JPH0744132A - Ｌｅｄ表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＬＥＤ表示画面の温度が過上昇するのを抑制
し、ＬＥＤ素子の破損、素子寿命の低下を抑制する。 【構成】 この発明のＬＥＤ表示装置は、データ変換部
1 によって表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示
用に変換する際に、輝度測定部2 が、変換されたデータ
より表示画面全体の平均輝度を測定し、しきい値設定部
3 が、輝度測定部で測定された平均輝度に基づいてデー
タ変換部で用いるしきい値を平均輝度を抑制する方向に
再設定する。そしてデータ変換部1 において、しきい値
設定部3 が与えるしきい値に基づき、表示画面4 に表示
させる映像信号をＬＥＤ表示用に変換する際のしきい値
をダイナミックに調整する。こうして、表示画面の平均
輝度が上昇する場合にはその平均輝度を抑制する方向に
データ変換部のしきい値をダイナミックに調整し、ＬＥ
Ｄ素子の温度上昇を抑制し、素子の破損や素子寿命の低
下を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ドット単位またはモ
ジュール単位のＬＥＤ素子を多数配置して表示画面が構
成されるＬＥＤ表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ドット単位またはモジュール単位のＬＥ
Ｄ素子を多数配置して表示画面が構成され、文字デー
タ、グラフィックデータ、映像データなどを表示するＬ
ＥＤ表示装置では一般に、ＬＥＤ素子の点灯信号パルス
の幅を調整することによって輝度の調整を行なうように
しているために、映像データを表示画面に表示しようと
する場合には、ＮＴＳＣ信号などの映像信号をＬＥＤ表
示装置用の信号に変換する必要がある。

【０００３】そして従来のＬＥＤ表示装置では、このよ
うな映像信号の変換の際に用いられるしきい値として、
表示させる映像内容に関係なく一定のしきい値を設定し
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のＬＥＤ表示装置では、表示させようとする映像内
容に関係なく一定のしきい値を用いて映像信号の変換を
行なっていたために、次のような問題点があった。一般
に映像信号の場合、テキストデータに比べてＬＥＤ素子
の点灯率が上昇するのに加え、グラフィックデータのよ
うに表示する前に点灯率を測定し、点灯率を抑制するよ
うに加工することも困難であるために、全体的に明るい
シーンが連続するように映像を表示対象とした場合、Ｌ
ＥＤ素子の温度が上昇し、ひいてはＬＥＤ素子の破損、
素子寿命の低下などを招くという問題点があった。

【０００５】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、表示画面全体の平均輝度を測定し、
その平均輝度が高くなった場合に輝度を抑える方向にし
きい値を変更するダイナミックなしきい値調整機能を持
たせ、ＬＥＤ素子の破損や素子寿命の低下を抑制するこ
とができるＬＥＤ表示装置を提供することを目的とす
る。

【０００６】この発明はまた、表示画面全体の平均表面
温度を測定し、その平均表面温度が高くなった場合に温
度上昇を抑える方向にしきい値を変更するダイナミック
なしきい値調整機能を持たせ、ＬＥＤ素子の破損や素子
寿命の低下を抑制することができるＬＥＤ表示装置を提
供することを目的とする。

【０００７】この発明はさらに、表示画面全体の平均輝
度と平均表面温度とを測定し、その平均輝度または平均
表面温度が高くなった場合に輝度または温度上昇を抑え
る方向にしきい値を変更するダイナミックなしきい値調
整機能を持たせ、ＬＥＤ素子の破損や素子寿命の低下を
抑制することができるＬＥＤ表示装置を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、ドッ
ト単位またはモジュール単位のＬＥＤ素子を多数配置し
て表示画面を構成しているＬＥＤ表示装置において、表
示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変換する
際に、しきい値をダイナミックに調整するデータ変換部
と、データ変換部で変換されたデータより表示画面全体
の平均輝度を測定する輝度測定部と、輝度測定部で測定
された平均輝度の高低により、データ変換部で用いるし
きい値を可変設定するしきい値設定部とを備えたもので
ある。

【０００９】請求項２の発明は、ドット単位またはモジ
ュール単位のＬＥＤ素子を多数配置して表示画面を構成
しているＬＥＤ表示装置において、表示画面に表示させ
る映像信号をＬＥＤ表示用に変換する際に、しきい値を
ダイナミックに調整するデータ変換部と、表示画面全体
の平均表面温度を測定する温度測定部と、温度測定部で
測定された平均表面温度の高低により、データ変換部で
用いるしきい値を可変設定するしきい値設定部とを備え
たものである。

【００１０】請求項３の発明は、ドット単位またはモジ
ュール単位のＬＥＤ素子を多数配置して表示画面を構成
しているＬＥＤ表示装置において、表示画面に表示させ
る映像信号をＬＥＤ表示用に変換する際に、しきい値を
ダイナミックに調整するデータ変換部と、データ変換部
で変換されたデータより表示画面全体の平均輝度を測定
する輝度測定部と、表示画面全体の平均表面温度を測定
する温度測定部と、輝度測定部で測定された平均輝度の
高低と温度測定部で測定された平均表面温度の高低とに
基づき、複合的に判断してデータ変換部で用いるしきい
値を可変設定するしきい値設定部とを備えたものであ
る。

【００１１】請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれ
かのＬＥＤ表示装置において、さらに、しきい値設定部
のしきい値更新設定を、所定の条件が成立した時に行な
う処理制御部を備えたものである。

【００１２】

【作用】請求項１の発明のＬＥＤ表示装置では、データ
変換部によって表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ
表示用に変換する際に、輝度測定部が、変換されたデー
タより表示画面全体の平均輝度を測定し、しきい値設定
部が、輝度測定部で測定された平均輝度の高低に基づい
てデータ変換部で用いるしきい値を可変設定する。そし
てデータ変換部において、しきい値設定部が与えるしき
い値に基づき、表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ
表示用に変換する際のしきい値をダイナミックに調整す
る。

【００１３】こうして、表示画面の平均輝度が上昇する
場合にはその平均輝度を抑制する方向にデータ変換部の
しきい値をダイナミックに調整し、表示画面の平均輝度
の上昇を抑え、ひいてはＬＥＤ素子の温度上昇を抑制
し、素子の破損や素子寿命の低下を抑制する。

【００１４】請求項２の発明のＬＥＤ表示装置では、デ
ータ変換部によって表示画面に表示させる映像信号をＬ
ＥＤ表示用に変換する際に、温度測定部が表示画面全体
の平均表面温度を測定し、しきい値設定部が、温度測定
部で測定された平均表面温度の高低に基づいてデータ変
換部で用いるしきい値を可変設定する。そしてデータ変
換部において、しきい値設定部が与えるしきい値に基づ
き、表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変
換する際のしきい値をダイナミックに調整する。

【００１５】こうして、表示画面の平均表面温度が上昇
する場合にはその平均表面温度の上昇を抑制する方向に
データ変換部のしきい値をダイナミックに調整し、ＬＥ
Ｄ素子の温度上昇を抑制し、素子の破損や素子寿命の低
下を抑制する。

【００１６】請求項３の発明のＬＥＤ表示装置では、デ
ータ変換部によって表示画面に表示させる映像信号をＬ
ＥＤ表示用に変換する際に、輝度測定部が、データ変換
部で変換されたデータに基づいて表示画面全体の平均輝
度を測定し、また温度測定部が表示画面全体の平均表面
温度を測定し、しきい値設定部が、輝度測定部で測定さ
れた平均輝度の高低と温度測定部で測定された平均表面
温度の高低とに基づき、複合的に判断してデータ変換部
で用いるしきい値を可変設定する。そしてデータ変換部
において、しきい値設定部が与えるしきい値に基づき、
表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変換す
る際のしきい値をダイナミックに調整する。

【００１７】こうして、表示画面の平均輝度が上昇し、
ひいては平均表面温度が上昇する場合にはその平均表面
温度の上昇を抑制する方向にデータ変換部のしきい値を
ダイナミックに調整し、ＬＥＤ素子の温度上昇を抑制
し、素子の破損や素子寿命の低下を抑制する。

【００１８】請求項４の発明では、請求項１〜３のいず
れかのＬＥＤ表示装置においてさらに、しきい値設定部
のしきい値更新設定を、所定の条件が成立した時に行な
う処理制御部を備えることにより、データ変換部のしき
い値変更を一定時間間隔で、あるいは輝度上昇または温
度上昇が所定値を越えて大きく上昇するような場合に限
って実行するようにし、表示画面の輝度の頻繁な変更を
できる限り避け、表示画面の見やすさを損なわないよう
にする。

【００１９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図１は請求項１の発明のＬＥＤ表示装置の一実施
例のブロック図であり、表示素材として送られてくる映
像信号をＬＥＤ表示装置用の表示信号に変換するデータ
変換部１、ＬＥＤ表示画面全体の平均輝度を測定する輝
度測定部２、データ変換部１で用いられるしきい値を設
定するしきい値設定部３、そしてドット単位またはモジ
ュール単位のＬＥＤ素子を多数配置して表示画面を構成
しているＬＥＤ表示装置４から構成されている。

【００２０】そしてデータ変換部１は、ＮＴＳＣ信号で
得られる映像信号に対してＹ／Ｃ分離やしきい値処理な
どの操作を行ない、アナログＲＧＢ信号のようなＬＥＤ
表示用データに変換し、輝度測定部２は、データ変換部
１において変換されたデータより、画面全体の平均輝度
と輝度ヒストグラムを算出し、しきい値設定部３は、輝
度測定部２で測定された平均輝度を設定値とするように
しきい値を再設定してデータ変換部１に与えるようにな
っている。

【００２１】次に、上記構成のＬＥＤ表示装置の動作に
ついて説明する。ここでは、一例として、設定輝度を５
０％点灯とした時のしきい値設定処理について説明す
る。輝度測定部２は、データ変換部１において変換され
たデータから２５６段階に分けた輝度ヒストグラムを測
定し、また得られた輝度ヒストグラムデータから輝度平
均値を算出する。いま、この輝度測定部２が測定した輝
度ヒストグラムデータが図２に示すようなものであり、
輝度平均値も図２に示す通りであったとする。

【００２２】すると、しきい値設定部３は、輝度測定部
２で得た輝度平均値が設定輝度よりも大きくなっている
かどうか判断し、設定輝度よりも大きくなっていればし
きい値の再設定を行なう。すなわち、図３に示すように
しきい値直線Ａの原点を固定し、輝度平均値の位置の輝
度が設定輝度となるように新しいしきい値直線Ｂを引
き、輝度平均値の位置の輝度がＬＥＤ点灯率が５０％と
なるように各輝度段階の点灯率の再設定を行なう。

【００２３】これを式で表わすと、

【数１】 となる。

【００２４】そこで、データ変換部１は、しきい値設定
部３で算出したしきい値を用いてデータ変換を行なうこ
とにより、表示画面全体の平均輝度を設定輝度に抑え、
比較的明るい映像の映像信号がデータ変換部１に入力さ
れてきても、自動的に輝度を抑えてＬＥＤ表示画面に表
示することができるようになり、ＬＥＤ素子の温度上昇
を抑え、温度過上昇に起因する素子破損や素子寿命の低
下を抑制することができるようになる。

【００２５】なお、請求項１の発明は上記の実施例に限
定されることはなく、輝度測定値に基づいてしきい値を
変更する処理は、数１式によらず、例えば、［設定輝
度］／［平均輝度］の値に基づいて輝度全体を低下させ
るだけの処理であってもよく、またその他の方法であっ
てもよい。

【００２６】次に、請求項２の発明の一実施例を図４に
基づいて詳説する。請求項２の発明のＬＥＤ表示装置
は、表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変
換すると共に、しきい値をダイナミックに調整する機能
を備えたデータ変換部１、表示画面全体の平均表面温度
を測定する温度測定部５、この温度測定部５で測定され
た平均表面温度の高低より、データ変換部１で用いるし
きい値を再設定するしきい値設定部３を備えている。

【００２７】この実施例にあっても、データ変換部１は
図１に示した実施例と同じく映像信号をＬＥＤ表示信号
に変換して出力する。そして温度測定部５は、ＬＥＤ表
示装置４の表示画面の複数の適所に配置された温度セン
サからの信号に基づいて表示画面全体の平均温度を測定
し、しきい値設定部３は、この温度測定部５で測定した
平均温度が所定の基準値よりも高くなっている場合、そ
の表示画面の平均温度が低下する方向にしきい値を再設
定してデータ変換部１に与えるようになっている。

【００２８】上記構成のＬＥＤ表示装置の動作について
説明する。温度測定部５は、ＬＥＤ表示装置４の複数の
適所に配置されている温度センサから温度信号を取り込
み、表示画面全体の平均温度を演算し、これをしきい値
設定部３に与える。

【００２９】しきい値設定部３では、あらかじめ設定さ
れている温度設定値と比較し、平均温度が温度設定値よ
りも高くなっていれば、次の数２式に基づいてしきい値
の再設定を行なう。

【００３０】

【数２】 ここで、 ［定数１］：調整前しきい値より決まるＲ・Ｇデータ数
最大値におけるＬＥＤ点灯率 ［定数２］：調整の割合を決める定数 ［定数３］：Ｒ・Ｇデータ最大値 である。

【００３１】そしてこの実施例の場合、次の数３式のよ
うになる。

【００３２】

【数３】 ここで、Ｋは調整の割合を決める定数である。また、平
均温度＞設定温度の場合のみ、上記の調整を実行する。

【００３３】こうしてしきい値設定部３で求めたしきい
値に対応する点灯率がデータ変換部１に与えられ、デー
タ変換部１は新たに設定されたしきい値に基づいてデー
タ変換を行なう。この結果、しきい値が画面表面温度が
抑制される方向に自動調整されるために、ＬＥＤ表示装
置４の表面温度が過上昇することがなく、ＬＥＤ素子の
破損や寿命の低下を抑制することができるようになる。

【００３４】なお、請求項２の発明は上記の実施例に限
定されず、特にしきい値設定部３が行なうしきい値再設
定処理の方法として、数２式に基づかず、［設定温度］
／［平均温度］の値に基づき、表示画面全体の輝度を単
純に低下させる方法であってもよく、またその他の方法
によってもよい。

【００３５】次に、請求項３の発明のＬＥＤ表示装置の
実施例を図５に基づいて詳説する。図５に示すＬＥＤ表
示装置は、表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示
用に変換する際に、しきい値をダイナミックに調整する
データ変換部１、このデータ変換部１で変換されたデー
タより表示画面全体の平均輝度を測定する輝度測定部
２、表示画面全体の平均表面温度を測定する温度測定部
５、輝度測定部２で測定された平均輝度の高低と温度測
定部５で測定された平均表面温度の高低とに基づき、複
合的に判断してデータ変換部１で用いるしきい値を設定
するしきい値設定部３を備えている。

【００３６】この実施例にあっても、データ変換部１は
図１に示した実施例と同じように映像信号をＬＥＤ表示
信号に変換してＬＥＤ表示装置５に出力し、輝度測定部
２はデータ変換部１において変換されたデータより、画
面全体の平均輝度と輝度ヒストグラムを算出し、温度測
定部５は、図４に示した実施例と同じように、ＬＥＤ表
示装置４の表示画面の複数の適所に配置された温度セン
サからの信号に基づいて表示画面全体の平均温度を測定
する。

【００３７】そしてしきい値設定部３は、輝度測定部２
より得られる輝度データと温度測定部５より得られる温
度データを用い、あらかじめ設定していた設定輝度より
も平均輝度が明るくなった場合、あるいはあらかじめ設
定していた設定温度よりも平均温度が高くなった場合、
それぞれ図１の実施例と同じようにしきい値の再設定を
行ない、あるいは図４の実施例と同じようにしきい値の
再設定を行ない、さらに平均輝度も平均温度もそれぞれ
の設定値より大きくなった場合には、温度に基づく処理
を優先させ、または輝度に基づく処理を優先させ、優先
度の高い方の処理に基づいてしきい値を再設定してデー
タ変換部１に与えるようになっている。

【００３８】次に、上記構成のＬＥＤ表示装置の動作に
ついて説明する。輝度測定部２は、データ変換部１にお
いて変換されたデータから、図１の実施例に示したと同
じく、２５６段階に分けた輝度ヒストグラムを測定し、
また得られた輝度ヒストグラムデータから輝度平均値を
算出し、しきい値設定部３に与える。また温度測定部５
は、ＬＥＤ表示装置４の複数の適所に配置されている温
度センサから温度信号を取り込み、表示画面全体の平均
温度を演算し、これをしきい値設定部３に与える。

【００３９】しきい値設定部３では、輝度測定部２で得
た輝度平均値が設定輝度よりも大きくなっているかどう
か判断し、また温度測定部５で得た平均温度が設定温度
よりも高いかどうか判断する。

【００４０】そして、平均輝度が設定輝度よりも大きく
なっているが、平均温度は設定温度よりも低い場合に
は、平均輝度に基づくしきい値の再設定処理を行なう。
この平均輝度に基づくしきい値の再設定処理は、図２お
よび図３に示した方法による。他方、平均温度が設定温
度よりも高くなっているが、平均輝度は設定輝度よりも
小さい場合には、平均温度に基づくしきい値の再設定処
理を行なう。この平均温度に基づくしきい値の再設定処
理は、図４に示した実施例と同じであり、数２式に基づ
いてしきい値の再設定を行なう。

【００４１】さらに平均輝度も平均温度も共にそれぞれ
の設定値よりも高くなっている場合には、平均温度を優
先させ、数２式に基づいてしきい値の再設定を行なう。

【００４２】そこでデータ変換部１は、しきい値設定部
３で算出したしきい値を用いてデータ変換を行なうこと
により、表示画面全体の輝度を抑え、比較的明るい映像
の映像信号がデータ変換部１に入力されてきても、自動
的に輝度を抑えてＬＥＤ表示画面に表示することができ
るようになり、ＬＥＤ素子の温度上昇を抑え、温度過上
昇に起因する素子破損や素子寿命の低下を抑制すること
ができるようになる。なおこの実施例の場合、平均温度
に代えて平均輝度を優先させて、輝度に基づくしきい値
の再設定処理を行なうようにすることもできる。

【００４３】また測定輝度によるしきい値の再設定処
理、測定温度によるしきい値の再設定処理の方法は、上
記の実施例の方法に限定されず、第一実施例、第二実施
例において例示した他の方法であってもよい。

【００４４】次に、請求項４の発明のＬＥＤ表示装置の
実施例について、図６に基づいて説明する。上記の各実
施例の場合、ノイズ的なデータに反応して表示画面の輝
度を変化させることも起こり得るが、そのような場合に
は、画像の輝度が頻繁に変化してしまって画面がちらつ
き、見づらくなることもあり得る。

【００４５】そこで、請求項４の発明のＬＥＤ表示装置
では、しきい値の再設定処理の実行頻度を抑制すること
ができる構成とする。すなわち、図６に示す実施例のＬ
ＥＤ表示装置は、表示画面に表示させる映像信号をＬＥ
Ｄ表示用に変換する際に、しきい値をダイナミックに調
整するデータ変換部１、このデータ変換部１で変換され
たデータより表示画面全体の平均輝度を測定する輝度測
定部２、表示画面全体の平均表面温度を測定する温度測
定部５、輝度測定部２で測定された平均輝度の高低と温
度測定部５で測定された平均表面温度の高低とに基づ
き、複合的に判断してデータ変換部１で用いるしきい値
を可変設定するしきい値設定部３、そしてこれらに加え
て、しきい値設定部３のしきい値更新設定を、所定の条
件が成立した時に行なう処理制御部６から構成されてい
る。

【００４６】したがって、上記実施例のＬＥＤ表示装置
では、処理制御部６が、ある時間間隔ごとにしきい値処
理の実行を制御するもので、データ変換部１からの出力
または変換前の映像信号よりフレーム数をカウントし、
あるいは自身内にタイマを設け、所定枚数のフレーム数
を数え、またはタイマが所定時間をカウントするごとに
しきい値処理を実行するように輝度測定部２および温度
測定部５に処理指令信号を出力する。

【００４７】そしてこの処理制御部６からの実行指令を
受けて、図５に示した実施例と同じように、輝度測定部
２が表示画面の平均輝度を測定し、また温度測定部５が
表示画面の平均温度を測定し、しきい値設定部３がこれ
らの測定値を受けて、輝度に基づくしきい値の再設定処
理、あるいは表面温度に基づくしきい値の再設定処理を
行ない、データ変換部１に与える。

【００４８】この結果、しきい値の更新設定は一定時間
間隔をおいて行なわれることになり、ノイズ的なデータ
に反応して頻繁にしきい値の更新設定が行なわれるとい
うことがなくなり、ＬＥＤ素子の破損や寿命の低下を抑
制することができると共に、ＬＥＤ表示の見やすさを損
なうこともなくすことができるようになる。

【００４９】なお、この請求項４の発明の実施例の場
合、処理制御部６が一定時間ごとにしきい値設定処理を
行なうようにするのではなく、データ変換部１からの出
力または転換前の映像信号よりフレーム間の輝度差分値
を算出し、その差分値が設定した値よりも大きくなった
場合のみ輝度変化が発生したと判断し、しきい値処理を
実行するように制御するようにしてもよい。

【００５０】また、この請求項４の発明では、図６に示
した実施例に限定されることはなく、請求項１の実施例
として示した図１のＬＥＤ表示装置において、輝度測定
部２の前に処理制御部６を置き、また請求項２の発明の
実施例として示した図４のＬＥＤ表示装置において、温
度測定部５の前に処理制御部６を置き、しきい値設定部
３の処理を一定時間間隔ごとに、あるいはフレーム間の
輝度変化が大きくなった場合にのみ実行するようにする
こともできる。

【００５１】

【発明の効果】以上のように請求項１の発明によれば、
データ変換部によって表示画面に表示させる映像信号を
ＬＥＤ表示用に変換する際に、輝度測定部が、変換され
たデータより表示画面全体の平均輝度を測定し、しきい
値設定部が、輝度測定部で測定された平均輝度の高低に
基づいてデータ変換部で用いるしきい値を可変設定し、
データ変換部において、しきい値設定部が与えるしきい
値に基づき、表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表
示用に変換する際のしきい値をダイナミックに調整する
ようにしているので、表示画面の平均輝度が上昇する場
合にはその平均輝度を抑制する方向にデータ変換部のし
きい値をダイナミックに調整し、表示画面の平均輝度の
上昇を抑え、ひいてはＬＥＤ素子の温度上昇を抑制し、
素子の破損や素子寿命の低下を抑制することができる。

【００５２】請求項２の発明によれば、データ変換部に
よって表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に
変換する際に、温度測定部が表示画面全体の平均表面温
度を測定し、しきい値設定部が、温度測定部で測定され
た平均表面温度の高低に基づいてデータ変換部で用いる
しきい値を可変設定し、データ変換部において、しきい
値設定部が与えるしきい値に基づき、表示画面に表示さ
せる映像信号をＬＥＤ表示用に変換する際のしきい値を
ダイナミックに調整するようにしているので、表示画面
の平均表面温度が上昇する場合にはその平均表面温度の
上昇を抑制する方向にデータ変換部のしきい値をダイナ
ミックに調整し、ＬＥＤ素子の温度上昇を抑制し、素子
の破損や素子寿命の低下を抑制することができる。

【００５３】請求項３の発明によれば、データ変換部に
よって表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に
変換する際に、輝度測定部が、データ変換部で変換され
たデータに基づいて表示画面全体の平均輝度を測定し、
また温度測定部が表示画面全体の平均表面温度を測定
し、しきい値設定部が、輝度測定部で測定された平均輝
度の高低と温度測定部で測定された平均表面温度の高低
とに基づき、複合的に判断してデータ変換部で用いるし
きい値を可変設定し、データ変換部において、しきい値
設定部が与えるしきい値に基づき、表示画面に表示させ
る映像信号をＬＥＤ表示用に変換する際のしきい値をダ
イナミックに調整するようにしているので、表示画面の
平均輝度が上昇し、ひいては平均表面温度が上昇する場
合にはその平均表面温度の上昇を抑制する方向にデータ
変換部のしきい値をダイナミックに調整し、ＬＥＤ素子
の温度上昇を抑制し、素子の破損や素子寿命の低下を抑
制することができる。

【００５４】請求項４の発明によれば、請求項１〜３の
いずれかのＬＥＤ表示装置においてさらに、しきい値設
定部のしきい値更新設定を、所定の条件が成立した時に
行なう処理制御部を備えているので、上記の効果に加え
て、データ変換部のしきい値変更を一定時間間隔で、あ
るいは輝度上昇または温度上昇が所定値を越えて大きく
上昇するような場合に限って実行するようにし、表示画
面の輝度の頻繁な変更をできる限り避け、表示画面の見
やすさを損なわないようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の発明の一実施例の機能ブロック図。

【図２】上記実施例の輝度測定部の動作を示す説明図。

【図３】上記実施例のしきい値設定部のしきい値設定処
理を示す説明図。

【図４】請求項２の発明の一実施例の機能ブロック図。

【図５】請求項３の発明の一実施例の機能ブロック図。

【図６】請求項４の発明の一実施例の機能ブロック図。

【符号の説明】

１ データ変換部 ２ 輝度測定部 ３ しきい値設定部 ４ ＬＥＤ表示装置 ５ 温度測定部 ６ 処理制御部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドット単位またはモジュール単位のＬＥ
   Ｄ素子を多数配置して表示画面を構成しているＬＥＤ表
   示装置において、 前記表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変
   換する際に、しきい値をダイナミックに調整するデータ
   変換部と、 前記データ変換部で変換されたデータより表示画面全体
   の平均輝度を測定する輝度測定部と、 前記輝度測定部で測定された平均輝度の高低により、前
   記データ変換部で用いるしきい値を可変設定するしきい
   値設定部とを備えて成るＬＥＤ表示装置。
2. 【請求項２】 ドット単位またはモジュール単位のＬＥ
   Ｄ素子を多数配置して表示画面を構成しているＬＥＤ表
   示装置において、 前記表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変
   換する際に、しきい値をダイナミックに調整するデータ
   変換部と、 前記表示画面全体の平均表面温度を測定する温度測定部
   と、 前記温度測定部で測定された平均表面温度の高低によ
   り、前記データ変換部で用いるしきい値を可変設定する
   しきい値設定部とを備えて成るＬＥＤ表示装置。
3. 【請求項３】 ドット単位またはモジュール単位のＬＥ
   Ｄ素子を多数配置して表示画面を構成しているＬＥＤ表
   示装置において、 前記表示画面に表示させる映像信号をＬＥＤ表示用に変
   換する際に、しきい値をダイナミックに調整するデータ
   変換部と、 前記データ変換部で変換されたデータより表示画面全体
   の平均輝度を測定する輝度測定部と、 前記表示画面全体の平均表面温度を測定する温度測定部
   と、 前記輝度測定部で測定された平均輝度の高低と前記温度
   測定部で測定された平均表面温度の高低とに基づき、複
   合的に判断して前記データ変換部で用いるしきい値を可
   変設定するしきい値設定部とを備えて成るＬＥＤ表示装
   置。
4. 【請求項４】 前記しきい値設定部のしきい値更新設定
   を、所定の条件が成立した時に行なう処理制御部を備え
   て成る請求項１，２または３に記載のＬＥＤ表示装置。