JP3949571B2 - 折り畳みシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳まれることで例えば乗員の乗降を容易とする折り畳みシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
折り畳まれることで乗員の乗降用の空間(間口)を拡大し昇降を容易とする折り畳みシートに関して、シートクッションをシートバックに対し反対側を中心に回動可能とし、シートバックを前倒させると同時にシートクッションをシートバックに対し反対側を中心にシートバック側を跳ね上げるように回動させる技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭63−121143号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにシートクッションをそのシートバックに対し反対側を中心に回動させるのでは、着席可能な状態にあるときのシートクッションのシートバックに対し反対の端部に近接してシートクッションの回動軸を配設する必要がある。その結果、シートバックとシートクッションの回動軸との距離が大きくなってしまうため、シートバックを前倒させシートクッションを回動させてもシート本体の全体としては十分にコンパクトにならない。よって、折り畳んでも乗員の乗降用の空間を十分に拡大することはできず、乗員の昇降を確実に容易にすることができないという問題があった。
【0005】
したがって、本発明は、折り畳まれることで乗員の乗降用の空間を十分に拡大することができ、乗員の昇降を確実に容易にすることができる折り畳みシートの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、シートバック(例えば実施の形態におけるシートバック43)と該シートバック側を中心に回動可能に設けられたシートクッション(例えば実施の形態におけるシートクッション46)とをスライダ(例えば実施の形態におけるスライダ13)上のベース(例えば実施の形態におけるベース40)に備えたシート本体(例えば実施の形態におけるシート本体15)と、該シート本体のスライドを規制するスライドロック手段(例えば実施の形態におけるスライドロック機構20)と、前記シートクッションの前記回動を規制する回動ロック手段(例えば実施の形態における回動ロック機構60)と、を備え、前記シートクッションを跳ね上げ方向に回動させる付勢手段(例えば実施の形態における跳上スプリング56)と、前記シートバックを所定の角度以上前倒しさせることで、前記スライドロック手段による前記スライドの規制を解除するとともに前記回動ロック手段による前記回動の規制を解除する連動ロック切換手段(例えば実施の形態における連動ロック切換機構93)とを設け、跳ね上げた前記シートクッションに前倒した前記シートバックを保持することを特徴としている。
【0007】
これにより、シートバックを前倒させると、これに連動して連動ロック切換手段がスライドロック手段によるシート本体のスライドの規制を解除するとともに回動ロック手段によるシートクッションの回動の規制を解除しシートクッションを付勢手段の付勢力で跳ね上げ方向に回動させる。その結果、シート本体はシートバックが前倒しシートクッションがシートバック側を中心に回動することで全体としてコンパクトに折り畳まれるとともに、スライド可能となる。そして、全体としてコンパクトに折り畳まれたシート本体をシートクッション側にスライドさせると、シート本体の後側に昇降用の広い空間が形成されることになる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記シートバックの前記前倒により前記シートクッションが跳ね上げ方向に回動させられた状態において、前記シートバックを起こす起立動に連動して、前記連動ロック切換手段が前記回動ロック手段により前記回動を規制するとともに前記スライドロック手段により前記スライドを規制し、前記シートクッションを跳ね上げ姿勢にて保持することを特徴としている。
【0009】
これにより、シートバックが前倒しシートクッションがシートバック側を中心に回動することで全体としてコンパクトに折り畳まれるとともにスライドさせられて昇降用の空間を拡大した状態のシート本体について、シートバックを起立動させると、これに連動して、連動ロック切換手段が回動ロック手段によりシートクッションの回動を規制するとともにスライドロック手段によりシート本体のスライドを規制することになる。その結果、シート本体はスライドが規制されシートクッションの戻りが規制される。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の発明において、前記シートクッションの底面部(例えば実施の形態における底面部99)側に、前記スライドロック手段による前記スライドの規制を解除するスライドロック解除レバー(例えば実施の形態におけるスライドロック解除レバー100)と、前記回動ロック手段による前記回動の規制を解除する回動ロック解除レバー(例えば実施の形態における回動ロック解除レバー103)とを設けたことを特徴としている。
【0011】
これにより、例えば、シートクッションがシートバック側を中心に回動して折り畳まれた状態で回動ロック手段により回動が規制されスライドロック手段によりスライドが規制された状態のシート本体に対し、跳ね上げられたシートクッションの底面部側にあって操作容易な位置にあるスライドロック解除レバーを操作すると、スライドロック手段によるシート本体のスライドの規制が解除される。
また、例えば、シートクッションがシートバック側を中心に回動して折り畳まれた状態で回動ロック手段により回動が規制されスライドロック手段によりスライドが規制された状態のシート本体に対し、跳ね上げられたシートクッションの底面部側にあって操作容易な位置にある回動ロック解除レバーを操作すると、回動ロック手段によるシートクッションの回動の規制が解除されてシートクッションを着席可能な状態に戻すことができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項記載の発明において、前記連動ロック切換手段は、前記シートバックの前記前倒で該シートバックに押圧されて揺動し前記スライドロック手段による前記スライドの規制を解除するとともに前記回動ロック手段による前記回動の規制を解除する解除揺動部材(例えば実施の形態における切換レバー94)を有することを特徴としている。
【0017】
これにより、シートバックを前倒させると、連動ロック切換手段は、解除揺動部材がシートバックに押圧されて揺動してスライドロック手段によるスライドの規制を解除するとともに回動ロック手段による回動の規制を解除する。このようにシートバックの前倒で押圧されて揺動する解除揺動部材を用いるため、連動ロック切換手段を簡素にできる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項記載の発明において、前記シートバックに前倒し方向に付勢するバック付勢手段(例えば実施の形態における前倒スプリング89)を設けたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の折り畳みシートを図面を参照して以下に説明する。
【0019】
本実施形態の折り畳みシート10は、図1に示すように、車両の車室フロア11上に車体前後方向(図における左右方向)に沿う状態で敷設されるスライドレール12と、スライドレール12で案内されて車体前後方向にスライドするスライダ13と、このスライダ13上に搭載される水平回転機構14と、水平回転機構14上に搭載されるシート本体15とを有している。
【0020】
スライドレール12には、スライダ13を固定するためのスライドロック穴18が車体前後方向の所定の複数位置に形成されている(一カ所のみ図示)。
【0021】
スライダ13には、スライドロック穴18に嵌合することによりスライダ13の車体前後方向のスライドを規制する図1に示すスライドロック状態と、この規制を解除する図2に示すスライドロック解除状態とに切り換えられるスライドロック機構(スライドロック手段)20が設けられている。
【0022】
このスライドロック機構20は、スライダ13に昇降可能に設けられて下降時にスライドロック穴18に嵌合するロック部材21と、長さ方向を車体前後方向に沿わせた状態でその中間所定位置においてスライダ13の支持軸23に回転可能に支持されるとともに車体後方側の端部がロック部材21の上端部の連結軸24に回転可能に連結される揺動アーム25と、この揺動アーム25の車体前方側の端部の上側に配置された状態でスライダ13の支持軸27に回転可能に支持される作動レバー28と、作動レバー28を付勢する図示せぬスプリングとを有している。
【0023】
作動レバー28は、支持軸27から車体後方側に延びる作動片部29と、支持軸27から上方に延びる入力片部30と、入力片部30から車体前方に延びる入力片部31とを有しており、入力片部30には、その車体後方側に一端側が配置されたスライドロック切換ワイヤ32が連結されている。
【0024】
この作動レバー28は通常スプリングの付勢力によって作動片部29による揺動アーム25への入力を行わない状態となっており、この状態で揺動アーム25はロック部材21をスライドレール12のスライドロック穴18に嵌合させている。この状態でスライダ13はスライドレール12に沿った車体前後方向のスライドが規制され車体に対し固定される。この状態がスライドロック機構20のスライドロック状態である。
【0025】
一方、作動レバー28は、スライドロック切換ワイヤ32を介して入力片部30が車体後方側に引かれると、支持軸27を中心に揺動して作動片部29を下方に移動させることになり、この作動片部29が揺動アーム25の車体前方側の端部に当接してこれを下方に押圧する。その結果、揺動アーム25が支持軸23を中心に揺動して車体後方側の端部を上昇させ、ここに連結されたロック部材21を上昇させてスライドレール12のスライドロック穴18から引き抜く。この状態でスライダ13はスライドレール12に沿った車体前後方向のスライドが可能な状態となる。この状態がスライドロック機構20のスライドロック解除状態である。
【0026】
他方、このスライドロック解除状態から、スライドロック切換ワイヤ32による作動レバー28の引っ張りが解除されると、図示せぬスプリングの付勢力で作動レバー28は、作動片部29を上方に移動させるように支持軸27を中心に揺動し、揺動アーム25への押圧を解除することでロック部材21を下降させてスライドロック穴18に嵌合させる。つまり、スライドロック機構20がスライドロック状態となる。
【0027】
作動レバー28の入力片部31の下側には、車体前後方向に沿う状態で車体前方側の端部がスライダ13の支持軸35に回転可能に支持される第2作動レバー36が設けられており、この第2作動レバー36の車体後方側の端部には、その上側に一端側が配置された第2スライドロック切換ワイヤ37が連結されている。
【0028】
この第2作動レバー36が、図5に示すように、第2スライドロック切換ワイヤ37を介して上方に引かれると、作動レバー28の入力片部31に当接してこれを上方に押圧し、作動レバー28が支持軸27を中心に揺動し作動片部29を下方に移動させることになり、この作動片部29が揺動アーム25の車体前方側の端部に当接してこれを下方に押圧する。その結果、スライドロック機構20が上記と同様に作動してスライドロック解除状態となる。
【0029】
他方、第2スライドロック切換ワイヤ37による第2作動レバー36の上方への引っ張りが解除されると、第2作動レバー36による作動レバー28への押圧が解除され、その結果、作動レバー28は、図示せぬスプリングの付勢力で作動片部29を上方に移動させるように支持軸27を中心に揺動する。その結果、スライドロック機構20が上記と同様に作動してスライドロック状態となる。
【0030】
水平回転機構14は、車体前後方向にのみスライドするスライダ13上に搭載されてシート本体15を鉛直軸回りに回転つまり水平回転させるもので、これによりシート本体15は車体前後方向のスライドと水平回転とが可能となっている。なお、水平回転機構14には、シート本体15の水平回転を規制する水平回転ロック状態と、この規制を解除する水平回転ロック解除状態とに切り換えられる図示せぬ水平回転ロック機構が設けられている。
【0031】
なお、この水平回転ロック機構は、少なくともシート本体15が車体前方を向く通常状態とシート本体15が車体後方を向く対座状態の二カ所で水平回転機構14を水平回転ロック状態にすることが可能となっている。
【0032】
シート本体15は、水平回転機構14に搭載されるベース40と、このベース40に支持されて着席する乗員の背中を支承面42において支承するシートバック43と、ベース40に支持されて着席する乗員の臀部を着座面45において支承するシートクッション46とを有している。
【0033】
シートバック43は、支承面42を車体前方に向けた状態でその下端部が車体左右方向に水平延在する支持軸48を中心に回動可能となるようにベース40に支持されており、シートクッション46は、そのシートバック43側が上記支持軸48と平行な支持軸49を中心に回動可能となるようにベース40に支持されている。
【0034】
ベース40には、シートクッション46の回動の中心軸である上記支持軸49より下側においてシート本体15の前後方向に沿うガイド溝51が形成されている。このガイド溝51は、シート本体15の前後方向における後側部分がシート本体15の前後方向にほぼ一致しており、前側部分は前側ほど上側に位置するように若干傾斜している。
【0035】
シートクッション46において支持軸49より下側に設けられた連結軸52には連結リンク53の一側が回転可能に連結されており、この連結リンク53の他端側はガイド溝51に沿って移動するようにガイド溝51に係合するスライド係合部54とされている。
【0036】
そして、連結リンク53の他端側のスライド係合部54とベース40のガイド溝51よりもシート本体15の前後方向における前側に設けられた係合部55との間には、スライド係合部54をシート本体15の前後方向における前側に付勢するコイル状の跳上スプリング(付勢手段)56が介装されている。この跳上スプリング56は、シート本体15の前後方向に沿っている。
【0037】
これにより、シートクッション46は、図3に示すように、跳上スプリング56の付勢力でスライド係合部54がガイド溝51に沿ってシート本体15の前後方向における前側に移動すると、このスライド係合部54とシートクッション46の連結軸52とを結んだ連結リンク53によって押し上げられ、シートバック43側の支持軸49を中心に回動しシートバック43に対し反対側が上昇するように跳ね上げられる。
【0038】
シートクッション46の支持軸49およびベース40には、シートクッション46の支持軸49を中心とした回動を規制する図1および図4に示す回動ロック状態と、この規制を解除する図2および図3に示す回動ロック解除状態とに切り換えられる回動ロック機構(回動ロック手段)60が設けられている。
【0039】
この回動ロック機構60は、シートクッション46に固定された上記支持軸49にさらに固定されるとともに外周側の二カ所に支持軸49側に凹むロック凹部61,62が形成されたギヤ部材63と、このギヤ部材63のシート本体15の前後方向における前方側においてベース40の支持軸65に回転可能に支持されるとともにロック凹部61,62に嵌合可能なロック部66が形成されさらに穴部67が形成されたラッチ部材68とを有している。
【0040】
また、回動ロック機構60は、このラッチ部材68のシート本体15の前後方向における前方においてベース40の支持軸70に回転可能に支持されるとともにそのラッチ部材68側の作動片部71がラッチ部材68に形成された穴部67に係合するチップアップレバー72と、このチップアップレバー72の作動片部71に対し反対側の係止片部73およびその下側に設けられたベース40の係止部75との間に介装されるコイル状のレバースプリング76とを有している。チップアップレバー72には、支持軸70よりも作動片部71側において、その下方側に一端側が配置された回動ロック切換ワイヤ78が連結されている。
【0041】
この回動ロック機構60は、通常、図1に示すようにレバースプリング76の付勢力でチップアップレバー72をそのシート本体15の前後方向における前側の係止片部73が下方に位置するように支持軸70を中心に揺動させている。この状態では、このチップアップレバー72のシート本体15の前後方向における後側の作動片部71は上昇し穴部67の上端縁部に当接してラッチ部材68を上側に押圧しており、その結果、ラッチ部材68を支持軸65を中心に回転させ、ラッチ部材68の穴部67よりもシート本体15の前後方向における後側のロック部66をシート本体15の前後方向における後側に位置させてギヤ部材63のロック凹部61,62のうち位置の合うものに嵌合させている。この状態では、ギヤ部材63に固定された支持軸49にさらに固定されたシートクッション46は、その支持軸49を中心とする回動が規制される。この状態が回動ロック機構60の回動ロック状態である。
【0042】
一方、この回動ロック状態から、チップアップレバー72が回動ロック切換ワイヤ78を介して下方に引かれると、図2に示すように、支持軸70を中心に揺動し作動片部71を下方に移動させることになり、この作動片部71がラッチ部材68の穴部67の下端縁部に当接してラッチ部材68を下側に押圧し、ラッチ部材68を支持軸65を中心に回転させ、ラッチ部材68の穴部67よりもシート本体15の前後方向における後側のロック部66をシート本体15の前後方向における前側に移動させてギヤ部材63のロック凹部61,62のうち嵌合していたものから引き抜く。この状態では、シートクッション46は、支持軸49を中心とする回動の規制が解除された状態となる。この状態が回動ロック機構60の回動ロック解除状態である。
【0043】
他方、この回動ロック解除状態から、回動ロック切換ワイヤ78によるチップアップレバー72の引っ張りが解除されると、レバースプリング76の付勢力でチップアップレバー72は、作動片部71を上方に移動させるように支持軸70を中心に揺動し、ラッチ部材68を回転させてそのロック部66をシート本体15の前後方向における後側に移動させてロック凹部61,62のうち位置の合うものに嵌合させる。つまり、回動ロック機構60が回動ロック状態となる。
【0044】
ここで、ギヤ部材63の一方のロック凹部61は、図1に示すようにシートクッション46が乗員の着席を可能とする略水平配置された所定の着席可能状態にあるときに、ラッチ部材68のロック部66を嵌合させることができ、また他方のロック凹部62は、図4に示すようにシートクッション46が乗員の着席が不可に跳ね上げられた所定の跳上ロック可能状態にあるときに、ラッチ部材68のロック部66を嵌合させることができるように、それぞれの位置が設定されている。
【0045】
チップアップレバー72の上側には、シート本体15の前後方向に沿う状態で第2チップアップレバー80が設けられており、この第2チップアップレバー80は中間所定位置がベース40の作動片部71よりもシート本体15の前後方向における前側の支持軸81に回転可能に支持されている。この第2チップアップレバー80の支持軸81よりもシート本体15の前後方向における前側の端部には、その上側に一端側が配置された第2回動ロック切換ワイヤ82が連結されている。
【0046】
第2チップアップレバー80が、図6に示すように、第2回動ロック切換ワイヤ82を介して上方に引かれると、第2チップアップレバー80の支持軸81を介して第2回動ロック切換ワイヤ82とは反対側に設けられた作動部83が下降することになり、この作動部83がチップアップレバー72の作動片部71に当接してこれを下方に押圧する。その結果、回動ロック機構60が上記と同様に作動して回動ロック解除状態となる。
【0047】
他方、第2回動ロック切換ワイヤ82による第2チップアップレバー80の上方への引っ張りが解除されると、第2チップアップレバー80によるチップアップレバー72への押圧が解除され、その結果、チップアップレバー72は、レバースプリング76の付勢力で作動片部71を上方に移動させるように支持軸70を中心に揺動する。その結果、回動ロック機構60が上記と同様に作動して回動ロック状態となる。
【0048】
シートバック43は、その下端部が水平延在する支持軸48を中心に揺動可能となるようにベース40に支持されている。ここで、シートバック43は、支承面42を有するシートバック本体85と、シートバック本体85の側部に固定されたサイドブラケット86と、サイドブラケット86に固定された作動ブラケット87とを有している。また、作動ブラケット87には、支持軸48と同軸に設けられたスパイラル状の前倒スプリング89が係止されており、シートバック43は、この前倒スプリング89の付勢力で上部がシートクッション46側に近接する前倒方向に支持軸48を中心として回転するように付勢されている。
【0049】
シートバック43には、図示は略すが、乗員の着席を許容するように上部がシート本体15の前後方向における後側に位置するように若干傾斜しつつ立設する立設状態においてその傾斜角度を複数段階に切換可能なリクライニング機構が設けられている。そして、このシートバック43は、支承面42に設けられた解除ストラップ91が引かれるとリクライニング機構による立設状態での固定が解除されることになり、その結果、図2に示すように前倒スプリング89の付勢力でシートクッション46側に前倒し上部が前側に位置するように傾斜する前倒状態となる。また、ストラップ91の代わりにリクライニング機構に直結するレバーを設けても良い。
【0050】
そして、本実施形態においては、シートバック43の前倒に連動してスライドロック機構20によるシート本体15に対するスライドの規制を解除しかつ回動ロック機構60によるシートクッション46の支持軸49を中心とする回動の規制を解除してシートクッション46を跳上スプリング56の付勢力で跳ね上げ方向に回動させる連動ロック切換機構(連動ロック切換手段)93が設けられている。なお、本実施形態の連動ロック切換機構93は、シートバック43の前倒に連動して水平回転ロック機構によるシート本体15の鉛直軸回りの回転の規制をも解除するようになっている。
【0051】
この連動ロック切換機構93は、シートバック43の支持軸48に回転可能に支持される切換レバー(解除揺動部材)94を有している。この切換レバー94は、支持軸48から斜め上方向に延出する入力片部95と支持軸48から斜め下方向に延出する作動片部96とを有しており、この作動片部96には、その下側に他端部が配置された上記したスライドロック切換ワイヤ32および回動ロック切換ワイヤ78が連結されている。さらに、この作動片部96には、その下側に端部が配置された図示せぬ水平回転ロック機構用の水平回転ロック切換ワイヤ97も連結されている。
【0052】
これらスライドロック切換ワイヤ32、回動ロック切換ワイヤ78および水平回転ロック切換ワイヤ97は、切換レバー94とともに、連動ロック切換機構93を構成している。
【0053】
切換レバー94は、図2に示すように、シートバック43の支持軸48を中心とした前倒でシートバック43の一部を構成する作動ブラケット87に入力片部95が押圧されて支持軸48を中心に入力片部95を下側に移動させるように回動する。すると、切換レバー94の支持軸48を介して入力片部95とは反対側の作動片部96が上側に移動することになり、その結果、スライドロック切換ワイヤ32、回動ロック切換ワイヤ78および水平回転ロック切換ワイヤ97が引かれることになって、スライドロック機構20によるシート本体15のスライドの規制を解除するとともに回動ロック機構60によるシートクッション46の支持軸49を中心とした回動の規制を解除することになり、さらに、水平回転ロック機構によるシート本体15の鉛直軸回りの回転の規制をも解除することになる。なお、切換レバー94はその入力片部95が立設状態にあるシートバック43の作動ブラケット87から所定距離離間する初期位置に位置するように図示せぬスプリングで付勢されている。
【0054】
着席可能状態にあるときのシートクッション46の下面側の底面部99側には、シート本体15の前後方向における前側に、図5に示すように、直接手動操作されることによって、スライドロック機構20によるシート本体15のスライドの規制を解除するスライドロック解除レバー100が設けられている。このスライドロック解除レバー100は、シートクッション46が着席可能状態にあるときシート本体15の前後方向における前側となる支持軸101に揺動可能に支持されており、これには上記した第2スライドロック切換ワイヤ37の他端側が連結されている。そして、スライドロック解除レバー100は、シートクッション46の内側に収納された待機状態から手動操作されてシートクッション46の底面部99から起こされるように揺動すると、第2スライドロック切換ワイヤ37を引っ張り、スライドロック機構20をスライドロック解除状態とする。
【0055】
シートクッション46の底面部99側には、シートクッション46が着席可能状態にあるときシート本体15の前後方向におけるスライドロック解除レバー100の後側となる位置に、図6に示すように、直接手動操作されることによって、回動ロック機構60によるシートクッション46の支持軸49を中心とする回動の規制を解除する回動ロック解除レバー103が設けられている。この回動ロック解除レバー103は、シートクッション46が着席可能状態にあるときシート本体15の前後方向における前側となる支持軸104において揺動可能に支持されており、これには上記した第2回動ロック切換ワイヤ82の他端側が連結されている。そして、回動ロック解除レバー103は、シートクッション46の内側に収納された待機状態から操作されてシートクッション46の底面部99から起こされるように揺動すると、第2回動ロック切換ワイヤ82を引っ張り、回動ロック機構60を回動ロック解除状態とする。
【0056】
なお、上記スライドロック解除レバー100はケーブルで直接入力片部30を引くようにしても良く、回動ロック解除レバー103はケーブルで直接チップアップレバー72を引くようにしても良い。
上記した折り畳みシート10は、例えば、図7および図8に示すように、車体前側から順にフロントシート110、セカンドシート111およびサードシート112を有する三列シート構造の場合のセカンドシート111の左右方向一側に適用されることになる。具体的には、図示せぬ車体側部のスライドドアを介して乗員の昇降が主に行われる側であって、図8に示すように、左側通行の日本においては進行方向左側のものが折り畳みシート10とされている。またシートバック43の支承面42における解除ストラップ91の配設位置は、折り畳みシート10が車体前方を向いている状態での乗員の昇降が主に行われる側であって、左側通行の日本においては左側とされている。左右両側にドアある車は、当然両側シートにも本発明を適用できる。
【0057】
以上に述べた本実施形態の折り畳みシートの作動を説明する。
【0058】
まず、図1、図7および図8に示すように、シート本体15が車体前方を向いて乗員を着席させることが可能な状態にあるとき、シートバック43は上部が若干後方に位置するように傾斜した立設状態にあり、シートクッション46はほぼ水平に沿う着席可能状態にある。この状態で、回動ロック機構60はギヤ部材63の一方のロック凹部61にラッチ部材68のロック部66を嵌合させた回動ロック状態にあり、スライドロック機構20もロック部材21をスライドレール12のスライドロック穴18に嵌合させたスライドロック状態にある。また、この状態で、図示せぬ水平回転ロック機構もシート本体15を車体前方に向けた状態で水平回転ロック状態にある。さらに、この状態で、シート本体15の前後方向におけるシートクッション46の中間位置より後側にベース40およびスライダ13が位置することになる。
【0059】
このような状態で、解除ストラップ91が引かれ、図示せぬリクライニング機構によるシートバック43の固定が解除されると、図2に示すように、シートバック43は、支持軸48を中心に前倒する。すると、シートバック43の作動ブラケット87が一体に回転し、連動ロック切換機構93の切換レバー94の入力片部95に当接してこれを押圧し回転させる。これにより、切換レバー94の作動片部96が上側に回転することになり、その結果、スライドロック切換ワイヤ32、回動ロック切換ワイヤ78および水平回転ロック切換ワイヤ97が同時に引かれることになる。
【0060】
上記のようにスライドロック切換ワイヤ32が引かれることにより、図2に示すように、スライドロック機構20の作動レバー28の入力片部30が車体後方側に引かれることになる。すると、作動レバー28は、支持軸27を中心に揺動して作動片部29を下方に移動させることになり、この作動片部29が揺動アーム25の車体前方側の端部に当接してこれを下方に押圧する。その結果、揺動アーム25が支持軸23を中心に揺動して車体後方側の端部を上昇させ、ここに連結されたロック部材21を上昇させてスライドレール12のスライドロック穴18から引き抜くスライドロック解除状態となる。
【0061】
また上記のように回動ロック切換ワイヤ78が引かれることにより、図2に示すように、回動ロック機構60のチップアップレバー72が下方に引かれることになる。すると、チップアップレバー72は、支持軸70を中心に揺動し作動片部71を下方に移動させることになり、この作動片部71がラッチ部材68の穴部67の下端縁部に当接してラッチ部材68を下側に押圧し、ラッチ部材68を支持軸65を中心に回転させロック部66をシート本体15の前後方向における前側に移動させてギヤ部材63のロック凹部61から引き抜く回動ロック解除状態となる。
【0062】
このように回動ロック機構60が回動ロック解除状態になると、シートクッション46は回動可能な状態となる。このため、図3に示すように、跳上スプリング56の付勢力でスライド係合部54がガイド溝51に沿ってシート本体15の前後方向における前側に移動し、このスライド係合部54とシートクッション46の連結軸52とを結んだ連結リンク53によって、シートクッション46が押し上げられて支持軸49を中心に回動し、シートバック43に対し反対側を上昇させるように跳ね上げられる。そして、前倒状態にあるシートバック43に当接して互いに折り畳まれた折畳状態となって停止する。なお、この状態で、回動ロック機構60のラッチ部材68のロック部66は、ギヤ部材63のロック凹部61,62の間位置に対向することになり、言い換えれば、ロック凹部61,62のいずれとも嵌合不可な状態となっている。
【0063】
さらに上記のように水平回転ロック切換ワイヤ97が引かれることにより、図示せぬ水平回転ロック機構が水平回転ロック解除状態となる。つまり、シートバック43の前倒に連動して連動ロック切換機構93が水平回転ロック機構によるシート本体15の水平回転の規制を解除する。
【0064】
以上の状態では、スライドロック機構20がスライドロック解除状態にあるため、シート本体15は、スライドレール12に沿った車体前後方向のスライドが可能となり、また、水平回転ロック機構が水平回転ロック解除状態にあるため、シート本体15の鉛直軸回りの回転が可能となる。
【0065】
つまり、例えば、サードシート112の乗員の昇降のために解除ストラップ91が引かれると、シートバック43の前倒に連動して連動ロック切換機構93が、スライドロック機構20によるシート本体15のスライドの規制を解除するとともに、回動ロック機構60によるシートクッション46の支持軸49を中心とした回動の規制を解除しシートクッション46を跳上スプリング56の付勢力で跳ね上げ方向に回動させ、さらに水平回転ロック機構による水平回転の規制を解除する。すると、セカンドシート111を構成する主たる昇降側の折り畳みシート10は、シートバック43が前倒しシートクッション46がシートバック43側を中心に回動し、シートクッション46およびシートバック43と、スライダ13と、ベース40とがシート本体15の前後方向における位置が重なり合って略同じ幅内に収まることになり、全体として前後方向にコンパクトに折り畳まれるとともに、さらにスライド可能となることからフロントシート110側に押圧されてスライドさせられることで図9に示すように、全体としてフロントシート110に近接し、シート本体15の後側つまりサードシート112の前側に広い空間115を形成する。
【0066】
したがって、折り畳みシート10はこのように折り畳まれることで乗員の乗降用の空間115を十分に拡大することができ、折り畳みシート10と昇降用のドア開口とで構成される昇降間口119を広くできて、乗員の昇降を確実に容易にすることができる。しかも、シート本体15はシートバック43の前倒に連動してシートクッション46が跳ね上げられしかもスライドも可能となるため、スムーズに短時間で昇降用の空間115を形成することができる。
【0067】
次に、上記のようにシートバック43の前倒によりシートクッション46が跳ね上げ方向に回動させられた折畳状態において、図4に示すように、シートバック43を立設状態側に手動で起こす起立動を行うと、シートバック43が若干立設状態側に回転することで、シートバック43の作動ブラケット87に当接している連結ロック切換機構93の切換レバー94が図示せぬスプリングの付勢力で作動ブラケット87に当接した状態を維持しながら回転することになり、またシートバック43に当接していたシートクッション46が跳上スプリング56の付勢力でシートバック43に当接する状態を維持しながら回転することになる。切換レバー94の上記回転で作動片部96が下側に回転することになり、スライドロック切換ワイヤ32、回動ロック切換ワイヤ78および水平回転ロック切換ワイヤ97が同時に緩むことになる。
【0068】
上記のようにスライドロック切換ワイヤ32が緩むことにより、スライドロック機構20の作動レバー28が、支持軸27を中心に揺動して作動片部29を上方に移動させることになり、この作動片部29が揺動アーム25の車体前方側の端部の下方への押圧を解除する。その結果、揺動アーム25が支持軸23を中心に揺動して車体後方側の端部を下降させ、ここに連結されたロック部材21を下降させてスライドレール12のスライドロック穴18に嵌合させるスライドロック状態となる。つまり、シートバック43の起立動に連動して、連動ロック切換機構93がスライドロック機構20をスライドロック状態とし、シート本体15のスライドを規制する。
【0069】
また上記のように回動ロック切換ワイヤ78が緩むことにより、図4に示すように、回動ロック機構60のチップアップレバー72がレバースプリング76の付勢力で支持軸70を中心に揺動し作動片部71を上方に移動させることになり、この作動片部71がラッチ部材68の穴部67の上端縁部に当接してラッチ部材68を上側に押圧し、ラッチ部材68を支持軸65を中心に回転させ、ラッチ部材68のロック部66をシート本体15の前後方向における後側に移動させる。これと同時に、シートバック43に当接していたシートクッション46が跳上スプリング56の付勢力で回転することで、シートクッション46に固定された支持軸49に固定されたギヤ部材63のロック凹部62を上昇させて、ロック部66と位置を合わせる。これらの同時進行で、ラッチ部材68のロック部66をギヤ部材63のロック凹部62に嵌合させる回動ロック解除状態となる。つまり、シートバック43の起立動に連動して、連動ロック切換機構93が回動ロック機構60を回動ロック状態とし、シートクッション46の回動を規制する。なお、図示せぬリクライニング機構により、シートバック43はロック凹部62にギヤ部材63が嵌合した状態で停止させられるシートクッション46から離間することがないように起立動により回転できる角度が設定されている。
【0070】
さらに上記のように水平回転ロック切換ワイヤ97が緩むことにより、図示せぬ水平回転ロック切換機構は水平回転ロック状態となる。
【0071】
つまり、例えば、上記のようにシートバック43の前倒によりシートクッション46が跳ね上げ方向に回動させられた折畳状態において、シートバック43を立設状態側に手動で起こす起立動を行うと、これに連動して、連動ロック切換機構93が回動ロック機構60によりシートクッション46の支持軸49を中心とした回動を規制しかつスライドロック機構20によりシート本体15のスライドを規制して、さらに水平回転ロック機構によりシート本体15の水平回転を規制することになる。その結果、シート本体15はスライドおよび水平回転が規制されるとともにシートクッション46の戻りが規制される折畳ロック状態となる。
【0072】
したがって、例えば、図10に示すように、サードシート112を車室フロア11の下に収納し、その上側の空間116に合わせて折り畳みシート10の後ろに形成した空間115を荷室117として使用する場合に、走行中にシート本体15が移動して荷室117の荷物118にぶつかってこれを破損させてしまうこと等がなくなる。勿論、サードシート112を車室フロア11の下に収納せずに折り畳みシート10の後ろかつサードシート112前に形成した空間115に荷物を置く場合も同様に荷物の破損を防止できる。
【0073】
上記のように折畳ロック状態にあるシート本体15に対し、跳ね上げられることにより前方に向くシートクッション46の底面部99にあって操作容易なスライドロック解除レバー100が、図5に示すように揺動操作されると、スライドロック解除レバー100は、第2スライドロック切換ワイヤ37を引っ張り、スライドロック機構20のロック部材21をスライドレール12のスライドロック穴18から引き抜くスライドロック解除状態とする。
【0074】
これにより、折畳ロック状態にあったシート本体15が車体前後方向のスライドの規制が解除されてこのスライドのみが可能な状態となるため、シート本体15を手動でスライドレール12に沿って移動させると、シートクッション46およびシートバック43の折畳状態を維持したまま、図11に示すように、シート本体15を所望の位置までスライドさせることができる。そして、この状態でスライドロック解除レバー100の揺動操作が解除されると、スライドロック解除レバー100は図示せぬスプリングの付勢力で底面部99の内側に収納される状態となり、スライドロック機構20のロック部材21をスライドレール12のスライドロック穴18に嵌合させてスライドロック状態とする。これにより、シート本体15はスライドも規制された折畳ロック状態となる。
【0075】
したがって、折畳ロック状態にあるシート本体15をスライドだけさせて所望の位置で再び折畳ロック状態とすることができ、シート本体15の前の空間120および後ろの空間121をそれぞれ荷室として使用する場合等にそれぞれの大きさを容易に調整することができる。
【0076】
そして、上記のスライドロック解除レバー100の揺動操作によってフロントシート110から離間するように後方に移動させられて折畳ロック状態にあるシート本体15に対し、前方に向くシートクッション46の底面部99にあって操作容易な回動ロック解除レバー103が、図6に示すように揺動操作されると、回動ロック解除レバー103は、第2回動ロック切換ワイヤ82を引っ張り、回動ロック機構60のロック部66をロック凹部62から引き抜く回動ロック解除状態とする。
【0077】
これにより、シートクッション46は支持軸49を中心とした回動が可能な状態となるため、手動でシートクッション46を着席可能状態に戻すことができ、この状態で回動ロック解除レバー103の揺動操作が解除されると、回動ロック解除レバー103は図示せぬスプリングの付勢力で底面部99の内側に収納される状態となり、回動ロック機構60はそのロック部66を着席可能状態にあるシートクッション46のロック凹部61に嵌合させてシートクッション46の回動を規制する回動ロック状態となる。
【0078】
したがって、シートクッション46を着席可能状態に容易に戻すことができる。
【0079】
そして、解除ストラップ91が引かれシートバック43が立設状態に戻された後、解除ストラップ91の引っ張りが解除されることで図示せぬリクライニング機構がシートバック43を固定する。これにより、図1および図7に示すように、シート本体15が着席可能な状態になる。
【0080】
なお、例えば、折り畳みシート10においてシート本体15を反転させ、図12に示すようなサードシート112と対座する対座状態に変更する場合にも、解除ストラップ91が引かれることで、シートバック43が前倒し、これに連動して連動ロック切換機構93が、スライドロック機構20によるシート本体15のスライドの規制を解除するとともに、回動ロック機構60によるシートクッション46の回動の規制を解除してシートクッション46を跳ね上げさせ、さらに水平回転ロック機構による水平回転の規制を解除する。すると、シート本体15は、シートバック43が前倒しシートクッション46がシートバック43側を中心に回動して全体として前後方向にコンパクトに折り畳まれるとともに、さらに水平回転可能かつスライド可能となることから、車体後方を向くように回転させられた後、フロントシート110側に押圧されてスライドさせられることで全体としてフロントシート110に近接し、サードシート112との間に広い空間を形成して対座状態となる。
【0081】
このとき、水平回転するシート本体15は、シートバック43が前倒しシートクッション46が跳ね上げられた折畳状態にあるため、左右方向に隣接するシートとの距離が小さくても干渉せずに水平回転できる。
【0082】
そして、その後は、上記と同様にして、シートバック43が起立動させられてシート本体15が折畳ロック状態となり、必要によりスライドロック解除レバー100が操作されてシート本体15が前後にスライドさせられてその位置が調整され、回動ロック解除レバー103が操作されてシートクッション46が着席可能状態に戻され、解除ストラップ91が操作されてシートバック43が立設状態に戻される。
【0083】
なお、シートクッション46が着席可能状態に戻されシートバック43が立設状態に戻されてシート本体15が乗員の着席が可能な状態にあるときも、スライドロック解除レバー100の手動操作でシート本体15を車体前後方向にスライドさせて位置調整を行うことができる。
【0084】
ここで、上記実施形態では、連結リンク53のスライド係合部54を案内するガイド溝51は、シートクッション46の回動の中心軸である支持軸49より下側でシート本体15の前後方向に沿って延在することになり、跳上スプリング56も連結リンク53の他側をシート本体15の前後方向における前側に付勢すれば良いことから、ガイド溝51に上下方向に重なり合って前後方向に沿って延在することになる。その結果、これらの高さの拡大を抑えることができる。したがって、シートクッション46の位置を低くでき、例えば車高の低い車の頭上高を稼ぐことができる。図8に示すように、跳上スプリング56とシートクッション46とは上下に重ねられる(シート本体15における前後方向および左右方向に位置が重なり合う)のでシートクッション46の幅を広くできる。
【0085】
加えて、連動ロック切換機構93は、シートバック43の前倒で押圧されて揺動する切換レバー94を用いるため、連動ロック切換機構93を簡素にできる。したがって、コストを低減することができる。
【0086】
上記実施形態のスライドロック切換ワイヤ32、第2スライドロック切換ワイヤ37,回動ロック切換ワイヤ78、第2回動ロック切換ワイヤ82および水平回転ロック切換ワイヤ97のうちの少なくともいずれか一つをリンク機構に変更することも勿論可能である。
【0087】
また、上記実施形態の連結リンク53および跳上スプリング56に換えてオープンステーダンパ等のダンパを用いてシートクッション46を跳ね上げるようにすることも可能である。オープンステーダンパを用いればシートクッション46を跳ね上げの動きをゆっくりにでき、その結果、更に高級感を高めることができる。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に係る発明によれば、シートバックを前倒させると、これに連動して連動ロック切換手段がスライドロック手段によるシート本体のスライドの規制を解除するとともに回動ロック手段によるシートクッションの回動の規制を解除しシートクッションを付勢手段の付勢力で跳ね上げ方向に回動させる。その結果、シート本体はシートバックが前倒しシートクッションがシートバック側を中心に回動することで全体としてコンパクトに折り畳まれるとともに、スライド可能となる。そして、全体としてコンパクトに折り畳まれたシート本体をシートクッション側にスライドさせると、シート本体の後側に昇降用の広い空間が形成されることになる。したがって、折り畳まれることで乗員の乗降用の空間を十分に拡大することができ、乗員の昇降を確実に容易にすることができる。しかも、シート本体はシートバックの前倒に連動してシートクッションが跳ね上げられしかもスライドも可能となるため、スムーズに短時間で昇降用の空間を形成することができる。
【0089】
請求項2に係る発明によれば、シートバックが前倒しシートクッションがシートバック側を中心に回動することで全体としてコンパクトに折り畳まれるとともにスライドさせられて昇降用の空間を拡大した状態のシート本体について、シートバックを起立動させると、これに連動して、連動ロック切換手段が回動ロック手段によりシートクッションの回動を規制するとともにスライドロック手段によりシート本体のスライドを規制することになる。その結果、シート本体はスライドが規制されシートクッションの戻りが規制される。したがって、例えば、形成した空間を荷室として使用する場合に、走行中にシート本体が移動して荷室の荷物に衝突すること等がなくなる。
【0090】
請求項3に係る発明によれば、例えば、シートクッションがシートバック側を中心に回動して折り畳まれた状態で回動ロック手段により回動が規制されスライドロック手段によりスライドが規制された状態のシート本体に対し、跳ね上げられたシートクッションの底面部側にあって操作容易な位置にあるスライドロック解除レバーを操作すると、スライドロック手段によるシート本体のスライドの規制が解除される。したがって、シート本体をスライドさせることができ、シート本体の前後の空間を荷室として使用する場合等にそれぞれの大きさを容易に調整することができる。
【0091】
また、例えば、シートクッションがシートバック側を中心に回動して折り畳まれた状態で回動ロック手段により回動が規制されスライドロック手段によりスライドが規制された状態のシート本体に対し、跳ね上げられたシートクッションの底面部側にあって操作容易な位置にある回動ロック解除レバーを操作すると、回動ロック手段によるシートクッションの回動の規制が解除されてシートクッションを着席可能な状態に戻すことができる。したがって、シートクッションを着席可能な状態に容易に戻すことができる。
【0093】
請求項4に係る発明によれば、シートバックを前倒させると、連動ロック切換手段は、解除揺動部材がシートバックに押圧されて揺動してスライドロック手段によるスライドの規制を解除するとともに回動ロック手段による回動の規制を解除する。このようにシートバックの前倒で押圧されて揺動する解除揺動部材を用いるため、連動ロック切換手段を簡素にできる。したがって、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の折り畳みシートを示す側面図であって乗員の前方を向いた着席が可能な状態を示すものである。
【図2】 本発明の一実施形態の折り畳みシートを示す側面図であって、図1に示す状態からシートバックが前倒させられた状態を示すものである。
【図3】 本発明の一実施形態の折り畳みシートを示す側面図であって、図2に示す状態からシートクッションが跳ね上げられた状態を示すものである。
【図4】 本発明の一実施形態の折り畳みシートを示す側面図であって、図3に示す状態からシートバックが起立動させられた状態を示すものである。
【図5】 本発明の一実施形態の折り畳みシートを示す側面図であって、図4に示す状態からスライドロック解除レバーが操作された状態を示すものである。
【図6】 本発明の一実施形態の折り畳みシートを示す側面図であって、図5に示す状態から回動ロック解除レバーが操作された状態を示すものである。
【図7】 本発明の一実施形態の折り畳みシートが乗員の前方を向いた着席を可能とする状態を示すシートレイアウトの側面図である。
【図8】 本発明の一実施形態の折り畳みシートが乗員の前方を向いた着席を可能とする状態を示すシートレイアウトの平面図である。
【図9】 本発明の一実施形態の折り畳みシートのシート本体が折畳状態で前方にスライドさせられた状態を示すシートレイアウトの側面図である。
【図10】 本発明の一実施形態の折り畳みシートのシート本体が図9のあと折畳ロック状態とされ、さらにサードシートが床下収納された状態を示すシートレイアウトの側面図である。
【図11】 本発明の一実施形態の折り畳みシートのシート本体が図10のあと後方にスライドさせられた状態を示すシートレイアウトの側面図である。
【図12】 本発明の一実施形態の折り畳みシートのシート本体が対座状態にあるシートレイアウトの側面図である。
【符号の説明】
13 スライダ
15 シート本体
20 スライドロック機構(スライドロック手段)
40 ベース
43 シートバック
46 シートクッション
49 支持軸(中心軸)
51 ガイド溝
53 連結リンク
56 跳上スプリング(付勢手段)
60 回動ロック機構(回動ロック手段)
93 連動ロック切換機構(連動ロック切換手段)
94 切換レバー(解除揺動部材)
99 底面部
100 スライドロック解除レバー
103 回動ロック解除レバー

Claims (5)

  1. シートバックと該シートバック側を中心に回動可能に設けられたシートクッションとをスライダ上のベースに備えたシート本体と、該シート本体のスライドを規制するスライドロック手段と、前記シートクッションの前記回動を規制する回動ロック手段と、を備え、
    前記シートクッションを跳ね上げ方向に回動させる付勢手段と、
    前記シートバックを所定の角度以上前倒しさせることで、前記スライドロック手段による前記スライドの規制を解除するとともに前記回動ロック手段による前記回動の規制を解除する連動ロック切換手段とを設け、
    跳ね上げた前記シートクッションに前倒した前記シートバックを保持することを特徴とする折り畳みシート。
  2. 前記シートバックの前記前倒により前記シートクッションが跳ね上げ方向に回動させられた状態において、前記シートバックを起こす起立動に連動して、前記連動ロック切換手段が前記回動ロック手段により前記回動を規制するとともに前記スライドロック手段により前記スライドを規制し、前記シートクッションを跳ね上げ姿勢にて保持することを特徴とする請求項1記載の折り畳みシート。
  3. 前記シートクッションの底面部側に、前記スライドロック手段による前記スライドの規制を解除するスライドロック解除レバーと、前記回動ロック手段による前記回動の規制を解除する回動ロック解除レバーとを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の折り畳みシート。
  4. 前記連動ロック切換手段は、前記シートバックの前記前倒で該シートバックに押圧されて揺動し前記スライドロック手段による前記スライドの規制を解除するとともに前記回動ロック手段による前記回動の規制を解除する解除揺動部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の折り畳みシート。
  5. 前記シートバックに前倒し方向に付勢するバック付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の折り畳みシート。
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