JPH0739691A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム内に加熱空気を効率良く供給し、適切
な乾燥温度で乾燥を行う。 【構成】 吸気孔4Cをドラム後壁面41の略全域のみに形
成する。この吸気孔4Cを覆う空気供給室11は、その前端
部11aをドラム４の後部と少許の間隙を有して配置し、
且つヒ−タ７を設置した吸気ダクト６と連通する。この
空気供給室11内に入口温度センサSEを位置させ、一方排
気孔4aはドラム４の前方部の周壁のみに形成したもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主として洗浄後の衣類等
を乾燥させる衣類乾燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にこの種の衣類乾燥機はフレーム内
に軸支したドラムに衣類を投入し、ドラムを回転駆動し
つつ、フレーム内に設置したファンにより外部空気を取
り込み、ガスバーナ等のヒ−タにてこれを加熱した後、
ドラム内に引き込み、ドラム内の衣類と熱交換を行わせ
た後の空気をフィルタ−を通してフレーム外に排出する
構成となっている。

【０００３】かかる衣類乾燥機において、前記ドラムの
入口温度と出口温度を温度センサにより検知してヒ−タ
を制御するものが実開平１−１０４９９７号公報に開示
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしこのような構成
にあってはフィルタ−に目詰りが生じるとその目詰りの
程度に応じて、また排気ダクトを用いて屋外に排気する
場合は設置場所に応じてその長さが変化するから、その
長さに応じて空気の排気抵抗が大きくなり、その結果ド
ラムを通過する通風量が減少してドラム内温度が上昇
し、衣類を一時的に高温に晒すこととなり衣類に不測の
損傷を与える虞があった。

【０００５】又、衣類の量が多い場合や乾燥が進行して
衣類がほぐされて膨らんで来ると、衣類が吸気孔を塞ぐ
ので空気がドラム内に入りにくくなって入口温度が異常
に上昇する。更に温度上昇した空気がドラム内に入りに
くくなるのでドラムの外周囲をすり抜けて排気側に短絡
し、出口温度も上昇する。これらの温度上昇は本当の乾
燥具合を示したものではないにもかかわらず、ヒ−タを
制御し、場合によっては乾燥が終了したと判断してい
た。

【０００６】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところはフィルタ−の目詰り等
の排気抵抗を変化させる外的要因の如何にかかわらず、
衣類を高温に晒すことのないようにすると共に、正しい
ヒ−タ制御をするようにした衣類乾燥機を提供するにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の衣類乾燥機は、
吸気ダクト内に設置したヒ−タで加熱した空気を吸気孔
から回転中のドラム内に供給し、ドラム内の衣類と熱交
換させた後の空気を排気孔から排出するようにすると共
に、前記吸気孔近傍に設けた入口温度センサ及び、又は
前記排気孔近傍の排気ダクト内に設けた出口温度センサ
からの検出信号にて前記ヒ−タを制御するようにしたも
のにおいて、前記吸気孔をドラム後壁面の略全域のみに
形成し、この吸気孔を覆うと共に前端部がドラムの後部
と少許の間隙を有して配置し且つ前記吸気ダクトと連通
した空気供給室を設け、該空気供給室内に前記入口温度
センサを位置させ、一方前記排気孔はドラムの前方部の
周壁のみに形成したものである。

【０００８】

【作用】本発明にあっては、吸気孔をドラム後壁面の略
全域のみに形成し、この吸気孔を覆うと共に前端部がド
ラムの後部と少許の間隙を有して空気供給室を設け、一
方排気孔をドラムの前方部の周壁のみに形成したもので
あるので、空気は殆どドラム内に供給され、またドラム
内からの空気は排気孔から排出され、空気供給室から、
いきなりドラム外周囲の回りを通って排気ダクトに短絡
することはない。

【０００９】

【実施例】以下本発明を、その実施例を示す図面に基づ
き具体的に説明する。

【００１０】図１は本発明に係る衣類乾燥機の斜視図、
図２は同じくその側面断面図であり、図中１は筐形をな
すフレーム、４はドラムを示している。フレーム１の正
面には衣類投入口1aが開口してあり、ここにはドア−２
が設けられている。フレーム１内には図２に示す如く後
端部寄りの位置に縦向きの仕切壁３が設けられ、この仕
切壁３の前側上部寄りに円筒形のドラム４が、また下部
には排気路を兼ねた除塵器５が設置され、更に仕切壁３
の後方には上方に吸気ダクト６，ヒ−タとなるガスバー
ナ７が、また下方にはファン８，ファンモータ９，排気
ダクト10が配設されている。

【００１１】前記ドラム４は前端側の周壁のみに多数の
排気孔4aを備え、前部壁には衣類投入口4bが、また後壁
面41には多数の吸気孔4cが開口せしめられており、前記
衣類投入口4bの開口部周縁をフレーム１の衣類投入口1a
の周縁に設けた軸受部1bに、また後壁面41の周縁部を仕
切壁３に設けた空気供給室11の前端部11ａに夫々外嵌さ
れ、回転可能に支持されている。

【００１２】即ち空気供給室11は前記吸気ダクト６と連
通し、前記吸気孔4cを覆うと共に前端部11ａをドラム４
の後壁面41の周縁部と少許の間隔を有して配置してあ
る。従って空気供給室11の前端部11ａがドラム４の回転
支持部に兼用される。

【００１３】ドラム４の後壁面41の中央には軸4dの一端
が連結され、その他端は仕切壁３を貫通してその後方に
突き出してあり、ここに設けたプーリ4eをベルトを介し
て図示しないモータに連繋せしめてある。

【００１４】前記除塵器５は周壁に多数の孔を開口した
円筒形をなすフィルタケース5a内にフィルタを内装して
構成されており、その前端部はフレーム１の前壁に穿っ
たフィルタ交換口1dの周壁に、また後端部は仕切壁３に
穿った孔3aに面して固定されている。吸気ダクト６は仕
切壁３を貫通する態様で設置されており、その一端は前
述したように空気供給室11内に開口せしめられ、また他
端部はフレーム１の後方に開口せしめられ、この他端部
にはガスバーナ７が付設されている。

【００１５】ファン８はファンケース8a内に回転翼8bを
設け、またファンケース8aの外部に前記回転翼8bに連結
されたファンモータ（インバータモータ）９を固定して
構成されており、その吸込口は仕切壁３に穿った孔3aに
前記除塵器５に面して固定され、また吐出口には排気ダ
クト10が連結されている。

【００１６】そして前記吸気ダクト６における給気口、
換言すればドラム４の後壁面41に設けた吸気孔4cに面し
て入口温度センサＳＥが設置されている。この温度セン
サＳＥは、例えばサーミスタ等にて構成されており、前
記ガスバーナ７に付設されているガス流量制御弁20と図
３に示す如くそれぞれがマイクロコンピュ−タ31（以下
マイコンという）介して電気的に接続されている。

【００１７】図３は入口温度センサＳＥとガスバーナ７
のガス流量制御弁20との接続関係を示す説明図であり、
図中15は直流電源を示している。ガス流量制御弁20は弁
筐21の上、下方向の中央部周壁に弁座21ａを設け、これ
に弁体22が上、下方向に移動して接離し、弁座21a の上
方における弁筐21の周壁に設けたガス入口21b と、下方
に設けたガス出口21c との間を遮断し、また連通するよ
うになっている。

【００１８】弁体22には弁棒22a が設けられており、そ
の上端にはプランジャ23が連結されている。該プランジ
ャ23の周壁にはコイル24が配設されており、このコイル
24と前記温度センサＳＥとは直流電源15に対し直列に接
続されている。

【００１９】又図示していないが排気ダクト10内に出口
温度センサを配置し、この出口温度センサがドラムの出
口温度を検知し、この出口温度検知値と上記した入口温
度センサＳＥによる入口温度検知値とによりガス流量制
御弁20を制御することも可能である。

【００２０】図４は本発明の制御系を示すブロック図で
ある。図４において、31はマイコン、32．33は入出力部
で、入口温度センサ（サーミスタ）ＳＥ、温度設定のた
めのキーボード34，温度表示のための表示装置35等が接
続されている。

【００２１】温度センサＳＥからの信号（例えば電流
値）は入出力回路32を経て、マイコン31へ入力される。
マイコン31はこの検出信号である電流値に基づきインバ
ータ運転信号Ｓ₁ ，インバータ周波数指令出力Ｓ₂ 等を
求め、ファンモータ９に出力する。

【００２２】次にこのような実施例の動作を説明する。
ドア−２を開放して衣類をドラム４内に投入し、ドア−
２を閉鎖した後、図示しないモータを駆動してドラム４
を、またファンモータ９を駆動してファン８を夫々回転
駆動させる。更にガスバーナ７に点火することで、外部
の空気は吸気ダクト６内に吸引され、ガスバーナ７にて
加熱された後、空気供給室11に入り、その後ドラム４の
後壁面41の略全域に設けた吸気孔4cからドラム４内に流
入し、衣類との熱交換によりこれを乾燥する。

【００２３】ドラム４内の空気は、ドラム４前方部の周
壁の排気孔4aからフレーム１内へ流出し、ここから除塵
器５内を通り除塵された後、ファン８，排気ダクト10を
通じて外部に排出される。前記吸気ダクト６を通じてド
ラム４内に供給される加熱空気はドラム４内への吸気孔
4c近傍で入口温度センサＳＥによりその温度が検出され
る。

【００２４】即ち温度センサＳＥを構成するサーミスタ
は加熱されて温度が上昇すると、その抵抗値が高くな
り、図３に示すガス流量制御弁20のコイル24に通流する
電流値が小さくなり、プランジャ23は矢符Ａ方向に移動
せしめられ、弁体22が弁座21aに接近してガス入口21b
からガス出口21c へのガス通流量が低減され、ガスバー
ナ７による熱供給熱量が低下し、供給空気温度が低下せ
しめられる。

【００２５】逆にサーミスタの温度が下降するとその抵
抗値が低くなり、ガス流量制御弁20のコイル24に通流す
る電流値が大きくなり、プランジャ23は矢符Ｂ方向に移
動せしめられて弁体22が弁座21a から離反し、ガス入口
21b からガス出口21c へのガス通流量が増大し、ガスバ
ーナ７からの熱供給量が増大して供給空気温度が上昇せ
しめられる。

【００２６】これによって除塵器５内のフィルタの目詰
り等によりドラム４内へ流入する加熱空気温度が変化し
ても、これに迅速に応答して加熱空気温度を所定値に維
持し得ることとなり、ドラム４内の衣類の熱的損傷を防
止し得ることとなる。

【００２７】例えばドラム４内へ流入する加熱空気温度
が上昇すると温度センサＳＥであるサーミスタの抵抗値
が大きくなり、電流値が低下する。電流値の低下に対応
してマイコン31はファンモータ９にインバータ周波数指
令を出力し、ファン８の送風量を増大することでドラム
４に流入する加熱空気温度を低下させる。

【００２８】逆にドラム４内へ流入する加熱空気温度が
低下するとサーミスタの抵抗値が小さくなり、電流値が
上昇するから、マイクロコンピュータ31はこれに対応し
たファンモータ９の回転数を演算し、回転数を低下させ
るべくファンモータ９へインバータ周波数指令を出力
し、送風量を減少させることでドラム４への流入空気温
度を上昇させる。

【００２９】一方除塵器５のフィルタ−の目詰まりや排
気ダクト10の配管長さによる排気抵抗の増大、又は衣類
が多く乾燥が進み衣類が膨らんだ場合、加熱空気は吸気
孔4cから入りにくいが従来のようにドラム４の外周囲を
通って直接排気ダクト10に短絡することはなく、必ず吸
気孔4cからドラム４内に入り、そしてドラム４に入った
加熱空気はドラム４の前方部の周囲のみに設けた排気孔
4aを通って排出されるので、温度センサSEによるドラム
４の入口温度及び出口温度検知はドラム４内の現在の乾
燥程度を略正確に行っていることになり、そのためヒ−
タの制御が正しく行えるものである。

【００３０】又その結果衣類に熱損傷を与えない温度
（例えば１４０℃）以下の加熱空気を常時ドラム内に供
給できる。

【００３１】

【発明の効果】以上の如く本発明にあっては、出口側へ
漏れないように加熱空気をドラム内へ供給できるので、
温度センサによる検知温度はドラム内の現在の乾燥程度
を略正確にキャッチしていることになり、そのためヒ−
タの制御が正しく行えるものである。又熱による衣類の
損傷を確実に防止することが出来る等、本発明は優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る衣類乾燥機の斜視図である。

【図２】同じくその側面断面図である。

【図３】本発明に係る衣類乾燥機の温度センサとガス流
量制御弁との接続関係を示す模式図である。

【図４】本発明の制御系を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ フレーム ４ ドラム 4a 排気孔 4c 吸気孔 ６ 吸気ダクト ７ ヒ−タ（ガスバーナ） ８ ファン 10 排気ダクト 11 空気供給室 11a 空気供給室の前端部 SE 入口温度センサ 41 後壁面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気ダクト内に設置したヒ−タで加熱し
   た空気を吸気孔から回転中のドラム内に供給し、ドラム
   内の衣類と熱交換させた後の空気を排気孔から排出する
   ようにすると共に、前記吸気孔近傍に設けた入口温度セ
   ンサ及び、又は前記排気孔近傍の排気ダクト内に設けた
   出口温度センサからの検出信号にて前記ヒ−タを制御す
   るようにしたものにおいて、前記吸気孔をドラム後壁面
   の略全域のみに形成し、この吸気孔を覆うと共に前端部
   がドラムの後部と少許の間隙を有して配置し且つ前記吸
   気ダクトと連通した空気供給室を設け、該空気供給室内
   に前記入口温度センサを位置させ、一方前記排気孔はド
   ラムの前方部の周壁のみに形成したことを特徴とする衣
   類乾燥機。