JPH0738926A - 3次元ディスプレイ装置 - Google Patents

3次元ディスプレイ装置

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Publication number
JPH0738926A
JPH0738926A JP5183763A JP18376393A JPH0738926A JP H0738926 A JPH0738926 A JP H0738926A JP 5183763 A JP5183763 A JP 5183763A JP 18376393 A JP18376393 A JP 18376393A JP H0738926 A JPH0738926 A JP H0738926A
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JP
Japan
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stereoscopic
image
lens
observer
head
Prior art date
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Pending
Application number
JP5183763A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Nomura
敏男 野村
Masayuki Katagiri
眞行 片桐
Nobutoshi Gako
宣捷 賀好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH0738926A publication Critical patent/JPH0738926A/ja
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 観察者が常に連続した視差をもった立体像を
観察できるように、観察時の不自然さを排除し、立体視
可能領域を拡大するとともに、水平方向の解像度を劣化
させることなく、観察者が移動とともに異なる視差像を
観察できるレンチキュラレンズを用いた3次元ディスプ
レイ装置を提供する。 【構成】 複数の視差像が同時に表示される表示手段、
2眼式のレンチキュラレンズによって構成される立体画
像表示装置、及び頭部検出装置を組み合わせることによ
り、観察者の頭部位置に応じて表示する立体像を選択
し、水平方向の解像度を劣化させることなく多眼表示を
行なうと共に、立体視可能領域を拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特殊なメガネを必要と
せずに、立体画像が再生できる3次元ディスプレイ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のメガネなしで立体画像が見られる
装置としてレンチキュラレンズを用いた3次元ディスプ
レイが知られている。この3次元ディスプレイは、特
に、レンチキュラレンズと表示画素の位置合わせが容
易、表示面とレンチキュラレンズまでの距離が短いなど
の理由で、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディ
スプレイとの組み合わせで実現されている。
【0003】液晶パネル表示面に直接レンチキュラレン
ズを貼る直視型の3次元ディスプレイ装置の従来例を図
6に示す。図6には2眼式の例が示されている。
【0004】液晶パネル110の画素DDi1に左目用視
差像の一部が、画素DDi2に右目用視差像の一部が表示
されている(以下iはi=1〜nを示す)。立体信号源
131、132がそれぞれの視差像のソースである。画
素DDi1、DDi2のペアに対して、シリンドリカルレン
ズLLi が対応する。画素DDi1、DDi2を透過した光
はシリンドリカルレンズLLi の働きによって、観察領
域の空間CC、空間DDにそれぞれ分離される。空間C
C、空間DDにそれぞれ左目、右目をもってくると立体
像が観察できる。
【0005】図6では各シリンドリカルレンズLLi の
形状は同じであるが、画素DDi1とDDi2のペアのピッ
チとシリンドリカルレンズLLi のピッチは異なる。シ
リンドリカルレンズのピッチが若干小さく設定されてい
る。従って、液晶パネルの周辺において画素のペアの中
心とそれに対応するシリンドリカルレンズの中心がず
れ、そのずれ量は周辺にいく程大きくなる。このずれに
よって、液晶パネル110の中央と周辺でシリンドリカ
ルレンズへのそれぞれの画素からの透過光の入射角が異
なるため、液晶パネル110の周辺の画素からの透過光
を観察領域の特定の空間CCと空間DDに集めることが
できる。
【0006】このとき、画素DDi1から放射された光の
一部はシリンドリカルレンズLLi-1 を通る。この光は
空間EEに到達する。即ち、左目画像用画素から放射さ
れた光が、対応するレンズの1つ右隣(観察者から見
て)のシリンドリカルレンズを通ると、本来の収束空間
である空間CCと異なる空間EEに収束する。従って、
空間EEでは空間CCと同じ画像を観察することができ
る。
【0007】同様にして、左目画像用画素から放射され
た光が、対応するレンズの1つ左隣(観察者から見て)
のシリンドリカルレンズを通ると、本来の収束空間であ
る空間CCとは異なる空間AAに収束する。従って、空
間AAでも空間CCと同じ画像を観察することができ
る。
【0008】一方、右目画像用画素から放射された光
が、対応するレンズの1つ右隣(観察者から見て)のシ
リンドリカルレンズを通ると、本来の収束空間である空
間DDとは異なる空間FFに収束する。従って、空間F
Fでは空間DDと同じ画像を観察することができる。
【0009】同様にして、右目画像用画素から放射され
た光が、対応するレンズの1つ左隣(観察者から見て)
のシリンドリカルレンズを通ると、本来の収束空間であ
る空間DDとは異なる空間BBに収束する。従って、空
間BBでも空間DDと同じ画像を観察することができ
る。このような光を1次のサイドローブ光と呼ぶ。
【0010】更に、ある画素から放射された光が対応す
るレンズの2つ隣のシリンドリカルレンズを通ると2次
のサイドローブ光となるというように、一般に直近のレ
ンズのN個隣のシリンドリカルレンズを通った光はN次
のサイドローブ光となる。このサイドローブ光が収束す
る空間は、水平方向にほぼ等間隔に現れ、空間的に左目
用、右目用の画像が交互に呈示されることになる。
【0011】次に、直視型の3次元ディスプレイ装置と
頭部検出装置とを組み合わせた形の3次元ディスプレイ
装置の従来例を図7に示す。
【0012】図7に示すような形の3次元ディスプレイ
装置は原理的に2眼式となる。
【0013】図7に示す装置は、大きく分けて立体画像
表示装置、頭部検出装置、立体信号合成装置からなる。
立体画像表示装置は上述した従来例の装置と同じ構造を
とり、液晶パネル110の前面にレンチキュラレンズ1
11を貼り合わせた直視型の3次元ディスプレイ装置で
ある。頭部検出装置141は、近赤外線を観察者の頭部
に照射し、その反射強度を測定することにより、観察者
の頭部位置を検出する。立体信号合成装置142は、例
えば、左目が空間CC、右目が空間DDにくるような位
置に観察者が存在する場合には、左目用信号と右目用信
号を偶数フィールド、奇数フィールドに振り分け、立体
視を可能にする。これは、上述した従来例の装置の表示
状態と同じである。ところが、左眼が空間DD、右目が
空間EEにくるような位置に観察者が移動した場合に
は、左目で右目用視差像を、右目で左目用視差像を観察
することになり、立体視は不可能になる。そこでこのよ
うな位置に観察者が存在する場合には、立体信号合成装
置142によって偶数フィールドと奇数フィールドの内
容を入れ替えることにより、この位置でも立体視を可能
にする。
【0014】次に、直視型の3次元ディスプレイ装置と
頭部検出装置とを組み合わせ、頭部位置によってレンチ
キュラレンズを移動させる形の3次元ディスプレイ装置
の従来例を図8に示す。
【0015】図8に示すような形の3次元ディスプレイ
装置も原理的に2眼式となる。
【0016】図8に示す従来例の装置は、大きく分けて
立体画像表示装置、頭部検出装置、レンズ移動装置から
なる。立体画像表示装置は上述した図6に示す従来例の
装置と同じ構造をとり、液晶パネル110の前面にレン
チキュラレンズ111が配置される。但し、図8の装置
では、このレンチキュラレンズ111をレンズ移動装置
151によって移動させることができる。頭部検出装置
141は上記図7に示す従来例と同じである。図8の従
来例では、頭部検出装置141により観察者の位置を検
出し、観察位置の水平方向の移動に応じてレンズ移動制
御装置152によってレンチキュラレンズ111の移動
量を算出し、その位置に左目用あるいは右目用視差像が
形成されるようにレンチキュラレンズ111を水平方向
に移動させ、広範囲の観察位置で立体視を可能にする。
【0017】図8の従来例では、レンチキュラレンズ1
11を水平方向に移動することによって立体視可能領域
を拡大しているが、その原理を図9を用いて説明する。
【0018】図9は2眼式の例であるが、液晶パネル1
0の1組の画素とレンチキュラレンズ11の山の部分
(シリンドリカルレンズの中心位置)との相対位置に注
目する必要がある。ここでは、DDi1とDDi2の画素ペ
アとシリンドリカルレンズLLi との相対位置に注目す
る。図9(a)では、画素ペアDDi1、DDi2の中心線
とシリンドリカルレンズLLi の中心線が重なってい
る。このような場合には、この中心線を境に右側に右目
用視差像が、左側に左目用視差像が形成される。この状
態からレンチキュラレンズ111をわずかに左に移動す
ると、図9(b)に示すようにシリンドリカルレンズL
Li の中心線が画素ペアDDi1、DDi2の中心線よりも
左にくる。このような場合には、右目用および左目用視
差像の形成される位置が全体に左に移動する。観察者の
移動量に応じて、レンチキュラレンズ111の移動量を
制御することにより、観察者は左右に移動しても常に右
目で右目用視差像を、左目で左目用視差像を見ることが
でき、広い範囲で立体視が可能となる。
【0019】図6に示した従来例のような3次元ディス
プレイ装置では、空間AA、CC、EEには左目用視差
像が、空間BB、DD、FFには右目用視差像が形成さ
れる。従って、観察者が左目を空間CC、右目を空間D
Dにもってくる場合には正常な立体像が観察されるが、
例えば左目が空間DD、右目が空間EEにくるように右
に移動した場合には、左目で右目用視差像を右目で左目
用視差像を観察することになり、正常な立体像を観察で
きない(このような像は奥行きが逆転して感じられる立
体像となり、これを逆立体像と呼ぶことにする)。左目
が空間BB、右目が空間CCにくるように左に移動した
場合も同様である。即ち、このような3次元ディスプレ
イ装置では、正常な立体像が観察される領域と逆立体像
が観察される領域の割合がほぼ等しくなり、立体視可能
領域が狭い範囲に限られてしまう。
【0020】また、各視差像の間に、液晶パネルの配線
部分が光を透過しないことに起因する非表示空間が存在
し、観察者が移動した際に黒い帯として観察され、連続
した立体像を観察する上で障害となる。
【0021】これを解決するために、図7に示した従来
例のような3次元ディスプレイ装置、あるいは、図8に
示した従来例のような3次元ディスプレイ装置が考案さ
れた。これらの装置は、頭部追跡を行なうことを特徴と
している。図7に示す従来例の装置では、逆立体像が観
察されるような領域に観察者が移動した場合には、表示
パネル上の左目用視差像と右目用視差像の位置を入れ換
えることにより、正常な立体像が観察できるようにす
る。図8に示す従来例の装置では、観察者の移動に応じ
てレンチキュラレンズを移動させることにより、正常な
立体像が観察できる領域を観察者と共に移動させる。こ
のような工夫により、これらの従来例では観察者が逆立
体像を観察することはなくなる。
【0022】また、図8に示す従来例の装置では、頭部
追跡により視差像を表示する空間自体を移動させるた
め、観察者が上述した黒い帯を観察することはない。
【0023】しかしながら、これらの従来例では、原理
的に2眼式にしかならず、観察者が移動した場合には、
本来ならば映し出された物体の異なる側面が見えてくる
はずのものが、常に同じ像しか観察できない。このよう
な現象は現実の世界では起こり得ないので、図7及び図
8に示す従来例の装置では、観察者は映し出された映像
がまさにそこに存在すると感じることは困難である。
【0024】これに対して、観察者が移動すると、映し
出された物体の異なる側面が見えてくる3次元ディスプ
レイ装置の例として、図10に示すような多眼式の3次
元ディスプレイ装置がある。図10は4眼式の例であ
る。
【0025】図10の装置では、表示画素DDi1、DD
i2、DDi3、DDi4に対して、シリンドリカルレンズL
Li が対応し、表示画素DDi1、DDi2、DDi3、DD
i4から出た光を、それぞれ空間BB、空間CC、空間D
D、空間EEに分離する。図10の装置に用いる立体信
号を得る方法として、例えば図11に示すような構成の
撮像系が用いられる。即ち、一定の間隔でカメラを配置
し、それぞれのカメラはその中心軸が対象物に向くよう
に角度をつけておく。こうして4つの異なる視差像が得
られるが、このうちの隣り合う2つの像について、左側
のカメラの像を左目で、右側のカメラの像を右目で観察
することにより、立体視が可能になる。従って、図10
の装置では、表示画素DDi1、DDi2、DDi3、DDi4
に対して、図11に示すカメラ121からカメラ124
によって得られる像11から像14を割り当てることに
より、3つの異なる立体像を観察することができる。こ
こで3つの異なる立体像とは、左目と右目でそれぞれ
(像11と像12)、(像12と像13)、(像13と
像14)を見る場合に観察される立体像である。これ
は、立体視可能領域が広い範囲にわたっていることをも
意味する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図10に示す従来の多眼式の3次元ディスプレイ装置
では、水平方向の解像度が劣化する。一般に、N眼式の
場合には、その水平方向の解像度は、レンチキュラレン
ズを用いずに普通のディスプレイとして用いる場合の1
/Nになってしまう。このような画質の劣化は、立体視
の上で大きな妨げになり、劣化が激しい場合には立体感
がまるで得られなくなってしまうという問題点があっ
た。
【0027】本発明の目的は、逆立体像が観察される領
域をなくし、立体視可能領域を拡大するとともに、水平
方向の解像度を劣化させることなく、観察者が移動に応
じて異なる視差像を観察することができる3次元ディス
プレイ装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、複数の
異なる視差像が同時に表示される表示パネル、シリンド
リカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラレンズ
を有する3次元ディスプレイ装置であって、観察者の頭
部の空間的位置を検出する頭部検出装置と、多眼表示を
行なうための立体信号を出力する複数の立体信号源と、
頭部検出装置で検出された観察者の頭部位置に基づいて
複数の立体信号源から出力される立体信号を選択する立
体信号選択装置とを備える3次元ディスプレイ装置によ
って達成される。
【0029】本発明の目的は、複数の異なる視差像が同
時に表示される表示パネル、シリンドリカルレンズのア
レイで構成されるレンチキュラレンズを有する3次元デ
ィスプレイ装置であって、観察者の頭部の空間的位置を
検出する頭部検出装置と、多眼表示を行なうための立体
信号を出力する複数の立体信号源と、頭部検出装置で検
出された観察者の頭部位置に基づいて複数の立体信号源
から出力される立体信号を選択する立体信号選択装置
と、レンチキュラレンズを左右方向に移動するレンズ移
動装置と、レンズ移動装置を制御するレンズ移動制御装
置とを備える3次元ディスプレイ装置によっても達成さ
れる。
【0030】本発明の目的は、複数の異なる視差像が同
時に表示される透過型表示パネル、シリンドリカルレン
ズのアレイで構成されるレンチキュラレンズを有する3
次元ディスプレイ装置であって、表示パネルを裏面から
照明するための光源と、光源から放射された光を該表示
パネルに対して概略直交する光に変換する光学レンズ
と、観察者の頭部の空間的位置を検出する頭部検出装置
と、多眼表示を行なうための立体信号を出力する複数の
立体信号源と、頭部検出装置で検出された観察者の頭部
位置に基づいて複数の立体信号源から出力される立体信
号を選択する立体信号選択装置と、光源と光学レンズの
空間的相対位置を変化させる光源移動装置と、光源移動
装置を制御する光源移動制御装置とを備える3次元ディ
スプレイ装置によっても達成される。
【0031】本発明の3次元ディスプレイ装置は、表示
パネルとレンチキュラレンズとの間に、投影レンズと拡
散層とを備えるように構成してもよい。
【0032】
【作用】本発明の3次元ディスプレイ装置では、複数の
異なる視差像が同時に表示される表示パネルと、シリン
ドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラレン
ズによって、左目用と右目用の視差像を空間的に分離す
る。このとき、上記頭部検出装置によって検出された観
察者の頭部の空間的位置に応じて、2眼式のレンチキュ
ラレンズによって形成される立体像表示空間に再生する
像を、多眼表示を行なうための複数の立体信号源が接続
された立体信号選択装置によって選択し、観察者の位置
に応じた立体像を呈示する。
【0033】本発明の3次元ディスプレイ装置では、複
数の異なる視差像が同時に表示される表示パネルと、シ
リンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラ
レンズによって、左目用と右目用の視差像を空間的に分
離する。このとき、上記頭部検出装置によって検出され
た観察者の頭部の空間的位置に応じて、2眼式のレンチ
キュラレンズを移動し、レンチキュラレンズによって形
成される立体像表示空間を移動させるとともに、多眼表
示を行なうための複数の立体信号源が接続された立体信
号選択装置によって再生像を選択し、観察者の位置に応
じた立体像を呈示する。
【0034】本発明の3次元ディスプレイ装置では、複
数の異なる視差像が同時に表示される透過型表示パネル
と、シリンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチ
キュラレンズと、該表示パネルを裏面から照明するため
の光源と、該光源から放射された光を表示パネルに対し
て概略直交する光に変換する光学レンズによって、左目
用と右目用の視差像を空間的に分離する。このとき、上
記頭部検出装置によって検出された観察者の頭部の空間
的位置に応じて、光源と光学レンズの空間的相対位置を
移動し、2眼式のレンチキュラレンズによって形成され
る立体像表示空間を移動させるとともに、多眼表示を行
なうための複数の立体信号源が接続された立体信号選択
装置によって再生像を選択し、観察者の位置に応じた立
体像を呈示する。
【0035】本発明の3次元ディスプレイ装置では、複
数の異なる視差像が同時に表示される表示パネルと、シ
リンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラ
レンズと、該表示パネルと該レンチキュラレンズとの間
に配置される投影レンズと拡散層によって、左目用と右
目用の視差像を空間的に分離する。このとき、上記頭部
検出装置によって検出された観察者の頭部の空間的位置
に応じて、2眼式のレンチキュラレンズによって形成さ
れる立体像表示空間に再生する像を、多眼表示を行なう
ための複数の立体信号源が接続された立体信号選択装置
によって選択し、観察者の位置に応じた立体像を呈示す
る。
【0036】本発明の3次元ディスプレ装置では、複数
の異なる視差像が同時に表示される表示パネルと、シリ
ンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラレ
ンズと、該表示パネルと該レンチキュラレンズとの間に
配置される投影レンズと拡散層によって、左目用と右目
用の視差像を空間的に分離する。このとき、上記頭部検
出装置によって検出された観察者の頭部の空間的位置に
応じて、2眼式のレンチキュラレンズを移動し、レンチ
キュラレンズによって形成される立体像表示空間を移動
させるとともに、多眼表示を行なうための複数の立体信
号源が接続された立体信号選択装置によって再生像を選
択し、観察者の位置に応じた立体像を呈示する。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の3次元ディ
スプレイ装置の実施例を説明する。
【0038】図1は、本発明の3次元ディスプレイ装置
の第1実施例の構成を示す。
【0039】図1の3次元ディスプレイ装置は、液晶パ
ネルの前面にレンチキュラレンズを置く直視型の3次元
ディスプレイ装置である。図1には4眼表示の場合が図
示してある。
【0040】図1の3次元ディスプレイ装置では、液晶
パネル10の前面にレンチキュラレンズ11が貼り付け
られる。実際の装置では液晶パネル10の背面に表示用
照明光源が置かれるが、図1では省略してある。
【0041】図1の実施例では画像表示パネルとして液
晶パネルを用いたが、その他にエレクトロルミネッセン
ス(EL)パネル、プラズマディスプレイ、発光ダイオ
ード(LED)アレイなどのフラットパネルディスプレ
イを用いることができる。そのときは表示用照明光源を
必要としない。
【0042】液晶パネル10には通常、カラー液晶パネ
ルが用いられる。そのとき、レンズの作用によって色画
像が分離しないように、液晶パネルのカラーフィルタの
配列は、レンチキュラレンズの長手方向(垂直方向)と
同じにする。
【0043】レンチキュラレンズ11は、シリンドリカ
ルレンズのアレイである。図1のレンチキュラレンズ1
1は、紙面に垂直方向に細長いシリンドリカルレンズの
アレイの断面を表している。レンチキュラレンズ11
は、通常、アクリル、塩化ビニルなどのプラスチック材
料からなる。レンチキュラレンズ11は、予め設定され
た曲率半径をもった円筒が水平方向に並んだ形状に成形
される。また、その厚さは液晶パネル10上に焦点を結
ぶように設定される。
【0044】図1の実施例においては、4つの異なる視
差像が表示できる4眼式であるが、同時に表示するのは
2つの異なる視差像である。従って、本実施例において
用いるレンチキュラレンズは、通常2眼式の3次元ディ
スプレイ装置に用いられるものと同一である。即ち、表
示画素Di1とDi2のペアに対してレンチキュラレンズ1
1内のシリンドリカルレンズLi が対応して置かれる
(以下iはi=1〜nを表す)。画素Di1、Di2を透過
した光は、シリンドリカルレンズLi の働きによって、
観察領域の空間C、空間Dにそれぞれ分離される。画素
Di1に左目用視差像を、画素Di2に右目用視差像を表示
した場合には、空間C、空間Dにそれぞれ左目、右目を
もってくると立体像が観察できる。
【0045】図1では各シリンドリカルレンズLi の形
状は同じであるが、画素Di1、Di2のペアのピッチとシ
リンドリカルレンズLi のピッチは異なる。シリンドリ
カルレンズのピッチが若干小さく設定されている。従っ
て、液晶パネルの周辺において画素のペアの中心とそれ
に対応するシリンドリカルレンズの中心がずれ、そのず
れ量は周辺にいく程大きくなる。このずれによって、液
晶パネル10の中央と周辺でシリンドリカルレンズへの
それぞれの画素からの透過光の入射角が異なるため、液
晶パネル10の周辺の画素からの透過光を観察領域の特
定の空間Cと空間Dに集めることができる。
【0046】このとき画素Di1から放射された光の一部
は、シリンドリカルレンズLi-1 を通り、空間Eに収束
する。即ち、画素Di1から放射された光が対応するレン
ズの1つの右隣(観察者から見て)のシリンドリカルレ
ンズを通ると、本来の収束空間である空間Cとは異なる
空間Eに収束する。従って、空間Eでは空間Cと同じ画
像を観察することができる。
【0047】同様にして、画素Di1から放射された光
が、対応するレンズの1つ左隣(観察者から見て)のシ
リンドリカルレンズを通ると、本来の収束空間である空
間Cとは異なる空間Aに収束する。従って、空間Aでも
空間Cと同じ画像を観察することができる。
【0048】一方、画素Di2から放射された光が、対応
するレンズの1つ右隣(観察者から見て)のシリンドリ
カルレンズを通ると、本来の収束空間である空間Dとは
異なる空間Fに収束する。従って、空間Fでは空間Dと
同じ画像を観察することができる。
【0049】同様にして、画素Di2から放射された光
が、対応するレンズの1つ左隣(観察者から見て)のシ
リンドリカルレンズを通ると、本来の収束空間である空
間Dとは異なる空間Bに収束する。従って、空間Bでも
空間Dと同じ画像を観察することができる。このような
光を1次のサイドローブ光と呼ぶ。
【0050】更に、ある画素から放射された光が対応す
るレンズの2つ隣のシリンドリカルレンズを通ると2次
のサイドローブ光となるというように、一般に直近のレ
ンズのN個隣のシリンドリカルレンズを通った光はN次
のサイドローブ光となる。このサイドローブ光が収束す
る空間は、水平方向にほぼ等間隔に現れ、空間的に左目
用、右目用の画像が交互に呈示されることになる。
【0051】液晶パネル10に表示する視差像を得る手
段としては、例えば従来の技術において上述した図11
に示すような撮像系が考えられる。本実施例は4眼式で
あるから、図11のカメラ121からカメラ124の4
台のカメラを、一定の間隔で、その中心軸を対象物体に
向けて配置する。これにより、4つの異なる像が得られ
るが、カメラ121によって得らえる像を像1とし、こ
れを図1中の立体信号源33として用いる。同様に、カ
メラ122によって得られる像2を立体信号源34に、
カメラ123によって得られる像3を立体信号源35
に、カメラ124によって得られる像4を立体信号源3
6に対応させる。このうちの隣り合う2つの像につい
て、左側のカメラの像を左目で、右側のカメラの像を右
目で観察することにより、立体視が可能になる。本実施
例のような4眼式の場合には、3つの異なる立体像を観
察することができる。ここで3つの異なる立体像とは、
左目と右目でそれぞれ(像1と像2)、(像2と像
3)、(像3と像4)を見る場合に観察される立体像で
ある。なお、4つの異なる像を生成する手段として、コ
ンピュータグラフィックスを用いる方法もある。また、
立体信号源は実時間で動くものであっても、光ディスク
のような蓄積系に記録されたものであってもよい。
【0052】頭部検出装置41は、観察者の頭部に空間
的位置を検出する位置である。頭部検出の方式はいくつ
か考えられる。第1の方式として、頭部検出装置に赤外
線受発光素子を備えて、近赤外線を観察者の頭部に照射
し、その反射強度を測定することにより、観察者の頭部
位置を検出する方法がある。
【0053】第2の方式として、ビデオカメラあるいは
電荷結合素子(CCD)カメラで常に観察者を捕らえ
て、画像処理によって瞳を認識して、その空間位置を検
出する方法がある。この場合、頭部検出装置にビデオカ
メラ、画像処理・認識装置、位置検出装置が含まれる。
【0054】第3の方式として、観察者の頭部に磁界発
生器をつけて、複数の磁界検出器を用いて、磁界発生器
の空間位置を検出する方法がある。この場合、頭部検出
装置に磁界発生器、複数の磁界検出器、磁界検出器から
の信号の処理装置などが含まれる。この方式では、観察
者の頭部に磁界検出器をつけて、パネル側に磁界発生器
を置く場合もある。
【0055】その他の方式としては、機械的な方式、超
音波を用いる方式、慣性力を用いた方式などがある。
【0056】頭部検出装置41によって検出された頭部
の位置情報は、立体信号選択装置43に送られる。立体
信号選択装置43には、上述した図11のような撮像系
によって得られた4つの立体信号源(33〜36)が接
続されており、頭部の位置情報によって4つの立体信号
源の内の1つを左目用信号に割り当て、別の1つを右目
用信号に割り当てる。
【0057】立体信号合成装置42は、立体信号選択装
置43によって選択された2つの信号を、それぞれ偶数
フィールドと奇数フィールドに振り分け、液晶パネル1
0上で左目用視差像と右目用視差像を1ライン毎に交互
に表示させる。
【0058】本発明では、観察者の頭部位置と選択する
立体信号源との関係が重要である。この点について、以
下に詳しく説明する。
【0059】まず、観察者の左目が空間Cに、右目が空
間Dにある場合を基本位置とする。この場合には、立体
信号選択装置43は、左目用信号として像2(立体信号
源34)を、右目用信号として像3(立体信号源35)
を選択し、立体信号合成装置42によって、画素Di1に
像2を、画素Di2に像3を表示させる。画素Di1から放
射された光が空間C(および空間A、E)に、画素Di2
から放射された光が空間D(および空間B、F)に収束
するのは先に述べた通りであるから、観察者は左目で像
2を、右目で像3を見ることになり、立体像が観察され
る。この状態を状態(2)とする。
【0060】次に、観察者が右に移動して、左目が空間
Dに、右目が空間Eにくる位置にきたとする。この場合
には、立体信号選択装置43は左目用信号として像3
(立体信号源35)を、右目用信号として像4(立体信
号源36)を選択し、立体信号合成装置42によって、
画素Di1に像4を、画素Di2に像3を表示させる。こう
すると、観察者は左目で空間Dに収束した像3を、右目
で空間Eに収束した像4を見ることになり、立体像が観
察される。この状態を状態(3)とする。この状態で
は、状態(2)と異なり、画素Di1に右目用視差像が、
画素Di2に左目用視差像が表示されていることに注意す
る。
【0061】ここから、観察者が左に移動して基本位置
に戻った場合には、状態(2)に切り替える。
【0062】さらに観察者が左に移動して、左目が空間
Bに、右目が空間Cにくる位置にきたとする。この場合
には、立体信号選択装置43は左目用信号として像1
(立体信号源33)を、右目用信号として像2(立体信
号源34)を選択し、立体信号合成装置42によって、
画素Di1に像2を、画素Di2に像1を表示させる。こう
すると、観察者は左目で空間Bに収束した像1を、右目
で空間Cに収束した像2を見ることになり、立体像が観
察される。この状態を状態(1)とする。この状態で
も、状態(3)と同様、画素Di1に右目用視差像が、画
素Di2に左目用視差像が表示されていることに注意す
る。
【0063】このように、観察者の位置に応じて、表示
状態を切り替えることにより、観察者が左右に移動して
も正常な立体像を観察することができ、しかも、移動し
た場所に応じて異なる立体像を観察することができる。
同時に、立体視可能領域も広がっていることになる。
【0064】また、本実施例では2眼式用のレンチキュ
ラレンズを用いるため、多眼表示を行なうにもかかわら
ず、その水平方向の解像度は、立体視をするために最低
限必要な2眼式の場合と同じである。
【0065】なお、本実施例は4眼式であるため、例え
ば左目が空間Eに、右目が空間Fにくる位置に移動した
場合には、偶数フィールドと奇数フィールドの内容を入
れ換えることにより、逆立体像ができるのを防ぐことは
できるが、状態(3)と異なる(別の角度から見た)立
体像を呈示することはできない。この問題は、像数を増
やすことにより解決できる。即ち、立体信号源の数を増
やすことにより、広範囲な観察者の移動に対応でき、立
体視可能領域をより拡大することができる。
【0066】図2は、本発明の3次元ディスプレイ装置
の第2実施例の構成を示す。
【0067】図2の3次元ディスプレイ装置は、液晶パ
ネルの前面にレンチキュラレンズを置く直視型の3次元
ディスプレイ装置である。本実施例の装置は、上述した
第1実施例の3次元ディスプレイ装置にレンズ移動装置
とレンズ移動制御装置が加わった構成をとり、レンチキ
ュラレンズが左右に移動することを特徴とする。
【0068】図2の実施例においては、4つの異なる視
差像が表示できる4眼式であるが、同時に表示するのは
2つの異なる視差像である。従って、本実施例において
用いるレンチキュラレンズは、図2(b)に示すように
図1の第1実施例と同じく、通常2眼式の3次元ディス
プレイ装置に用いられるものと同一である。従って、液
晶パネル10の表示画素とレンチキュラレンズ11の位
置関係や、光線の収束の仕方も第1実施例の場合に準ず
るので説明を省略する。
【0069】レンズ移動装置51を用いてレンチキュラ
レンズ11を水平方向に移動することによって、立体視
可能領域を拡大することができるが、その原理を上述し
た図9を用いて説明する。なお、本実施例の構成に基づ
いて説明するので以下に示すように参照番号及び符号の
読み替えが必要である。即ち、図9の参照番号110、
111をそれぞれ10、11に、参照符号DDi1、DD
i2、LLi をそれぞれDi1、Di2、Liとする。
【0070】図9は2眼式の例であるが、液晶パネル1
0の1組の画素とレンチキュラレンズ11の山の部分
(シリンドリカルレンズの中心位置)との相対位置に注
目する必要がある。ここでは、Di1とDi2の画素ペアと
シリンドリカルレンズLi との相対位置に注目する。図
9(a)では、画素ペアDi1、Di2の中心線とシリンド
リカルレンズLi の中心線が重なっている。このような
場合には、この中心線を境に右側に右目用視差像が、左
側に左目用視差像が形成される。この状態からレンチキ
ュラレンズ11をわずかに左に移動すると、図9(b)
に示すようにシリンドリカルレンズLi の中心線が画素
ペアDi1、Di2の中心線よりも左にくる。このような場
合には、右目用および左目用視差像の形成される位置が
全体に左に移動する。観察者の移動量に応じて、レンチ
キュラレンズ11の移動量を制御することにより、観察
者は左右に移動しても常に右目で右目用視差像を、左目
で左目用視差像を見ることができ、広い範囲で立体視が
可能となる。
【0071】再び図2に戻って説明すると、観察者の移
動量とそれに対応するレンチキュラレンズ11の移動量
との間には密接な関係があり(近似的には比例関係)、
これを制御するのがレンズ移動制御装置52である。レ
ンズ移動装置51は、レンズ移動制御装置52が算出し
た移動量だけレンチキュラレンズ11を左右方向に移動
する。
【0072】このとき、単にレンチキュラレンズ11を
移動するだけであれば、観察者が観察する立体像は変わ
らないので、レンチキュラレンズ11の移動に同期させ
て、表示する視差像を切り替える。
【0073】本実施例は4眼式であるので、第1実施例
で説明したように、例えば図11に示されるような撮像
系によって、像1から像4の異なる4つの視差像(立体
信号源33〜36)を用意する。また、予め観察領域内
を4つに分割するべく境界を設定する。図2(a)で
は、分割された領域をそれぞれ左から空間W、X、Y、
Zとする。この際、最も外側にある領域以外(ここでは
空間W、Z以外)の領域の幅は、人間の両眼間隔(約6
5mm)程度になるようにする。設定した境界の位置情
報は、立体信号選択装置43に記憶しておく。
【0074】観察者の移動とレンチキュラレンズ11の
移動及び表示する映像の切り替えの制御の流れを、図3
に示したフローチャートを用いて説明する。
【0075】まず、頭部検出装置41によって観察者の
頭部位置を検出する(301)。レンズ移動制御装置5
2は、検出された観察者の頭部位置から、レンチキュラ
レンズ11の移動量ΔLを計算し(302)、レンズ移
動装置51にレンチキュラレンズ11をΔLだけ移動さ
せる(303)。一方、立体信号選択装置43は検出さ
れた観察者の頭部位置に応じて、選択する像を切り替え
る。即ち、左目が空間W、右目が空間Xにある場合には
像1と像2(304、305)を、左目が空間X、右目
が空間Yにある場合には像2と像3(306、307)
を、左目が空間Y、右目が空間Zにある場合には像3と
像4を選択する(307)。立体信号合成装置42は選
択された2つの信号を左目用と右目用に割り振って、液
晶パネルに表示する(309)。
【0076】ここで、領域の幅を人間の両眼間隔の半分
以下にした場合を考える。このときは、撮像系のカメラ
間隔も狭くなっていなければならない(実際には、各カ
メラによって構成される輻輳角のみが問題となる)。こ
のような場合には、立体信号選択装置43によって、隣
合う2つの像を選択するのではなく、3つ以上離れた像
を選択すればよい。このようにすると、観察者の移動に
伴って観察される立体像は非常に細かく切り替わる。本
実施例で重要なことは、撮像時の視差と観察時の視差が
大きく違わないようにすることであり、撮像時のカメラ
間隔(輻輳角)は、各観察領域の幅を考慮して決定す
る。
【0077】このようにすることにより、観察者は左右
に移動すると異なる立体像を観察することができる。し
かも、立体像が切り替わる領域の幅は、撮像時の条件を
考慮した上で任意に決定することができ、第1実施例の
ようにレンチキュラレンズの特性に左右されることがな
い。また、第1実施例では、各視差像の間に、液晶パネ
ルの配線部分が光を透過しないことに起因する非表示空
間が存在し、観察者が移動した際に黒い帯として観察さ
れるが、本実施例では視差像を表示する空間自体を移動
させるため、観察者がこの黒い帯を観察することはな
い。
【0078】なお、本実施例は4眼式であるため、例え
ば両目とも空間Zにあるような場合には立体視ができな
い。この問題は、像数を増やすことにより解決できる。
即ち、立体信号源の数を増やすことにより、広範囲な観
察者の移動に対応でき、立体視可能領域をより拡大する
ことができる。
【0079】図4は、本発明の3次元ディスプレイ装置
の第3実施例の構成を示す。
【0080】図4の3次元ディスプレイ装置は、液晶パ
ネルの前面にレンチキュラレンズを置く直視型の3次元
ディスプレイ装置である。図4では2眼式の場合が図示
してある。本実施例では、液晶パネルを裏面から照明す
る光源と、該光源から放射された光を表示パネルに対し
て概略直交する光に変換する光学レンズとの空間的な相
対位置を変化させることを特徴とする。
【0081】本実施例の装置の液晶パネル10、レンチ
キュラレンズ11は、第1実施例の装置と同様である
が、液晶パネル10の前面に拡散板72を貼り、更にそ
の上にレンチキュラレンズ11を貼り付ける。拡散板7
2はプラスチックフィルムで構成され、入射光を拡散さ
せる働きがある。
【0082】液晶パネル10の裏面の近傍にフレネルレ
ンズ71が配置される。フレネルレンズ71の光軸は、
液晶パネル10に対して垂直である。フレネルレンズ7
1は、1つのシリンドリカルレンズの機能をもつ。フレ
ネルレンズ71の長手方向は、レンチキュラレンズ11
内のシリンドリカルレンズの長手方向と同じである。フ
レネルレンズ71の代わりに、通常のシリンドリカルレ
ンズ、または凸レンズを用いてもよい。
【0083】フレネルレンズ71のほぼ焦点距離の位置
に、光源74が設置される。光源74は、ハロゲンラン
プのような点光源でもよいし、蛍光灯のような線光源で
もよい。線光源の場合には、その長手方向は、フレネル
レンズ71の長手方向と一致させる。光源74は、光源
移動装置62によって、フレネルレンズ71と平行な平
面内で位置を変えることができる。
【0084】頭部検出装置41は、観察者の頭部の空間
的位置を検出する装置であり、第1実施例で説明したも
のと同様のものを用いる。頭部検出装置41によって検
出された頭部の位置情報は、光源移動制御装置61に送
られる。光源移動制御装置61は、該位置情報に基づい
て、光源74の最適位置を算出して、光源の位置信号を
光源移動装置62に送る。
【0085】光源74は、フレネルレンズ71のほぼ焦
点に位置しているので、光源74から放射された光は、
フレネルレンズ71を通った後、フレネルレンズ71の
作用によって、概略平行光になる。例えば、光源74が
フレネルレンズ71の光軸上に位置しているときは、液
晶パネル10にはパネルに対してほぼ垂直なバックライ
ト光が入射される。そのため、立体像は液晶パネルのほ
ぼ正面に再生される。このとき、右目をB点、左目をD
点にもってくると正常な立体像が観察できる。
【0086】仮に、光源74を74aの位置に移動する
と、光源74の位置はフレネルレンズ71の光軸よりわ
ずかにずれて、液晶パネル10にはパネルに対して垂直
な方向よりわずかに角度のついたバックライト光が入射
される。その結果、立体像が再生される位置は、液晶パ
ネルの正面より少しずれて、A点、C点の位置に再生さ
れる。このとき、右目をA点、左目をC点にもってくる
と正常な立体像が観察できる。
【0087】このように、頭部検出装置41によって観
察者の頭部位置を検出して、その位置に立体像が再生さ
れるように光源74の位置を制御することにより、観察
者は少々頭を動かしても、常に正常な立体像を観察し続
けることができる。
【0088】本実施例で重要なことは、液晶パネル10
に入射されるバックライト光の入射角を変化させること
だが、その手段は光源74の位置を変えることに限定さ
れない。フレネルレンズ71を移動させても、バックラ
イト光の入射角を変化させることができる。ただし、こ
の場合大きなフレネルレンズを移動しなければならない
ので、移動装置が大型になる。
【0089】次に、図5は、上述した第1実施例及び第
2実施例を、背面投射型プロジェクタを用いて実現する
3次元ディスプレイ装置の構成を示す。
【0090】図5の3次元ディスプレイ装置は、スクリ
ーンの後方にプロジェクタを置く背面投射型の3次元デ
ィスプレイ装置である。図5では4眼表示の場合が図示
してある。
【0091】まず、第2実施例を背面投射型プロジェク
タを用いて実現する方法について説明する。
【0092】映像を投影するスクリーンとしては、背面
投射型の拡散板スクリーン73を用いる。その前面にレ
ンチキュラレンズ11を貼り付ける。レンチキュラレン
ズ11は、第2実施例と同様、通常2眼式の3次元ディ
スプレイ装置に用いられるものと同一である。このスク
リーンに、背面投射型プロジェクタ75によって、後方
から映像が投影される。
【0093】頭部検出装置41、立体信号選択装置4
3、立体信号合成装置42、レンズ移動制御装置52、
レンズ移動装置51を備える点は、第2実施例と同じで
ある。
【0094】このような構成の3次元ディスプレイ装置
では、図2に示す第2実施例において液晶パネル10に
映像が表示されていたものが、拡散板スクリーン73に
表示されるようになるだけで、他の部分は上述した第2
実施例と変わらない。従って、第2実施例と同じく、観
察者の頭部位置に応じてレンチキュラレンズ11を左右
に移動することによって、第2実施例と同様の効果を発
揮することができる。
【0095】同様にして、図1の第1実施例を背面投射
型プロジェクタを用いて実現するには、図1の液晶パネ
ル10を拡散板スクリーンと背面投射型プロジェクタに
置き替えるだけでよい。
【0096】
【発明の効果】本発明の3次元ディスプレイ装置は、複
数の異なる視差像が同時に表示される表示パネル、シリ
ンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラレ
ンズを有する3次元ディスプレイ装置であって、観察者
の頭部の空間的位置を検出する頭部検出装置と、多眼表
示を行なうための立体信号を出力する複数の立体信号源
と、頭部検出装置で検出された観察者の頭部位置に基づ
いて複数の立体信号源から出力される立体信号を選択す
る立体信号選択装置とを備えるので、頭部検出装置によ
って観察者の頭部の空間的位置を検出し、逆立体像が観
察されるような領域に観察者が移動した場合には、2眼
式のレンチキュラレンズによって形成される立体像表示
空間に再生する像を、多眼表示を行なうための複数の立
体信号源が接続された立体信号選択装置によって選択
し、観察者の位置に応じた立体像を呈示する。この結
果、観察者が逆立体像を観察することはなくなり、立体
視可能領域は拡大する。また、観察者の移動に伴って観
察される立体像も変化するため、立体像観察時の不自然
さがなくなる。しかも、2眼式のレンチキュラレンズを
用いるため、多眼表示を行なうにもかかわらず、水平方
向の解像度は2眼表示の場合と同等であり、劣化しな
い。
【0097】本発明の3次元ディスプレイ装置は、複数
の異なる視差像が同時に表示される表示パネル、シリン
ドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラレン
ズを有する3次元ディスプレイ装置であって、観察者の
頭部の空間的位置を検出する頭部検出装置と、多眼表示
を行なうための立体信号を出力する複数の立体信号源
と、頭部検出装置で検出された観察者の頭部位置に基づ
いて複数の立体信号源から出力される立体信号を選択す
る立体信号選択装置と、レンチキュラレンズを左右方向
に移動するレンズ移動装置と、レンズ移動装置を制御す
るレンズ移動制御装置とを備えるので、頭部検出装置に
よって観察者の頭部の空間的位置を検出し、それに応じ
て2眼式のレンチキュラレンズによって形成される立体
像表示空間を移動するとともに、多眼表示を行なうため
の複数の立体信号源が接続された立体信号選択装置によ
って再生像を選択し、観察者の位置に応じた立体像を呈
示する。この結果、観察者が各視差像の間に存在する黒
い帯(非表示空間)を見ることがなくなる。
【0098】本発明の3次元ディスプレイ装置は、複数
の異なる視差像が同時に表示される透過型表示パネル、
シリンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュ
ラレンズを有する3次元ディスプレイ装置であって、表
示パネルを裏面から照明するための光源と、光源から放
射された光を該表示パネルに対して概略直交する光に変
換する光学レンズと、観察者の頭部の空間的位置を検出
する頭部検出装置と、多眼表示を行なうための立体信号
を出力する複数の立体信号源と、頭部検出装置で検出さ
れた観察者の頭部位置に基づいて複数の立体信号源から
出力される立体信号を選択する立体信号選択装置と、光
源と光学レンズの空間的相対位置を変化させる光源移動
装置と、光源移動装置を制御する光源移動制御装置とを
備えるので、立体像を切り替える境界の位置は、レンチ
キュラレンズによって形成される立体像表示空間の位置
には制限されなくなり、3次元ディスプレイ装置を設計
する際の自由度が増すとともに、非常に滑らかに、かつ
連続的に変化する立体像を呈示することが可能になる。
また、背面投射型プロジェクタを用いることにより、以
上の効果に加えて、大画面化を図ることが可能になる。
【0099】本発明の3次元ディスプレイ装置は、表示
パネルとレンチキュラレンズとの間に、投影レンズと拡
散層とを備えるので、非常に滑らかにかつ連続的に変化
する立体像を呈示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3次元ディスプレイ装置の第1実施例
の構成を示す図である。
【図2】本発明の3次元ディスプレイ装置の第2実施例
の構成を示す図である。
【図3】図2の3次元ディスプレイ装置の動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図4】本発明の3次元ディスプレイ装置の第3実施例
の構成を示す図である。
【図5】図2の第2実施例において背面投射型プロジェ
クタを用いた3次元ディスプレイ装置の構成を示す図で
ある。
【図6】従来の3次元ディスプレイ装置の一構成例を示
す図である。
【図7】従来の3次元ディスプレイ装置の他の構成例を
示す図である。
【図8】従来の3次元ディスプレイ装置の他の構成例を
示す図である。
【図9】従来の3次元ディスプレイ装置及び本発明の3
次元ディスプレイ装置におけるレンチキュラレンズの移
動による立体像表示領域の移動の説明図である。
【図10】従来の多眼式の3次元ディスプレイ装置の構
成例を示す図である。
【図11】従来の3次元ディスプレイ装置及び本発明の
3次元ディスプレイ装置多眼表示に用いる視差像の撮像
系の説明図である。
【符号の説明】
10 液晶パネル 11 レンチキュラレンズ 21、22、23、24 カメラ 31、32、33、34、35、36 立体信号源 41 頭部検出装置 42 立体信号合成装置 43 立体信号選択装置 51 レンズ移動装置 52 レンズ移動制御装置 61 光源移動制御装置 62 光源移動装置 71 フレネルレンズ 72 拡散板 73 拡散板スクリーン 74 光源 75 背面投射型プロジェクタ Li レンチキュラレンズを構成するシリンドリカルレ
ンズ Dij 表示画素(以上において、iは表示画素の組の
数、jは像数である。)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の異なる視差像が同時に表示される
    表示パネル、シリンドリカルレンズのアレイで構成され
    るレンチキュラレンズを有する3次元ディスプレイ装置
    であって、観察者の頭部の空間的位置を検出する頭部検
    出装置と、多眼表示を行なうための立体信号を出力する
    複数の立体信号源と、該頭部検出装置で検出された観察
    者の頭部位置に基づいて該複数の立体信号源から出力さ
    れる立体信号を選択する立体信号選択装置とを備えるこ
    とを特徴とする3次元ディスプレイ装置。
  2. 【請求項2】 複数の異なる視差像が同時に表示される
    表示パネル、シリンドリカルレンズのアレイで構成され
    るレンチキュラレンズを有する3次元ディスプレイ装置
    であって、観察者の頭部の空間的位置を検出する頭部検
    出装置と、多眼表示を行なうための立体信号を出力する
    複数の立体信号源と、該頭部検出装置で検出された観察
    者の頭部位置に基づいて該複数の立体信号源から出力さ
    れる立体信号を選択する立体信号選択装置と、該レンチ
    キュラレンズを左右方向に移動するレンズ移動装置と、
    該レンズ移動装置を制御するレンズ移動制御装置とを備
    えることを特徴とする3次元ディスプレイ装置。
  3. 【請求項3】 複数の異なる視差像が同時に表示される
    透過型表示パネル、シリンドリカルレンズのアレイで構
    成されるレンチキュラレンズを有する3次元ディスプレ
    イ装置であって、該表示パネルを裏面から照明するため
    の光源と、該光源から放射された光を該表示パネルに対
    して概略直交する光に変換する光学レンズと、観察者の
    頭部の空間的位置を検出する頭部検出装置と、多眼表示
    を行なうための立体信号を出力する複数の立体信号源
    と、該頭部検出装置で検出された観察者の頭部位置に基
    づいて該複数の立体信号源から出力される立体信号を選
    択する立体信号選択装置と、該光源と該光学レンズの空
    間的相対位置を変化させる光源移動装置と、該光源移動
    装置を制御する光源移動制御装置とを備えることを特徴
    とする3次元ディスプレイ装置。
  4. 【請求項4】 前記表示パネルと前記レンチキュラレン
    ズとの間に、投影レンズと拡散層とを備えることを特徴
    とする請求項1に記載の3次元ディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】 前記表示パネルと前記レンチキュラレン
    ズとの間に、投影レンズと拡散層とを備えることを特徴
    とする請求項2に記載の3次元ディスプレイ装置。
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