JPH0735547B2 - 高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法

Info

Publication number
JPH0735547B2
JPH0735547B2 JP1098800A JP9880089A JPH0735547B2 JP H0735547 B2 JPH0735547 B2 JP H0735547B2 JP 1098800 A JP1098800 A JP 1098800A JP 9880089 A JP9880089 A JP 9880089A JP H0735547 B2 JPH0735547 B2 JP H0735547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
steel pipe
strength
rolling
seamless steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1098800A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02138417A (ja
Inventor
晃史 佐々木
Original Assignee
川崎製鉄株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 川崎製鉄株式会社 filed Critical 川崎製鉄株式会社
Priority to JP1098800A priority Critical patent/JPH0735547B2/ja
Publication of JPH02138417A publication Critical patent/JPH02138417A/ja
Publication of JPH0735547B2 publication Critical patent/JPH0735547B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高クロム系継目無鋼管の製造方法に係り、従来
法より低コスト化された高温用途に使用される高温強度
に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法に関する。
[従来の技術] 継目無鋼管は一般にマンドレルミル方式、プラグミル方
式等の圧延法、あるいは、ユージンセジュルネ方式、エ
アハルトプッシュベンチ方式等の熱間押出法で製造され
るが、比較的小径サイズの造管には生産性、寸法精度が
優れているマンドレルミル方式の圧延法が広く利用され
ている。
高Cr系フェライト鋼の継目無鋼管をマンドレルミル方式
にて製造する場合には、例えば、第1図に示すように、
素材ビレット2は回転炉床式加熱炉4において所定の温
度まで加熱された後、マンネスマンピアサ6により穿孔
圧延されて中空素管8Aとなる。あるいは、この中空素管
8Aは中空素管製造用連続鋳造機5等によって直接製造さ
れてもよい。この中空素管8Aは厚肉かつ短尺であるの
で、延伸圧延機であるマンドレルミル10により減肉延伸
される。マンドレルミル10は中空素管8Aにマンドレルバ
ー12を挿入した状態で延伸圧延する圧延機であり、通常
6〜8基のロールスタンドから構成されており、各ロー
ルスタンドは2本の孔型ロール14を備え、隣接するロー
ルスタンド間ではこの孔型ロール14の回転軸を圧延軸に
垂直な面内で相互に90度づつずらして配置している。中
空素管8Aはマンドレルミル10で元の長さの2〜4倍の長
さに延伸され、仕上圧延用素管8Bとなる。仕上圧延用素
管8Bは、必要に応じて再加熱炉16によって所定の温度に
再加熱された後、仕上圧延機であるストレッチレデュー
サ18によって仕上圧延され、冷却床で常温まで冷却され
る。ストレッチレデューサ18によって素管の外径は最大
で75%も絞られ、素材ビレットの長さの40倍以上にも延
伸され、さらにその外表面はストレッチレデューサ18の
最終側の数スタンドの真円孔型ロールによって定形され
るため比較的優れた外径寸法精度の仕上管20が得られ
る。その後仕上管20は、所定の機械的性値を附加する目
的のために熱処理炉にて再び1040〜1060℃に加熱保持さ
れ、その後常温まで空冷にて冷却される。さらに再加熱
されて730〜760℃で焼きもどされて室温まで空冷され最
終製品となる。
ところで、高温強度に優れた高Cr系鋼管としてASME SA2
13(ASTM A213)に規定されているGrade T91鋼管、別名
Super9Cr鋼管が良く知られている。この鋼管の製造条件
はASME/ASTMに規定されているように、ノルマ熱処理
(焼きならし)1040℃以上、テンパー熱処理(焼きもど
し)730℃以上のノルマ+テンパーの両熱処理を行なう
ようになっている。
このSuper9Cr鋼管の特性等については文献等に報告され
ており、例えば三菱重工技報Vol.23No.4(1985)543頁
〜550頁や火力原子力発電Vol.36No.9(1985)931頁〜94
2頁に報告されている。
このSuper9Cr鋼管は鋼管に造管した後、通常1050℃付近
でノルマを行ない、さらに750〜770℃付近でテンパーを
行なって製造される。
最近、T91鋼管よりも高強度な改良型T91鋼管が求められ
ている。改良型T91鋼として9Cr〜12Cr系鋼にWを添加し
た鋼が提案されており、例えば発明者は特開昭63−7685
4等を提案している。
[発明が解決しようとする課題] ところで、近年製造コスト低減への期待は大きく、ボイ
ラ用鋼管に対してもその例外ではない。特にSuper9Cr鋼
管等の高Cr系鋼管はSUS304 HTB並かそれ以上の高温強度
を有しているがコストはSUS304 HTBより安価であるので
使用増大の傾向にある。
しかしながら、高Cr系鋼管は低合金鋼よりは高価である
ので、その低コスト化への期待は大きい。
また、高Cr系鋼管は使用前に溶接され、溶接熱影響を緩
和するため後熱処理(PWHT)を行なっている。この後熱
処理は、管の使用条件(温度、時間)と管製造時のテン
パー条件(温度、時間)を考えてその中間の条件で行な
われているが、使用後の組織安定性からは、なるべく高
い温度で焼きもどしできることが望ましい。
このように従来の高Cr系鋼管については、その優れた特
性を活かしつつさらにコストの低減とPWHTの高温化が期
待されていた。
本発明は、高温環境で使用される高温強度に優れた高Cr
系継目無鋼管を従来法より簡素化された工程で製造する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、高Cr系鋼管の優れた特性を活かしつつ、
さらにコストの低減とPWHTの高温化が実現できる製造方
法を開発すべく、成分や造管時の加熱,圧延条件につい
て種々検討を行なった。
高Cr系鋼管は造管後の再加熱によりノルマ熱処理を行な
った後、テンパー熱処理を行なっている。本発明者ら
は、高Cr系の継目無鋼管をマンネスマン方式で製造する
に際して、製造工程を詳細に見直し、高Cr鋼のノルマ熱
処理の目的がオーステナイト状態から空冷程度の冷却ス
ピードで冷却し、均一なマルテンサイト組織を得るこ
と、その際結晶粒が粗大化しないようにする必要がある
ことを考慮して、造管ままでノルマ処理を行なったと同
様となるような造管条件を鋭意検討した結果、本発明を
達成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の本発明は、重量%でC:0.05
〜0.15%、Si:1.0%以下、Mn:0.2〜1.0%、Cr:7.5〜12.
0%、Mo:0.5〜1.2%、Nb:0.02〜0.15%、V:0.09〜0.30
%、N:0.01〜0.08%を含有する高クロム系継目無鋼管を
製造するに当たり、仕上圧延用素管を850〜1150℃に再
加熱した後、仕上圧延用素管の断面積をAo(cm2)、仕
上管の断面積をA(cm2)とする時に、次式 ε=ln(Ao/A) で表わされる仕上圧延時の加工歪εが0.1以上になるよ
うに圧延を行ない空冷した後、740〜820℃でテンパー熱
処理を施すことにより、高靱性で高温強度に優れた高Cr
系継目無鋼管の製造方法である。
また、請求項2に記載の本発明は、重量%でC:0.05〜0.
15%、Si:1.0%以下、Mn:0.2〜1.0%、Cr:7.5〜12.0
%、Mo:0.5〜1.2%、W:0.1〜3.0%、Nb:0.02〜0.15%、
V:0.09〜0.30%、N:0.01〜0.08%を含有する高クロム系
継目無鋼管を製造するに当たり、仕上圧延用素管を850
〜1200℃に再加熱した後、仕上圧延用素管の断面積をAo
(cm2)、仕上管の断面積をA(cm2)とする時に、次式 ε=ln(Ao/A) で表わされる仕上圧延時の加工歪εが0.1以上になるよ
うに圧延を行ない空冷した後、740〜830℃でテンパー熱
処理を施すことにより、高靱性で高温強度に優れた高ク
ロム系継目無鋼管の製造方法である。
[作用] (1)以下に請求項1と請求項2のそれぞれに記載の本
発明における成分限定理由について説明する。なお、以
下に示す成分の%は全て重量%である。
C: Cは固溶硬化ならびに炭化物の形成・析出により、常温
や高温強度を確保するのに必須の元素である。十分な強
度を得るためには少なくとも0.05%は必要である。一方
0.15%を越えると焼き入れ性が増し、強度は増加する
が、溶接性、加工性が劣化するのでCは0.15%以下とし
た。上記理由によりC量は0.05%以上0.15%以下とし
た。
Si: Siは脱酸剤として添加するが、多量に用いると鋼の靱性
が低下するので、良好な靱性を確保するために上限を1.
0%とした。高温長時間強度と靱性向上のためにはSiを
下げた方がよいので下限は規定しない。
Mn: Mnは脱酸、脱硫剤として、また強度、熱間加工性を改善
した適正な組織を得るために有用な元素であるが、0.2
%未満では効果が適正ではなく、一方高強度高Cr鋼の場
合、1.0%を越えると強度が上がるものの、曲げ等の加
工性や靱性の劣化を招くので0.2〜1.0%とした。
Cr: Crは耐高温酸化性、高温長時間強度の向上のために添加
するもので、上記効果を発揮するためには7.5%以上の
添加が必要である。一方Crが12.0%より多くなると、デ
ルタフェライトが発生し、高温長時間強度が低下する。
このためCrの成分範囲は7.5〜12.0%とした。
Mo: Moは高温長時間強度を著しく高めるため、耐熱鋼には不
可欠の元素である。Moは鋼中に固溶し強化するほか、炭
化物を析出してクリープ強度を向上させるが0.5%未満
ではこの効果がなく、一方1.2%を越えるとデルタフェ
ライトが生じ高温強度が低下するためMo量は0.5〜1.2%
とした。
Nb、V: Nb、Vは炭化物もしくは炭窒化物として析出し、長時間
にわたって高温強度の低下を抑制する。Nb炭化物もしく
はNb炭窒化物の溶解度積はV炭化物もしくはV炭窒化物
の溶解度積より小さく、析出しやすいので高温短時間強
度を著しく高めるが、単独添加ではNb炭化物、Nb炭窒化
物は凝集粗大化しやすく長時間高温強度を維持するのが
困難となる。長時間強度の向上には、Nb、Vの複合添加
が有効で、製造過程で析出したNb(C,N)に高温で使用
中M23C6、M6Cの炭化物が析出し、VはV4C3の炭化物のほ
かに固溶状態にあるVが上記炭化物M23C6、M6Cに拡散
し、これら炭化物の粗大化を抑制する。Nb、Vの複合添
加により微細析出したNb、Vの析出物、さらに長時間経
過後に微細析出するM23C6、M6C、固有Vが高温長時間強
度を向上させる。
したがって、V単独でも微細炭化物M23C6、M6Cは得られ
ず、長時間強度を改善することはできない。Nbは0.02
%、Vは0.09%未満では上記の効果が不十分である。ま
た、NbもしくはVが多すぎても炭化物が著しく粗大化し
クリープ破断強度を下げ、しかも切欠靱性や溶接性を低
下させるので、Nbは0.15%以下、Vは0.30%以下とし
た。
N: Nは窒化物もしくは炭窒化物の形成、さらに固有Nの残
存から高温長時間強度を向上させるが、0.01%未満では
その効果がなく、0.08%を越えると溶接時ブローホール
が形成され、著しく溶接性を劣化するので、Nは0.01%
〜0.080%とした。
W: WはMoと同様に高温長時間強度を著しく高める効果が大
きい元素であり、鋼中に固溶して強化するほか、炭化物
を析出してクリープ強度を向上させるが、0.1%未満で
はこの効果がなく、一方3%を越えるとデルタフェライ
ト量が増し高温強度を低下させる上にWは高価な元素で
あるから、コスト高となり経済性の上からも好ましくな
い。よってWは0.1〜3.0%とした。
(2)次に製造条件の限定理由を説明する。
(2−1)(請求項1に記載の本発明において仕上圧延
用素管を850〜1150℃に再加熱すること) 第2図(A)にSuper9Cr鋼について再加熱炉での温度を
変えて加熱し本発明に基づいて造管、焼きもどし熱処理
(770℃×60分)した鋼管の機械的性質を示す。図から
認められるように再加熱温度が850℃未満では、シャル
ピー吸収エネルギーが低いが850℃以上になると、吸収
エネルギーが15kgf・mと良好な値となる。一方再加熱
温度が高くなれば吸収エネルギーは良好となるが1150℃
を越えると引張り強さは低下し従来の製造法である造管
後再加熱によりノルマ熱処理、テンパー熱処理を行なっ
たのと同じ強度となる。上記実験結果より再加熱炉での
加熱温度範囲は850〜1150℃に限定した。
(請求項2に記載の本発明において仕上圧延用素管を85
0〜1200℃に再加熱すること) 第2図(B)にC:0.10、Si:0.33、Mn:0.45、Cr:9.5、M
o:0.70、W:1.4、Nb:0.07、V:0.18、N:0.03%鋼について
再加熱炉での温度を変えて加熱し本発明に基づいて造
管、焼もどし熱処理(780℃×60分)した鋼管の機械的
性質を示す。図から認められるように再加熱温度が850
℃未満では、シャルピー吸収エネルギーが低いが850℃
以上になると、吸収エネルギーが10kgf・mと良好な値
となる。一方再加熱温度が高くなれば吸収エネルギーは
良好となるが1200℃を越えると引張り強さは低下し従来
の製造法である造管後再加熱によりノルマ熱処理、テン
パー熱処理を行なったのと同じ強度となる。上記実験結
果より再加熱炉での加熱温度範囲は850〜1200℃に限定
した。
(2−2)(請求項1と請求項2のそれぞれに記載の本
発明において仕上圧延時の加工歪εを0.1になるように
加工すること) 仕上圧延用素管の断面積をAo(cm2)、仕上管の断面積
をA(cm2)とすると、仕上圧延時の加工歪εは下記
(1)式で表される。
ε=ln(Ao/A) …(1) 仕上圧延用素管を仕上管に圧延する時、熱間加工時の加
工歪による強度上昇と結晶粒を均一に細かくするため最
低0.1以上の加工歪εを加える必要がある。
(2−3)(請求項1に記載の本発明においてテンパー
熱処理を740〜820℃で行なうこと) 第3図(A)にSuper9Cr鋼について本発明に基づいて造
管した後焼きもどし温度を種々かえて熱処理した時の硬
さ(Hv)の変化を示す。ボイラ用鋼管として使用する
時、通常硬さHRC25以下が望ましい。これは硬さHvで265
以下に相当する。第3図から認められるようにこの硬さ
範囲を満足するためには、焼きもどし温度を740℃以上
にする必要がある。一方820℃を越えると硬さはそれ以
上下がらずむしろ増加する傾向となる。これは加熱によ
り一部オーステナイトに変態し冷却中にマルテンサイト
を生じて硬化するものである。このため焼きもどし温度
を820℃以下とした。上記理由より焼きもどし温度を740
〜820℃にする必要がある。
(請求項2に記載の本発明においてテンパー熱処理を74
0〜830℃で行なうこと) 第3図(B)にC:0.10、Si:1.33、Mn:0.45、Cr:9.5、M
o:0.70、W:1.4、Nb:0.07、V:0.18、N:0.03%鋼について
本発明に基づいて造管した後焼きもどし温度を種々かえ
て熱処理した時の硬さ(Hv)の変化を示す。ボイラ用鋼
管として使用する時、通常硬さHRC25以下が望ましく、
これは硬さHvで265以下に相当する。第3図から認めら
れるようにこの硬さ範囲を満足するためには、焼きもど
し温度を740℃以上にする必要がある。一方830℃を越え
ると硬さはそれ以上下がらずむしろ増加する傾向とな
る。これは加熱により一部オーステナイトに変態し冷却
中にマルテンサイトを生じて硬化するものである。この
ため焼きもどし温度を830℃以下とした。上記理由より
焼きもどし温度を740〜830℃にする必要がある。
[実施例] (第1実施例) 第1表に示すA〜Cの3種の高Cr系フェライト鋼を用い
て第2表に示す製造条件で継目無鋼管を製造した。第2
表の製造条件において、実験No.1〜8は本発明例(請求
項1に記載の本発明例)、No.9〜14は比較例、No.15〜1
6は従来例である。
比較例に対して、請求項1に記載の本発明の条件を満足
していない項目はアンダーライン(または*印)を付し
て示したが、No.9は素管再加熱温度が1180℃の例、No.1
0は造管後のテンパー温度が720℃の例、No.11は素管再
加熱温度が830℃の例、No.12は造管後のテンパー温度が
850℃の例、No13は造管時の加工歪εが0.08の例、No.14
は素管再加熱温度が1180℃で造管後のテンパー温度が73
0℃の例である。
従来例のNo.15、16は現在通常行なわれている再加熱に
よるノルマ処理、テンパー処理を行なった場合である。
上記の各種の製造条件による実験材のそれぞれの機械的
性質等を調査してその試験結果を第3表に併せて示し
た。
第3表において明らかなように、本発明例はいずれも再
加熱によるノルマ処理、テンパー処理を行なう従来例N
o.15、16に比べて造管後のテンパー温度を高くしても室
温および高温での強度は高くなっておりかつ伸び、シャ
ルピー吸収エネルギーは同等以上となっている。すなわ
ち、従来例に比較して高強度で高靱性である。一方本発
明の条件を満足しない比較例は、いずれも本発明例に比
較して強度または伸びや吸収エネルギー値が低く劣って
いる。
(第2実施例) 第4表に示すD〜Gの4種の高Cr系フェライト鋼を用い
て第5表に示す製造条件で継目無鋼管を製造した。第5
表の製造条件において、実験No.1〜9は本発明例(請求
項2に記載の本発明例)、No.10〜15は比較例、No.16〜
17は従来例である。
比較例に対して、請求項2に記載の本発明の条件を満足
していない項目はアンダーライン(または*印)を付し
て示したが、No.10は素管再加熱温度が1220℃の例、No.
11は造管後のテンパー温度が710℃の例、No.12は素管再
加熱温度が830℃の例、No.13は造管後のテンパー温度が
850℃の例、No.14は造管時の加工歪εが0.09の例、No.1
5は素管再加熱温度が1220℃で造管後のテンパー温度が8
50℃の例である。
従来例のNo.16、17は現在通常行なわれている再加熱に
よるノルマ処理、テンパー処理を行なった場合である。
上記の各種の製造条件による実験材のそれぞれの機械的
性質等を調査してその試験結果を第6表に併せて示し
た。
第6表において明らかなように、本発明例はいずれも再
加熱によるノルマ処理、テンパー処理を行なう従来例N
o.16、17に比べて造管後のテンパー温度を高くしても室
温および高温での強度は高くなっておりかつ伸び、シャ
ルピー吸収エネルギーは同等以上となっている。すなわ
ち、従来例に比較して高強度で高靱性である。一方本発
明の条件を満足しない比較例は、いずれも本発明例に比
較して強度または伸びや吸収エネルギー値が低く劣って
いる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば上記実験例からも
明らかなように高Cr系継目無鋼管を製造する際に仕上圧
延用素管を適正範囲で再加熱を行なうことにより、再結
晶状態と炭化物の再固溶化状態を達成した後、ホットス
トレッチレデューサー圧延を行ない、その時の加工歪ε
が0.1以上となるようにして圧延ままでノルマ熱処理状
態を得てその後740〜820℃もしくは740〜830℃でテンパ
ー熱処理を行なうことにより、再加熱によるノルマ処理
が不要となり低コスト化が達成できる。しかも、本発明
法ではテンパー温度を従来法より高温度で実施できるの
で鋼管使用時溶接を行なった後の後熱処理温度を従来よ
り高温度にでき、鋼管の使用上有利にすることが可能で
ある。このことより、高強度で靱性に優れた高Cr系継目
無鋼管を広く高温用用途に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はマンドレルミル方式による継目無鋼管製造ライ
ンの一例を示す概要図、第2図(A)はSuper9Cr鋼につ
いて素管加熱温度を変えて造管し、770℃×60分の焼も
どし熱処理を行なった後の機械的性質を示した線図、第
2図(B)は9CrMoW系鋼について素管加熱温度を変えて
造管し、780℃×60分の焼もどし熱処理を行なった後の
機械的性質を示した線図、第3図(A)はSuper9Cr鋼に
ついて造管後の焼きもどし温度を変えた場合の硬さ(H
v)の変化を示した線図、第3図(B)は9CrMoW系鋼に
ついて造管後の焼きもどし温度を変えた場合の硬さ(H
v)の変化を示した線図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC:0.05〜0.15%、Si:1.0%以下、
    Mn:0.2〜1.0%、Cr:7.5〜12.0%、Mo:0.5〜1.2%、Nb:
    0.02〜0.15%、V:0.09〜0.30%、N:0.01〜0.08%を含有
    する高クロム系継目無鋼管を製造するに当たり、仕上圧
    延用素管を850〜1150℃に再加熱した後、仕上圧延用素
    管の断面積をAo(cm2)、仕上管の断面積をA(cm2)と
    する時に、次式 ε=ln(Ao/A) で表わされる仕上圧延時の加工歪εが0.1以上になるよ
    うに圧延を行ない空冷した後、740〜820℃でテンパー熱
    処理を施すことを特徴とする高温強度に優れた高クロム
    系継目無鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】重量%でC:0.05〜0.15%、Si:1.0%以下、
    Mn:0.2〜1.0%、Cr:7.5〜12.0%、Mo:0.5〜1.2%、W:0.
    1〜3.0%、Nb:0.02〜0.15%、V:0.09〜0.30%、N:0.01
    〜0.08%を含有する高クロム系継目無鋼管を製造するに
    当たり、仕上圧延用素管を850〜1200℃に再加熱した
    後、仕上圧延用素管の断面積をAo(cm2)、仕上管の断
    面積をA(cm2)とする時に、次式 ε=ln(Ao/A) で表わされる仕上圧延時の加工歪εが0.1以上になるよ
    うに圧延を行ない空冷した後、740〜830℃でテンパー熱
    処理を施すことを特徴とする高温強度に優れた高クロム
    系継目無鋼管の製造方法。
JP1098800A 1988-04-22 1989-04-20 高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法 Expired - Fee Related JPH0735547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1098800A JPH0735547B2 (ja) 1988-04-22 1989-04-20 高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-98269 1988-04-22
JP9826988 1988-04-22
JP1098800A JPH0735547B2 (ja) 1988-04-22 1989-04-20 高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02138417A JPH02138417A (ja) 1990-05-28
JPH0735547B2 true JPH0735547B2 (ja) 1995-04-19

Family

ID=26439463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1098800A Expired - Fee Related JPH0735547B2 (ja) 1988-04-22 1989-04-20 高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0735547B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0735548B2 (ja) * 1989-06-19 1995-04-19 新日本製鐵株式会社 高クリープ破断強度を有する高Crフェライト系耐熱鋼管の製造方法
JP3214348B2 (ja) * 1996-03-25 2001-10-02 住友金属工業株式会社 合金鋼鋼管の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0288716A (ja) * 1988-09-27 1990-03-28 Nippon Steel Corp 高クリープ破断強度を有する高Crフェライト系耐熱鋼管の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02138417A (ja) 1990-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6290789B1 (en) Ultrafine-grain steel pipe and process for manufacturing the same
US8709174B2 (en) Seamless steel pipe for line pipe and method for manufacturing the same
US7018488B2 (en) Steel pipe for use in reinforcement of automobile and method for production thereof
CN108368575B (zh) 冷锻调质品用轧制线棒
EP2548987A1 (en) Seamless steel pipe for steam injection, and method of manufacturing same
JP5005543B2 (ja) 焼入れ性、熱間加工性および疲労強度に優れた高強度厚肉電縫溶接鋼管およびその製造方法
JP4860786B2 (ja) 靭性に優れた機械構造用高強度シームレス鋼管とその製造方法
JPH04231414A (ja) 高耐食性油井管の製造法
JPH03229839A (ja) 2相ステンレス鋼およびその鋼材の製造方法
JPH05302119A (ja) 高強度自動車部品の製造方法
JP3965708B2 (ja) 靱性に優れた高強度継目無鋼管の製造方法
JP2003105441A (ja) 高強度・高靭性13Crマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の製造方法
JP2001247931A (ja) 非調質高強度継目無し鋼管およびその製造方法
JPH0545651B2 (ja)
JPH0735547B2 (ja) 高温強度に優れた高クロム系継目無鋼管の製造方法
JP2004292922A (ja) 複合二次加工性に優れた高張力鋼管の製造方法
JP4016721B2 (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP3937964B2 (ja) 高強度・高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の製造方法
JP3330522B2 (ja) 高疲労強度鋼管の製造方法
JPH1136017A (ja) 継目無鋼管用高強度非調質鋼の製造方法
JP4145764B2 (ja) 冷間加工性及び結晶粒度特性に優れたボロン添加肌焼鋼鋼管の製造方法
JPH07102321A (ja) 抗張力800MPa以上を有する非熱処理型電縫油井管の製造方法
JPH01132717A (ja) 高強度オーステナイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法
JPH0547603B2 (ja)
JPH0672261B2 (ja) ステンレス鋼継目無し管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees