JPH0734234Y2

JPH0734234Y2 - 複合形真空ポンプ

Info

Publication number: JPH0734234Y2
Application number: JP1989079733U
Authority: JP
Inventors: 隆司山本; 文一谷口; 隆夫松本
Original assignee: Daikin Industries Ltd
Current assignee: Daikin Industries Ltd
Priority date: 1989-07-06
Filing date: 1989-07-06
Publication date: 1995-08-02
Anticipated expiration: 2004-07-06
Also published as: JPH0319491U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、複数種類のポンプ要素を組合わせて、10^-7To
rr〜10^-10Torr程度の高真空度を達成することができる
複合形真空ポンプに関する。

（従来の技術）従来特開昭61-247893号公報に開示され且つ第５図に示
すように、ロータ（Ｅ）の外周に設ける羽根（Ｆ）を環
状排気流路（Ｇ）に配設して成る渦流形ポンプ要素
（Ｘ）を主ポンプに、又、対向平面にら旋溝を設けた回
転円板（Ａ）と静止円板（Ｂ）とをもつジグバーン形ポ
ンプ要素（Ｙ）を補助ポンプにそれぞれ用い、これら２
つのポンプ要素を一つのポンプハウジング（Ｐ）の吸気
口（Ｌ）と排気口（Ｈ）との間に配設したものや、ある
いは、実開昭63-51195号公報に開示され且つ第６図に示
すように、静止外筒（Ｏ）とネジ溝（Ｍ）を設けた回転
内筒（Ｒ）とを備えるネジ溝形ポンプ要素（Ｚ）を配設
したものが知られている。

（考案が解決しようとする課題）前者（第５図）のものでは、渦流形ポンプ要素（Ｘ）を
主ポンプとし、排気口（Ｈ）の前段にこの渦流形ポンプ
要素（Ｘ）を介装しているため、排気口（Ｈ）をそのま
ま大気に開放できるが、反面、渦流形ポンプ要素（Ｘ）
を主ポンプとしているため、吸気側と排気側との間の圧
縮比を大きく確保できず、ジグバーン形ポンプ要素
（Ｙ）を補助ポンプとして併用していても、真空到達度
はせいぜい10^-3Torr程度に抑えられてしまう問題があ
る。

一方、後者（第６図）のものでは、ネジ溝形ポンプ要素
（Ｚ）のネジ溝（Ｍ）により高い圧縮比が得られ、10^-7
Torr程度以下の高真空に到達させることができるが、排
気流量を大きくかせげないため、排気口（Ｈ）を大気に
直接開放することはできず、第６図想像線で示すように
油回転ポンプ等の荒引きポンプ（Ｗ）を接続する必要が
あり、実質的に２台のポンプを要して、コスト、スペー
ス、メンテナンス等の面で不利となる他、荒引きポンプ
（Ｗ）が同一の排気経路に介在されるため、真空室側が
油等で汚染されるおそれもある。

本考案では、ネジ、ジグバーン、渦流という３つの異な
るタイプのポンプ要素の配列を工夫して１台に組込むこ
とにより、コンパクトかつ大気開放形でありながら、10
^-7Torr程度以下の高真空度を達成できる複合形真空ポン
プを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）そこで本考案では、径方向に近接配置される静止外筒
（11）と回転内筒（12）とを備え、これら筒の対向壁面
にネジ溝（13）を形成したネジ溝形ポンプ要素（１）
と、軸方向に近接配置される静止円板（21）と回転円板
（22）とを備え、これら円板の対向平面にら旋溝（24）
を形成したジグバーン形ポンプ要素（２）と、外周部に
羽根（31）をもつロータ（32）と前記羽根（31）を配設
する環状排気通路（33）とを備えた渦流形ポンプ要素
（３）とを、この順序で、一つのポンプハウジング
（４）に設ける吸気口（５）から排気口（６）にかけて
直列に配設すると共に、これら各ポンプ要素（１）
（２）（３）を同一の駆動源（８）に連結することとし
た。

（作用）吸気口（５）側のネジ溝形ポンプ要素（１）では大きな
圧縮比が得られ、又、排気口（６）側の渦流形ポンプ要
素（３）では大きな排気流量が得られる。しかも、吸気
側のネジ溝形ポンプ要素（１）と排気側の渦流形ポンプ
要素（３）との間のつなぎ部分に、ジクバーン形ポンプ
要素（２）を介在させ、これに具備する平面的なら旋溝
（24）による円周方向の掻き回し作用により、円周方向
に圧力勾配がつかないネジ溝形ポンプ要素（１）の排気
側と、円周方向に大きな圧力勾配がつく渦流形ポンプ要
素（３）の吸気側とを圧力的に良好につなげることがで
き、これら２つのポンプ要素（１）（３）の間に生じる
大きな圧力ドロップは中間のジグバーン形ポンプ要素
（２）で連続的につなげられるため、コンパクトかつ大
気開放形としながら高い真空度が得られる。

（実施例）第１図に示したものは、ネジ溝形ポンプ要素（１）と、
ジグバーン形ポンプ要素（２）と、渦流形ポンプ要素
（３）とを、この順序で、一つのポンプハウジング
（４）に設ける吸気口（５）から排気口（６）にかけて
直列に配設すると共に、これら各ポンプ要素（１）
（２）（３）を駆動軸（７）を介して同一の駆動源たる
モータ（８）に連結したものである。

前記ネジ溝形ポンプ要素（１）は、ポンプハウジング
（４）の上部内壁面を利用した静止外筒（11）と、この
外筒（11）にその最外周部が径方向に近接配置される回
転内筒（12）とを備え、対向壁面となる前記内筒（12）
の外周部に、入口部で深く出口部で浅いネジ溝（13）を
形成して、このネジ溝（13）に沿って排気を行うように
している。

又、前記ジグバーン形ポンプ要素（２）は、軸方向に近
接配置される静止円板（21）と回転円板（22）とを備
え、これら円板の対向平面に第２図に示すように、ら旋
状の突起（23）を多数形成して該各突起間にら旋溝（2
4）を画成し、このら旋溝（24）に沿って排気を行うよ
うにしている。

更に、前記渦流形ポンプ要素（３）は、外周部に羽根
（31）をもつロータ（32）と前記羽根（31）を配設する
環状排気通路（33）とから成るポンプ段を３段備え、こ
れら第１〜第３ポンプ段（3a,3b,3c）を、吸気側から排
気側にかけて順次径を小さく形成すると共に、第３図に
示すように、前記各環状排気通路（33）に、前記各羽根
（31）の外周部に近接する環状コア（34）をそれぞれ配
設し、前記各環状排気通路（33）内で各環状コア（34）
に沿って気体分子をら旋状に旋回させて排気を行うよう
にしている。

尚、前記駆動軸（７）の下端部には油ポンプ（71）を設
け、モータハウジング（９）の下部に設ける油溜め（9
1）から油を汲上げ、ころがりあるいはすべり軸受から
成る上部軸受（72）及び下部軸受（73）に給油を行うよ
うにしている。

そして、前記モータ（８）を毎分数万回転程の高速で回
転し、吸気口（５）から排気口（６）にかけて図中矢印
で示す経路で排気を行い、吸気口フランジ（41）に取付
ける半導体ウエハ等のチャンバーを真空引きするように
している。

このとき、吸気口（５）に最も近い最上段側のネジ溝形
ポンプ要素（１）では大きな圧縮比が得られ、又、排気
口（６）に最も近い最下段側の渦流形ポンプ要素（３）
では大きな排気流量が得られるのであり、しかも、これ
ら２つのポンプ要素（１）（３）の中間にジクバーン形
ポンプ要素（２）を介装しているため、ネジ溝形及び渦
流形ポンプ要素（１）（３）間に生じる大きな圧力ドロ
ップを連続的につなぐことができ、大気開放形としなが
ら10^-7Torr〜10^-10Torr程度の高い真空度を得ることが
できるのである。

ところで、以上の実施例では、駆動軸（７）をころがり
又はすべり軸受（72）（73）で支持し、下部の油溜め
（91）から油ポンプ（71）を介して各軸受（72）（73）
に給油するようにしたが、第４図に示すように、ころが
り軸受等とせずに、非接触形の磁気軸受（９）を採用し
てもよい。すなわち、上部磁気軸受（74）と下部磁気軸
受（75）で駆動軸（７）の軸心を決めてその倒れ及び平
行移動を阻止すると共に、駆動軸（７）の下部に一体化
する円板（76）の上下にスラスト磁気軸受（77）を配設
して駆動軸（７）の上下動を阻止し、非接触的に駆動軸
（７）を支持するのである。この場合には、油及び油溜
め（91）を廃止でき、荒引きポンプが不要になることと
相俟って、ポンプ要素側ひいては真空チャンバー側への
油リークを確実に防止でき、油汚染の問題も無くせるの
である。

（考案の効果）本考案では、ネジ溝形ポンプ要素（１）、ジグバーン形
ポンプ要素（２）及び渦流形ポンプ要素（３）をこの順
序で一つのポンプハウジング（４）に設ける吸気口
（５）から排気口（６）にかけて直列に配設し、かつ、
これら３つのポンプ要素を同一の駆動源（８）に連結し
たから、吸気口（５）側のネジ溝形ポンプ要素（１）で
は大きな圧縮比が、又、排気口（６）側の渦流形ポンプ
要素（３）では大きな排気流量が得られ、しかも、これ
ら２つのポンプ要素（１）（３）間に生じる大きな圧力
ドロップを中間のジグバーン形ポンプ要素（２）で連続
的につなぐことができるため、高い性能を維持しつつ、
コンパクトかつ大気開放形としながら高い真空度を得る
ことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案真空ポンプの一実施例を示す縦断面図、
第２図はジクバーン形ポンプ要素の要部平面図、第３図
は渦流形ポンプ要素の平面図、第４図は他の実施例を示
す縦断面図、第５図及び第６図は従来例の縦断面図であ
る。（１）……ネジ溝形ポンプ要素（２）……ジグバーン形ポンプ要素（３）……渦流形ポンプ要素（４）……ポンプハウジング（５）……吸気口（６）……排気口（８）……駆動源（モータ）（11）……静止外筒（12）……回転内筒（13）……ネジ溝（21）……静止円板（22）……回転円板（24）……ら旋溝（31）……羽根（32）……ロータ（33）……環状排気通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭63−147989（ＪＰ，Ａ) 特開平１−170795（ＪＰ，Ａ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】径方向に近接配置される静止外筒（11）と
回転内筒（12）とを備え、これら筒の対向壁面にネジ溝
（13）を形成したネジ溝形ポンプ要素（１）と、軸方向
に近接配置される静止円板（21）と回転円板（22）とを
備え、これら円板の対向平面にら旋溝（24）を形成した
ジグバーン形ポンプ要素（２）と、外周部に羽根（31）
をもつロータ（32）と前記羽根（31）を配設する環状排
気通路（33）とを備えた渦流形ポンプ要素（３）とを、
この順序で、一つのポンプハウジング（４）に設ける吸
気口（５）から排気口（６）にかけて直列に配設すると
共に、これら各ポンプ要素（１）（２）（３）を同一の
駆動源（８）に連結していることを特徴とする複合形真
空ポンプ。