JPH0747355Y2 - 感光体ドラム搬送用パレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電子写真複写機等に使用される感光体ドラム
を搬送するための感光体ドラム搬送用パレットに関す
る。

（従来の技術） 電子写真複写機等の画像形成装置に使用される感光体ド
ラムは、通常、アルミニウム素管をアルマイト処理した
後に、その外周面に感光性物質が塗布されたドラム本体
と、該ドラム本体の各端部に装着されたフランジとを有
する。各フランジは、軸心部に回転軸が挿入されて、該
回転軸の回転がドラム本体に伝達される。各フランジの
軸中心部には、外方に突出する突部が形成されており、
各突部内に、回転軸が挿通する貫通孔が形成されてい
る。このような感光体ドラムは、製造工程の自動化が進
められており、例えば、各端部にフランジが装着された
後には、第３図に示すようなパレットが使用されて、鉛
直状態で、次工程に搬送される。該パレットは、金属製
のパレット本体40と、該パレット本体40の上面中央部に
立設され鉛直状に挿入される感光体ドラム30の下端部を
保持するための円筒状の保持具50とを有している。保持
具50の上端部内周面は、感光体ドラム30の下端部を容易
に導入し得るように、上端面側になるに連れて拡径する
一定角度のテーパ面51になっており、該テーパ面51を除
く内周面52は、一定の内径の筒状になっている。

（考案が解決しようとする課題） このような感光体ドラム搬送用パレットを使用して感光
体ドラム30を搬送すると、感光体ドラム30の下端部に装
着されたフランジの軸心部には、下方に突出する突部が
形成されているために、パレット停止時に感光体ドラム
30が惰性により保持具50内で傾倒するおそれがある。感
光体ドラム30が保持具50内で傾倒すると、該感光体ドラ
ム30の外周面は、テーパ面51とその下方の筒状の内周面
との境界の角部に接触し、感光体ドラム30の外周面に形
成された感光層が傷つくおそれがある。感光層が傷つく
と、画像形成装置に装着して使用した場合に、良好な画
像を形成することができなくなる。

本考案は上記従来の問題を解決するものであり、その目
的は、搬送される感光体ドラムが搬送停止時に傾倒して
も、その外周面を損傷させるおそれがない感光体ドラム
搬送用パレットを提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案の感光体ドラム搬送用パレットは、平板状のパレ
ット本体上に、内部に鉛直状に挿入される感光体ドラム
を保持する筒状の保持具が配設された感光体ドラム搬送
用パレットであって、該保持具の少なくとも内周面が該
感光体ドラムの外周面の感光層よりも軟質な合成樹脂製
であり、該保持具内周面の上端部に、上端側になるにつ
れて順次拡径する湾曲面を有することを特徴としてな
り、そのことにより上記問題が解決される。

（実施例） 以下に本考案を、その実施例について説明する。

本考案の感光体ドラム搬送用パレットは、第１図に示す
ように、ステンレス鋼等の金属により平板状に形成され
たパレット本体10と、その上面中央部に立設された円筒
状の保持具20とを有する。保持具20は、例えば、ポリエ
ステル系、ポリアミド系、ポリイミド系等の比較的軟質
な合成樹脂により、全体が形成されており、従って、該
保持具20内周面は比較的軟質な合成樹脂にて構成されて
いる。該保持具20の内周面は、その上端部の開口部近傍
が、開口側になるに連れて、順次、拡径した湾曲面22に
なっている。該湾曲面22を除く保持具20の内周面は、内
径が一定のストレート周面23となっており、両者は角部
を形成することなく円滑に連続的に接続されている。ス
トレート周面23の内径は、搬送すべき感光体ドラム30の
外径より若干大きく設定されている。

搬送すべき感光体ドラム30は、その下端部が湾曲面22に
案内されて保持具20内に挿入される。これにより、感光
体ドラム30はパレット本体10上に鉛直状に支持される。
そして、パレット本体10がコンベアラインを移動するこ
とにより、感光体ドラム30が搬送される。パレット本体
10が停止する際には、感光体ドラム30が慣性で傾倒し、
その外周面が円還状の保持具20内周面に接触する。しか
し、該保持具20は、その内周面が感光体ドラムの外周面
の感光層よりも軟質な合成樹脂製であり、しかもその開
口部近傍が湾曲面22になっているため、該保持具20の内
周面に、感光体ドラム30外周面の感光層が接触しても、
該感光層は損傷するおそれがない。

なお、上記実施例では、保持具20全体を比較的軟質な合
成樹脂により構成したが、このような構成に限らず、例
えば、第２図に示すように、第１図に示す保持具20と同
様の形状に、金属等にて保持具本体部20a′を形成し、
該保持具本体部20a′の内周面のみを、比較的軟質な合
成樹脂層20b′にてコーティングして、保持具20′を構
成してもよい。該保持具20′内周面に形成される合成樹
脂層20b′は、例えばポリエステル系、ナイロン系等の
樹脂塗料を塗布することにより形成される。

（考案の効果） 本考案の感光体ドラム搬送用パレットは、このように、
パレット上でドラムが傾倒してもその外周面を損傷させ
るおそれがない。従って、外周面に感光層が形成され、
端部にフランジが装着された感光体ドラムを、外周面の
感光層を傷つけることなく搬送することができ、感光体
ドラムの生産歩留を著しく向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の感光体ドラム搬送用パレットの一実施
例を示す断面図、第２図は本考案の感光体ドラム搬送用
パレットの他の実施例を示す断面図、第３図は従来の感
光体ドラム搬送用パレットを示す断面図である。 10……パレット本体、20,20′……保持具、20a′……保
持具本体部、20b′……合成樹脂層、22……湾曲面、30
……感光体ドラム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平板状のパレット本体上に、内部に鉛直状
   に挿入される感光体ドラムを保持する筒状の保持具が配
   設された感光体ドラム搬送用パレットであって、 該保持具の少なくとも内周面が該感光体ドラムの外周面
   の感光層よりも軟質な合成樹脂製であり、該保持具内周
   面の上端部に、上端側になるにつれて順次拡径する湾曲
   面を有することを特徴とする感光体ドラム搬送用パレッ
   ト。