JPH0745841B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

Info

Publication number
JPH0745841B2
JPH0745841B2 JP18075986A JP18075986A JPH0745841B2 JP H0745841 B2 JPH0745841 B2 JP H0745841B2 JP 18075986 A JP18075986 A JP 18075986A JP 18075986 A JP18075986 A JP 18075986A JP H0745841 B2 JPH0745841 B2 JP H0745841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
engine
fuel
temperature
intake air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18075986A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6338628A (ja
Inventor
敏夫 高畑
初雄 永石
博通 三輪
博雅 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP18075986A priority Critical patent/JPH0745841B2/ja
Publication of JPS6338628A publication Critical patent/JPS6338628A/ja
Publication of JPH0745841B2 publication Critical patent/JPH0745841B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等内燃機関の燃料制御装置、特に過渡
時にエンジンの運転状態に応じて基本噴射量を補正する
ことによって最適な燃料噴射量を決定する装置に関す
る。
(従来の技術) 一般に、機関の加減速時における空燃比の目標空燃比か
らのずれは、ほとんどが吸気系の吸気マニホールドや吸
気ポートに付着した付着燃料および浮遊燃料の量的変化
に起因するものであり、この付着、浮遊燃料量は機関の
運転状態に応じて大きく変化する。また、付着、浮遊燃
料量は運転状態の変化に対してステップ的に変化するの
ではなく、ある遅れをもって変化し、この遅れの時定数
も一定ではない。さらに、付着、浮遊燃料量の変化は、
運転状態の変化だけではなく、その時点における量と平
衡状態(定常状態)における量との差の大きさによって
も異なる。
したがって、従来例として、例えば過渡時において、付
着、浮遊燃料の変化を吸気管内圧力、アクセル開度の変
化から近似的に求め、燃料噴射量の加速増量および減速
減量を行うとともにエンジンの暖機時において冷却水温
に応じた補正倍率で、加速増量および減速減量の補正係
数をさらに補正するようにしたもの等が提案されている
(特開昭58−144632号、同58−144634号、同58−144636
号、同58−144637号および同58−150033号、各公報、参
照)。
ところで、本出願人は上述のような過渡時をも含む全て
の加減速条件下で精度よく制御でき、各種補正係数を更
に補正するような複雑な補正を最少限にすることにより
マッチング時間を短縮できる装置を既に先願(特願昭60
−243605号)により提出している。
この先願では実際の噴射量(最終噴射量)Tiを算出する
際に必要な過渡補正量DMを吸気系の付着、浮遊燃料の平
衡量に相当する平衡量Mφと今回の燃料噴射量の補正に
よりどれだけ補うかの割合を示す補正係数DKとに基づい
て演算している。ここに、平衡量Mφおよび補正係数DK
は何れも機関温度Tw、シリンダ空気量QAcyLおよびエン
ジン回転数Nを関数とする補正分であり、エンジンの運
転状態や機関温度等に応じて様々に変化する付着、浮遊
燃料の量的変化を示している。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の燃料噴射制御装置にあ
っては、機関の過渡時においても相応の過渡補正量DMが
得られるものの、上述した平衡量Mφや補正係数DKの吸
気温度に対する配慮がなされていないため、吸気温度の
変化によって過渡補正量DMに誤差を生ずることがあり、
適切な最終噴射量Tiが算出されないことがある。
上記不都合は、吸気温度に応じた補正を施すことによっ
て解消可能であるが、付着、浮遊燃料量は、吸気温度だ
けでなく吸気管温度(すなわちエンジン温度)の影響も
受けるから、吸気温度とエンジン温度の二つのパラメー
タで補正しなければならない。一般に、こうした補正デ
ータはメモリマップの形で保持するが、二つのパラメー
タを持つマップは三次元マップであり、大きなメモリ容
量を必要とするし、処理効率の低下を否定できない。
(発明の目的) そこで本発明は、処理効率を低下することなく、しかも
少ないメモリ容量で温度補正のためのマップを持つこと
ができ、吸気温度の変化にかかわらず、過渡補正量を適
切なものとし、燃料の噴射制御の精度を一層向上させる
ことを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置は上記目的達
成のため、その基本概念図を第1図に示すように、エン
ジンの運転状態を、少なくともエンジン回転数、エンジ
ン負荷及びエンジン温度を含むパラメータから検出する
運転状態検出手段aと、吸入空気の温度を検出する吸気
温検出手段bと、エンジンの運転状態に基づいて燃料の
基本噴射量Tpを演算する基本値演算手段cと、エンジン
温度と吸気温度との偏差で表され、かつ、吸気温度がエ
ンジン温度よりも低くなるほど過渡補正量DMの値が大き
くなるように作用する吸気温度補正係数CTAを演算する
吸気温度補正係数演算手段dと、エンジン回転数、エン
ジン負荷、エンジン温度に基づいて吸気系の付着、浮遊
燃料の平衡量Mφを演算するとともに、該平衡量Mφを
前記吸気温度補正係数CTAで補正する平衡量演算手段e
と、平衡量演算手段で演算した補正後の平衡量Mφとそ
の時点での吸気系の付着、浮遊燃料の予測変数Mとの差
値Mφ−Mを演算する差値演算手段fと、差値演算手段
で演算した差値Mφ−Mを燃料噴射量の補正にどの程度
反映させるかを示す補正係数DKを、エンジン回転数、エ
ンジン負荷、エンジン温度に基づいて演算する補正係数
演算手段gと、前記差値Mφ−Mと前記補正後の補正係
数DKとに基づいて過渡補正量DMを演算する過渡補正量演
算手段hと、過渡補正量演算手段で演算した過渡補正量
DMと前記付着、浮遊燃料の予測変数Mとを加算し、該加
算値で予測変数Mを更新する予測変数演算手段iと、前
記基本値演算手段で演算した基本噴射量Tpと前記過渡補
正量演算手段で演算した過渡補正量DMとに基づいて最終
燃料噴射量Tiを決定する燃料量決定手段jと、燃料量決
定手段の出力に基づいてエンジンに燃料を供給する燃料
供給手段kと、を備えたことを特徴とする。
又は、以上の構成に加えて、エンジン温度と吸気温度と
の偏差で表され、かつ、吸気温度がエンジン温度よりも
低くなるほど補正係数DKの値が小さくなるように作用す
る第二の吸気温度補正係数DKTAを演算する第二の吸気温
度補正係数演算手段を備え、さらに、前記補正係数演算
手段は、差値演算手段で演算した差値Mφ−Mを燃料噴
射量の補正にどの程度反映させるかを示す補正係数DK
を、エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン温度に基
づいて演算するとともに、該補正係数DKを第二の吸気温
度補正係数DKTAで補正することを特徴とする。
又は、前記予測変数演算手段は、その加算動作を燃料噴
射に同期させて行なうことを特徴とする。
(作用) 本件出願の発明者らは、付着、浮遊燃料の量的変化と吸
気温度及びエンジン水温との相関関係について様々な分
析、検討を行った。その結果、次のような特徴的な規則
性を見出した。それは、高エンジン水温のときの付着、
浮遊燃料の量的変化−吸気温度特性と、低エンジン水温
のときの同特性とは、傾きがほぼ一致しているというこ
とである。したがって、同特性線をエンジン水温ごとに
プロットしていけば、すべての特性線が平行線を描く三
次元マップが作られ、結局、この三次元マップは、エン
ジン温度と吸気温度との偏差を直交軸の一方軸にとり、
かつ、吸気温度がエンジン温度よりも低くなるほど値が
大きくなるような補正係数を他方軸にとった二次元マッ
プに変換することができるのである。
(実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第2〜17図は本発明の一実施例を示す図であり、本発明
をSPi(Single Point Injection)方式のエンジンに適
用した例である。
まず、構成を説明する。第2図において、1はエンジン
であり、吸入空気はエアクリーナ2からスロットルチャ
ンバ3を経て、ヒータ制御信号SHによりON/OFFするPTC
ヒータ4で加熱された後、インテークマニホールド5の
各ブランチより各気筒に供給され、燃料は噴射信号STi
に基づきスロットル弁6の上流側に設けられた単一のイ
ンジェクタ(燃料供給手段)7により噴射される。ま
た、インテークマニホールド5には吸入空気の温度TA
検出する吸気温センサ(吸気温検出手段)8が配設され
る。各気筒には点火プラグ10が装着されており、点火プ
ラグ10にはディストリビュータ11を介して点火コイル12
からの高圧パルスPULSEが供給される。これらの点火プ
ラグ10、ディストリビュータ11および点火コイル12は混
合気に点火する点火手段13を構成しており、点火手段13
は点火信号SIGNに基づいて高圧パルスPULSEを発生し放
電させる。そして、気筒内の混合気は高圧パルスPULSE
の放電によって着火、爆発し、排気となって排気管14を
通して触媒コンバータ15で排気中の有害成分(CO、HC、
NOx)を三元触媒により清浄化されてマフラ16から排出
される。
ここで、吸入空気の流れはアクセルペダルに連動するス
ロットルチャンバ3内のスロットル弁6により制御さ
れ、アイドリング時にはスロットル弁6はほとんど閉じ
ている。アイドリング時の空気の流れはバイパス通路20
を通り、開度信号SISCに基づいてISCバルブ(Idle Spee
d Control Valve:アイドル制御弁)21により適宜必要な
空気が確保される。
スロットル弁6の開度αはスロットルセンサ30により検
出され、冷却水の温度Twは水温センサ31により検出され
る。また、エンジンのクランク角Caはディストリビュー
タ11に内蔵されたクランク角センサ32により検出され、
クランク角Caを表すパルスを計数することによりエンジ
ン回転数Nを知ることができる。排気管14には酸素セン
サ33が取り付けられており、酸素センサ33は空燃比検出
回路34に接続される。空燃比検出回路34は酸素センサ33
にポンプ電流Ipを供給し、このポンプ電流Ipの値から排
気中の酸素濃度がリッチからリーンまで広範囲に亘って
検出される。酸素センサ33および空燃比検出回路34は空
燃比検出手段35を構成する。変速機の操作位置は位置セ
ンサ36により検出され、車両の速度SVSPは車速センサ37
により検出される。また、エアコンの作動はエアコンス
イッチ38により検出され、パワステの作動はパワステ検
出スイッチ39により検出される。
上記各センサ8、30、31、32、34、36、37、38、39から
の信号はコントロールユニット50に入力されており、コ
ントロールユニット50はこれらのセンサ情報に基づいて
エンジンの燃焼制御(点火時期制御、燃料噴射制御等)
を行う。すなわち、コントロールユニット50は基本値演
算手段、過渡補正量演算手段、予測変数演算手段および
燃料量決定手段としての機能を有し、CPU51、ROM52、RA
M53およびI/Oポート54により構成される。CPU51はROM52
に書き込まれているプログラムに従ってI/Oポート54よ
り必要とする外部データを取り込んだり、またRAM53と
の間でデータの授受を行ったりしながらエンジンの燃焼
制御に必要な処理値を演算し、必要に応じて処理したデ
ータをI/Oポート54へ出力する。I/Oポート54には上記各
センサ30、31、32、34、36、37、38、39からの信号が入
力されるとともに、I/Oポート54からは前記各信号STi
SIGN、SISC、SSCV、SHが出力される。ROM52はCPU51にお
ける演算プログラムを格納しており、RAM53は演算に使
用するデータをマップ等の形で記憶している。なお、RA
M53の一部は不揮発性メモリからなり、エンジン1停止
後もその記憶内容を保持する。
次に、作用を説明するが、最初に空気流量の算出システ
ムについて説明する。
本実施例では空気流量の検出に際して従来のようなエア
フローメータ等を設けておらず、スロットル開度αおよ
びエンジン回転数Nをパラメータとしてインジェクタ7
の部分を通過する空気量QAinj(以下、インジェクタ部
空気量という)を算出するという方式(以下、単にα−
Nシステムという)を採っている。
このようなα−Nシステムによってインジェクタ部通過
空気量QAinj算出しているのは、次のような理由によ
る。
すなわち、上記従来のセンサによると、 (イ)吸気動脈によるセンサ出力の変動が大きく、これ
は燃料の噴射量の変動を引き起こし、トルク変動を生じ
させる、 (ロ)センサの応答性の面で過渡時に検出誤差が大きく
なる、 (ハ)上記センサはコストが比較的高い、 という面があるためで、本実施例ではかかる観点から低
コストで応答性、検出精度に優れたα−Nシステムを採
用している。また、特にSPi方式のエンジンにあって
は、かかるα−Nシステムを採用することで、空燃比の
制御精度が格段と高められる。
以下に、本システムによるインジェクタ部通過空気量Q
Ainj算出を説明する。
第3図はシリンダ空気量QAcyLの算出プログラムを示す
フローチャートである。まず、P1で前回のQAcyLをオー
ルド値QAcyL′としてメモリに格納する。ここで、QAcyL
はシリンダ部を通過する吸入空気量であり、従来の装置
(例えば、EGi方式の機関)での吸入空気量Qaに相当す
るもので、後述する第8図に示すプログラムによってイ
ンジェクタ部における空気量QAinjを演算するときの基
礎データとなる。次いで、P2で必要なデータ、すなわち
スロットル開度α、ISCバルブ21への開度信号SISCのデ
ューティ(以下、ISCデューティという)DISC、エンジ
ン回転数Nを読み込む。
P3ではスロットル開度αに基づいてスロットル弁6が装
着されている部分における流路面積(以下、スロットル
弁流路面積という)Aαを算出する。これは、例えば第
4図に示すテーブルマップから該当するAαの値をルッ
クアップして求める。P4では同様にISCデューティDISC
に基づき第5図のテーブルマップからバイパス路面積AB
を算出し、P5で次式に従って総流路面積Aを求める。
A=Aα+AB …… 次いで、P6で定常空気量QHを算出する。この算出は、ま
ず総流路面積Aをエンジン回転数Nで除してA/Nを求
め、このA/Nとエンジン回転数Nをパラメータとする第
6図に示すようなテーブルマップから該当する定常空気
量QHの値をルックアップして行う。
次いで、P7でAとNとをパラメータとして第7図に示す
テーブルマップからインテークマニホールド5の容積を
考慮した遅れ係数K2をルックアップし、P8で次式に従
ってシリンダ空気量QAcyLを算出してルーチンを終了す
る。
QAcyL=QAcyL′×(1−K2)+QH×K2 …… 但し、QAcyL′:P1で格納した値 このようにして求めた空気量QAcyLは本実施例のようなS
Pi方式でなく、例えば吸気ポート近傍に燃料を噴射する
EGi方式の機関にはそのまま適用することができる。し
かし、本実施例はSPi方式であるから、インジェクタ部
空気量QAinjを求める必要があり、この算出を第8図に
示すプログラムで行っている。
同プログラムでは、まず、P11で次式に従って吸気管
内空気変化量ΔCMを求める。このΔCMはシリンダ空気量
QAcyLに対して過渡時にスロットルチャンバ3内の空気
を圧力変化させるための空気量を意味している。
ΔCM=KM×(QAcyL−QAcyL′)/N …… 式において、KMはインテークマニホールド5の容積に
応じて決定される定数であり、エンジン1の機種等に応
じて最適値が選定される。次いで、P12で次式に従っ
てインジェクタ空気量QAinjを算出する。
QAinj=QAcyL+ΔCM …… このようにして求めたQAinjはスロットル弁開度αを情
報パラメータの一つとしていることから応答性が極めて
高く、また実験データに基づくテーブルマップによって
算出しているので、実際の値と正確に相関し検出精度が
高い(分解能が高い)。さらに、既設のセンサ情報を利
用して、マイクロコンピュータによるソフトの対応のみ
でよいから低コストなものとなる。特に、SPi方式のよ
うにスロットルチャンバ3の上流側で燃料を噴射するタ
イプに適用して極めて好都合である。
次に、本論の作用を説明する。
一般に、燃料噴射弁を使用した内燃機関の空燃比制御は
燃料噴射弁に出力する噴射信号のデューティ値を変えて
燃料噴射量を調整することにより制御される。本実施例
の場合、この噴射信号STiのデューティ値をコントロー
ルユニット50で演算している。以下、この作用を第9〜
17図に基づいて説明する。
第9図は燃料噴射制御のプログラムを示すフローチャー
トである。本プログラムは、例えば機関回転に同期して
実行される。まず、P21で次式に従って基本噴射量Tp
を演算する。
Tp=QAinj×TFBYA×K …… 但し、QAinj:上述したα−Nシステムにより求めたイン
ジェクタ通過空気量 TFBYA:目標燃空比 K:インジェクタ特性に基づく流量定数 次いで、P22で定常条件における吸気系の付着、浮遊燃
料の平衡量(定常量)Mφをエンジン回転数N、基本噴
射量Tp、冷却水温度Twおよび吸気温度TAに基づいて演算
する。なお、平衡量Mφの演算については後述する第10
図に示す平衡量演算プログラムにおいて詳述する。
次いで、P23で補正係数DKを演算する。ここで、補正係
数DKは吸気系の付着、浮遊燃料量の不足量あるいは過渡
量に対して今回の燃料噴射量の補正によりどれだけ補う
かの割合を示す係数であり、この補正係数DKは一定値と
してもよいが、より高精度の補正を行うために本実施例
ではエンジン回転数N、基本噴射量Tp、吸気温度TAおよ
び後述する過渡補正量DMに基づいて実験値から求める。
この実験値による算出については詳述する第13図に示す
補正係数演算プログラムにおいて詳述する。P24では次
式に従って吸気系の付着、浮遊燃料の変化量に相当す
る過渡補正量DMを演算する。
DM=DK(Mφ−M) …… 但し、Mφ:P22で得られた付着浮遊燃料量の平衡量 M:前回のステップP28で得られた付着浮遊燃料量の予測
変数 ここで、予測変数MはP28で後述するように前回の処理
で得られた付着浮遊燃料量の予測変数であり、この予測
変数Mはその時点での吸気系における付着浮遊燃料量の
予測値としての意味を有する。したがって、Mφ−Mは
付着、浮遊燃料量の平衡状態のそれと比べた不足量ある
いは過剰量を意味することになる。次いで、P25〜P27
ステップで実際の燃料噴射量(最終噴射量)Tiを求め
る。すなわち、P25で次式に従って燃料噴射量TpFを演
算し、次いでP26で次式に従って最終噴射量Tiを演算
する。
TpF=Tp+DM …… 但し、Tp:P21で得られた値 Ti=TpF×LAMBDA+Ts …… 但し、TpF:上記第式で算出した値 LAMBDA:空燃比フィードバック補正係数 Ts:電圧補正分 ここで、上記空燃比フィードバック補正係数LAMBDAおよ
び電圧補正分Tsは基本燃料噴射量を補正する各補正係数
であるが本発明と関係が薄いので詳しい説明は省略す
る。なお、この過渡補正量DMは吸気温度TAにより適切に
補正されたものであるから、ここでの最終噴射量Tiは吸
気温度の変化による差異を十分に加味した極めて精度の
高いものとなる。さらに、P27で最終噴射量TiをI/Oポー
ト54の出力レジスタに所定のデューティ値を有する電圧
パルス幅としてストアして、所定クランク角度でこのTi
に対応する燃料噴射パルス幅を有する噴射信号STiをイ
ンジェクタ7に出力する。
次いで、P28で次式に従って今回の予測変数Mを演算
し、処理を終了する。
M=M′+DM …… 但し、M′:前回の値 したがって、ここでは現時点での付着浮遊燃料量を意味
する予測変数Mを付着浮遊燃料の変化量に相当する過渡
補正量DMで補正することにより次回のP24で用いる予測
変数Mを算出している。
このように、本実施例では過渡時をも含む全ての加減速
条件下で精度よく過渡補正量DMが得られることは上述し
た先願(特願昭60−243605号)の場合と同様であるが、
本実施例では、特に平衡量Mφや補正係数DKを吸気温度
TAに基づいて更に適切に補正しているので、従来の問題
点で指摘した吸気温度TAの変化による過渡補正量DMの精
度の低下を回避することができ、最終噴射量Tiの精度を
より一層向上させることができる。
なお、本実施例では平衡量Mφおよび補正係数DKを求め
るために、回転数N、基本噴射量Tpおよび冷却水温Twを
用いているが本発明はこれに限るものではなく、例えば
基本噴射量Tpに代えて、インジェクタ空気量QAinjや吸
気管内圧力あるいは絞り弁開度α等を用いてもよいし、
冷却水温Twに代えて、吸気管内温度等を用いることも可
能である。
第10図は平衡量を演算するプログラムを示すフローチャ
ートであり、この処理は前記第9図で述べたステップの
P22に相当する。本プログラムは、冷却水温の段階Tw0〜
Tw4に応じて平衡量Mφをそれぞれ演算している。
まず、P31で冷却水温Twが第1の所定値Tw1より大きいか
(Tw≧Tw1か)否かを判別し、Tw≧Tw1のときはP32でエ
ンジン回転数Nと基本噴射量Tpとをパラメータとして冷
却水温Tw0に相当するテーブルマップから平衡量Mφ0
をルックアップする。次いで、P33でエンジン回転数N
と基本噴射量Tpとをパラメータとして冷却水温Tw1に相
当するテーブルマップから平衡量Mφ1をルックアップ
し(第11図参照)、P34で平衡量Mφを次式の直線近
似補間計算式に従って演算する。
次いで、P35で冷却水温Twと吸気温度TAとの差(Tw−
TA)に基づいて吸気温度補正係数CTAを第12図に示すよ
うな特性を有するテーブルマップからルックアップす
る。
さらに、P36で吸気温度補正後の平衡量Mφを次式に
従って演算し、今回の処理を終了する。
Mφ=CTA×Mφ′ …… 但し、Mφ′:P34で得られた値 一方、P31でTw≧Tw1でないときはP37で冷却水温Twが所
定範囲内(Tw2≦Tw<Tw1)にあるか否かを判別し、Tw2
≦Tw<Tw1のときは上述のP32〜P34のステップと同様に
してP38〜P40で冷却水温TwがTw2≦Tw<Tw1のときの平衡
量Mφを次式に従って演算し、P35に進む。
また、P37でTw2≦Tw<Tw1でないときはP41で冷却水温Tw
が所定範囲内(Tw3≦Tw<Tw2)にあるか否かを判別し、
Tw3≦Tw<Tw2のときは上述のP32〜P34のステップと同様
にしてP42〜P44で冷却水温TwがTw3≦Tw<Tw2のときの平
衡量Mφを次式に従って演算し、P35に進む。
一方、P41でTw3≦Tw<Tw2でないときは冷却水温Twが所
定値Tw3より小さい(Tw<Tw3)と判断し、上述のP32〜P
34のステップと同様にしてP45〜P47で冷却水温TwがTw≦
Tw3のときの平衡量Mφを次式に従って演算し、P35
進む。
このように、それぞれ異なる冷却水温度Tw0〜Tw4に対し
て回転数Nと基本噴射量Tpとをパラメータとして実験値
として得られた平衡量Mφ0〜Mφ4がルックアップさ
れ、直線近似の補間計算が行われた後、そのときの吸気
温度TAに基づいて更に適切な補正が加えられる。すなわ
ち、P35、P36が本発明による部分であり、したがって、
定常条件における吸気系の付着、浮遊燃料の平衡量Mφ
は精度よく求めることができる。
第13図は補正係数を演算するプログラムを示すフローチ
ャートであり、第9図で述べたステップのP23に相当す
る。まず、P51で冷却水温Twと目標過渡補正量DMとをパ
ラメータとする第14図に示すテーブルマップから冷却水
温補正係数DKTwをルックアップし、P52でエンジン回転
数Nと基本噴射量Tpとをパラメータする第15図に示すテ
ーブルマップから回転数補正係数DKNをルックアップす
る。次いで、P53で冷却水温Twと吸気温度TAとの差(Tw
−TA)に基づいて吸気温度補正係数DKTAを第16図に示す
ような特性を有するテーブルマップからルックアップす
る。さらに、P54で次式に従って補正係数DKを演算
し、処理を終了する。
DK=DKTw×DKN×DKTA …… このように、本実施例では過渡補正量DMの精度の向上を
通じてより適切な最終噴射量Tiを得ることができ、噴射
制御全体の精度を向上させることが可能となる。
すなわち、第17図(A)、(B)、(C)に加速時、減
速時およびギヤチェンジ時におけるMφ、M、Mφ−
M、DKN、DKTw、DK、DM、TpおよびTpFの各信号の波形を
示すように、加速時および減速時ともにその加速、減速
の程度および条件に合った精度の高い過渡補正量DMが得
られ、最適な燃料噴射量TpFを確保することができる。
また、ギヤチェンジ時においても加速増量と減速減量と
の切り換え等の制御を行うことなく精度良く連続的に補
正することができることは先願の場合と同様であり、吸
気温のバラツキに対しては、本発明によるP35、P36及び
P53で修正され、尚一層の制御精度の向上が可能であ
る。その結果、運転性の改善、有害排出ガスの低減、出
力の増加、燃費のより一層の改善を図ることができる。
(効果) 本発明によれば、三次元マップではなく、二次元マップ
で吸気温度の補正データを持つことができる。したがっ
て、処理効率を低下することなく、しかも少ないメモリ
容量で温度補正を行なうことができる。その結果、吸気
温度の変化にかかわらず、過渡補正量を適切なものと
し、燃料の噴射制御の精度を一層向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本概念図、第2〜17図は本発明の一
実施例を示す図であり、第2図はその全体構成図、第3
図はそのシリンダ空気量区QAcyLの算出プログラムを示
すフローチャート、第4図はそのスロットル弁流路面積
Aαのテーブルマップ、第5図はそのバイパス路面積AB
のテーブルマップ、第6図は総流路面積Aをエンジン回
転数Nで除したA/Nとエンジン回転数Nとをパラメータ
とする定常空気量QMのテーブルマップ、第7図はその遅
れ係数Tのテーブルマップ、第8図はそのインジェクタ
空気量QAinjの算出プログラムを示すフローチャート、
第9図はその燃料噴射制御のプログラムを示すフローチ
ャート、第10図はその平衡量Mφを演算するプログラム
を示すフローチャート、第11図はその平衡量の一例を示
すテーブルマップ、第12図はその吸気温度補正係数CTA
のテーブルマップ、第13図はその補正係数DKを演算する
プログラムを示すフローチャート、第14図はその冷却水
補正係数DKTwのテーブルマップ、第15図は回転数補正係
数DKNのテーブルマップ、第16図はその吸気温度補正係
数DKTAのテーブルマップ、第17図(A)、(B)、
(C)はその加速時、低速時およびギヤチェンジ時の各
信号の波形を示すグラフである。 1……エンジン、 7……インジェクタ(燃料供給手段)、 8……吸気温センサ(吸気温検出手段)、 50……コントロールユニット(基本値演算手段、過渡補
正量演算手段、予測変数演算手段、燃料量決定手段)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)エンジンの運転状態を、少なくともエ
    ンジン回転数、エンジン負荷及びエンジン温度を含むパ
    ラメータから検出する運転状態検出手段と、 b)吸入空気の温度を検出する吸気温検出手段と、 c)エンジンの運転状態に基づいて燃料の基本噴射量
    (Tp)を演算する基本値演算手段と、 d)エンジン温度と吸気温度との偏差で表され、かつ、
    吸気温度がエンジン温度よりも低くなるほど過渡補正量
    (DM)の値が大きくなるように作用する吸気温度補正係
    数(CTA)を演算する吸気温度補正係数演算手段と、 e)エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン温度に基
    づいて吸気系の付着、浮遊燃料の平衡量(Mφ)を演算
    するとともに、該平衡量(Mφ)を前記吸気温度補正係
    数(CTA)で補正する平衡量演算手段と、 f)平衡量演算手段で演算した補正後の平衡量(Mφ)
    とその時点での吸気系の付着、浮遊燃料の予測変数
    (M)との差値(Mφ−M)を演算する差値演算手段
    と、 g)差値演算手段で演算した差値(Mφ−M)を燃料噴
    射量の補正にどの程度反映させるかを示す補正係数(D
    K)を、エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン温度
    に基づいて演算する補正係数演算手段と、 h)前記差値(Mφ−M)と前記補正後の補正係数(D
    K)とに基づいて過渡補正量(DM)を演算する過渡補正
    量演算手段と、 i)過渡補正量演算手段で演算した過渡補正量(DM)と
    前記付着、浮遊燃料の予測変数(M)とを加算し、該加
    算値で予測変数(M)を更新する予測変数演算手段と、 j)前記基本値演算手段で演算した基本噴射量(Tp)と
    前記過渡補正量演算手段で演算した過渡補正量(DM)と
    に基づいて最終燃料噴射量(Ti)を演算する燃料量決定
    手段と、 k)燃料量決定手段の出力に基づいてエンジンに燃料を
    供給する燃料供給手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装
    置。
  2. 【請求項2】エンジン温度と吸気温度との偏差で表さ
    れ、かつ、吸気温度がエンジン温度よりも低くなるほど
    補正係数(DK)の値が小さくなるように作用する第二の
    吸気温度補正係数(DKTA)を演算する第二の吸気温度補
    正係数演算手段を備え、 前記補正係数演算手段は、差値演算手段で演算した差値
    (Mφ−M)を燃料噴射量の補正にどの程度反映させる
    かを示す補正係数(DK)を、エンジン回転数、エンジン
    負荷、エンジン温度に基づいて演算するとともに、該補
    正係数(DK)を第二の吸気温度補正係数(DKTA)で補正
    することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴
    射制御装置。
  3. 【請求項3】前記予測変数演算手段は、この加算動作を
    燃料噴射に同期させて行なうことを特徴とする請求項1
    記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP18075986A 1986-07-31 1986-07-31 内燃機関の燃料噴射制御装置 Expired - Lifetime JPH0745841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18075986A JPH0745841B2 (ja) 1986-07-31 1986-07-31 内燃機関の燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18075986A JPH0745841B2 (ja) 1986-07-31 1986-07-31 内燃機関の燃料噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6338628A JPS6338628A (ja) 1988-02-19
JPH0745841B2 true JPH0745841B2 (ja) 1995-05-17

Family

ID=16088820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18075986A Expired - Lifetime JPH0745841B2 (ja) 1986-07-31 1986-07-31 内燃機関の燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0745841B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113700566B (zh) * 2021-09-22 2022-11-29 潍柴动力股份有限公司 发动机的参数修正方法和装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6338628A (ja) 1988-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0827203B2 (ja) エンジンの吸入空気量検出装置
JPH06235347A (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
JPH01237333A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2548273B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPS6088831A (ja) 内燃エンジンの作動制御手段の動作特性量制御方法
JPH1122515A (ja) 機関トルク算出装置
JP3483394B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3303274B2 (ja) 電制スロットル式内燃機関の制御装置
JPH0745841B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3536596B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2712153B2 (ja) 内燃機関の負荷検出装置
JPS60249645A (ja) 内燃エンジンの燃料供給制御方法
JP2561248B2 (ja) 内燃機関の燃料カツト制御装置
JP2515300B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2590823B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH10220270A (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JPH0763111A (ja) エンジンの失火検出装置
JPH1162674A (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP2605691B2 (ja) アイドル回転数制御装置
JPH0830460B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2505540B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPS6321339A (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JPH02264135A (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JP3593388B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0615827B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置