JPH0735517Y2 - 音響装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、音量ボリューム、メイン再生回路、および、
重低音再生回路（スーパーウーファ回路）を有した音響
装置に係り、特には重低音再生回路からの重低音成分の
再生帯域を可変することに関する。

（従来の技術） 例えばラジオ付きテープレコーダのような音響装置で
は、ステレオ再生回路と重低音再生回路とを有し、ステ
レオ再生回路では左右のメインスピーカでステレオ再生
する一方、重低音再生回路では低域成分が増強された音
声信号を重低音成分として再生するようにしたものがあ
る。

このようにステレオ再生に重低音成分の再生出力を加え
ると迫力のあるサウンドを体感することができる。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上記のような重低音再生回路をステレオ再生
回路に付加させた音響装置においては、従来から再生音
量を調整する音量ボリュームで例えば音量を大きくして
いくと、それに伴って重低音成分の歪み感が強調されて
くる傾向のあることが知られている。特にその傾向は、
重低音成分の中でも、より低域の部分ではより一層、顕
著にあらわれるものであった。

したがって、本考案においては、音量ボリュームの操作
で音量を小から大にすることに応じて重低音成分の再生
帯域が高くなるようにして、重低音成分の歪み感を軽減
できるようにすることを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本考案の音響装置は、任意の操作に応じて、入力される
音声信号のレベルを調整する音量ボリュームと、音量ボ
リュームでレベル調整された音声信号をメインのスピー
カで再生出力するメイン再生回路と、メイン再生回路で
再生出力する音声信号から重低音成分を取り出し、重低
音用のスピーカで再生出力する重低音再生回路とを備
え、かつ、重低音再生回路は、音量ボリュームで音量が
小から大となるように操作されたときに、その操作に連
動して、メイン再生回路で再生出力する音声信号から取
り出す重低音成分の再生帯域を高い方向に可変する再生
帯域可変手段を備えている。

（作用） 音量ボリュームが音量小から大となる方向に操作される
と、これに応じて再生帯域可変手段により、重低音成分
の再生帯域が高い方向に可変されいくことにことにな
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。本実施例では音響装置としてラジオ付きテープレコ
ーダに適用して説明するが、他の音響装置にも同様に適
用することができる。

第１図は本考案の実施例が適用されたラジオ付きテープ
レコーダの要部回路図である。

このテープレコーダ回路は、切換スイッチ１、音量ボリ
ューム２、メイン再生回路３、および、重低音再生回路
４を有している。

切換スイッチ１は、テープ側接点1a、および、ラジオ側
接点1bを有しており、テープを再生するときはテープ側
接点1aに、ラジオ放送を聴取するときはラジオ側接点1b
に切り換えられるようになっている。音量ボリューム２
は、切換スイッチ１を介して入力された音声信号のレベ
ルを調整する際に使用者により外部操作されるものであ
る。

メイン再生回路３は、増幅回路５およびスピーカ６を有
している。増幅回路５は音量ボリューム２でレベル調整
された音声信号を増幅するものであり、スピーカ６は増
幅された音声信号を再生出力するものである。

重低音再生回路４は、メイン再生回路３から与えられた
音声信号から重低音成分を再生出力するものであって、
ハイパスフィルタ７、増幅回路８、ローパスフィルタ
９、増幅回路10、およびスピーカ11を有している。

ハイパスフィルタ７とローパスフィルタ９とは、それぞ
れ、音声信号から重低音成分を取り出すことができるよ
うに回路構成されている。ハイパスフィルタ７は、抵抗
12,13、コンデンサ14、および可変抵抗15から構成され
ている。抵抗12,13は互いに直列に接続されており、か
つ、一端がメイン再生回路３の増幅回路５に接続され、
他端が接地されている。コンデンサ14は、一端が抵抗1
2,13の接続部に、他端が可変抵抗15に接続されている。

ここで、コンデンサ14の容量と可変抵抗15の抵抗値とか
らなる時定数でもって重低音成分の低域部分の立ち上が
り、つまり低域側カットオフ周波数が決定されるように
なっている。そして、本実施例では、音量ボリューム２
の操作に連動させて可変抵抗15の抵抗値を変えるように
することにより、低域側カットオフ周波数を変えて重低
音成分の再生帯域を変えることができるようにしてい
る。

そのため、この可変抵抗15は再生帯域可変手段として、
その可動端子15aが、音量ボリューム２の可動端子2aと
連動するようになっていて、音量ボリューム２の可動端
子2aが音量小から大となる方向に操作されることに応じ
て重低音成分の再生帯域を高い方向に可変していくよう
になっている。

詳しく言えば、本実施例のテープレコーダ回路におい
て、音量ボリューム２が最小、中程度、および最大の各
音量に調整操作されたときは、それぞれ、重低音再生回
路４の再生帯域が第２図のＩ、II、およびIIIとなるよ
うに可変抵抗15の可動端子15aが、音量ボリューム２の
可動端子2aに連動して可変していく。

その結果、音量ボリューム２の調整操作でもって音量が
最小から最大となっていくに従って、重低音成分の再生
帯域が第２図のＩからIIIへと変化していくことから、
音量の大のところで顕著となる重低音の歪み感が抑制さ
れてくことになる。

（考案の効果） 以上説明したことから明らかなように本考案によれば、
音量ボリュームの操作で音量を小から大にすることに応
じて重低音成分の再生帯域が高くなるようにしたから、
重低音成分の歪み感を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例が適用されたラジオ付きテープ
レコーダの要部回路図、第２図は重低音再生回路の再生
帯域特性を示す図である。 ２…音量ボリューム、３…メイン再生回路、４…重低音
再生回路、７…ハイパスフィルタ、15…可変抵抗（再生
帯域可変手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】任意の操作に応じて、入力される音声信号
   のレベルを調整する音量ボリューム（２）と、 音量ボリューム（２）でレベル調整された音声信号をメ
   インのスピーカ（６）で再生出力するメイン再生回路
   （３）と、 メイン再生回路（３）で再生出力する音声信号から重低
   音成分を取り出し、重低音用のスピーカ（11）で再生出
   力する重低音再生回路（４）とを備え、 かつ、重低音再生回路（４）は、音量ボリューム（２）
   で音量が小から大となるように操作されたときに、その
   操作に連動して、メイン再生回路（３）で再生出力する
   音声信号から取り出す重低音成分の再生帯域を高い方向
   に可変する再生帯域可変手段（15）を有している、こと
   を特徴とする音響装置。