JPH0734135Y2 - サッシの換気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサッシ障子の縦框に換気孔を形成したサッシの
換気装置に関する。

（従来技術とその問題点） サッシ枠に収容した引き違い障子の框を利用した換気装
置としては、框を中空に形成し、該框の屋内側面と屋外
側面とに換気孔を形成したものが知られている。換気孔
は屋内外に通じ、換気が行なわれる。

ところが、このような換気構造は、換気孔は屋内側及び
屋外側に露出しているから、換気孔が小さければ、目立
たないので障子の外観はよいが、換気効率は低くなると
いう欠点があり、その反面、換気孔を大きくすると、換
気効率はよいが、障子の外観体裁が損なわれてしまうと
いう欠点がある。

（考案の目的） 本考案は上記欠点を解消し、特に構造が簡単で、しかも
換気効率及び外観体裁の両方に優れるサッシの換気装置
を提案することを目的とする。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するため、本考案に係るサッシの換気装
置は、サッシ枠内に摺動自在に収容された引き違い障子
を構成する中空縦框の屋内側面及び屋外側面に、該縦框
の長手方向に連続する引手用凹溝を形成し、屋内側面の
引手用凹溝と屋外側面の引手用凹溝の側壁とを障子の厚
み方向に同一平面をなすように形成するとともに、上記
各側壁のほぼ全長にわたり多数の通気孔を形成し、上記
縦框の内側には、屋内側面の引手用凹溝の通気孔と屋外
側面の引手用凹溝の通気孔とを開閉するスライド板を設
けたことを特徴とする。

（考案の作用、効果） 上記構成によれば、縦框の屋内側面及び屋外側面の長手
方向に連続して引手用凹溝が形成され、さらに屋内側及
び屋外側の引手用凹溝の側壁のほぼ全長にわたり多数の
通気孔が形成されているので、換気面積は大きくなり、
良好な換気を得ることができる。

また、通気孔は引手用凹溝を利用して形成され、しかも
引手用凹溝の障子の厚み方向に設けられた側壁に形成さ
れている。したがって、通気孔が正面に露呈されないの
で、サッシの内観、外観を損なうことがない。

さらに、屋内側面と屋外側面の引手用凹溝の通気孔は、
同一平面上に設けられた側壁に形成されているので、単
一のスライド板で開閉させることができる。

（実施例） 以下、図面によって本考案の実施例について説明する。

第１図〜第３図において符号Ａはサッシを示す。このサ
ッシＡは上枠１、下枠２、縦枠３によって枠組みされた
サッシ枠内に２枚の引き違い障子４、５を摺動自在に収
容してなるもので、各引き違い障子４、５を構成する各
框は中空に形成され、戸当り側の縦框７の屋内側面及び
屋外側面には長手方向に連続する引手用凹溝８が形成さ
れている。すなわち、上記縦框７は、ガラス保持部９と
戸当たり部10との間に幅狭の方形中空部11を形成してな
り、引手用凹溝８の溝底8aは中空部11の屋内側面と屋外
側面とにより構成され、上記凹溝８の側壁8bはガラス保
持部９と戸当たり部10との対向面により構成されてい
る。

また、ガラス保持部９にはガラス（複層ガラス）21を嵌
合するガラス嵌合溝12とスライド板収容部13とが形成さ
れ、戸当たり部10の戸先側にはその全長に沿って溝カバ
ー14が取付けられている。

次に、屋内側及び屋外側の引手用凹溝８を構成するとと
もに、障子の厚み方向に同一平面をなすように形成され
た側壁8bには、それぞれそのほぼ全長にわたり多数の通
気孔15が一定の間隔をおいて形成されている。そして、
ガラス保持部９のスライド板収容部13の内部にはスライ
ド板16が摺動自在に収容されている。このスライド板16
には、上記通気孔15に対応する通気孔17が同じ間隔をお
いて設けられている。また、上記スライド板16の適宜部
位には操作部材18が固定され、該操作部材18は上記側壁
8bに形成された縦長開口部19を貫通して上記方形中空部
11に配置され、さらに該操作部材18から突出した操作摘
み18aは方形中空部11の側壁（凹溝８の溝底8a）に形成
された縦長開口部20を貫通して屋内側に突出配置されて
いる。

上記構成において、操作摘み18aを上下に動かすことに
より、スライド板16を上下に摺動させてスライド板16の
通気孔17と引手用凹溝８の通気孔15とを整合させると、
これらの通気孔15は屋内外に通じ、換気が行なわれる。
これに対し、スライド板16の上下二つの通気孔15の間に
引手用凹溝８の通気孔17が位置するようにスライド板16
を摺動させると、引手用凹溝８の通気孔15はスライド板
16によって閉鎖されるから、換気は行なわれない。した
がって、スライド板16を摺動させることにより、自由に
換気を切換えることができる。

また、屋内側及び屋外側の引手用凹溝８の側壁8bのほぼ
全長にわたり多数の通気孔15が形成されているので、換
気面積は大きくなり、良好な換気を得ることができる。

さらに、通気孔15は引手用凹溝８を利用して形成され、
しかも引手用凹溝の障子の厚み方向に設けられた側壁8b
に形成されている。したがって、通気孔が正面に露呈さ
れないので、サッシの内観、外観を損なうことがない。

しかも、屋内側面と屋外側面の引手用凹溝８の通気孔15
は、同一平面上に設けられた側壁８に形成されているの
で、単一のスライド板16で開閉させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る換気装置を備えたサッシの正面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線上の拡大断面図、第３図
は上記換気装置の要部説明図である。 符号４、５……引き違い障子、７……縦框、８……引手
用凹溝、15……通気孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】サッシ枠内に摺動自在に収容された引き違
   い障子を構成する中空縦框の屋内側面及び屋外側面に、
   該縦框の長手方向に連続する引手用凹溝を形成し、屋内
   側面の引手用凹溝と屋外側面の引手用凹溝の側壁とを障
   子の厚み方向に同一平面をなすように形成するととも
   に、上記各側壁のほぼ全長にわたり多数の通気孔を形成
   し、上記縦框の内側には、屋内側面の引手用凹溝の通気
   孔と屋外側面の引手用凹溝の通気孔とを開閉するスライ
   ド板を設けたことを特徴とするサッシの換気装置。