JPH0744397Y2

JPH0744397Y2 - 高圧容器装置

Info

Publication number: JPH0744397Y2
Application number: JP13410689U
Authority: JP
Inventors: 明浅利; 利勝直井
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1989-11-18
Filing date: 1989-11-18
Publication date: 1995-10-11
Anticipated expiration: 2004-11-18
Also published as: JPH0376686U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、金属、セラミックス等の粉末をゴム等の弾性
体あるいは比較的軟化温度の低い薄肉の金属からなる成
形モールドに封入して、高圧容器内で圧力媒体により等
方的に加圧成形する装置に関し、CIP装置、WIP装置等に
利用される。

（従来の技術） 5000kgf/cm²を超えるような超高圧装置においても生産
機の場合、10⁵回以上の長寿命が要求される。

そこで、従来より焼きばめ法又は自緊法により圧力容器
内面に高い圧縮残留応力をあらかじめ発生させておくプ
レストレス手法が用いられ、寿命は約10⁴回と言われて
いるが、焼きばめ法においても、高い圧縮残留応力を得
ようとすると、焼きばめ代を増加させる必要があり、実
用的には比較的狭い範囲のものしかできず、また焼きば
め作業は非常に難しく、その効果の確認も困難であっ
た。

そこで、特開昭61−165297号公報で開示した高圧容器装
置がある。

すなわち、この技術は、外筒とこの外筒に摺動自在に挿
入された内筒とからなる２重構造とされた高圧容器の上
下端に、軸荷重を担持可能として上蓋と下蓋とがそれぞ
れ嵌合された高圧容器装置において、外筒と内筒との間
に筒状のすきまが形成され、このすきまの上下端にシー
ルパッキンがそれぞれ装着され、このすきまに圧力媒体
を供給する低圧用圧媒供給手段が前記外筒に連通形成さ
れ、更に、前記高圧容器の処理室に圧力媒体を供排する
高圧用圧媒供排手段が前記下蓋に連通形成されているも
のであった。

（考案が解決しようとする課題）前述公報に開示した技術は、圧力外周に液圧を作用させ
るフルイドサポート法（焼バメ等と同じ様にプレストレ
ス（圧縮）を与える方法）によるものであり、それなり
の有用性が認められるけれども、次の問題点があった。

；加圧時の軸力によるプレスフレームの伸び分だけ高
圧シール部が移動する。このため、パッキン部（内筒内
面）の傷付、パッキンの損傷が発生し、シール不良を起
こしやすい。

；内筒を外筒に挿入する際、シールパッキンが外筒内
面を摺動するため、外筒内面を傷付けることや、パッキ
ンが損傷を起こしやすい。また、パッキンが摩耗しやす
く寿命が短くなる。

；シールされたすきまを確保するため、内筒最外径が
限定され、必要以上の肉厚の場合があり無駄である。

；流体支持圧は1000kgf/cm²を超える場合も多く、こ
の圧力をシールする必要から、外筒と内筒パッキン部の
クリアランスは非常に小さい。このため、内筒の外筒へ
の挿入作業は専門的となり、一般ユーザでは困難であ
る。

；高圧側を加熱する場合、高圧上蓋が低圧上蓋に接し
ている（あるいは一体化している）ため、熱が逃げやす
く、加熱手段のエネルギーが無駄になる。また、低圧側
からの保温効果も小さい。本考案は、高圧上蓋および高
圧下蓋を低圧上蓋および低圧下蓋と独立にし、高圧シー
ルパッキンとは別に、高圧上蓋および高圧下蓋の外側面
近傍又は内筒と外筒の下蓋の嵌合部に低圧側圧媒をシー
ルするパッキンを設け、流体支持圧を軸方向にも作用さ
せる（即ち低圧圧媒を上蓋上面又は下蓋下面にも接触さ
せる）ことによって、前述した問題点を解決することを
目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は、外筒２とこの外筒２との間に筒状のすきま３
を有して挿入されて内部に処理室４を有する内筒５とで
内外２重構造の高圧容器１が構成され、該高圧容器１に
おける外筒２の上下端に、軸荷重を担持可能として上蓋
６と下蓋７とがそれぞれ嵌合され、前記すきま３に圧力
媒体を供給する低圧用圧媒供給手段16とが前記処理室４
に圧力媒体を供排する高圧用圧媒供排手段17がとを備え
ている高圧容器装置において、前述の目的を達成するた
めに、次の技術的手段を講じている。

すなわち、本考案は、前記外筒２の上蓋６および下蓋７
とは独立して内筒５に高圧用シールパッキン8A,9Aを介
して高圧用上蓋８および下蓋９を嵌合しており、前記両
上蓋6,8又は両下蓋7,9間には前記すきま３と連通された
すきま10,10Aを有して流体支持圧を軸方向に作用可能と
しており、更に、前記高圧用上蓋８および高圧用下蓋９
の外側面近傍又は前記内筒５と前記外筒２の下蓋７の嵌
合部に、低圧側圧媒をシールする低圧用シールパッキン
8B,9Bを備えていることを特徴とするものである。

（実施例と作用）以下、図面を参照して、本考案の実施例と作用を説明す
る。

第１図において、１は高圧容器であり、外筒２とこの外
筒２との間に筒状のすきま３を有して内部に処理室４を
有する内筒５とで内外２重構造とされている。

外筒２は低圧用であって、円筒形状とされており、その
上下開放端には上・下蓋6,7がシールパッキン6A,7Aを介
して嵌合されている。

内筒５は高圧用であって、円筒形状とされており、その
上下開放端には上・下蓋8,9が高圧用シールパッキン8A,
9Aを介して嵌合されており、前記低圧用上蓋６と高圧用
上蓋８との間には、すきま３と連通するすきま10が形成
されている。

更に、内筒５の上蓋８にはすきま３側からの低圧側圧媒
をシールするための低圧用シールパッキン8Bを有してい
る。

内筒５の下蓋９は外筒２の下蓋７上に載置されており、
両下蓋7,9に形成された圧媒ポート11,12はカップリング
13を介して互いに連通されており、内筒５の下蓋９に
も、すきま３側からの低圧側圧媒をシールするための低
圧側シールパッキン9Bを有している。

外筒２には低圧用圧媒のためのポート2Aをその胴部に有
するとともに、この外筒２の上下開放端に嵌合された上
蓋６と下蓋７はそれぞれ軸荷重を担持可能であり、本例
ではプレスフレーム14が上下蓋6,7に接当され、該プレ
スフレーム14は走行台に装備される場合と、旋回台に装
備される場合とがある。

15は圧力媒体のタンクであり、この圧力媒体は低圧用圧
媒供給手段16を介してすきま３に送液可能とされるとと
もに、高圧用圧媒供排手段17を介して送液可能とされて
いる。

低圧用圧媒供給手段16はチエックバルブ18を有する低圧
ポンプ19が配管油路20に設けられて構成され、外筒２の
ポート2Aに連通されており、同手段16には安全弁20Aを
有する。

高圧用圧媒供排手段17は、チエックバルブ21を有する高
圧ポンプ22が配管油路23に設けられ、下蓋７に形成され
たポート12に連通されている。

そして、低圧油路20と高圧油路23との間にはバイパス油
路24が設けられ、このバイパス油路24には高圧安全弁25
と高圧チエック弁26を有する。

その他、27は減圧油路で、絞り機構と減圧弁28とを有
し、29は排液油路であり、排液切換弁30を有する。その
他図中、31は圧力計である。

第２図は低圧用圧媒供給手段16の油路20に、循環ポンプ
32と加熱手段33とを設け、高圧用圧媒供排手段17に循環
ポンプ34と加熱手段35とを設けるとともに、バイパス油
路24に切換弁36を設けたWIP装置とした場合を示す。

又、第３図は本考案の他の実施例では、高圧用下蓋９に
周方向の間隔をもって脚9Cを設けることで、高圧用下蓋
９と外筒２の下蓋７との間に、隙間３に連通するすきま
10Aを設けたものを示し、この場合は、低圧用圧媒供給
手段16は下蓋７に形成した通路7Bに接続され、高圧用圧
媒供排手段17は上蓋６に形成した通路12に接続される。

ところで、以上の実施例において、高圧蓋の低圧用シー
ルパッキン内径をD₀、内筒内径をD₁、低圧CIPの圧力をP
₀、高圧CIPの圧力をP₁として、P₀×D₀ ²＞P₁×D₁ ²になる
ように設定することにより、加圧中も高圧蓋は内筒側に
押付けられることになり、簡単なクランプだけで蓋がは
ずれることはない。P₀×D₀ ²＜P₁×D₁ ²の場合でも、その
力量差だけを支持する蓋クランパを使用すればよい。

すなわち、第６図に示す如く、内筒５にクランパ37を支
点37Aを中心に回動自在に設け、該クランパ37のフック
部を、上蓋８の外周部に形成した係合凹部37Bに係脱自
在にしている。なお、クランパ37は複数個備えられてい
る。

上記において、シールパッキン6A,7Aは低圧側圧媒の外
部流出防止用であり、低圧用シールパッキン8B,9Bは低
圧側圧媒の処理室４への侵入防止用であり、高圧用シー
ルパッキン8A,9Aは高圧側圧媒の低圧側への流出防止用
である。

そして、パッキン8Bは、第７図に示す如く内筒５の上端
面と上蓋８との間に形成されたすきまｔをシールする断
面三角形のものを採用できる。

第５図は本考案の他の有用な実施例であり、プレスフレ
ーム14を２分割、互いに離反する方向に退避可能にした
ものである。また、上蓋６に高圧上蓋８の開閉シリンダ
38を設けている。更に、高圧下蓋９側の低圧用シールパ
ッキン9Bを内筒５外周の下蓋７への嵌合部に設けるとと
もに、高圧下蓋９の一部を下蓋７外に出し、圧媒ポート
11に直接配管を接続するようにしている。

この第５図の実施例では第１図に示した実施例よりも下
記の点で有利となる。

すなわち、第１図では、低圧、高圧側上蓋の開閉はそれ
ぞれ独立した動作で行わなければならないが、開閉シリ
ンダ38をつけることにより同時動作も可能であるし、ま
た、上蓋の押え付けにも兼用できる。

また、ポート11を設けることにより、低圧側下蓋から高
圧耐圧穴をなくして安全性を大きくできる。

また、低圧蓋周りの低圧シールの数を減せる。即ち、カ
ップリングのシールが不要となって、加工費低減、信頼
性が向上する。

次に、上記実施例における成形法を説明する。

第１図は高圧CIPとして使用している状態を示してお
り、この図において、フレーム14を退逃させ、上蓋６、
高圧上蓋８を開放した状態で成形カプセル39を処理室４
内に収納し、高圧上蓋８を挿入したのち、高圧ポンプ22
を介して圧媒を処理室４内に満す。この後、上蓋６及び
プレスフレーム14をセット（図の位置に）し、すきま３
に低圧ポンプ19を介して圧媒を供給するとともに、低圧
側の圧力P₀まで昇圧し、保持する。この圧媒はシールパ
ッキン8B,9Bおよび6A,7Aでシールされている。

次いで、高圧ポンプ22を介して圧力媒体を処理室４に供
給することにより、成形カプセル39内の粉末が等方的圧
力により加圧成形される。

この場合、高圧力はシールパッキン8A,9Aでシールされ
てまた低圧はシールパッキン8B,9Bでシールされている
のであり、すきま3,10に圧媒を供給していることからい
わば、フルイドサポート法にて焼きばめと同一効果をも
たせ、かつ、高圧容器に発生する軸力も支持させてい
る。外筒２には高圧負荷を分担させないようにし、低圧
のみ分担されるのである。

第４図は、内筒５および高圧蓋8,9を外筒２より取出し
て低圧CIPに切換えた状態であり、これによって、大形
製品のCIPがなされる。

また、第２図は温間域で加圧成形している状態であり、
これはまず、循環ポンプ32,34を作動させて加熱手段33,
35によってそれぞれ圧媒を加熱せしめてすきま3,10及び
処理室４に供給し、次いで、低圧ポンプ19を作動させて
一次昇圧P₀を行ない、次いで、高圧ポンプ22を作動させ
て処理室４内を二次昇圧（P₁）して成形するのである。

第２図の例においては、すきま3,10に、処理室４より低
温でかつ外気より高温の圧力媒体を供給することで、上
蓋から放熱を抑制できるので保温効果が高い。

なお、いずれの例においても、加圧成形完了後にあって
は、減圧弁28によって処理室４の圧媒圧力を減圧してか
ら、フレーム14を退逃させ、上蓋及び高圧上蓋を取外し
た後、排液弁30を介して圧媒を抜いて製品は取出され
る。

（考案の効果）本考案は以上の通りであり、高圧上蓋及び下蓋と低圧上
蓋および下蓋とが独立しており、軸力によるフレームの
伸びは、低圧上・下蓋の移動により吸収され、高圧パッ
キン部は内筒に対して移動しないことから、パッキン部
の傷付、パッキンの損傷がなくなり、シール性を向上で
きる。

また、内筒と外筒との間に形成された筒状のすきまはシ
ールが不要であるので、前述した従来技術の問題点、
、を解決することができる。

更に、高圧上蓋又は高圧下蓋の外面にも低圧圧媒をまわ
せるので保温効果が向上される。また、低圧上蓋又は低
圧下蓋からの熱の逃げも防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は高圧CIP時の全
体構成図、第２図は温間（WIP）加工時の全体構成図、
第３図は他の実施例の要部断面図、第４図低圧CIP時の
断面図、第５図は他の実施例を示す要部の断面図、第６
図と第７図は高圧及び低圧シール部の要部断面図であ
る。１…高圧容器、３…外筒、3,10,10A…すきま、４…処理
室、５…内筒、６…上蓋、７…下蓋、８…高圧用上蓋、
8A,9A…高圧用シールパッキン、8B,9B…低圧用シールパ
ッキン、９…高圧用下蓋、16…低圧用圧媒供給手段、17
…高圧用圧媒供排手段。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】外筒（２）とこの外筒（２）との間に筒状
のすきま（３）を有して挿入されて内部に処理室（４）
を有する内筒（５）とで内外２重構造の高圧容器（１）
が構成され、該高圧容器（１）における外筒（２）の上
下端に、軸荷重を担持可能として上蓋（６）と下蓋
（７）とがそれぞれ嵌合され、前記すきま（３）に圧力
媒体を供給する低圧用圧媒供給手段（16）と前記処理室
（４）に圧力媒体を供排する高圧用圧媒供排手段（17）
とが備えられている高圧容器装置において、前記外筒（２）の上蓋（６）および下蓋（７）とは独立
して内筒（５）に高圧用シールパッキン（8A）（9A）を
介して高圧用上蓋（８）および下蓋（９）を嵌合してお
り、前記両上蓋（６）（８）又は両下蓋（７）（９）間
には前記すきま（３）と連通されたすきま（10）（10
A）を有して流体支持圧を軸方向に作用可能としてお
り、更に、前記高圧用上蓋（８）および高圧用下蓋
（９）の外側面近傍又は前記内筒（５）と前記外筒
（２）の下蓋（７）の嵌合部に、低圧側圧媒をシールす
るパッキン（8B）（9B）を備えていることを特徴とする
高圧容器装置。