JPH0734563U - 雄型端子金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉の金属板を使用した上で規定のタブ厚を
得る。 【構成】 タブ部６の重ね合わされた面の突き合わせの
無い方の面の中央部に、長さ方向に沿った一定幅の突条
状の膨出部７が、重ね曲げ加工と同時にたたき出しによ
り形成されている。それにより、タブ部６の規定の厚み
を得ている。タブ部６の存在により、雄型端子金具の軽
量化とコスト低減が実現できる、またタブ部自体の強度
が高められる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電線の接続用に端末に固着される雄型端子金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の雄型端子の一般的な構造を例示すると、図９、１０に示すように、金 属板を曲げ加工することにより、電線の端末にかしめ固定されるバレル部ａの先 端側にタブ部ｂが形成された構造となっている。

【０００３】 このタブ部ｂは、相手の雌型端子金具に挿入されて挟持されることにより接続 の機能を果たすものであって、その幅とともに厚みが規定される。その一方で、 加工の容易さ等を考慮すると、必要な強度が確保される限り母材の板厚は薄い方 が好ましいという事情がある。 そのため従来、タブ部ｂについては、母材の幅方向の両縁を折り曲げて重ね合 わせる、すなわち重ね曲げ加工により形成されて必要な厚みが取られていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のようにタブ部ｂを単に母材を重ね合わせて形成しただけ ではなお、規定のタブ厚を得るために母材に必要以上の板厚のものを使用しなけ ればならない場合がある。 例えば、強度的には金属板の母材の板厚が０. ２５mmで十分であるところ、規 定のタブ厚が０．６４mmであれば、重ね曲げ加工で形成されたタブ厚は０．２５ ×２＝０．５mmとしかならなくてそれを満足しないため、止むを得ず板厚が０． ３または０．３２mmの母材を使用する必要がある等である。 そのため、必要以上に重量増やコスト高を招く欠点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の雄型端子金具は、上記の欠点を除去するために成されたものであって 、請求項１の考案は、金属板の曲げ加工により製造され、電線が接続されるバレ ル部の先端側にタブ部を金属板の重ね曲げ加工によって形成したものにおいて、 タブ部にはその厚さ方向に膨らむ膨出部が形成されている構成となっている。 請求項２の考案は、請求項１の構成において、膨出部はタブ部に隣接する基部 にかけても形成されている構成となっている。

【０００６】

【作用】

請求項１の考案では、薄肉の金属板を使用しても規定のタブ厚を得ることが可 能となる。また、膨出部の形成によりタブ部自体の強度が高められる。

【０００７】 タブ部に膨出部が形成された場合は、タブ部自体の強度は増大する反面、バレ ル部との接続部分となる基部の強度が問題となって薄肉化に一定の制約を受ける が、請求項２の考案のように膨出部を基部にかけても形成するとその部分の強度 が増大され、金属板のさらなる薄肉化が図られる。

【０００８】

【考案の効果】

このように本考案によれば、雄型端子金具の母材となる金属板に所望の薄肉の ものを使用することができ、それにより軽量化とコスト低減等を図ることができ 、また、タブ部自体の強度の増大を期することができる効果がある。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１〜図８によって説明する。 ＜第１実施例＞ 図１、２は本考案の第１実施例を示す。本実施例の雄型端子金具は、金属板を 曲げ加工することによって、後端側から順次にバレル部１と、スタビライザ４と 、タブ部６とが形成されている。

【００１０】 バレル部１には、電線の被覆にかしめ固定される幅狭で脚の長い一対のインシ ュレーションバレル２と、被覆の端末から突出された芯線にかしめ固定される幅 広で脚の短い一対のワイヤバレル３とが間隔を空けて形成されている。

【００１１】 スタビライザ４は、この雄型端子金具が収容されるコネクタハウジグに設けら れた係止用のランス（図示せず）が嵌合する係止孔５の両側においてバレル２、 ３と反対の向きに突設され、それぞれの内面に膨らみが設けられており、ハウジ ングに収容された際に係止孔５に嵌合するランスの両側を挟む箇所に位置するよ うになっている。

【００１２】 タブ部６は、母材の幅方向の両縁を、スタビライザ４の突設方向と反対の面側 にその両縁が突き合うように重ね曲げ加工することにより一定幅に形成され、先 端は、相手の雌型端子金具への挿入の案内用に先細りに形成されている。

【００１３】 本実施例では特に、タブ部６の突き合わせの無い方の面の中央部に、長さ方向 に沿った一定幅の突条状の膨出部７が、タブ部６を重ね曲げ加工するのと同時に プレス加工により形成されている。これにより、タブ部６の規定の厚みを得てい る。 すなわち、本第１実施例によれば、薄肉の金属板を使用してなおかつ必要なタ ブ厚が得られ、それにより、端子金具の軽量化、コストダウンが図られる。併せ て、タブ部６自体の強度を増大させることができる。

【００１４】 ＜第２実施例＞ ところで、第１実施例のようにタブ部６に膨出部７が形成された場合、特にス タビライザ４を設けた部分との接続部分となる、首部と称されるタブ部６の基部 ８の強度が問題となって、金属板の薄肉化に一定の制約を受けることがある。 そこで、図３、４に示す第２実施例では、上記の第１実施例と同様の長さ方向 に沿った突条状の膨出部７ａを、タブ部６ａの先端から基部８にかけても形成し ている。 これにより、強度的に問題となるタブ部６ａの基部８の曲げ剛性が高められて 、金属板のさらなる薄肉化が図られる。

【００１５】 ＜他の実施例＞ 図５、６に示す第３実施例は、タブ部６ｂの突き合わせの無い方の面に、幅方 向に沿った突条状の膨出部７ｂを、複数本間隔空けて形成したものである。 図７、８に示す第４実施例は、タブ部６ｃの突き合わせの無い方の面に、複数 個の半球状の膨出部７ｃを、互い違いに２列に配列して形成したものである。 上記第３、第４実施例においても、同様に薄肉の金属板を使用してなおかつ必 要なタブ厚が得られ、また、タブ部６ｂ、６ｃ自体の増強もなされる。

【００１６】 なお、本考案は、各実施例に示した構造の雄型端子金具に限らず、例えば、ス タビライザをバレルと同方向に突設した構造のもの、あるいは、スタビライザを 省略した構造のもの等の、バレル部の先端側にタブ部を金属板の重ね曲げ加工に より形成した雄型端子金具全般に広く適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の斜視図である。

【図２】同断面図である。

【図３】第２実施例の斜視図である。

【図４】同断面図である。

【図５】第３実施例の斜視図である。

【図６】同断面図である。

【図７】第４実施例の斜視図である。

【図８】同断面図である。

【図９】従来例の斜視図である。

【図１０】同断面図である。

【符号の説明】

１…バレル部 ６、６ａ、６ｂ、６ｃ…タブ部 ７、７ａ、７ｂ、７ｃ…膨出部 ８…基部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 国府谷 恒 三重県四日市市西末広町１番14号 住友電 装株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板の曲げ加工により製造され、電線
   が接続されるバレル部の先端側にタブ部を金属板の重ね
   曲げ加工によって形成したものにおいて、前記タブ部に
   はその厚さ方向に膨らむ膨出部が形成されていることを
   特徴とする雄型端子金具。
2. 【請求項２】 膨出部はタブ部に隣接する基部にかけて
   も形成されていることを特徴とする請求項１記載の雄型
   端子金具。