバルト及びマンガン
    である請求項1に記載のナフタレンジカルボン酸の連続
    製造法。
  3. 【請求項3】 溶媒中における有効な重金属触媒濃度が
    0.4重量%以上である請求項1に記載のナフタレンジ
    カルボン酸の連続製造法。
  4. 【請求項4】 該低級脂肪族カルボン酸が、酢酸である
    請求項1に記載のナフタレンジカルボン酸の連続製造
    法。
  5. 【請求項5】 該酸化を反応温度180〜230℃で行
    う請求項1に記載のナフタレンジカルボン酸の連続製造
    法。
  6. 【請求項6】 該溶媒中の水分濃度が5〜45重量%で
    ある請求項1に記載のナフタレンジカルボン酸の連続製
    造法。
JP5191186A 1993-08-02 1993-08-02 ナフタレンジカルボン酸の連続製造法 Pending JPH0748314A (ja)

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