JPH0736815B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、内視鏡に設けられた鉗子等を挿入するための
挿通路を介して挿入されて、体腔内を超音波診断するた
めの超音波診断装置に関するものである。

［従来の技術］ 超音波診断装置は、体腔等の内部に挿入するプローブの
先端に超音波送受信器を装着してなるもので、そのよう
な超音波診断装置の内部には内視鏡に設けた挿通路を介
して体腔内に導くようにしたものがある。即ち、この挿
通路内にカテーテルを挿入して、先端部をプローブから
導出させて、内視鏡による監視下において、超音波送受
信器を体腔の内壁に押し当てて、体内に向けて超音波を
入射し、その反射エコーを受信するようにしている。

ここで、超音波診断装置にあっては、診断の際に先端の
超音波送受信器の送受信面を体腔壁に水等を介して対向
させたり、あるいは密着させて超音波走査を行うが、そ
の時の対向のさせ具合いや密着具合が良好な超音波診断
を行うために重要なポイントとなる。然るに、超音波送
受信器は先端一側面に設けられており、内視鏡における
観察窓から観察したときに、挿入部における超音波送受
信器の裏面側しか観察することができない場合があり、
この超音波送受信器の正確な位置の確認を行うことがで
きない場合がある。

このために、カテーテルの先端硬質部における超音波送
受信器の配設位置の全くの裏面位置に表示部を設け、そ
のマークの裏に超音波送受信器の送受信面があることを
示すように構成したものは従来から知られている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、内視鏡は広い範囲の観察を可能とするため
に、かなり広角の対物レンズを用いるようにしている。
従って、このような内視鏡の挿通路を利用して体腔内に
突き出した場合に、この突き出す量が内視鏡の先端部、
即ち対物レンズからほんの僅かなときには、内視鏡の視
野の中に超音波送受信器を設けた先端部分は比較的大き
く見え、マークも当然ある程度明確に見えるので、あま
り問題となることはない。しかしながら、突き出し量が
多くなるにつれて、広角ゆえに視野内における先端部分
の見える大きさは急激に小さくなり、マークを明確に確
認することができなくなる。しかも内視鏡においては、
距離と見える大きさの関係は距離約1cmの差でも急激に
小さく見えるレベルである。しかも、超音波診断装置
は、内視鏡の挿通路に挿通される関係から、例えば3mm
以下というように、極めて細径なものであるために、先
端部の見える大きさは極く小さいものであり、従来技術
のように、超音波送受信器の配設位置の裏面位置に表示
部を設けるようにした場合には、この表示部が見えない
ことになり、役に立たないのが実状である。

本発明は叙上の点に鑑みてなされたものであって、その
目的とするところは、超音波送受信器の送受信面が対物
光学素子の位置から遠くなっても、その送受信面の方向
・位置が容易に確認できるようにした超音波診断装置を
提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 前述した目的を達成するために、本発明は、先端に超音
波送受信器を装着したカテーテルを備えた超音波プロー
ブを超音波内視鏡の処置具を挿通するための挿通路内に
挿通させて、内視鏡による監視下で、この挿通路に沿っ
て押し引き操作することによって超音波走査を行うもの
において、このカテーテルにおける超音波送受信器の裏
面側に、少なくともその基端側にこの超音波送受信器の
方向を表示するマークをカテーテルの軸線方向に向けて
線状に形成し、このマークにより超音波送受信器がどの
方向に向いているかを内視鏡の観察系により観察できる
ように構成したことその特徴とするものである。

［作用］ 超音波送受信器はカテーテルの内部に設けられているか
ら、内視鏡の挿入部からカテーテルを突出させた時に、
その内部で超音波送受信器がどの方向を向いているかを
内視鏡の観察系で確認するのは困難である。しかしなが
ら、カテーテルにはこの超音波送受信器の方向性を表示
するマークが設けられているから、このマークを基準と
して、超音波送受信器の方向を確認でき、この超音波送
受信器の送受信面を確実に観察すべき部位に正対させる
かまはた密着させて、超音波の送受信を行うことができ
る。ここで、カテーテルは押し引き操作されることか
ら、超音波走査を行う際に、走査位置によっては内視鏡
の挿入部からの突出長さが変わってくる。マークはカテ
ーテルの軸線方向に向けて線状に設けられているから、
カテーテルがどの程度突出していても、内視鏡の観察系
によりこのマークを確実に確認できることになる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

まず、第２図において、１は内視鏡、10は超音波診断装
置をそれぞれ示す。内視鏡１は、体腔等の内部に挿入さ
れる挿入部２と、該挿入部２の基端部に連設した本体操
作部３と、該本体操作部３に接続したユニバーサルコー
ド４とを有し、ユニバーサルコード４は光源装置と画像
信号処理装置とを内蔵したプロセッサ５に接続されるよ
うになっている。そして、挿入部２の先端部にはCCD等
からなる固体撮像素子が内蔵されており、この固体撮像
素子によって体腔内の光学像を電気信号に変換して挿入
部２から本体操作部３及びユニバーサルコード４を順次
介してプロセッサ４内に伝送されて、該プロセッサ４に
よって信号処理された上で、モニタ装置６に表示するこ
とができるようになっている。

超音波診断プローブ10は、第３図に示したように、経内
視鏡的に体腔内に挿入されるものであって、このために
内視鏡１の処置具挿通チャンネル（挿通路）７が利用さ
れる。この処置具挿通チャンネル７は挿入部２に内装さ
れており、その一端は該挿入部２と本体操作部３との連
設部分に設けた処置具導入部7aに接続され、他端は照明
窓８及び観察窓９と共に、挿入部２の先端部に設けた処
置具導出部7bに接続されている。

超音波診断プローブ10は、処置具挿通チャンネル７に挿
入されるカテーテル11と、該カテーテル11の基端部にラ
ック−ピニオン機構等からなる駆動手段12a及びエンコ
ーダ12bを内蔵した制御部12と、ケーブル13とを有し、
該ケーブル13の端部には超音波信号処理装置14が接続さ
れるようになっている。そして、この超音波信号処理装
置14によって信号処理された超音波画像は超音波画像用
モニタ装置15によって表示することができるようになっ
ている。

カテーテル11は、その大半の部分が軟性部11aとなって
おり、該軟性部11aの先端部分にはスイベルジョイント
部11bが、またこのスイベルジョイント部11bには先端硬
質部11cが順次連設されている。超音波送受信器16は、
該先端硬質部11cの一側面に設けた平坦部に装着されて
おり、この超音波送受信器16は、スイベルジョイント部
11bによって、第３図に矢印で示したように、360°のど
の方向にも向けることができるようになっている。

従って、内視鏡１の挿入部２を体腔内に挿入し、その先
端部分を超音波診断を行うべき部位にまで導く。そこ
で、超音波診断プローブ10のカテーテル11を処置具導入
部7aから処置具挿通チャンネル７に挿入して、処置具導
出部7bから所定量導出させる。この状態で、カテーテル
11の先端硬質部11cに設けた超音波送受信器16の超音波
送受信面16aの被検部に対向または当接させて、該カテ
ーテル11を矢印で示した方向に押し出すか、またはこれ
とは反対に引き込む方向に移動させる。この間に、超音
波送受信器16から体内に向けて超音波の送信を行うと共
に、その反射エコーを受信する。この反射エコーの受信
信号を、制御部12に内蔵したエンコーダ12bから出力さ
れる超音波送受信器16の位置に関する信号と共に超音波
信号処理装置14に伝送して、所定の信号を行った上で、
モニタ装置15に超音波画像を表示することができる。

ここで、超音波送受信器16の送受信面16aは体腔壁に極
力真直に対向させるか、あるいは密着させた状態でこの
体腔壁に沿って移動させなければならない。この超音波
送受信器16の送受信面16aが体腔壁から離れてたりする
と、超音波ビームは体腔壁に対して斜めに当ることにな
り、良好に入射させることができず、ひいては反射エコ
ーが受信されなくなってしまう。従って、超音波送受信
器16の送受信面16aは、正確に体腔壁に当接されている
ことを確認することができるようになっていなければな
らない。

而して、第４図に示したように、この超音波送受信器16
が観察窓９の方向に向いた状態で腔壁に当接する場合に
は、この観察窓９を介して該超音波送受信器16の送受信
面16aが腔壁に密着しているか否かの確認を行うことが
できる。然るに、第５図に示したように、超音波送受信
器16の送受信面16aの裏面側が観察窓９側に向いている
場合には、この超音波送受信器16が腔壁に密着している
か否かの確認を行うことはできない。

そこで、本発明においては、第１図に示したように、カ
テーテル11における先端硬質部11cの超音波送受信器16
の配設位置とは反対側の面において、その根元部から先
端部に向けて線状のマーク17が描かれている。従って、
このマーク17を手懸りにして超音波送受信器16の位置の
確認を行うことができるようにしている。ここで、内視
鏡１の観察窓９を介して得られる体腔内の像は、可及的
に広い視野角を持った状態にして取得するために、観察
窓９に設けられる対物レンズは極めて広角のものが用い
られる。従って、モニタ装置６に表示される映像は、第
６図に示したようになり、視野内におけるカテーテル11
の根元部分はある程度の太さをもって表示されるが、先
端部に向かうに従って著しく小さくなる。また、カテー
テル11自体が処置具挿通チャンネル７を介して挿入され
るものであることから、例えば3mm以下というように、
極めて細径のものである。このために、マーク17を施す
位置によっては、その確認が著しく困難となってしま
う。

そこで、前述したように、カテーテル11における先端硬
質部11cの根元部、即ちスイベルジョイント部11bへの連
設側の位置から先端部に向けて線状に形成することによ
って、該マーク17の確認が極めて容易となる。また、こ
の超音波診断装置は、超音波診断プローブ10におけるカ
テーテル11を直線状に押し引き動作させることによっ
て、超音波送受信器16を移動させながら超音波走査を行
うようになされており、従って走査位置によっては、カ
テーテル11の処置具挿通チャンネル７からの突出長さは
変化する。マーク17はカテーテル11の軸線方向に向けて
線状となっているから、このマーク17を常に鮮明な状態
で観察窓９の視野に捕らえるとができる。しかも、この
ようにマーク17が見易くなると、その線幅を狭くするこ
とができるようになる。従って、超音波送受信器16の位
置をより正確に表示することができるようになる。

この結果、超音波送受信器16を観察窓９とは反対側に向
けた状態で超音波診断を行う際に、該超音波送受信器16
の送受信面16aを腔壁に確実に対向または密着させた状
態で超音波の送受信を行うことができるようになり、超
音波診断を効率的に、しかも精度良く行うことができ
る。

次に、第７図及び第８図は本発明の第２の実施例を示
し、本実施例においては、超音波診断装置20を体内に刺
入した状態で超音波診断を行うように構成したものが示
されている。このように、体内に刺入することによっ
て、病変部等に近い位置において、しかも脂肪層等のよ
うに超音波を著しく減衰させる部位を避けた位置で超音
波の送受信を行うことができ、極めて正確な超音波診断
に関する情報を得ることができるようになる。

而して、カテーテル21の先端硬質部21cはある程度長尺
に形成されており、この先端硬質部21cの基端部の位置
部分を処置具挿通チャンネル７内に位置させた状態にし
なければならない。そして、この先端硬質部21cにおけ
る先端部分は尖った状態となっており、また超音波送受
信器22はこの先端部近傍位置に設けられる。この場合に
は、第８図に示したように、該先端硬質部21cの全体に
わたって線状のマーク23を施し、かつこのマーク23を先
端側から目盛23aを形成する。

マーク23をこのように形成すれば、先端硬質部21cを体
内に刺入する際においても、また任意の深さ位置まで挿
入した状態においても超音波送受信器22の方向を認識す
ることができる。しかも、目盛23aによって超音波送受
信器22の挿入深さをも認識することができるようにな
り、超音波診断の精度が著しく向上する。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明は、超音波プローブにおけ
るカテーテルを内視鏡の挿通路に挿通させて、このカテ
ーテルを押し引き操作することによって、超音波走査を
行う際において、カテーテルにおける超音波送受信器の
裏面側に、少なくとも基端側に設けたこの超音波送受信
器がどの方向を向いているかの方向性を表示するように
マークを形成し、しかもこのマークはカテーテルの軸線
方向に向けて線状に形成しているから、術者は、その走
査位置のどの位置においても、内視鏡による監視下にお
いて、超音波送受信器の方向を明確に確認できるように
なるので、体腔内の超音波検査を行うべき部位に超音波
送受信器を確実に対面させて、その方向を正確に制御し
ながら走査させることができ、必要な部位及び方向の超
音波走査を行うことができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本発明の第１の実施例を示すもの
で、第１図はカテーテルの先端部分の外観図、第２図は
内視鏡と共に示す超音波診断装置の全体構成図、第３図
は超音波診断プローブを内視鏡に組み込んだ状態を示す
説明図、第４図及び第５図は作動説明図、第６図は内視
鏡のモニタ装置に表示される映像を示す図、第７図及び
第８図は本発明の第２の実施例を示すもので、第７図は
超音波診断プローブを内視鏡に挿入した状態を示す要部
説明図、第８図はカテーテルの要部外観図である。 1:内視鏡、2:挿入部、7:処置具挿通チャンネル、10,20:
超音波診断装置、11,21:カテーテル、16,22:超音波送受
信器、16a:超音波受信面、17,23:マーク、23a:目盛。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−57536（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−114949（ＪＰ，Ａ) 実開 昭54−17682（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−168302（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−61209（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先端に超音波送受信器を装着したカテーテ
   ルを備えた超音波プローブを超音波内視鏡の処置具を挿
   通するための挿通路内に挿通させて、内視鏡による監視
   下で、この挿通路に沿って押し引き操作することによっ
   て超音波走査を行うものにおいて、前記カテーテルにお
   ける超音波送受信器の裏面側に、少なくともその基端側
   にこの超音波送受信器の方向を表示するマークをカテー
   テルの軸線方向に向けて線状に形成し、このマークによ
   り超音波送受信器がどの方向に向いているかを内視鏡の
   観察系により観察できるように構成したことを特徴とす
   る超音波診断装置。