JPH0740319U - 車両洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強い勢いで洗浄液を噴射して車両をより適切
に洗浄することができるようにする。 【構成】 ノズル部１６から水等の洗浄液を噴射して車
両を洗浄する車両洗浄機であって、ノズル部１６が上下
に移動可能に設けられているとともに、ノズル部１６が
水平方向成分を有する運動をする構造とされている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ノズル部から水等の洗浄液を噴射して車両を洗浄する車両洗浄機 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、トラック等の車両の車輪やシャシー部を洗浄する車両洗浄機としては次 のようなものがある。 その車両洗浄機は、車両の側部に沿って移動する本体部を有し、その本体部に 複数個のノズルが縦方向に一列に固定されている。そして、本体部が車両の側部 に沿って移動しつつ、外部のポンプから供給される洗浄液（水）がすべてのノズ ルから車両に対して噴射され、車両（車輪やシャシー部）の洗浄が行われる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の車両洗浄機では、複数個のノズルから洗浄液が噴射され るため、ポンプから供給される洗浄液の圧力が各ノズル部から噴射される際に分 散され、洗浄液が強い勢いで車両に対して噴射され得ず、車両の汚れを落とす上 でネックとなっていた。

【０００４】 そこで、本考案は、強い勢いで洗浄液を噴射して車両をより適切に洗浄するこ とができる車両洗浄機を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために、本考案は、車両の長手方向に相対的に移動しつつ ノズル部から水等の洗浄液を噴射して車両を洗浄する車両洗浄機であって、その ノズル部が上下に移動可能に設けられているとともに、そのノズル部が水平方向 成分を有する運動をする構造とされていることを特徴とする。 ノズル部の「水平方向成分を有する運動」とは、次のようなものがある。 ノズル部が、そのノズルからの洗浄液の噴射方向から傾斜した回転軸線を中心 に回転可能に設けられていてもよい。すなわち、ノズル部が円錐の側面状の軌跡 を描くように回転する場合である（後述する実施例はこのタイプである）。 また、ノズル部が水平方向に往復揺動するようにされていてもよい。

【０００６】

【作用】

本考案では、ノズル部が上下に移動するため、車両の洗浄にあたり、多数のノ ズル部を設ける必要がなく、１つ若しくは少数個で済む。このため、洗浄液の勢 いが分散されることなく、強い勢いで車両に噴射されることとなる。 また、ノズル部が上下に移動すると同時に水平方向成分を有する運動もするた め、ノズル部が１つ又は少数個でも車両をむらなく洗浄をすることができる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１及び図２に示すように、２本のレールＲが平行に設けられ、各レールＲに 対して車両洗浄機１０が移動可能に設けられている。 そして、洗浄される車両（大型トラックＶ１，小型トラックＶ２）は両レール Ｒの中央に停止され、その状態で、図３に示すように、車両の両側面（大型トラ ックＶ１，小型トラックＶ２の各タイヤＴ１，Ｔ２やシャシー部Ｃ１，Ｃ２）が 車両洗浄機１０によって洗浄される仕組みとされている。 図１に示すように、車両洗浄機１０は、制御装置１２及びポンプ１４と接続さ れており、制御装置１２の制御の下、水源から供給される水をもとに、ポンプ１ ４によって高圧とされた洗浄液（水又は石鹸水）がノズル部１６から噴射される ようにされている。

【０００８】 図３に示すように、レールＲはほぼＩ字状断面を有し、地面Ｓに設けられた溝 Ｄ内に設置されている。 図１及び図３に示すように、車両洗浄機１０は台車部２０を有し、台車部２０ の上には本体部５０が設けられている。また、台車部２０の上には、ポンプ１４ から本体部５０に洗浄液を供給するホース４０を巻き取っておくホースリール４ ２と、制御装置１２と本体部５０とを接続するケーブル４４を巻き取っておくケ ーブルリール４６が設けられている。

【０００９】 図３に示すように、台車部２０は、コの字状断面を有する１対の基盤部材２２ を有し、その上に基板部２４が設けられている。両基盤部材２２の内側には縦板 部２６が設けられ、基盤部材２２及び縦板部２６を貫通する回転軸２８に設けら れた主車輪３０が、図示しないモータによって回転可能に設けられている。また 、各縦板部２６には、補助輪３２が回転可能に設けられている。

【００１０】 図１及び図４に示すように、本体部５０は一対の本体枠部５２を有している。 各本体枠部５２はほぼコの字状断面を有し、台車部２０（基板部２４）上に立設 されている。 本体枠部５２に内側には一対の昇降部材５６が設けられ、各昇降部材５６には ２本のリンク部材７０を介してノズルボックス取付板７６が取り付けられている 。両ノズルボックス取付板７６の間にノズルボックス８０が取り付けられている 。

【００１１】 各本体枠部５２の内側面には、鉛直に伸びる細い四角柱状のガイド部材５４が 設けられている。各昇降部材５６の外側面には、上下に２つのガイド輪取付部５ ８が設けられている。各ガイド輪取付部５８には、ガイド部材５４の３側面に沿 って転動するガイド輪５９が回転可能に設けられている。また、本体部５０の上 方にはモータ６０が設けられており、モータ６０の回転軸に取り付けられたプー リー６４にチェーン６６が設けられ、チェーン６６は１つの昇降部材５６のチェ ーン取付部６８に取り付けられている。このため、昇降部材５６及びノズルボッ クス８０は、モータ６０の回転に基づき、各ガイド部材５４及び各ガイド輪５９ によってガイドされつつ、鉛直に昇降される。 なお、制御装置１２による制御の下、昇降部材５６及びノズルボックス８０等 は、大型トラックＶ１用に下降位置と第１上昇位置との間を往復昇降するように 制御されたり、小型トラックＶ２用に下降位置と第２上昇位置（第１昇降位置よ りも低い位置である）との間を往復昇降するようにされる。

【００１２】 図１及び図３に示すように、各リンク部材７０は細い帯板板状をしており、昇 降部材５６の下部とノズルボックス取付板７６の上部とを連結している。各リン ク部材７０と昇降部材５６及びノズルボックス取付板７６とは、各々ピン７２に よって回動可能に連結されている。このため、ノズルボックス取付板７６及びノ ズルボックス８０は、操作者の手によって、前方（車両側）へ突出した突出位置 と、後方へ退避した退避位置との間を移動可能である。

【００１３】 図３及び図４に示すように、ノズルボックス８０は、各ノズルボックス取付板 ７６に対して、ボルト８２ａ及びナット８２ｂによって取り付けられている（２ 組のボルト８２ａ及びナット８２ｂは同一軸線上にある）。ボルト８２ａとナッ ト８２ｂとはある程度固く締め付けられている。このため、ノズルボックス取付 板７６に対するノズルボックス８０の相対的位置関係は通常は不変であり、操作 者の手によって回動させることによって、ノズルボックス８０がボルト８２ａ及 びナット８２ｂの箇所を回動中心として回動することができるようにされている 。

【００１４】 図５に示すように、ノズルボックス８０は、ほぼ直方体状の閉じた箱状のケー シング８４を有している。ノズルボックス８０の内部には、回転パイプ部材８６ が、軸受８８によって支持されて、自身の中心軸線を中心に回転可能に設けられ ている。回転パイプ部材８６の後端部には、前述のホース４０の先端部が、接続 部材９０を介して接続されている。回転パイプ部材８６の先端部には、ノズル部 １６が設けられている。ノズル部１６の向き（洗浄液の噴射方向）は回転パイプ 部材８６の中心軸線からほぼ３０度傾斜している。ノズル部１６はノズルボック ス８０の外側に露出している。 ノズルボックス８０の内部にはモータ９４が設けられており、モータ９４の回 転軸にはプーリー９６が設けられている。回転パイプ部材８６にもプーリー９８ が設けられており、両プーリー９６，９８間にはチェーン９９が架け渡されてい る。 このため、モータ９４の回転によって回転パイプ部材８６が回転し、ノズル部 １６は円錐の側面状の軌跡を描くように回転するのである。

【００１５】 次に、この車両洗浄機１０の使用方法を説明する。 図２に示すように、２つのレールＲ間に、大型トラックＶ１または小型トラッ クＶ２を停止させる。大型トラックＶ１の場合はノズルボックス８０を退避位置 にセットし、小型トラックＶ２の場合はノズルボックス８０を突出位置にセット しておく。また、制御装置１２に対して車両が大型トラックＶ１か小型トラック Ｖ２かをセットして、ノズルボックス８０が第１上昇位置又は第２上昇位置と下 降位置との間を往復昇降するようにする。 そして、車両洗浄機１０を作動状態とする。すると、車両洗浄機１０がレール Ｒに沿って移動しつつ、ノズルボックス８０が往復昇降しながら、ノズル部１６ から洗浄液が車両Ｖ１又はＶ２に噴射される。その際、ノズル部１６が円錐の側 面状の軌跡を描くように回転するため、ノズル部１６から噴射される洗浄液は、 車両Ｖ１又はＶ２に対して円を描くようにして当たる。このため、ノズル部１６ が１つしかなく、かつ車両洗浄機１０全体が車両Ｖ１又はＶ２の側部に沿って移 動しつつノズル部１６が往復昇降しても、車両Ｖ１又はＶ２をむらなく洗浄する ことができる。 そして、この車両洗浄機１０ではノズル部１６が１つであることから、ポンプ から供給される洗浄液の勢いが分散されることなく強い勢いで噴射されるため、 車両Ｖ１又はＶ２の汚れを適切に落とすことができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案では、ノズル部の数が減少されて洗浄液が強い勢いで車両に噴射される ため、車両の汚れを十分に落とすことが可能である。そして、その際、ノズル部 が上下しつつ水平方向成分を有する運動をするため、車両をむらなく洗浄するこ とが担保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す全体斜視図である。

【図２】図１中の車両洗浄機の使用状態を説明する平面
図である。

【図３】図１の車両洗浄機の側断面図である。

【図４】図４(a) は図１の車両洗浄機の正断面図であ
る。図４(b) は図４(a) 中のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】図１の車両洗浄機のうちのノズルボックスを拡
大して示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 車両洗浄機 １６ ノズル部 ６０ モータ ９４ モータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の長手方向に相対的に移動しつつノ
   ズル部から水等の洗浄液を噴射して車両を洗浄する車両
   洗浄機であって、 そのノズル部が上下に移動可能に設けられているととも
   に、 そのノズル部が水平方向成分を有する運動をする構造と
   されていることを特徴とする車両洗浄機。