JPH0742669B2 - セルロ−ス性物質の脱リグニン法 - Google Patents

セルロ−ス性物質の脱リグニン法

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JPH0742669B2
JPH0742669B2 JP61183261A JP18326186A JPH0742669B2 JP H0742669 B2 JPH0742669 B2 JP H0742669B2 JP 61183261 A JP61183261 A JP 61183261A JP 18326186 A JP18326186 A JP 18326186A JP H0742669 B2 JPH0742669 B2 JP H0742669B2
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は製紙用に企図されたパルブを製造するためにリ
グノセルロース物質からリグニンを除去する方法に関す
る。更に詳しく言えば、本発明は脱リグニン性を与えら
れた化学反応体の存在下セルロース性物質を蒸解するこ
とにより製造される化学パルブの分野に関する。
セルロース性物質を蒸解前に過酸化物化合物を含む溶液
での含浸に付することによりセルロース性物質の蒸解効
率を高めようとする試みが長い間なされて来た。
西ドイツ特許第873,649号明細書(Degussa)に、亜硫酸
または重亜硫酸法を用いる蒸解前に、セルロース性物質
を過酸化物化合物の水溶液を用いて前処理すると、生ず
るパルブの白さが向上することが開示されている。この
前処理はまた同等なパルブの白さを得るためにセルロー
スに対しより温和な条件下で、即ち低温で、あるいはよ
り短かい時間で蒸解を行なうことを可能にする(2頁、
51から59行)。
ベルギー特許第678,022号明細書(Degussa)は、過酸化
物化合物の水溶液によるセルロース性物質の前処理を、
強アルカリ性媒質中で行なう同様な方法に関する。この
特許明細書は、この技術を適用すると、パルブの重量収
量を維持しながら後の化学蒸解過程が促進されることを
教示している(3頁、最後のパラグラフ、および4頁の
1行から13行)。
Przeglad Papierniczy、33巻、1977年8月、W.Mrozおよ
びW.Surewicz、 「Modification of the kraft pulping process aimed
at improving the color of the pulp」の中で、クラフ
ト型アルカリ性蒸解の場合、過酸化物化合物によるセル
ロース性物質の前処理はパルブの白さをほんの僅か改善
するに過ぎないことが特に言及され、酸化剤を用いるよ
りもむしろ還元剤、とりわけヒドラジンを用いる含浸前
処理によつてより良い結果が生まれることが該文献に示
されている。
しかし、これらすべての公知の方法は、同等な脱リグニ
ン度を有する通常の化学パルブの粘性および収量と比較
して、一層質低下した、即ち一層粘性の低い、そして重
量収量が一般に低いパルプを生成するという欠点をも
つ。
本発明は、セルロースに本来具なわつている品質と生ず
るパルプの重量収量を保持しながら、高い脱リグニン度
に到達することを可能にする、セルロース性物質の新し
い脱リグニン法を提供することにより、これら公知の方
法の欠点を克服する。
このため、本発明は、第一段階においてセルロース性物
質を酸で処理し、第二段階においては、第一段階からの
セルロース性物質をアルカリ性媒質中過酸化水素で処理
し、そして第三段階においては、第二段階からのセルロ
ース性物質を硫黄含有化合物および酸素から選ばれる少
なくとも一種の化学反応体の存在下で蒸解に付する、セ
ルロース性物質の脱リグニン法に関する。
本発明による「セルロース性物質」という用語は、製紙
工業において未処理原料として用いられる木質植物の断
片をいう。このような原料の例は木材、一年生草本植
物、例えばアルフアルフア、単子葉植物の部類に属する
植物、例えば殻類のわら、竹、エスパルト、い、および
あし、ならびにさとうきび、とりわけ糖を抽出した後の
残留物、さとうきび搾り殻の断片である。とりわけ本発
明は木材の断片に適用される。製紙工業に使用できるあ
らゆる型の樹脂質木材(軟木)または落葉樹(硬木)が
本発明方法に適する。樹脂質木材チップおよび製材所廃
物が特に適当である。
本発明方法における酸処理は、セルロース性物質が一般
に含んでいる金属を前者から除去することを企図する。
水溶液として単独または混合物として用いられる如何な
る無機酸または有機酸も適している。強無機酸、例えば
硫酸または塩酸が適当である。第一段階は、金属イオン
に対する錯体形成剤の存在下で行なうことが適当であ
る。このためには、上記強無機酸と、金属イオンに対し
てイオン封鎖性をもつアミノポリカルボン酸またはアミ
ノポリホスホン酸の群から選ばれる有機酸、またはこれ
らのアルカリ金属塩との混合物が特に適する。適当なア
ミノポリカルボン酸の例は、ジエチレントリアミン五酢
酸、エチレンジアミン四酢酸、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、およびニトリロ三酢酸である。ジエチレントリ
アミン五酢酸(DTPA)が特に好ましい。アミノポリホス
ホン酸の例はジエチレントリアミンペンタメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)
酸、およびニトリロトリ(メチレンホスホン)酸であ
る。ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸
(DTMPA)が特によい。
本発明方法の第一段階における操作条件に特に制限はな
い。それらはセルロース性物質の型および処理が行なわ
れる装置の関数として各個の場合に決定すべきである。
一般に酸および使用量の選択は、媒質が7以下のpH、例
えば0.5から6.5のpHになるように固定すべきであり、特
に有利なpH値は1.0から4.0の値である。
温度および圧力に特に制限はなく、室温および大気圧が
一般に適している。処理の長さは、用いた装置の型、酸
の選択、温度および圧力により広い範囲内で、例えば処
理を容器中セルロース性物質の浸漬により行なう場合に
は30分から数時間まで、また処理すべきセルロース性物
質を積み重ねたカラム中での浸出により行なう場合には
1分から120分を変化しうる。
本発明方法のもう一つの具体例においては、第一段階の
前にセルロース性物質を水蒸気処理に付することができ
る。この処理の目的は、後に続く含浸操作を容易にする
ことにある。
本発明方法の第二段階で用いる過酸化水素の役割は、セ
ルロース性物質の脱リグニンを促進することと、後に続
く蒸解段階における炭化水素の劣化を遅らせることであ
る。使用すべき過酸化水素の最適量は、セルロース性物
質の給源に依存する。一般に、乾燥セルロース物質100g
当り0.1gより多い過酸化水素を用いねばならない。乾燥
セルロース性物質100g当り3gより多い過酸化水素量は、
迅速な脱リグニンを起こさせるのに滅多に必要でない。
通常は、乾燥物質100g当り0.5から2gの割合で過酸化水
素を使用する。乾燥物質100g当り0.7から1.5gの過酸化
物の割合が最良の結果を与えた。
用いる過酸化水素は無水過酸化水素でもよいが、なるべ
くは水溶液、例えば重量濃度が溶液100g当り純過酸化水
素25gから90gである市販過酸化水素水溶液あるいは酸素
の電気化学的還元により得られた過酸化水素の希アルカ
リ性水溶液がよい。
本発明方法において、アルカリ性過酸化水素によるセル
ロース性物質の処理は、例えば過酸化水素の分解の抑制
剤および安定剤といつた添加物存在下に行なうことがで
きる。このような添加物は、例えば金属イオン、例えば
マグネシウム塩に対する無機または有機金属イオン封鎖
剤、アミノポリカルボン酸、あるいは水ガラス品等のケ
イ酸ナトリウムである。また使用できる他の添加物は界
面活性剤、湿潤剤、解重合を防止するためにセルロース
鎖を保護できる薬剤、活性化剤あるいは腐食防止剤であ
る。導入される添加物の量は、一般にセルロース性物質
の重量の1%より多くてはいけない。大抵の場合、これ
ら物質の重量の0から0.5%である。
本発明方法の第二段階においては、塩基性可溶性物質の
添加によりアルカリ性媒質をつくる。アンモニア、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の無機炭酸塩および水
酸化物、例えばナトリウム、カリウムまたはカルシウム
の炭酸塩、およびナトリウム、カリウムまたはカルシウ
ムの水酸化物が一般に使用される。アルカリまたはアル
カリ土類金属酸化物または過酸化物、例えばNa2O、Na2O
2、CaOおよびCaO2も適当であり、そして過酸化物の場合
には、本法の第二段階で導入される過酸化水素の一部の
添加と置き換えることができる。水酸化ナトリウムは、
その入手容易性および低コストの理由で普通は特に適し
ている。使用すべき塩基性物質の量は、過酸化物溶液の
pHを11から13.5、なるべくは12から13に調節するように
選ばれる。
本発明方法の第二段階の操作条件もまた、特にセルロー
ス性物質の型および用いる装置の型によりかなり広い範
囲内で変化しうる。このように、第二段階の間によく用
いられる圧力は2kPaから10Mpaの範囲内にあり、そして
温度は290Kから380Kの範囲内にある。第二段階におい
て、アルカリ性媒質中過酸化水素による処理は、一般に
2分より長時間、そして180分を越えない時間行なわれ
る。
本発明の一つの特別な具体例においては、処理すべきセ
ルロース性物質を、2.5:1を越えない、なるべくは1:1か
ら2:1にわたる液対木材重量比で、アルカリ性過酸化水
素にさらす。この特に適当な具体例では、第一段階から
生じたセルロース性物質を、密閉反応器中で予熱したア
ルカリ性過酸化水素液で含浸し、次にセルロース性物質
に含浸されなかった余分の液を反応器から排水し、次に
これを反応温度に加熱する。
この特に適当な具体例では、反応前の過酸化水素液中セ
ルロース性物質の浸漬は一般に5分以下を必要とする。
しかし、これは通常30秒未満では行なうことができな
い。過酸化物液の温度は、反応器内でよく用いられる温
度よりも大抵の場合5から20K高く選び、これを加熱ジ
ヤケツトにより15から120分保つ。310から360Kの反応温
度が適当である。温度323Kで反応時間45分の場合に最良
の結果が得られた。
本発明方法の第三段階は、第二段階から生じたセルロー
ス性物質を、少なくとも1種の化学反応体存在下でアル
カリ性蒸解にかけることからなる。「化学反応体」とい
う用語は、亜硫酸ナトリウムまたはマグネシウムを用い
る蒸解、重亜硫酸ナトリウム、マグネシウムまたはカル
シウムを用いる蒸解、亜硫酸水素ナトリウム、マグネシ
ウムまたはカルシウムを用いる蒸解、および硫酸ナトリ
ウムによる蒸解、あるいはクラフト蒸解の名称で、紙パ
ルブ工業でよく知られた蒸解に使用されるような酸性ま
たはアルカリ性含硫黄物質を言う。酸素蒸解も化学反応
体を用いる蒸解の範ちゆうに含まれる。
本発明方法の第三段階に対する最適操作条件は種々な要
因、とりわかセルロース性物質の給源によつて左右さ
れ、そしてこれらは各個の場合に容易に決定できる。
本発明方法の特に適当な具体例においては、セルロース
性物質の水洗を第二段階と第三段階との間で行なう。前
記具体例は、硫黄含有反応体を用いて第三段階を実施す
る場合に有利である。この洗浄は、第二段階の間に生じ
た水溶性物質の少なくとも一部分をセルロース性物質か
ら除去すること、および尚存在する過酸化水素の最後の
痕跡量を抽出して第三蒸解段階で用いる硫黄含有反応体
の不必要な酸化を回避することを意図する。
本発明方法は、処理されるセルロース性物質の脱リグニ
ンを著しく促進して化学反応体による第三段階の蒸解に
要する時間を短縮させることができる。これは蒸解装置
の寸法を相当に減少させるという大きい利点を生み、そ
の結果空間の節約と資本価格の低下が得られ、他方、ま
たは与えられた蒸解装置による処理量の増加が得られ
る。
本発明はまた同等な脱リグニン度において、蒸解段階の
化学反応体の量をかなり減少させることができる。この
ことは化学反応体の実質的な節約につながり、とりわけ
硫黄含有化学反応体を用いた場合の気体および液体の硫
黄含有廃棄物による環境汚染を減少させる。
最後に、本発明はまた、先行技術の方法で製造されたも
のより高い粘性をもつ化学パルプを、より好重量収量
で、従つてより低コストで生産する。
下記の実際の具体例は本発明を説明しようとするもので
あつてその範囲を制限するものではない。
最初の試験系列(試験1から6R) 以下に述べる試験1から6Rは、セルロース性物質の化学
蒸解法の成績に本発明が貢献する利益を実証することを
意図する。
試験1:(本発明による) タエダマツ(Pinus taeda)木材粉(40メツシユふるい
を通過し、60メツシユTyler標準ふるい上に留まる粒径
部分)を、室温で木材粉を0.1M HCl溶液液中に4時間浸
すことにより行なう塩酸処理にかけた。この水溶液は処
理される木材粉の重量の40倍に等しい量(重量で表わ
す)で用いた(第一段階)。
乾燥物質10gと等価の量で、第一段階から生じた木材粉
を、ポリテトラフルオロエチレンの被覆物で内部を内張
りした200ml反応器に導入した。ポリエチレングリコー
ル浴中で反応器を323Kに予熱後、過酸化水素0.04M、水
酸化ナトリウム0.5MおよびMg++0.001Mの水溶液150gを反
応器に導入した。次に反応器を353Kに30分間加熱し、次
にこの最後の温度に15分間保つた。次に反応器を冷却
し、木材粉を洗浄した(第二段階)。
第二段階から生じた木材粉を、次にかきまぜ機を取付け
た容量450mlの実験室用ステンレス鋼オートクレーブ中
で、水性Na2SおよびNaOH液の存在下にクラフト蒸解にか
けた(第三段階)。この蒸解の操作条件は次の通りであ
つた。
液中の活性アルカリ:Na2O20g/液1液の硫化物濃度:25
% 液/乾燥木材粉重量比:40:1 温度と時間:室温から443Kまでの加熱90分 そして443Kに52.5分保持。
試験 2R(比較) この比較試験における条件は試験1のそれと同一である
が、ただし処理の第一段階を実施しなかつた。
試験 3R(比較) 試験1と同一であるが、ただし処理の第二段階を行なわ
なかつた。
試験 4Rから6R(比較) これらは従来のクラフト蒸解である。実施しなかつた段
階1と2を除外して操作条件は試験1と同じとした。し
かし、試験5Rおよび6Rにおいては、443Kにおける蒸解時
間をそれぞれ60分と75分に増した。
蒸解段階の終りで、生じたパルブを三つの観点、即ちカ
ツパー数、全重量収量、および粘性から分析した。これ
ら分析に用いた方法は次の標準法であつた: カツパー数:TAPPI 規格T236 粘 性 :TAPPI 規格T230 得られた結果を表Iに示す。
試験1の結果と試験2R、3Rおよび4Rのそれとの比較は、
後の蒸解段階の終りでのパルプ粘性に及ぼす本発明の第
一および第二段階の併用の予期せざる相乗効果を示す。
更にまた、本発明方法の最初の二つの段階の順次の使用
は、全く意外にも、酸化剤の作用によるパルブ粘性の厳
しい降下を除くことを可能にしたことがわかり、試験1
と試験4Rとの比較も、本発明方法により生じたパルブ粘
性の改善を示す。
試験5Rと6Rは、試験1で生じたそれと等価の脱リグニン
度(カツパー数により測る)に対し、蒸解段階だけを用
いて(先行技術の方法による)脱リグニンしたパルプの
重量収量および粘性を評価するため比較のため行なつ
た。本発明により与えられる利点は化学蒸解の時間に関
する限りにおいて直接見ることができる。また本発明方
法はより良い粘性のパルプをより高い重量収量で提供す
る。
二番目の試験系列(試験7から11R) 下記に記述される試験7から11Rもまたセルロース性物
質の化学蒸解法の成績に及ぼす本発明の効果を実証する
ことを意図する。
試験7:(本発明による) これら試験においては、タエダマツ(Pinustaeda)木材
チツプ300gを流体漏れのないカバーを取付けたジヤケツ
ト付きガラス反応器に入れた。カバーは二つの開口部を
もち、第一は真空装置に連絡され、第二は管状プローブ
が反応器の底まで入れるようにする。このプローブは反
応体の貯蔵タンクに連結され、そして後者は三路弁を経
て真空ポンプとあるいは大気と連絡する。
次に、チップを室温でNa5DTPA0.003MおよびH2SO40.1Nの
水溶液に、真空管機構により生じた減圧により溶液を反
応器内に引き入れることにより浸した。乾燥木材重量の
8倍に等しい重量の水溶液を用いた。4時間の含浸後、
各々2時間の三つの洗浄サイクルを、乾燥木材重量の8
倍に等しい洗浴重量で行なつた(第一段階)。
H2O20.3M、NaOH0.5M、およびMg++イオン0.001Mの323Kに
予熱した水溶液を次に反応器に入れた。この溶液は乾燥
木材重量の6倍に等しい量(重量で表わす)で用いた。
2分間含浸後、管状プローブにより過剰の液を反応器か
ら引き出した。次に、ジヤケツト中を循環する323Kにサ
ーモスタツトした水で反応器を加熱することにより反応
を気相で45分間行なつた(第二段階)。
次に第二段階から生じたチツプを、ステンレス鋼反応器
中液相において通常のクラフト蒸解にかける。熱入力は
反応器をオーブンにより生じた熱空気環境の中に置くこ
とによりつくり出した。このクラフト蒸解の操作条件は
次の通りであつた: 液中の全活性アルカリ:Na2Oとして表わして 20% 液の硫化物濃度:25% 液/乾燥木材重量比 5:1 温度および時間:443Kまでの加熱60分、その後443Kで45
分。
試験 8R:(比較) 条件は試験7と同一であるが、ただし処理の第一段階を
実施しなかつた。
試験 9R:(比較) 試験7と同一であるが、ただし過酸化水素による第二段
階の処理を実施しなかつた。
試験10Rおよび11R:(比較) これらの試験においては、通常のクラフト蒸解の第三段
階だけを、試験7における第三段階と同じ条件下で行な
つた。しかし、試験11Rの場合に、活性アルカリの割合
をNa2O26%まで増加させた。
蒸解段階の終りで生じたパルプを、試験1から6Rと同じ
方法を用いて同じ観点から分析するが、ただし粘性に関
する場合を除く。
結果を表IIに示す。
本発明方法に従つて実施した試験7の結果と試験11Rと
の比較は、等価な脱リグニン度において、本発明方法が
蒸解後、より高い重量収量でクラフトパルブを与えるこ
とを示す。
試験7、8R、9Rおよび10Rも最初の試験系列におけるよ
うに、最初の二つの段階の組合わせが本発明方法におけ
る予想外の相乗効果を生んだことを示す。
三番目の試験系列(試験12および13) 試験12および13は両方とも本発明によるものであり、本
発明の特別な具体例により与えられる利点を実証するこ
とを意図しており、そして本法の第二および第三段階の
間にセルロース物質の水洗をはさむことからなる。
本法の第一段階および第二段階は、前述した二番目の試
験系列で行なわれるものと同一であつた。
試験12においては、本法の第三段階を直接行なうが、試
験13では三回の洗浄サイクルを先ず熱水を用いて、各々
2時間続けて行ない、用いる水の量(重量)は乾燥木材
の重量の8倍に等しい。
第三段階においては、クラフト蒸解熱による含浸を下記
の操作条件を生ずるように行なう: 活性アルカリ:Na2Oとして表わして20% 硫化物濃度:25% 液/乾燥木材重量比: 5:1 温度および時間:443Kまでの80分加熱、それに続き443K
に30分保持。
蒸解後、生じたパルブを最初の例の系列におけるように
分析した。結果を表IIIに示す。
これらの結果は、本発明方法の第二段階と第三段階との
間の中間洗浄操作の恩恵を強調している。
これらは、生ずるパルブの重量収量および粘性をより効
果的に維持しながら、脱リグニン度の増加に対する有益
な効果を説明している。
四番目の試験系列(試験14から16) 本発明による試験14から16の目的は、本発明方法の第二
段階における過酸化水素処理中のpHの影響を説明するこ
とにある。これらの試験は、最初の試験系列におけると
同じ操作条件下でタエダマツ(Pinus taeda)木材粉に
ついて行なつたが、ただし第二段階におけるNaOHの量
を、反応開始時にこの段階におけるpHを10.1から12.9の
範囲で変化させるように調節した。
結果を表Vに示す。
最も有利なカツパー数は第二段階におけるpHが12から13
である試験16のそれであつた。pH増加は収量低下に顕著
な影響を及ぼさない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース性物質の脱リグニン法におい
    て、第一段階においてセルロース性物質を酸で処理し、
    第二段階においては第一段階からのセルロース性物質を
    アルカリ性媒質中過酸化水素で処理し、そして第三段階
    においては第二段階からのセルロース性物質を硫黄含有
    物質および酸素から選ばれる少なくとも1種の化学反応
    体の存在下に蒸解に付することを特徴とする、上記方
    法。
  2. 【請求項2】第一段階を1から4のpHで行なう、特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】第一段階を無機酸存在下に行なう、特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】第一段階を金属イオンに対する錯体形成剤
    の存在下に行なう、特許請求の範囲第1項から第3項の
    いずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】第三段階はクラフト蒸解である、特許請求
    の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】第二段階を初期pH12から13で行なう、特許
    請求の範囲第1項から第5項までのいずれか1項に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】第二段階を313から353Kの温度で10から60
    分間行なう、特許請求の範囲第1項から第6項までのい
    ずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】乾燥セルロース性物質100g当り0.5から2g
    量の過酸化水素を用い、1:1から2:1に保たれた液対木材
    重量比を用いて第二段階を行なう、特許請求の範囲第1
    項から第7項までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】第二段階における過酸化水素を水溶液とし
    て用いる、特許請求の範囲第1項から第8項までのいず
    れか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】セルロース性物質は樹脂質木材チツプの
    群から選ばれる木材チツプである、特許請求の範囲第1
    項から第9項までのいずれか1項に記載の方法。
JP61183261A 1985-08-05 1986-08-04 セルロ−ス性物質の脱リグニン法 Expired - Lifetime JPH0742669B2 (ja)

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JP (1) JPH0742669B2 (ja)
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AU (1) AU591508B2 (ja)
BR (1) BR8603671A (ja)
CA (1) CA1282911C (ja)
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