JPH0740353A - ベルトの製造方法 - Google Patents

ベルトの製造方法

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JPH0740353A
JPH0740353A JP18476493A JP18476493A JPH0740353A JP H0740353 A JPH0740353 A JP H0740353A JP 18476493 A JP18476493 A JP 18476493A JP 18476493 A JP18476493 A JP 18476493A JP H0740353 A JPH0740353 A JP H0740353A
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JP
Japan
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belt
tensile
molded body
belt molded
tensile stress
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JP18476493A
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Kazuyoshi Tani
和義 谷
Takehiro Hayashi
丈浩 林
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステル繊維からなる抗張体がその長さ
方向に引張応力をかけられた状態で加硫ゴムに埋設され
た伝動ベルトを製造する際に、上記抗張体の引張応力を
短時間のうちに安定させることができるようにし、もっ
てベルトの初期伸びを少なくして高いレベルで張力を維
持できかつ寸法のばら付きが少なくなるようにする。 【構成】 ドラム金型に巻き付けられた未加硫ゴムシー
トの上に抗張体を引張応力をかけた状態でスパイラル状
に巻き付け、その上にさらに未加硫ゴム付き帆布を巻き
付けてベルト成形体を得て高温下でゴムを加硫した後、
ポリエステル繊維のガラス転位点付近の温度域(70±
10℃)まで冷却して該温度域に所定時間にわたって保
持し、次いで、常温まで冷却してベルト成形体をドラム
金型から抜き取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱収縮性を有する抗
張体が心体としてエラストマに埋設されてなる伝動ベル
トやコンベアベルト等のベルトの製造方法に関し、特に
ベルトの初期伸びを少なくする対策に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば伝動ベルトにおいては、その動力
伝達能力が伝動ベルトにかかる走行時の張力に依存する
ことから、張力が高いレベルで維持されるようにする必
要がある。一方、この種のベルトでは程度の差はあって
も初期伸びを伴うものであり、これが張力維持率を大き
く低下させる要因となっている。
【0003】このような初期伸びの影響を小さくする対
策としては、慣らし運転を行った後に軸間調整で張力を
再設定することや、テンショナ等で押圧を加えて一定の
張力が維持されるようにすることが知られているが、前
者のものでは調整コストがかさみ、後者のものではテン
ショナ等の部品を使用することでやはりコストがかさむ
ことになる。
【0004】この他、ポリエステル繊維等の熱収縮性を
有する抗張体をベルトの心体として用いることが、例え
ば特公昭59−33104号公報で知られている。この
ものは、ベルトが走行中に伸びると、プーリとの間でス
リップして生じる発熱で上記抗張体が熱収縮し、このこ
とでベルトの伸びが自動的に調整されるので、軸間調整
を行ったりテンショナ等の部品を用いることなく、一定
の張力を維持することができる。
【0005】ところで、上記のような抗張体が埋設され
たベルトの製造方法として一般に知られているもので
は、先ず、円筒ドラムに未加硫ゴムシートを巻き付けた
上に、抗張体を所定の引張応力をかけた状態でスパイラ
ル状に巻き付け、その上にさらに未加硫ゴムシートを巻
き付けてベルト成形体を得る。次いで、ベルト成形体を
高温下で加硫した後に水やエア等を用いて常温まで強制
急冷を行い、ベルト成形体を円筒ドラムから抜き取って
上記引張応力を解放する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、引張応力をかけられたままの不安定
な状態で抗張体が加硫ゴム内に埋設されることになり、
上記引張応力が不安定な状態のままで長時間にわたって
残留し易いため、初期伸びの影響度が依然として大き
く、張力を高いレベルで維持するには不十分であり、ま
た寸法のばら付きが多くなり易い。
【0007】一方、上記引張応力は、冷却時間を十分に
長くとることにより徐々に安定させることは可能である
が、その場合には冷却工程に時間がかかり過ぎてしま
い、実際的であるとはいえない。
【0008】この発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、熱収縮性を有する抗
張体が心体としてエラストマに埋設されてなるベルトを
製造する際に、上記抗張体の引張応力を短時間のうちに
安定させることができるようにし、もってベルトの初期
伸びを少なくして高いレベルで張力が維持できかつ寸法
のばら付きが少なくなるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、架橋後のベルト成形体の内部
温度を抗張体のガラス転位点付近の温度域に保持するこ
とにより、抗張体の応力緩和量を大きくし、このことで
抗張体の引張応力を短時間のうちに安定させるようにし
た。
【0010】具体的には、この発明では、未加硫のエラ
ストマに、熱収縮性を有する抗張体を埋設し、該抗張体
にその長さ方向に所定の引張応力がかけられた状態で上
記エラストマを高温下で架橋してなるベルト成形体を、
常温まで冷却するベルトの製造方法が前提である。
【0011】そして、上記架橋後のベルト成形体を抗張
体のガラス転位点付近の温度域に所定時間にわたり保持
する。次いで、常温まで冷却した後、抗張体の引張応力
を解放する。
【0012】請求項2の発明では、円筒ドラムの外周に
未架橋のエラストマシートを巻き付けた後、該エラスト
マシートの上に抗張体をその長さ方向に所定の引張応力
をかけた状態でスパイラル状に巻き付け、その上にさら
に未架橋のエラストマシートを巻き付けてベルト成形体
を成形する。そして、上記各エラストマを高温下で架橋
させた直後の冷却途中で、上記ベルト成形体を抗張体の
ガラス転位点付近の温度域まで冷却して、該温度域に所
定時間にわたり保持する。次いで、常温まで冷却した
後、ベルト成形体を上記円筒ドラムから抜き取ることに
より抗張体の引張応力を解放する。
【0013】請求項3の発明では、円筒ドラムの外周に
未架橋のエラストマシートを巻き付けた後、該エラスト
マシートの上に抗張体をその長さ方向に所定の引張応力
をかけた状態でスパイラル状に巻き付け、その上にさら
に未架橋のエラストマシートを巻き付けてベルト成形体
を成形する。そして、上記各エラストマを高温下で架橋
させて常温まで冷却した後、上記ベルト成形体の内部温
度の上昇を伴う加工工程の直後に、上記ベルト成形体を
抗張体のガラス転位点付近の温度域に所定時間にわたり
保持する。次いで、常温まで冷却した後、ベルト成形体
を上記円筒ドラムから抜き取ることにより抗張体の引張
応力を解放する。
【0014】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
発明において、抗張体にポリエステル繊維からなるもの
を用いる。そして、ベルト成形体を上記ポリエステル繊
維のガラス転位点付近の70±10℃の温度域に少なく
とも2分間にわたって保持する。
【0015】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、未加
硫のエラストマに、熱収縮性を有する抗張体が埋設さ
れ、該抗張体にその長さ方向に所定の引張応力がかけら
れた状態で上記エラストマが高温下で架橋されてなるベ
ルト成形体は、その内部温度が抗張体のガラス転位点付
近の温度域に保持されると、上記抗張体の応力緩和量が
大きくなり、該抗張体の引張応力は安定した状態に短時
間のうちに緩和される。次いで、常温まで冷却され、そ
の後に上記所定の引張応力が解放される。よって、抗張
体の引張応力を短時間のうちに安定させることができ、
ベルト成形体の初期伸びを少なくすることができる。
【0016】請求項2の発明では、円筒ドラムの外周に
未架橋のエラストマシートが巻き付けられ、該エラスト
マシートの上に抗張体が所定の引張応力をかけられた状
態でスパイラル状に巻き付けられ、その上にさらに未架
橋のエラストマシートが巻き付けられて、高温下で各々
のエラストマが架橋されることにより、架橋されたエラ
ストマシート間に上記引張応力をかけられたままの状態
で抗張体が埋設されてなるベルト成形体が得られる。こ
のベルト成形体が架橋直後の冷却途中で抗張体のガラス
転位点付近の温度域に所定時間にわたって保持されるこ
とで、上記抗張体の応力緩和量が大きくなり、該抗張体
にかかっている引張応力は十分に安定した状態に緩和さ
れる。次いで、常温まで冷却され、上記ベルト成形体が
円筒ドラムから抜き取られることで上記所定の引張応力
が解放されることになる。したがって、ベルト成形体の
内部温度が高温下で行われる架橋工程の際に十分に上昇
することを利用して、ベルト成形体を加熱するための時
間及び手間を一切かけることなくガラス転位点付近の温
度域を得ることができる。
【0017】請求項3の発明では、ベルト成形体は、エ
ラストマが架橋されて常温まで冷却された後、該ベルト
成形体の内部温度の上昇を伴う加工工程の直後に、抗張
体のガラス転位点付近の温度域に所定時間にわたって保
持されることで、上記抗張体の応力緩和量が大きくな
り、該抗張体の引張応力は十分に安定した状態に緩和さ
れる。したがって、ベルト成形体の内部温度の上昇を伴
う加工工程を利用することで、ベルト成形体を内部温度
が所定温度域に達するまで加熱するために必要とされる
時間及び手間を少なくすることができる。
【0018】請求項4の発明では、ポリエステル繊維か
らなる抗張体が未架橋のエラストマに所定の引張応力を
かけられた状態で埋設され、かつ高温下で該エラストマ
が架橋されたベルト成形体は、ポリエステル繊維のガラ
ス転位点付近の70±10℃の温度域に少なくとも2分
間にわたって保持されることで、上記抗張体の応力緩和
量が大きくなり、該抗張体の引張応力は十分に安定した
状態に緩和される。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図2はこの実施例に係る伝動ベルトの製造工程
を示し、該製造工程では、円筒ドラムとしてのドラム金
型1を用いて筒状のベルト成形体5を成形し、図3に示
すようなVリブドベルト6を製造する。上記製造工程
は、ベルト成形体5を成形する成形工程と、ベルト成形
体5を加熱して未加硫ゴムを加硫させる加硫工程と、加
硫後のベルト成形体5を冷却する冷却工程と、冷却後の
ベルト成形体5をドラム金型1から抜き取る型抜き工程
と、型抜き後のベルト成形体5を研削する研削工程と、
研削されたベルト成形体5を所定幅寸法に切断する幅切
り工程とからなる。
【0020】先ず、成形工程では、上記ドラム金型1の
外周にエラストマシートとしての未加硫ゴムシート2を
所定量だけ巻き付けた上に、ポリエステル繊維からなる
抗張体4をその長さ方向に所定の引張応力をかけながら
スパイラル状に巻き付け、さらにその上にエラストマシ
ートとしての未加硫ゴム付き帆布3を所定量だけ巻き付
ける。これにより、図4に示すように、未加硫ゴムシー
ト2と未加硫ゴム付き帆布3の未加硫ゴム層との間に抗
張体4を所定の引張応力がかけられた状態で埋設したベ
ルト成形体5が得られる。
【0021】次に、加硫工程では、上記ベルト成形体5
をドラム金型1ごと加硫缶7に入れ、例えば160℃の
高温下で所定時間かけて加熱することにより上記ゴムを
加硫する。
【0022】上記冷却工程では、ベルト成形体5をドラ
ム金型1ごと水槽8内に収容し、先ず、水槽8に温水を
供給してベルト成形体5を所定時間にわたり冷却する。
このとき、上記ベルト成形体5の内部温度つまり抗張体
4に用いられたポリエステル繊維の温度がそのガラス転
位点である70℃付近の温度域に所定時間にわたって保
持されるようにする。具体的には、図1に実線で示すよ
うに、ベルト成形体5を70℃の温水に浸漬させて該ベ
ルト成形体5の内部温度が70±10℃の温度域に所定
時間にわたり保持されるようにする。これにより、抗張
体4の応力緩和量が大きくなり、抗張体4にかかってい
る引張応力は安定した状態に緩和される。次いで、25
℃の冷水を水槽8に供給してベルト成形体5を常温まで
冷却する。尚、同図の破線は、加硫後に常温まで強制冷
却する従来例を示している。
【0023】そして、冷却開始から約10分後に、次の
型抜き工程に移ってベルト成形体5をドラム金型1から
抜き取る。これにより、抗張体4の引張応力が解放され
る。上記型抜き工程の後、研削工程でベルト成形体5の
表面を研削し、さらに幅切り工程で上記ベルト成形体5
を所定幅寸法に切り揃えて図3に示すようなVリブドベ
ルト6を得ることができる。
【0024】したがって、この実施例によれば、加硫後
のベルト成形体5をポリエステル繊維のガラス転位点付
近の温度域(70±10℃)に所定時間にわたって保持
することにより、上記抗張体4の引張応力を短時間のう
ちに安定させることができ、このことで、Vリブドベル
ト6の初期伸びを少なくすることができるので、高いレ
ベルで張力を維持することができ、また寸法安定性を向
上させることができるようになる。
【0025】ここで、上記冷却工程において、70±1
0℃の温度域に保持されたVリブドベルト6について、
その保持時間とベルト長さ及び張力維持率との関係を調
べた。すなわち、次表1に示すように、試料1〜試料5
の各々は、70℃の温水で冷却される熱処理時間を0分
間(つまり、温水冷却は全く行わない)、3分間、5分
間、10分間及び30分間とすることで、内部温度が7
0±10℃の温度域に保持される時間が0分間(実際に
は、強制冷却の途中で僅かの時間にわたり該温度域を履
歴することになるが、その時間は最大でも30秒程度で
ある。)、1分間、3分間、8分間、28分間となるよ
うになされたものである。つまり、試料3〜試料5のも
のが本発明例となる。尚、各試料2〜試料5は温水冷却
後に、また試料1は該温水冷却を行わずにそれぞれ25
℃の冷水で10分間にわたり冷却した。また、比較のた
めに、加硫後に常温まで強制冷却し、その後、25℃の
冷水による水冷時間を20分間、40分間、300分間
の3通りとした試料6〜試料8について調べた結果を次
表1に併せて示す。尚、次表1において、「ベルト長さ
比」の欄は試料1のものを100とした場合の比率で示
している。また、張力維持率については、図5に示すよ
うな試験機を用いて常温における12時間の走行後の状
態で調べた。該試験機は、軸心位置が固定された駆動プ
ーリ9と、移動台10上に設置されて軸心位置が水平移
動可能な従動プーリ11と、上記移動台10に接続され
た張力計12とを備え、両プーリ9,11間にVリブド
ベルト6を巻き掛けるとともに、張力計12に両プーリ
9,11が離反する方向の一定荷重をかけて固定した状
態で駆動プーリ9を回転させ、該Vリブドベルト6の走
行時間に伴う張力の変化を順次測定するようになされて
いる。尚、上記各プーリ9,11の径φはφ=100m
mであり、また駆動プーリ9の回転速度は3600rp
mである。
【0026】
【表1】
【0027】上記表中の試料1〜試料5から判るよう
に、保持時間の長さに応じてベルト長さは長くなってお
り、これは、保持時間に応じて応力が緩和されることを
示している。また、張力維持率についても、保持時間が
長いほど向上しているのが判る。特に、試料2が試料1
と殆ど変わっていないのに対し、本発明例の試料3〜試
料5は試料1に比べて格段に優れた値を示している。一
方、試料6〜試料8では、水冷時間を長くすることによ
る応力の緩和や張力維持率の向上が認められるが、例え
ば試料3のベルト長さ比や張力維持率と同程度である試
料8では、300分間の水冷時間が必要とされているす
なわち、試料8では、試料3と同程度の品質を得るため
に、試料3の温水冷却時間である5分間と水冷時間の1
0分間とを加えた15分間に対し、20倍の水冷時間を
要することが判る。
【0028】さらに、図6は、試料1〜試料5の上記各
特性をグラフ化したものであるが、この図から判るよう
に、保持時間が1分を経過した直後からベルト比及び張
力維持率が飛躍的に上昇し、2分を経過した段階で伸び
率が鈍化する傾向にある。このことから、十分な品質の
向上を望むならば少なくとも2分間の保持時間が必要で
あることが判る。
【0029】尚、上記実施例では、抗張体4をその長さ
方向に所定の引張応力をかけた状態で未加硫ゴムに埋設
し、該引張応力がかかったままの状態で上記ゴムを加硫
しているが、例えばプレス加硫等の場合では、未加硫ゴ
ムに抗張体を埋設し、加硫時に該抗張体にその長さ方向
に所定の引張応力をかけるようにしてもよい。
【0030】また、上記実施例では、加硫直後の冷却途
中で、ベルト成形体5の内部温度を抗張体4のガラス転
位点付近の温度域に保持するようにしているが、常温ま
で冷却した後に、ベルト成形体を加熱して上記温度域に
保持するようにしてもよい。その場合、ベルト成形体の
内部温度の上昇を伴う例えば研削工程等の加工工程を利
用し、内部上昇温度の不足分を設備的に補給及び温度制
御する等の手段により本発明の熱処理を行うようにする
と、ベルト成形体を加熱する時間や手間自体を省略する
ことが可能であり、もしも該加熱工程による加熱温度が
十分でないときでも所定温度域まで加熱するための時間
や手間を少なくすることができる。
【0031】また、上記実施例では、抗張体4にポリエ
ステル繊維を用いているが、その他の熱収縮性を有する
素材を用いてもよい。
【0032】さらに、上記実施例では、この発明を伝動
ベルトとしてのVリブドベルト6に適用した例を示して
いるが、コンベアベルト等に適用することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、熱収縮性を有する抗張体が未架橋のエラストマ
に埋設され、該抗張体に所定の引張応力をかけた状態で
上記エラストマが架橋されて得たベルト成形体を、上記
抗張体のガラス転位点付近の温度域に所定時間にわたっ
て保持することにより、抗張体の応力緩和量を大きして
引張応力が安定するまでの時間を短縮することができる
ので、ベルトの初期伸びを少なくすることができ、高い
張力を維持することができるとともに、寸法のばら付き
の少ないベルトを容易に得ることができる。
【0034】請求項2の発明によれば、ベルト成形体が
高温下の架橋工程で十分に昇温することを利用して、該
架橋工程直後の冷却途中でベルト成形体を抗張体のガラ
ス転位点付近の温度域に保持するようにしたので、ベル
ト成形体を所定温度域に達するまで加熱するための時間
及び手間を一切かけることなく、上記請求項1の発明に
よる効果を得ることができる。
【0035】請求項3の発明では、ベルト成形体の温度
上昇を伴う加工工程を利用することで、ベルト成形体を
所定温度域に達するまで加熱するために必要とされる時
間及び手間を少なくして、上記請求項1の発明による効
果を得ることができる。
【0036】請求項4の発明によれば、抗張体にポリエ
ステル繊維を用い、該抗張体が架橋エラストマに埋設さ
れてなるベルト成形体に、上記ポリエステル繊維のガラ
ス転位点付近の70±10℃の温度域に少なくとも2分
間にわたって保持される熱処理を履歴させることで、上
記請求項1〜3の発明による効果を具体的に得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るVリブドベルトの製造
工程における加硫工程直後の冷却状態を従来例と比較し
て示す熱処理線図である。
【図2】この発明の実施例に係るVリブドベルトの製造
工程図である。
【図3】幅切り工程後のVリブドベルトの端部を部分的
に示す斜視図である。
【図4】成形工程後のベルト成形体を部分的に示す横断
面図である。
【図5】張力低下試験の要領を示す概略図である。
【図6】保持時間とベルト長さ比及び張力維持率との間
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ドラム金型(円筒ドラム) 2 未加硫ゴムシート(未架橋エラストマシート) 3 未加硫ゴム付き帆布(未架橋エラストマシート) 4 抗張体 5 ベルト成形体 6 Vリブドベルト(ベルト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:24 267:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加硫のエラストマに、熱収縮性を有す
    る抗張体を埋設し、該抗張体にその長さ方向に所定の引
    張応力がかけられた状態で上記エラストマを高温下で架
    橋してなるベルト成形体を、常温まで冷却するベルトの
    製造方法において、 上記架橋後のベルト成形体を抗張体のガラス転位点付近
    の温度域に所定時間にわたり保持し、 次いで、常温まで冷却した後、抗張体の引張応力を解放
    することを特徴とするベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 円筒ドラムの外周に未架橋のエラストマ
    シートを巻き付けた後、該エラストマシートの上に、熱
    収縮性を有する抗張体をその長さ方向に所定の引張応力
    をかけた状態でスパイラル状に巻き付け、その上にさら
    に未架橋のエラストマシートを巻き付けてベルト成形体
    を成形し、 上記各エラストマを高温下で架橋させた直後の冷却途中
    で、 上記ベルト成形体を抗張体のガラス転位点付近の温度域
    まで冷却して、該温度域に所定時間にわたり保持し、 次いで、常温まで冷却した後、ベルト成形体を上記円筒
    ドラムから抜き取ることにより抗張体の引張応力を解放
    することを特徴とするベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 円筒ドラムの外周に未架橋のエラストマ
    シートを巻き付けた後、該エラストマシートの上に、熱
    収縮性を有する抗張体をその長さ方向に所定の引張応力
    をかけた状態でスパイラル状に巻き付け、その上にさら
    に未架橋のエラストマシートを巻き付けてベルト成形体
    を成形し、上記各エラストマを高温下で架橋させて常温
    まで冷却した後、 上記ベルト成形体の内部温度の上昇を伴う加工工程の直
    後に、 上記ベルト成形体を抗張体のガラス転位点付近の温度域
    に所定時間にわたり保持し、 次いで、常温まで冷却した後、ベルト成形体を上記円筒
    ドラムから抜き取ることにより抗張体の引張応力を解放
    することを特徴とするベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のベルトの製造
    方法において、 抗張体にポリエステル繊維を用い、 ベルト成形体を上記ポリエステル繊維のガラス転位点付
    近の70±10℃の温度域に少なくとも2分間にわたっ
    て保持することを特徴とするベルトの製造方法。
JP18476493A 1993-07-27 1993-07-27 ベルトの製造方法 Withdrawn JPH0740353A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2527683B1 (en) * 2011-05-11 2018-03-21 Bell Helicopter Textron Inc. Hybrid tape for robotic transmission
CN112406129A (zh) * 2020-10-29 2021-02-26 清华大学 一种橡胶件的生产方法及生产***

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EP2527683B1 (en) * 2011-05-11 2018-03-21 Bell Helicopter Textron Inc. Hybrid tape for robotic transmission
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