JPH0736516Y2

JPH0736516Y2 - 自動車用シートのアームレスト構造

Info

Publication number: JPH0736516Y2
Application number: JP1990032125U
Authority: JP
Inventors: 文夫五十嵐
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1990-03-28
Filing date: 1990-03-28
Publication date: 1995-08-23
Anticipated expiration: 2005-03-28
Also published as: JPH03122747U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は自動車用シートのアームレスト構造に関するも
のである。

（従来の技術）従来、自動車用シートのアームレスト構造、例えば大型
バスのアームレスト構造は、シートの通路側にアームレ
ストが取付けられているが、斯るアームレストはシート
クッションよりも高位置に設けられているので、乗員が
シートから通路へ出入りする際、アームレストが出入口
を塞ぐこととなって乗員がこのアームレストに引掛か
り、乗員の出入りに支障を招いている。従って、アーム
レストは乗員が使用する際には、このアームレストがシ
ートクッションよりも高位置となって肘を掛け易くし、
乗員がシートから通路へ出入りする際には、アームレス
トが降下して出入口を広くし、アームレストの高さ調節
を可能とすることが好ましい。

そこで、本考案は上記点に鑑みなされたものであり、ア
ームレストの高さ調節を可能とした自動車用シートのア
ームレスト構造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案に係る自動車用シートのアームレスト構造は、シ
ートクッションの側面部に沿って固定し且つ後端に上方
に起立状の案内筒部を有する固定体と、この固定体の案
内筒部内に上下方向に摺動可能な摺動部を有する可動体
とからなり、前記固定体の案内筒部内には上下方向に固
定レールを取付け、前記可動体の摺動部には前記固定レ
ールに嵌合し且つ上下方向にスライドする可動レールを
取付け、更に、前記固定体には上方又は下方の操作力に
より前記可動レールのロック用ロック機構のロックを解
除すると共に逆方向の操作力によりリクライニング装置
のロックを解除する操作レバーを設けてなるものであ
る。

（作用）斯る構成による自動車用シートのアームレスト構造は、
摺動部の可動レールを、ロック用ロック機構によって固
定体の案内筒部にロックすると、摺動部を有する可動体
は固定体に対して所定高さ位置でロック状態となるた
め、乗員は可動体をアームレストとして使用することが
できる。一方、ロック解除用操作レバーによって可動レ
ールのロック用ロック機構をロック解除すると、可動レ
ールは固定レールに対してスライド可能となり、その
為、可動レールを取付けた可動体の摺動部は固定レール
を取付けた固定体の案内筒部に対して摺動可能となる。
摺動部を案内筒部に対して下方向へ摺動すると、可動体
は降下し、出入口が広くなる。そして操作レバーを前記
と逆方向に操作するとリクライニング装置によるシート
バックのロックが解除され、シートバックの任意角度に
傾動することができる。

（実施例）本考案に係る一実施例を第１図乃至第４図に基づいて説
明する。

第１図は本案構造のアームレスト（Ａ）を示し、このア
ームレスト（Ａ）はシートクッション（Ｓ・Ｃ）の側面
部（Ｓ・C₁）に沿って固定した固定体（１）と、この固
定体（１）に対して上下方向に移動するアームレストと
なる可動体（２）とから構成されている。固定体（１）
の後端には上方へ起立状の案内筒部（1a）が形成されて
いる。この案内筒部（1a）は筒状からなり、頂上面（1
d）には筒内と外部とを連通する連通孔（1b）が形成さ
れている。案内筒部（1a）の内壁面（1c）には固定レー
ル（３）が上下方向に沿って固設されている。そして、
可動体（２）は摺動部（2a）を有し、この摺動部（2a）
は固定体（１）の案内筒部（1a）内に上下方向に摺動可
能となるように配設されている。摺動部（2a）は案内筒
部（1a）の頂上面（1d）に形成した連通孔（1b）から筒
内に配設され、案内筒部（1a）に対して上下方向へ摺動
すべく形成されている。更に、摺動部（2a）には上下方
向に可動レール（４）が固設され、この可動レール
（４）が案内筒部（1a）の固定レール（３）に嵌合し且
つ上下方向にスライドすべく摺動部（2a）に配設されて
いる。可動レール（４）は第３図に示す様に、可動レー
ル（４）の側面壁（4a）には上下方向に沿って多数の係
止孔（4b）が開孔されている。可動レール（４）は固定
レール（３）に対して上下方向にスライドするが、固定
レール（３）のロック機構（５）によって可動レール
（４）がロックされ、その為、可動レール（４）を有す
る可動体（２）は固定レール（３）を有する固定体
（１）に対してロック状態となる。ロック機構（５）は
固定レール（３）の上端に設けられている。このロック
機構（５）は基端（5a）が固定レール（３）に回動可能
に取付けられた係止歯付ストッパ（5b）と、このストッ
パ（5b）を可動レール（４）の係止孔（4b）方向に付勢
するコイルバネ（5c）とから構成されている。ストッパ
（5b）は、その先端に二ケの係止歯（5d）、（5d）が設
けられ、この係止歯（5d）、（5d）が可動レール（４）
の係止孔（4b）、（4b）に挿入することにより、係止歯
（5d）、（5d）が係止孔（4b）、（4b）に係合し、可動
レール（４）は固定レール（３）にロックされる。更
に、固定体（１）にはロック解除用操作レバー（６）が
設けられ、この操作レバー（６）によってロック機構
（５）のストッパ（5b）が可動レール（４）からロック
解除となる構造である。操作レバー（６）は固定体
（１）の前部に設けられ、操作レバー（６）の操作部
（6a）が固定体（１）の外部に露出し、操作部（6a）の
下方のアーム（6b）が固定体（１）内に配設されてい
る。アーム（6b）はその略中央部（6c）が固定体（１）
に軸着され、中央部（6c）を中心としてアーム（6b）が
回動可能に構成されている。アーム（6b）は中央部（6
c）を中心としてその下端（6d）と上端（6e）とにそれ
ぞれリターンバネ（７）、（７）の一端（7a）、（7a）
が係止し、アーム（6b）と固定レール（３）間に設けた
固定片（８）にリターンバネ（７）、（７）の他端（7
b）、（7b）が係止し、リターンバネ（７）、（７）の
付勢力によって略垂直状となっている。アーム（6b）の
上端（6e）とロック機構（５）のストッパ（5b）間には
ワイヤ（９）が設けられ、操作部（6a）を下方へ押す
と、ワイヤ（９）が引っ張られ、それに伴なってストッ
パ（5b）が回動し、ストッパ（5b）の係止歯（5d）、
（5d）が可動レール（４）の係止孔（4b）、（4b）から
後退し、可動レール（４）が固定レール（３）に対して
ロック解除され、可動体（２）は固定体（１）に対して
高さ調節を可能とした構造となっている。

（10）はリクライニング装置へ連結するワイヤであり、
操作部（6a）を上方へ引くと、このワイヤ（10）によっ
てシートバック（Ｓ・Ｂ）のリクライニング装置のロッ
ク状態が解除するものである。（11）はワイヤ（９）を
案内するピンで、このピン（11）は固定レール（３）に
固設されている。

上記構成に係るアームレスト構造は、アームレストを使
用する際には、第１、４図に示す様に、可動体（２）を
所定高さとすると、固定レール（３）のロック機構
（５）のストッパ（5b）がコイルバネ（5c）によって係
止孔（4b）方向に付勢されているため、ストッパ（5b）
の係止歯（5d）、（5d）が可動レール（４）の係止孔
（4b）、（4b）に係合し、可動レール（４）が固定レー
ル（３）にロックされ、可動体（２）がロック状態とな
り、この可動体（２）を乗員がアームレストとして使用
し易い位置で使用することができる。

一方、乗員がシートから出入りする際には、第２図、第
４図（鎖線）に示すように操作レバー（６）の操作部
（6a）を下方に押すと、アーム（6b）が回動し、それに
伴なってワイヤ（９）が引っ張られ、ストッパ（5b）が
ワイヤ（９）の方向へ回動する。従って、ストッパ（5
b）の係止歯（5d）、（5d）は可動レール（４）の係止
孔（4b）、（4b）から後退し、ロック状態が解除する。
その為、可動レール（４）は固定レール（３）に対して
スライド可能となり、可動体（２）の摺動部（2a）が固
定体（１）の案内筒部（1a）内を摺動し、可動体（２）
が最下位置となり、可動体（２）が低くなった分だけ、
シートへの出入口が広がり、乗員はシートへの出入りが
容易に行なえる。また、可動体（２）は固定体（１）に
対してその高さを調節することができるので、乗員の最
適位置に可動体（２）を位置することができる。従っ
て、乗員は可動体（２）をアームレストとして最適に使
用することができ、乗心地が良好化する。

（考案の効果）本考案によれば、次の効果が生じる。

固定体の案内筒部内に上下方向に沿って固定レールを
取付け、可動体の摺動部に固定レールに沿って上下方向
にスライドする可動レールを取付けているため、乗員が
シートから出入りする際には、可動体を最下位置とする
と、出入口が広くなり、乗員の出入りが容易化する。

又、固定体に可動レールのロック用ロック機構のロッ
ク解除用操作レバーを設けているため、可動レールを所
定高さ位置にロック状態とすることができるため、乗員
の最適位置で可動体をアームレストとして使用すること
ができる。

シートクッションの側面部に沿って固定し可動体の下
方に位置する固定体には、上方又は下方の操作力によ
り、可動体のロック用ロック機構のロックを解除すると
共に逆方向の操作力によりリクライニング装置のロック
を解除する操作レバーを設けているので、１ケの操作レ
バーによってアームレストの高さ調節とシートバックの
傾動角度の調節を行うことができ、その操作性が良い。
また、リクライニング装置の操作レバーを別個に設ける
必要がないため、シートの構造が簡素化する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案構造のアームレストの側面図、第２図は可
動体が最下位置の状態における第１図と同様な側面図、
第３図はロック機構の斜視図、第４図は第１図に示すア
ームレストを用いた自動車シートの側面図である。図中、Ａはアームレスト、Ｓ・Ｃはシートクッション、
１は固定体、２は可動体、1aは案内筒部、2aは摺動部、
３は固定レール、４は可動レール、５はロック機構、６
はロック解除用操作レバーである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シートクッションの側面部に沿って固定し
且つ後端に上方に起立状の案内筒部を有する固定体と、
この固定体の案内筒部内に上下方向に摺動可能な摺動部
を有する可動体とからなり、前記固定体の案内筒部内に
は上下方向に固定レールを取付け、前記可動体の摺動部
には前記固定レールに嵌合し且つ上下方向にスライドす
る可動レールを取付け、前記固定体には上方又は下方向
の操作力により可動レールのロック用ロック機構のロッ
クを解除すると共に逆方向の操作力によりリクライニン
グ装置のロックを解除する操作レバーを設けてなる自動
車用シートのアームレスト構造。