JPH0742177B2 - 中空炭素質球状体の製造方法 - Google Patents

中空炭素質球状体の製造方法

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JPH0742177B2 JP4335597A JP33559792A JPH0742177B2 JP H0742177 B2 JPH0742177 B2 JP H0742177B2 JP 4335597 A JP4335597 A JP 4335597A JP 33559792 A JP33559792 A JP 33559792A JP H0742177 B2 JPH0742177 B2 JP H0742177B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重質瀝青物であるピッチ
類粉末をヨー素で処理した後,熱処理することによっ
て,軽量,耐熱性,耐薬品性を有する中空炭素球状体を
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般の炭素材料は軽量かつ耐熱性であ
り,弾性率,高温強度が高い特性を有するため工業的基
礎材料の1つとして多方面で使用されている。さらに軽
量な炭素材料としてはカーボンフォーム,多孔質炭素,
中空炭素球等がある。
【0003】カーボンフォームはポリウレタンやフェノ
ール樹脂を発泡,硬化させた後,焼成するか,中空炭素
球をバインダーで成形,焼成することによって製造され
ている(例えば,USP3302999,稲田ほか,
「炭素」,No.69,36頁,1972年)。これらは
かさ密度が0.5g/cm3程度のブロック状のもので
ある。多孔質炭素は活性炭が代表的なものであるが,活
性炭のような数nm以下の吸着機能を有する細孔を持つ
ものではなく,さらに大きな孔を有する粒状体がある。
これはピッチ,炭素質メソフェース等の炭素質材料粉末
にニトロ基を導入し,300℃以上の温度で加熱,発泡
させたもので,充填密度が0.1−0.5g/cm3
あり,これに圧縮荷重を加えて体積を大きく変えても荷
重を除くことにより元の体積に戻るいわゆる弾性回復能
を有する弾性体である(特開昭63−139080号公
報)。中空炭素球としては中空フェノール樹脂球を焼成
して製造するもの。発泡剤を加えた特定性状のピッチを
急速加熱して溶融,噴霧して中空球とし,焼成して製造
される(天城,「Materials」,16巻,31
5頁,1971年)。これは粒径約75−250μmの
真球に近いかさ密度0.1−0.3g/cm3のもので
ある。さらに,発泡ポリスチレン球を芯材とし,この球
の表面に石炭粉末を造粒によって付着させた後,焼成し
てポリスチレン球を分解,除去する炭素中空球の製造方
法も提案されている(小林他,「炭素」,No.72,
25頁,1973年)。これは球の外径0.7−12m
m,かさ密度0.4−0.5g/cm3のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように,多泡質炭
素や炭素中空球の製造にはいくつかの方法が提案されて
いるが,本発の方法はこれらの方法とは異なる考えに基
づいた新しい方法を提案するものである。すなわち,特
開昭63−139080号の発明では導入したニトロ基
が分解するとき,発生する熱とガスによって発泡させる
ものであり,天城の方法は特定の性状を持つピッチを急
速加熱による溶融と噴霧による球形化,発泡剤から発生
するガスによって発泡させるものであり,さらに,小林
らの方法は熱分解によって容易に除去されるものを芯材
に使用するものである。これに対して,本発明の方法は
ピッチ粒子表面を硬化させ,加熱することによって内部
の未硬化ピッチが溶融すると共に,それから発生するガ
ス成分によって発泡させるものである。
【0005】したがって,本発明の第1の目的は上記の
新しい中空の炭素球状体を製造方法を提案することにあ
り,第2の目的は天城の方法に見られるような特定の性
状のピッチから炭素中空体を製造するのではなく,軟化
点を有する通常のピッチを用いることが出来る方法を提
案することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明の方法は重質瀝青
物であるピッチを適当な粒度に粉砕し,これをヨー素蒸
気中で処理した後,必要ならば吸着しているヨー素を回
収し,ついで,400℃以上の温度で熱処理することに
よって中空の炭素球状体を製造するものである。
【0007】重質瀝青物であるピッチは石炭系,石油系
のいずれでも用いることが出来る。例えば,石炭系では
コールタールピッチであり,石油系では原油の蒸留残渣
油,FCCデンカントオイル,ナフサタールの重質瀝青
物を熱処理によってピッチとしたものが挙げられる。こ
れらのピッチの軟化点は150−350℃,望ましくは
150−300℃である。それは,適当な粒度に粉砕し
たピッチをヨー素蒸気中で処理したとき,この処理温度
よりも少なくとも50℃以上高くないと,処理中に溶融
するためである。しかし,軟化点が300℃以上と高く
なると,ヨー素処理後の熱処理によって球形化させるた
めのヨー素蒸気中での処理条件の設定が非常に困難とな
り,処理条件がゆるやかであると粒子は融着し,それよ
りわずかに条件を厳しくすると発泡せず,形状が変化し
ないものとなる。350℃以上になるとヨー素処理をわ
ずかに行っても溶融しないものに変化し,球形化は不可
能に近い。さらに,塊状であるピッチは粉砕して粒度を
調整するが,この粒度は0.05−1mmの範囲が望ま
しい。これより小さくなると,ヨー素の処理条件の設定
が非常に困難となる。すなわち,処理条件がゆるやかで
あると熱処理時に溶融するし,それよりわずかに条件を
厳しくすると全く溶融しなくなりピッチ全体が硬化し,
発泡しなくなる。また,粒子が1mm以上と大きくなる
と,発泡しても球状ではなく,いも虫状の,しかも孔の
多いものとなり,中空球体とはいえないものとなる。
【0008】粒度を調製したピッチはヨー素中で処理す
る。この処理にはヨー素蒸気中での処理する気相法と
水,低級アルコール,ヘキサン等の炭化水素にヨー素を
溶解させ,その中にピッチを入れて処理する液相法があ
る。しかし,本発明では液相法は用いることが出来な
い。それはピッチ中に球形化に必要なヨー素量を吸着さ
せることが出来ないためである。ヨー素蒸気中での処理
はヨー素は融点113℃,沸点184.5℃の蒸気圧の
高い物質であるので,ヨー素結晶を加熱して蒸気を発生
させ,この蒸気中にピッチを置き吸着させる。具体的に
はヨー素蒸気中での処理ではヨー素は腐食性が強いの
で,蓋のあるガラス製容器にヨー素を入れ,ピッチを入
れた蓋のないガラス製容器をその上に置き,あらかじめ
所定の温度に加熱した炉中で所定時間放置する。この処
理によってヨー素はピッチに吸着され,その量は重量増
加として示される。この吸着量はピッチの種類,軟化点
および粒度によって異なるが,約80−250%の範囲
である。この量より少ないと,次の熱処理時に溶融し,
塊状物となる。また,多くなると粒子全体が硬化し,中
空体とはならない。
【0009】このようにしてヨー素処理したピッチは少
なくともピッチの軟化点以上の温度で熱処理する。好ま
しくは400℃以上の温度で熱処理する。中空球状体に
なるための最低温度は昇温速度に影響されるようであ
る。すなわち,昇温速度が遅いと低い温度が,急速であ
ると高い温度が必要である。さらに,この熱処理によっ
て吸着したヨー素は大部分ガスとして排出されるので,
回収することが出来る。また,吸着したヨー素を回収す
るためにヨー素処理したピッチからあらかじめ前処理に
よってヨー素を除去した後,熱処理を行ってもよい。こ
の場合にはヨー素処理したピッチを常圧または減圧下で
ピッチの軟化点以下の温度で加熱するかあるいはヨー素
の良溶剤である低級アルコール等の有機溶剤や水に入れ
て溶解させる。このヨー素を除去する前処理を行っても
中空化には何等影響を与えない。
【0010】このようにして得られた中空球状体は熱処
理温度が約500℃以下のものは未だ水素を含有する炭
化水素である。これを炭素にするには800℃以上に加
熱する必要があり,さらに,2000℃以上の加熱処理
で黒鉛球状体となる。この熱処理によって形状に特に変
化はない。なお,炭素材では約1500℃以下の温度で
焼成したものを炭素質,約2000℃以上で焼成したも
のを黒鉛質と呼称しているが,本発明では炭化水素より
構成される中空球体から黒鉛質のそれまで総称して炭素
質と呼ぶ。
【0011】得られる中空炭素質球状体は用いたピッチ
の粒度よりわずかに大きいものであり,重量と最密充填
したときの体積から求めた充填密度は0.3−0.6
(g/cm3)である。この球状体の壁を構成する組織
はピッチのそれと同じである。すなわち,光学的に異方
性な炭素質メソフェースを含有するピッチ(メソフェー
スピッチ)では球の表面に平行に炭素層面が配列した異
方性組織であり,光学的に等方性なピッチを用いた場合
には特に明確な配列を示さない光学的等方性組織とな
る。したがってピッチの組織によって中空球状体のそれ
を決めることが出来る。
【0012】
【実施例】以下,本発明の方法を実施例によってさらに
詳細に説明する。
【0013】実施例1 フリーカーボンをキノリン不溶成分として除去したキノ
リン可溶コールターピッチ300gを500mlの3口
円筒形フラスコに入れた。中央孔にフラスコ底に達する
ガラス管を差込み,側孔に温度計と分解生成物溜出管を
取り付けた。中央孔の管から窒素ガスを毎分2L吹き込
みながら,430℃で30分間熱処理した。得られたピ
ッチは軟化点231℃であり,偏光顕微鏡による組織観
察から光学的等方性であった。このピッチを粉砕し,フ
ルイで1.19−0.71mm(以下,この粒度のもの
を粒度Aで表す。),0.71−0.25mm(同粒度
B),0.25−0.105mm(同粒度C),0.1
05−0.053mm(同粒度D)および0.053m
m以下(同粒度E)に分けた。
【0014】これらのピッチ粒子を内径20mm,高さ
50mmのガラス瓶に1g入れた。ヨー素粉末を入れた
内容積500mlのガラス製試薬瓶にピッチを入れた蓋
をしていないガラス瓶を置き,試薬瓶の蓋をした後,あ
らかじめ120℃に加熱した恒温炉に入れ,1−8時間
処理した。この処理過程で時々ピッチを入れた瓶を振動
させてピッチの攪拌を行った。ヨー素処理したピッチを
磁性皿に入れ,管状炉中,窒素ガスを流しながら毎分1
0℃の昇温速度で1000℃まで加熱し,30分間保持
して熱処理した。このようにして得られたものを走査型
電子顕微鏡(SEM)で形状を観察すると共に樹脂に埋
め込んで研磨し,断面を顕微鏡で観察した。さらに,5
mlのメスフラスコに炭素化物1gを入れ,その高さか
ら体積を測定して充填密度を求めた。得られた結果をま
とめて表1に示す。なお,炭素化処理の収率は原料ピッ
チに対する割合である。なお,表1の実験No.1,2,3,9,1
0および12は比較例である。
【0015】
【表1】
【0016】球状物の走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察したところ球状であり,また,この球状物を樹脂に埋
め込み,研磨した後,反射偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ,壁の厚さは約30μmであり,その組織は等方性で
あった。
【0017】実施例2 実施例1で用いたコールタールピッチを実施例1と同様
にして430℃,120分間熱処理した。得られたピッ
チは軟化点288℃であり,その組織観察から大部分光
学的異方性であり,その異方性量は98%であった。こ
のピッチを粉砕し,実施例1と同様にしてヨー素処理を
行った後,1000℃で炭素化した。このようにして得
られた炭素化物の形状および充填密度をまとめて表2に
示す。なお,表2の実験No.16-19,23,25,30,33および36
は比較例である。
【0018】
【表2】
【0019】 これらの球状物をSEMで形状を観察し
たところ球状であった。その代表的なものとして表2の
実験No.27の球状体を図1に示す。また,これを樹脂に
埋め込み,研磨して反射偏光顕微鏡で観察したところ,
図2に示したように,中空であり,壁の厚さは約40μ
mであり,かつ,その組織は炭素層面が壁に対して平行
に配列した光学的異方性であった。
【0020】実施例3 実施例1および2で用いたピッチの粒度B(0.25−
0.71mm)のものを実施例1のピッチでは120
℃,3時間,実施例2のピッチでは120℃,1時間ヨ
ー素蒸気中で処理した。ついで,吸着したヨー素を回収
するために減圧処理とエタノール抽出処理を行った。減
圧処理は0.1Torrの減圧下,50℃,15時間脱
気処理した。エタノール抽出処理は約200倍量のエタ
ノール中にヨー素処理ピッチを入れ,攪拌しながら27
℃,20時間放置した後,ガラスフィルターでろ過し,
エタノールで着色しなくなるまで洗浄した後乾燥した。
これらのピッチ粉末を実施例1と同様にして1000
℃,30分間熱処理した。得られた結果をまとめて表3
に示す。なお,収率は用いた原料ピッチに対する割合で
ある。熱処理物をSEMと反射偏光顕微鏡で形状,組織
を調べたが,ヨー素回収処理を施さなかった場合と同様
であった。
【0021】さらに,減圧下で脱気処理したピッチを昇
温速度および最高温度を変えて熱処理した後,充填密度
を測定した。得られた結果を表4にまとめて示したが,
収率は用いた原料ピッチに対する割合である。なお,表
4の実験No.41,44,45,47,48および52は比較例である。
【0022】
【表4】
【0023】表4の結果から,充填密度の低い球状体を
得るには低速の昇温速度で400℃以上で熱処理する
か,急速昇温では温度を高くする必要のあることが分か
る。さらに,400℃で得た実験No.50の球状体を元素
分析したところ,炭素含有量94.3%,水素含有量
2.3%,窒素含有量0.3%であり,この球状体は炭
化水素であった。
【0024】さらに,表3の脱気処理後,1000℃で
熱処理した球状物(実験NO.37,39)をタンマン炉でアル
ゴンガス気流中,1500,2000および2800℃
で60分間保持して処理した。得られた球状体の形状を
SEMで,反射偏光顕微鏡で組織を観察したところ10
00℃処理のものとほぼ同様であった。表5に収率およ
び充填密度を示す。なお,収率は原料ピッチに対する割
合である。
【0025】
【表5】
【0026】比較例1 軟化点77℃のコールタールピッチ300gを500m
lの円筒形フラスコに入れ,窒素ガス気流中,攪拌しな
がら430℃で3.5時間熱処理し,軟化点368℃の
ピッチを得た。このピッチを0.25−0.71mmに
粉砕し,80℃のヨー素蒸気中で1時間処理した。この
ものの収率は160.6(wt%)であった。これを昇
温速度10℃/minで1000℃まで熱処理したとこ
ろ形状が変化しない炭素粉末となった。そこで,80℃
でのヨー素処理時間を10および30分とし,収率はそ
れぞれ121.3および142.6wt%のヨー素処理
物を得た。これを上記と同様にして1000℃まで熱処
理したが,同様に不融であった。
【0027】実施例4 ナフサの熱分解によるエチレン製造時に副生する重質油
分であるナフサタールピッチおよび流動接触分解法(F
CC法)で副生するFCCデカントオイルを出発原料と
した。これらの原料を500ml円筒形フラスコに30
0g入れ,ナフサタールピッチでは430℃,60分
間,FCCデカントオイルでは460℃,120分間熱
処理した。得られたピッチの軟化点はナフサタールピッ
チは218℃,FCCデカントオイルでは203℃であ
った。これらのピッチを0.25−0.71mmに粉砕
し,実施例1と同様にしてヨー素蒸気中で処理した後,
昇温速度10℃/minで1000℃まで熱処理した。
得られた結果をまとめて表6に示す。なお,表6の実験
No.55,58および62は比較例である。
【0028】
【表6】
【0029】比較例2 石油の減圧蒸留残渣油であるアスファルト300gを5
00ml円筒形フラスコに入れ,420℃,15分間熱
処理し,軟化点137℃のピッチを得た。このピッチを
0.71−0.25mmに粉砕し,実施例1と同様にし
てヨー素処理した。80℃でヨー素処理した場合,1お
よび3時間処理では粒子の形状であったが,5時間処理
では粒子が互いに融着し,8時間処理では粒子の形状を
とどめない程度まで溶融した。100℃では1時間処理
ですでに溶融した状態となった。粒子の形状を保持して
いた80℃,3時間処理のものを1000℃で熱処理し
たところ溶融し,塊状発泡体となった。
【0030】実施例5 比較例1で用いた同様のアスファルト300gを500
ml円筒形フラスコに入れ,420℃,45分間熱処理
した。得られたピッチの軟化点は209℃であった。こ
のピッチを0.71−0.25mmに粉砕し,実施例1
と同様にしてヨー素処理した。ついで,1000℃まで
焼成し,生成物の状況を調べた。得られた結果を表7に
示す。なお,表7の実験No.63および66は比較例であ
る。
【0031】
【表7】
【0032】
【発明の効果】ピッチ粉末にヨー素を吸着処理し,熱処
理によって中空化させる簡単な操作によって中空炭素質
球状体を製造することが出来る。その理由は次のようで
あると推定される。すなわち,ヨー素はピッチ繊維の不
融化処理に見られるように,ピッチを熱可塑性から熱硬
化性に変換させる効果がある。この効果をピッチ粒子に
適用した場合,粒子表面から硬化が始まると推定され
る。粒子表面付近のみを硬化させたピッチ粒子を加熱す
ると内部は溶融,分解し,これによって発生したガスに
よって発泡すると思われる。
【0033】本発明の方法の特徴を列記すると次のよう
である。 (1)軟化点が約150−300℃のピッチであればその
種類は問わない。 (2)80−130℃の比較的低温でヨー素処理を行うと
いう簡単な操作で目的を達成することが出来ると共に,
大部分のヨー素は回収することが出来る。 (3)発泡操作であるヨー素処理物の熱処理も約400℃
と比較的低い温度である。このことは得られる中空球は
未だ炭化水素であるので,種々の化学反応性を有するこ
とを意味する。したがって,表面改質が可能である。
【0034】本発明によって得られる中空炭素質球状体
は従来の炭素中空球と同様に軽量充填材や賦活による中
空活性炭として使用することが出来る。また,400−
500℃で中空化したものは炭化水素であるので,イオ
ン交換基等の導入により軽量交換体の製造も可能である
と共に,交換基としてスルホン基を導入した場合はこれ
を800−1000℃で熱処理することによってスルホ
ン基は分解してスルホ基となり,これは水との濡れ性に
優れているので,炭素の疎水性表面を改質することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2,実験No.27で得られた球状体の走査
型電子顕微鏡写真(100倍)である。
【図2】実施例2,実験No.27で得られた球状体の断面
の反射顕微鏡写真(250倍)である。
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点150−300℃、0.05−1m
    mの大きさであるピッチ類粉末をヨー素蒸気中で重量増
    加量で表されるヨー素吸着量が80−280重量%にな
    るように80−130℃で処理した後、400℃以上の
    温度で熱処理することを特徴とする中空炭素質球状体の
    製造方法。
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