JPH0739459B2 - シリコーン変性ポリウレタンの製造法 - Google Patents

シリコーン変性ポリウレタンの製造法

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JPH0739459B2
JPH0739459B2 JP61067962A JP6796286A JPH0739459B2 JP H0739459 B2 JPH0739459 B2 JP H0739459B2 JP 61067962 A JP61067962 A JP 61067962A JP 6796286 A JP6796286 A JP 6796286A JP H0739459 B2 JPH0739459 B2 JP H0739459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明はシリコーン変性ポリウレタンの製造法に関し、
更に詳しくは、本来ポリウレタンが有する機械的強度を
低下させることなく表面特性を改質されたシリコーン変
性ポリウレタンの製造法に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] ポリウレタンに撥水性、撥油性、低摩擦性或は抗血栓性
を付与する目的で、ポリジオルガノシロキサンによる変
性を行うことは、従来より実施されていることである。
本来、ポリジオルガノシロキサンはポリウレタンに対す
る相溶性の乏しいポリマーであり、ポリジオルガノシロ
キサンの有する前記の諸特性をポリウレタンに付与する
方法としての単なるポリマーブレンド法は混合物表面へ
のポリジオルガノシロキサンのブリード現象のため採用
できない。そこで、(イ)両末端にシラノール基若しく
はアルコール基又はイソシアネート基を有するポリジオ
ルガノシロキサンを用いることによって、ポリウレタン
の主鎖中にポリジオルガノシロキサン鎖を導入しブロッ
クコポリマーとする方法、(ロ)片末端にシラノール基
を有するポリジオルガノシロキサンを用いることによっ
てポリウレタンの末端にポリジオルガノシロキサン鎖を
導入する方法、(ハ)これらの方法の併用、或は(ニ)
付加反応型のポリジオルガノシロキサンを用いることに
よりポリウレタンとポリジオルガノシロキサンとによっ
ていわゆる相互侵入網目構造(以下IPMという)を形成
させる方法等、種々の工夫がなされてきた。
しかしながら、これらの方法では、ポリウレタンの主鎖
にポリジオルガノシロキサン類を導入したブロックコポ
リマーの場合にはポリシロキサン鎖に起因する機械的強
度の低下、ポリウレタンの末端にポリジオルガノシロキ
サン鎖を導入した末端変性ポリマーの場合には十分な特
性改善が得られないこと、またIPNを形成させる方法の
場合にはポリウレタンとポリジオルガノシロキサンとが
相溶性に乏しいことから平均的に分散されたIPNを形成
させることが容易でなく、従って機械強度の低下はとも
かく、かなり大きな割合でポリジオルガノシロキサンを
用いなければ十分な特性改善が得られないこと等、それ
ぞれ大きな問題点が存在している。
[問題点解決の方法] 本発明者等はかかる従来技術の問題点を解決し、低摩擦
性、撥水性、撥油性、抗血栓性等好ましい特性を有する
ポリウレタンの製造法を提供すべく研究を行った。
その結果、公知方法に従って、ポリイソシアネートとポ
リヒドロキシ化合物とを反応させる際、該ポリヒドロキ
シ化合物の一部を新規化合物である下記一般式(A)の
シリコーン化合物で置換して、該反応を行わせるとき
は、上述のようなすぐれた諸物性を有するポリウレタン
が得られることを知って本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、上述
のような諸物性の良好なポリウレタンの製造法を提供す
ることである。
即ち、本発明は、少なくとも2個のイソシアネート基を
有する化合物と少なくとも2個のヒドロキシル基を有す
る化合物とから得られるポリウレタンであって、ウレタ
ン結合を形成させる反応に際し、該ヒドロキシル基含有
化合物の一部として、一般式(A) (但し、Meはメチル基、R1及びR2はメチル基又はフェニ
ル基、aは1〜3の整数をmは3以上のnは0以上の整
数を示す) で表されるシリコーン化合物を用いることを特徴とする
シリコーン変性ポリウレタンの製造法である。
以下、本発明の構成と効果について更に詳しく説明す
る。
本発明において用いる、少なくとも2個のイソシアネー
ト基を有する化合物或は少なくとも2個のヒドロキシル
基を有する化合物については、通常のポリウレタン製造
原料として用い得る化合物は全て使用することが出来、
何等制限もない。
即ち、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合
物としては、ポリウレタンの基本原料であり通称ジイソ
シアネートと呼ばれている化合物、例えばトリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジ
アニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイ
イアネート、ピトリレンジイソシアネート、ナフタレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
メチルエステル、メタキシレンジイソシアネート、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイ
マー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス・(4
−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート2量体等があり、
トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシア
ネートフェニルチオフォスフェートもしくは上記ジイソ
シアネート類のビウレット体やシアヌレート体、上記ジ
イソシアネート類とトリメチロールプロパン等の多価ア
ルコール類とのアダクト等の3個以上のイソシアネート
基を有する化合物を挙げることが出来る。
その他、これらのイソシアネート基含有化合物と多価ア
ルコール類もしくは2個以上のアミノ基を有する化合物
とのプレポリマーであって2個以上のイソシアネート残
基を有する化合物等、2個以上のイソシアネート基を有
する化合物であればほとんどどんなものでも使用するこ
とができるし、これらのイソシアネート基をフェノール
類、オキシム、ラクタムもしくは重硫酸ソーダ等の活性
水素を有する化合物でブロックしたいわゆるブロックイ
ソシアネートも使用することができる。
また、本発明に使用する少なくとも2個のヒドロキシル
基を有する化合物としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2,5−ヘキサンジオール等のアルカンジオ
ール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール等の3個以上のヒドロキ
シル基を有する多価アルコール類、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、もしくはポリエチレングリコールとポリプ
ロピレングリコールとのコポリマー等のポリオキシアル
キレングリコール類、グリセリン等の多価アルコール類
もしくは2個以上のアミノ基を有する化合物とアルキレ
ンオキサイドとから得られるポリエーテルポリオール
類、或は以上に例示したようなヒドロキシル基含有化合
物と、アジピン酸、無水マレイン酸、フマール酸、無水
コハク酸、イタコン酸、セバシン酸、無水フタル酸、イ
ソフタル酸、トリメリト酸、無水ピロメリト酸等の多塩
基酸とを反応させて得られる、いわゆるポリエステルポ
リオール、或はε−カプロラクタムを開環して得られる
ポリラクトンエステルポリオール等が例示される。
なお、当然のことながら、上記のイソシアネート基含化
合物及びヒドロキシル基含有化合物どちらの場合も、そ
れぞれ2個以上を混合して使用することに何等問題はな
い。
次に、本発明に於て変性剤として使用する一般式(A)
のシリコーン化合物について説明する。該化合物は、一
般式(B) Me3SiO−(Me2−SiO)m(R1R2SiO)(R1R2SiO)n−M (但し、Meはメチル基、R1及びR2はメチル基又はフェニ
ル基、MはNaもしくはLiをmは3以上のnは0以上の整
数を示す) で表されるリビングポリマーと、一般式(C) (但し、Meはメチル基、aは1〜3の整数を示す) で表される有機珪素化合物とを反応させた後、低級アル
コール或は塩酸水溶液等で処理してトリメチルシリル基
を外すことにより得ることができる。一般式(B)のリ
ビングポリマーはヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニル
シクロトリシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロ
トリシロキサンもしくはテトラメチルテトラフェニルシ
クロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサンの1種又
は2種以上の混合物を、例えば、Me3SiONaを開始剤とす
る本発明者等の発明になる特願昭60−117349による方
法、あるいはMe3SiOLiを開始剤とするUSP−3337497,USP
−3481965等に記載の方法等によってアニオン重合する
ことによって得ることができる。また、一般式(C)の
有機珪素化合物は、一般式(D) で表される不飽和結合含有化合物のOH基を、ヘキサメチ
ルジシラザン等のシリル化剤を用いてシリル化すること
によって保護し、一般式(E) で表される化合物とした後、一般式(F) (但しaは1〜3の整数を示す) で表される珪素結合水素を有するシクロロシラン化合物
と、白金触媒の存在下、いわゆるヒドロシリル化反応を
行わしめることによって得ることができる。
また、一般式(B)のリビングポリマーと一般式(F)
のクロロシラン化合物とを反応させて、一般式(G) で表される珪素結合含有ポリジオルガノシロキサンとし
た後、一般式(E)の不飽和結合含有化合物と、白金触
媒の存在下ヒドロシリル化反応を行わしめ、前法と同じ
く脱シリル化して一般式(A)の化合物を得ることもで
きる。
いずれにしても、上記各反応工程そのものはどれも、良
く知られた手順・条件によって実施することができるも
のであり、特殊な手順を必要とするものではない。な
お、Me3SiONaを開始剤とする一般式(B)のリビングポ
リマーの製造手順・条件については特願昭60−117349に
明らかである。
上記の製法によれば、一般式(A)の片末端を2個のヒ
ドロキシル基を有する有機基で封鎖されたポリジオルガ
ノシロキサンとして、ポリシロキサン主鎖部分の分子量
数百〜数万のものを得ることができるが、これは一般式
(A)において(m+n)の値が3〜600に相当するも
のであり、本発明の目的に対しては十分なものである。
もちろん(m+n)の値が0のものも製造できないわけ
ではないが、ポリシロキサン鎖が余りに短い場合はa=
3としてもポリシロキサン導入の効果が十分に発揮され
ない恐れがある。またポリシロキサン鎖の長いものにつ
いては、余りに長くした場合に、ポリシロキサン含有量
が一定の場合にはポリウレタン主鎖中におけるポリシロ
キサンの分岐点が減少し、結果としてポリシロキサンが
遍在するというようなことが起こって、ポリシロキサン
含有量の割には期待したほどの効果が得られない可能性
も考えられるが、本発明の目的からはポリシロキサン鎖
の長さについて制限することには余り意味がなく、むし
ろリビング重合の実施難易性の観点からポリシロキサン
鎖の長さの上限が定まると考えた方が良い。
なお、ポリシロキサン鎖を構成する珪素に結合した有機
基は溌油性の点からはメチル基であることが好ましい
が、溌油性を少々犠牲にしても耐熱性をより高めたい場
合や、イソシアネート基含有化合物との反応に際してよ
り相溶性を高め反応を容易にしたい場合等にはフェニル
基を部分的に含むものであっても良い。しかしながらフ
ェニル基の割合を余りに多くすることは、ポリウレタン
の主鎖との相溶性が良くなり過ぎて期待した程の効果が
得られなくなる可能性もあるため避けた方が良く、大体
50モル%位が限度と考えられる。
次に、一般式(A)におけるaは1〜3の整数であれば
どの値であっても良く、a=3の場合には(m+n)の
値が大きくなるとイソシアネート基含有化合物との反応
がスムーズに行かない可能性が出て来、a=1の場合に
は出発原料であるジメチルクロロシランが安価に入手で
きないといったわずかな問題点があるに過ぎない。
一般にポリウレタンは、少なくとも2個のイソシアネー
ト基を有する化合物と少なくとも2個のヒドロキシル基
を有する化合物とを適当に組み合わせ、ウレタン化反応
促進触媒、発泡剤、顔料、硬化剤(架橋剤)、鎖延長
剤、安定剤等の副原料を適宜配合し、場合によっては溶
剤を用い、反応条件或は後処理条件を種々選択するな
ど、多種多様の条件下に製造され、エラストマー、フォ
ーム、塗料、接着剤、シーラント、バインダー、弾性繊
維等に、広く応用されているが、これらの用途の内、代
表例としてエラストマーとする場合について本発明のシ
リコーン変性ポリウレタンの製造法を説明する。
因に、ポリウレタンの製造法は、主原料であるイソシア
ネート基含有化合物とヒドロキシル基含有化合物との反
応のさせ方という観点から見た場合、基本的には、全て
の原料を同時に仕込んで加熱し一段で反応させてしまう
方法と、イソシアネート基含有化合物あるいはヒドロキ
シル基含有化合物のどちらか一方もしくは両方をプレポ
リマーとした後に、二段もしくはこれ以上の段階を経て
逐次的に反応させて行く方法とがある。本発明において
は前記のどちらの方法をも利用し得るが、一段で反応さ
せる場合には、原料であるヒドロキシル基含有化合物の
一部としてシリコーン化合物(A)を用いれば良いので
あって、該シリコーン化合物の生成ポリウレタン中に占
める重量比が比較的小さいため、反応のさせ方に特別の
工夫が必要でないが、シリコーン化合物(A)と生成す
るポリウレタンとの相溶性が良くないため、均一に反応
させる為には溶媒を使用することが好ましい。
そして、まずプレポリマーとした後に遂次的に反応させ
て行く方法を採用する場合には、末端イソシアネートタ
イプのプレポリマーとするためシリコーン化合物(A)
に対して、少なくとも2個のイソシアネート基を有する
化合物を過剰に用いるにしても、シリコーン化合物
(A)の重量比がかなり大きな値になるため、均一かつ
完全な反応を行わしめるためには溶剤の使用が不可欠と
なる。
イソシアネート基に対して不活性でありまたポリウレタ
ンを溶解し得る溶剤としては、モノクロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化物、メチルイソブ
チルアセテート、メトキシブチルアセテート等のエステ
ル類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、ジブチルエーテル、ジオキサン、アニソー
ル、メトキシトルエン、プロピレングリコールジメチル
エーテル、ジエチルグリコールジメチルエーテル等のエ
ーテル類が例示される。
このような溶剤の存在下、シリコーン化合物(A)に対
して少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物
を過剰に用いイソシアネートタイプのプレポリマーを製
造するには、該イソシアネート基含有化合物のシリコー
ン化合物(A)に対するモル比を1.2以上とし、温度50
℃以上で加熱反応させる。
そして、このようにして得られたプレポリマー溶液は、
溶媒を留去した後に、少なくとも2個のイソシアネート
基を有する化合物の一部として用い、少なくとも2個の
ヒドロキシル基を有する、いわゆるポリオール化合物と
反応させることによりシリコーン変性ポリウレタンを製
造することができるし、また溶媒を留去せずに、別途製
造したポリオールタイプのウレタンプレポリマーと反応
させた後に溶媒を留去することによりシリコーン変性ポ
リウレタンとすることもできる。
以上のようにして得られたシリコーン変性ポリウレタン
は、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合
物、ジヒドロキシ化合物、ポリオール、ジアミン、水等
の鎖延長剤もしくは架橋剤の存在下に、シリコーン変性
されていない他のポリウレタンと、例えば押出機を用い
るなどして共重付加反応させるなどの方法で、更に変性
剤として利用することができる。
なお、ポリウレタン生成反応特にプレポリマーを用いる
鎖延長反応域は、ポリウレタン同士の共重付加反応に際
して、反応を促進させる為の触媒、例えば無機酸、燐酸
又はほう酸のエステルもしくはパラトルエンスルホン酸
のような酸触媒、N−メチルモルホリン、トリエチルア
ミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N′−ジメチル
ピペラジン、トリエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テ
トラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメ
チルヘキサメチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペン
タメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラ
ミン等のようなアミン触媒、或はナフテン酸コバルト、
ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二
錫、トリ−n−ブチルチンアセテート、トリメチルチン
ハイドロオキサイド、ジメチルチンジクロライド、ジブ
チルチンジラウレート、オクチル酸第一錫、テトラオク
チルチタネート、オクチル酸コバルト、三塩化アンチモ
ン等のような金属触媒等を用いることは通常行われてい
ることであり、本発明においても何等差し支えない。
以上に詳述したように、本発明に係わるシリコーン変性
ポリウレタンは本発明の新規化合物である片末端を2個
のヒドロキシル基を有する有機基で封鎖されたポリジオ
ルガノシロキサンを用いることにより、ポリウレタンの
側鎖にポリジオルガノシロキサン鎖が分岐する構造とな
り、こうすることによって、ポリウレタンの主鎖にポリ
ジオルガノシロキサン鎖が導入されてブロックコポリマ
ーを形成した場合と異なり、ポリウレタン本来の機械的
強度を低下させることなく、ポリジオルガノシロキサン
鎖に基づく低摩擦性、溌水性、溌油性、抗血栓性等の特
性を付与することが可能となった。
更にこの場合、側鎖に分岐したポリジオルガノシロキサ
ン鎖は、そのもう一方の末端がトリメチルシロキシ基で
あって反応性を有しないため、動きを制限されることが
なく、主鎖のポリウレタンとの相溶性の乏しさ故に主鎖
から遠ざかろうとする傾向を生ずると予測される。この
作用は、本発明のシリコーン変性ポリウレタンをそのま
ま或はポリウレタンホモポリマー等の樹脂とブレンドし
て用いた場合の成形物、フィルム、塗膜、或はバインダ
ーとして用いた場合には形成される成形体等の表面へ
の、単なるポリマーブレンドの場合のブリード現象と同
じような、ポリジオルガノシロキサン鎖の浮き上がり現
象となって現れると考えられるが、本発明のものは主鎖
に化学的に結合されているためポリジオルガノシロキサ
ンとして遊離することが無くべたつき現象は起こらない
のである。
このような効果のため、本発明に係るシリコーン変性ポ
リウレタンにおいては、変性剤としてもちいる片末端を
2個のヒドロキシル基を有する有機基で封鎖されたポリ
ジオルガノシロキサンの量が少なくても、低摩擦性即ち
表面の滑り性を始め、ポリジオルガノシロキサンの有す
る好ましい特性を十分に付与されたものとなるのであ
る。
そして、以上に述べたような好ましい特性を有するた
め、本発明のシリコーン変性ポリウレタンは、ベルトコ
ンベヤー用のベルトを始めとする、低摩擦特性の必要な
成形物の材料として、離型紙用塗料の成分として、溌水
性もしくは溌油性を要求される塗料の成分として、磁気
テープ用のバインダーもしくはバックコート用途料の成
分として、或は抗血栓性を要求される医療用分野の成形
材料として、有利に用いることができるのである。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
実施例1 (1)一般式 で表され、分子量が約5500であるシリコーン化合物
(I)1モルに対して4,4′−メチレンビス(フェニル
イソシアネート)(MDI)2モルを加えジオキサン溶媒
中100℃で3時間加熱した。
(2)(1)とは別の反応器中でポリエチレングリコー
ル(分子量約400)8モルに対しMDI7モルを加え、ジオ
キサン溶媒中で3時間加熱撹拌を行った。
(3)(1)と(2)を混合し、触媒としてトリエチル
アミンとジブチルチンジアセテートを加えて100℃で1
時間加熱撹拌を行った後、減圧下ジオキサンを留去し
た。
(4)粉砕した市販の熱可塑性ポリウレタン(日本エラ
ストレン(株)製エラストランE980PAS)(ベースポリ
マー)90部(重量部、以下同じ)に対して(3)で得ら
れたポリウレタン10部を加え、更に架橋剤としてトリイ
ソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製コロネ
ートAP)1.3部を加えて、押出機にて190〜210℃で押し
出しペレット化した。
(5)(4)のペレットを成型し、水の接触角、引張り
強度、及び伸びを測定した。結果を〈表1〉に示す。
実施例2 (1)実施例1と同様に、シリコーン化合物(1)Iモ
ルに対してMDI2モルを加えジオキサン溶媒中100℃で3
時間加熱した。
(2)(1)にポリエチンレングリコール(分子量約40
00)2モルを加え、触媒としてトリエチルアミンとジブ
チルチンジアセテートを添加して、100℃で1時間加熱
撹拌した。これを室温に放置して析出した球状の結晶を
ろ過し溶剤を分離した後、デシケーター中で減圧乾燥し
た。
(3)実施例1と同様に、ウレタンベースポリマー90部
に対し(2)で得られたポリウレタン10部とトリイソシ
アネート1部とを加え、ペレット化した。
(4)(3)のペレットを成型し、水の接触角、引張り
強度、及び伸びを測定した。結果を〈表1〉に示す。
比較例 (1)両末端をビニル基で封鎖されたジメチル−ジフェ
ニルコポリシロキサン(フェニル含量15%、粘度10000c
p)93部と下記一般式で表される末端SiHのT構造ポリジ
メチルシロキサン(H当量1184,粘度85cp)7部を混合
し、これに塩化白金酸/イソプロパノール溶液(Pt含有
量3.8重量%)0.1部を添加してよくかき混ぜた。
(2)粉砕したベースポリマー90部に前記の混合オイル
10部を加え、パン練り器にて十分こね合わせた後、2軸
の押出機を用い190〜210℃で押出し造粒した。
(3)(2)のペレットを成型し、水の接触角、引張り
強度、及び伸びを測定した。結果を〈表1〉に示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2個のイソシアネート基を有す
    る化合物と少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化
    合物とから得られるポリウレタンであって、ウレタン結
    合を形成させる反応に際し、該ヒドロキシル基含有化合
    物の一部として、 一般式(A) (但し、Meはメチル基、R1及びR2はメチル基又はフェニ
    ル基、aは1〜3の整数をmは3以上のnは0以上の整
    数を示す)で表されるシリコーン化合物を用いることを
    特徴とするシリコーン変性ポリウレタンの製造法。
  2. 【請求項2】一般式(A)のシリコーン化合物におい
    て、m+nの値が3〜600であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載のシリコーン変性ポリウレタン
    の製造法。
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