JPH0733738A - 芳香族アミド化合物 - Google Patents

芳香族アミド化合物

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JPH0733738A
JPH0733738A JP18169193A JP18169193A JPH0733738A JP H0733738 A JPH0733738 A JP H0733738A JP 18169193 A JP18169193 A JP 18169193A JP 18169193 A JP18169193 A JP 18169193A JP H0733738 A JPH0733738 A JP H0733738A
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Japan
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compound
group
formula
piperidyl
benzene
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JP18169193A
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English (en)
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Mitsumasa Minafuji
藤 光 雅 皆
Toshiya Seko
古 敏 也 世
Satoru Sasaki
哲 佐々木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂への相溶性に優れ、しかも取り扱いの容
易な固体状の光安定化性能を有する新規化合物の提供。 【構成】 下記一般式〔I〕にて示される、芳香族アミ
ド化合物。 【化1】 〔R1 =C1〜4アルキル基、R2 =H、メチル基、R
3 =C1〜20の、アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アリールアルキル基、n=1〜4の整数〕 【効果】 前記の目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、ピペリジン基を含有す
る新規な構造のアミド化合物に関する。詳しくは、本発
明は、各種有機材料用光安定剤あるいはそれらの中間体
として有用であり、医薬、農薬等の中間体としても使用
可能である、芳香族アミド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、2,2,6,6‐テトラアル
キルピペリジン骨格(いわゆるヒンダードアミン骨格)
を有する化合物は、ラジカル捕捉能に優れ、特に、樹脂
をはじめとする各種有機材料用光安定剤として用いられ
ている。このようなヒンダードアミン骨格を有する光安
定剤のうちで、特に、樹脂用の光安定剤としては、例え
ば、下記化合物(イ)のビス(2,2,6,6‐テトラ
メチル‐4‐ピペリジル)セバケート(三共(株)製、
商品名「サノールLS−770」)に代表されるよう
な、カルボン酸エステル化合物が多く用いられており、
さらに樹脂への相溶性を向上させる目的で、化合物構造
中にアルキル基を導入した化合物(ロ)が用いられるよ
うになってきた。
【0003】
【化2】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの研究によれば、化合物(ロ)は化合物(イ)に比
べて相溶性は向上するものの、化合物自体が常温にて粘
稠な液状もしくは融点が常温付近の固体となって、取り
扱いが容易でなくなるという問題点を有する(比較例
2、3)。
【0005】この例に限らず、一般に樹脂への相溶性を
向上させる目的でアルキル基等の置換基を導入すると、
化合物の融点が低下して取り扱いが容易でなくなるケー
スが多く、この点を改良した光安定剤、すなわち、樹脂
への相溶性を低下させずに、常温にて固体状の光安定
剤、の出現が望まれていた。
【0006】一方、特公昭48−3211号公報には、
樹脂用の光安定剤として、下記化合物(ハ)に代表され
るようなアミド結合を有した、融点の高いヒンダードア
ミン化合物の例示がある。これらの化合物は、常温で固
体であるものが多いため、取り扱いは容易である。しか
し、本発明者らの研究によれば、この化合物は樹脂への
相溶性が低く、そのため、樹脂中の分散が不十分で光安
定化効果の不満足なものが多いようである(比較例
1)。
【0007】
【化3】 〔発明の概要〕本発明は、一般式〔I〕で表される本発
明化合物が、樹脂への相溶性に優れ、しかも取り扱いの
容易な固体状の光安定化性能を有する化合物であるとい
う事実に基づくものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
<要旨>本発明による芳香族アミド化合物は、下記一般
式〔I〕にて示されるものである。
【0009】
【化4】 〔式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R2
はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。R
3 は、炭素数1〜20の、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。nは
1〜4の整数を表す。〕 <効果>本発明化合物は、樹脂への相溶性に優れ、しか
も取り扱いの容易な固体状の光安定化性能を有する化合
物である。
【0010】この化合物は、樹脂への相溶性に優れるた
めに、化合物自身が樹脂表面にブリードしにくいので、
樹脂の成形時および使用時にブリードアウトによって樹
脂表面の外観を損ねるという現象を抑制する効果があ
る。
【0011】さらに、本発明化合物は化合物構造中にア
ミド結合を有しており、このアミド結合部分がエステル
結合である類似ないし対応化合物に比べて、蒸気圧が小
さいために樹脂からの揮散度が小さく、また、加水分解
を受けにくい等の効果をも有している。 〔発明の具体的説明〕 <芳香族アミド化合物>本発明による化合物は、前記の
一般式〔I〕で示される芳香族アミド化合物、具体的に
はN‐(N′‐置換ピペリジル)ベンゼンカルボン酸ア
ミド、さらに詳しくはピペリジル基がヒンダードアミン
構造を持つもの、である。一般式〔I〕から明らかなよ
うに、この化合物はベンゼンのカルバモイル誘導体とい
うことができる。
【0012】ピペリジル基のN′‐置換体である、一般
式〔I〕でのR1 は、炭素数1〜4のアルキル基であ
り、なかでもメチル基が好ましい。
【0013】R2 は水素原子またはメチル基のいずれか
であり、いずれの場合も同様な効果を示すが、化合物は
製造上は水素原子が好ましい。
【0014】R3 は炭素数1〜20の、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基
を表す。好ましいアルキル基としては、炭素数が1〜2
0のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、オク
チル基、ラウリル基、ステアリル基等があげられ、なか
でもブチル基、オクチル基が好ましい。好ましいシクロ
アルキル基としては、炭素数が3〜12のもの、例えば
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロオクチル基等があげられ、なかでもシクロヘ
キシル基が好ましい。好ましいアリール基としては、炭
素数が6〜18のもの、例えばフェニル基、p‐メチル
フェニル基、p‐(t‐ブチル)フェニル基等があげら
れ、なかでもフェニル基が好ましい。好ましいアリール
アルキル基としては、炭素数が7〜20のもの、例えば
フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピ
ル基、クミル基等があげられ、なかでもフェニルメチル
基が好ましい。
【0015】nは1〜4の整数であり、なかでも2およ
び3が好ましい。従って、本発明による芳香族アミド
は、テレフタル酸ないしイソフタル酸のN‐置換アミ
ド、あるいはヘミメリト酸、トリメリト酸ないしトリメ
シン酸のN‐置換アミド、ということである。
【0016】本発明の一般式〔I〕で示される芳香族ア
ミド化合物の代表例は、次のとうりである。なお、これ
らの化合物は、以下において当該番号で呼ぶものとす
る。 1)1,4‐ビス[N‐シクロヘキシル‐N‐(1′,
2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリ
ジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1)
【0017】
【化5】 2)1,4‐ビス[N‐(n‐ブチル)‐N‐(1′,
2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリ
ジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号2)
【0018】
【化6】 3)1,4‐ビス[N‐(n‐オクチル)‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号
3)
【0019】
【化7】 4)1,4‐ビス[N‐フェニル‐N‐(1′,2′,
2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリジル)
カルバモイル]ベンゼン(化合物番号4)
【0020】
【化8】 5)1,4‐ビス[N‐ベンジル‐N‐(1′,2′,
2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリジル)
カルバモイル]ベンゼン(化合物番号5)
【0021】
【化9】 6)1,3,5‐トリス[N‐シクロヘキシル‐N‐
(1′,2′,2′,6′6′‐ペンタメチル‐4′‐
ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号6)
【0022】
【化10】 7)1,3,5‐トリス[N‐(n‐ブチル)‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号
7)
【0023】
【化11】 8)1,3,5‐トリス[N‐(n‐オクチル)‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号
8)
【0024】
【化12】 9)1,3,5‐トリス[N‐フェニル‐N‐(1′,
2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリ
ジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号9)
【0025】
【化13】 10)1,3,5‐トリス[N‐ベンジル‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1
0)
【0026】
【化14】 11)1,2,4‐トリス[N‐シクロヘキシル‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1
1)
【0027】
【化15】 12)1,2,4‐トリス[N‐(n‐ブチル)‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1
2)
【0028】
【化16】 13)1,2,4‐トリス[N‐(n‐オクチル)‐N
‐(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐
4′‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番
号13)
【0029】
【化17】 14)1,2,4‐トリス[N‐フェニル‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1
4)
【0030】
【化18】 15)1,2,4‐トリス[N‐ベンジル‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1
5)
【0031】
【化19】 16)N‐シクロヘキシル‐N‐(1′,2′,2′,
6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリジル)ベンズ
アミド(化合物番号16)
【0032】
【化20】 17)N‐(n‐ブチル)‐N‐(1′,2′,2′,
6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリジル)ベンズ
アミド(化合物番号17)
【0033】
【化21】 18)1,2,4,5‐テトラキス[N‐シクロヘキシ
ル‐N‐(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチ
ル‐4′‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合
物番号18)
【0034】
【化22】 19)1,2,4,5‐テトラキス[N‐(n‐ブチ
ル)‐N‐(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメ
チル‐4′‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化
合物番号19)
【0035】
【化23】 20)1,4‐ビス{N‐シクロヘキシル‐N‐[1‐
(n‐ブチル)‐2′,2′,6′,6′‐テトラメチ
ル‐4′‐ピペリジル]カルバモイル}ベンゼン(化合
物番号20)
【0036】
【化24】 21)1,4‐ビス{N‐(n‐ブチル)‐N‐[1‐
(n‐ブチル)‐2′,2′,6′,6′‐テトラメチ
ル‐4′‐ピペリジル]カルバモイル}ベンゼン(化合
物番号21)
【0037】
【化25】 <化合物の製造>本発明の芳香族アミド化合物は、結合
の形成および置換基の導入ないし形成に関して合目的的
な任意の方法によって製造することができる。
【0038】適当な製造法の一つとしては、例えば、下
記に示すように、酸クロライド(ニ)とアミン化合物
(ホ)との反応により本発明化合物〔I〕を得ることが
できる。
【0039】
【化26】 この反応は、脱塩化水素反応であるから塩基の存在によ
り効率よく進行する。塩基としては、トリエチルアミ
ン、ピリジン、N‐メチルピペリジン等の三級アミンが
繁用され、通常、アミン化合物(ホ)に対して等量以上
用いられる。
【0040】この反応は、好ましくは関与化合物の少な
くとも一つを溶解する溶媒の存在下に行なうことが普通
である。その場合の溶媒としては、前記した塩基そのも
のを溶媒として用いることもできる他、ヘキサン、ベン
ゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4‐ジオキサン等のエー
テル系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン系
溶媒を用いることができる。
【0041】反応温度は、一般に0℃から使用溶媒の還
流温度までの範囲の温度であるが、通常は10℃〜10
0℃の範囲である。
【0042】置換基R1 は、R1 =Hの対応アミン化合
物(ホ′)について上記の反応によりアミド結合を形成
した後に(2,2,6,6‐テトラ置換基によって、1
‐位の=NH基はこのアミド化反応に対して良く保護さ
れている)、適当な方法、たとえばギ酸によるN‐メチ
ル化、により導入することもできる。 <化合物の有用性>本発明による化合物〔I〕が各種有
機材料用光安定剤、またはそれを製造するための中間体
として有用であること、ならびに医薬、農薬等の中間体
としても有用であることは前記したところである。
【0043】
【実施例】以下の実施例は、本発明による化合物を具体
的に説明するためのものである。 実施例11,4‐ビス[N‐シクロヘキシル‐N‐(1′,
2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリ
ジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号1)の製造 500mLの反応器に、4‐シクロヘキシルアミノ‐
2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン19.1g
(80ミリモル)、トリエチルアミン16.2g(16
0ミリモル)および1,4‐ジオキサン300mLを入
れ、窒素雰囲気下で撹拌した。ここに、テレフタル酸ジ
クロライド8.5g(42ミリモル)を加え、引き続き
窒素雰囲気下、室温にて8時間撹拌した。
【0044】反応液を2Lの分液ロートに移し、水30
0mLおよびクロロホルム1Lを加えて振り、静置後、
分液した。得られたクロロホルム溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液300mLにて、次いで水200mLに
て洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過、濃
縮して、淡黄色固体23.8gを得た。これをクロロホ
ルム−アセトニトリル混合溶媒にて再結晶して、1,4
‐ビス[N‐シクロヘキシル‐N‐(2′,2′,
6′,6′‐テトラメチル‐4′‐ピペリジル)カルバ
モイル]ベンゼンの白色固体18.5gを得た。
【0045】得られた白色固体18.5g(30.5ミ
リモル)を500mLフラスコに入れ、ここに、1,4
‐ジオキサン300mL、37%ホルムアルデヒド水溶
液12.2g(150ミリモル)およびギ酸3.4g
(74ミリモル)を加え、90℃にて4時間撹拌した。
【0046】反応液を2Lの分液ロートに移し、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液300mLおよびクロロホルム
1Lを加えて振り、静置後、分液した。得られたクロロ
ホルム溶液を水200mLにて洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、濾過、濃縮して、目的物の白色固体
17.8gを得た(通算収率70%)。
【0047】分析値は、次の通りである。 (1)融点 252.6℃ (2) 1H−NMR(CDCl3 ) δ〔ppm〕 (図1参照) 0.69(bs,8H)、1.14(bs,24H)、
1.42−1.90(m,18H)、2.16(bs,
6H)、2.62(bs,2H)、3.10(bs,2
H)、3.79(bs,2H)、7.32(s,4H) (3)13C−NMR (CDCl3 ) δ〔ppm〕 (図2参照) 20.0、25.2、26.4、28.0、30.1、
33.2、44.8、55.0、125.6、139.
2、170.8 (4)IR(KBr) 波数〔cm-1〕 (図3参照) 2964、2924、2846、1628、1453、
1426、1361、1306、1291、1249、
1197、1146、1119、1081、1023、
873、851、728、618 実施例21,4‐ビス[N‐(n‐ブチル)‐N‐(1′,
2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′‐ピペリ
ジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号2)の製造 500mLの反応器に、4‐(n‐ブチルアミノ)‐
2′,2′,6′,6′‐テトラメチルピペリジン1
7.0g(80ミリモル)、トリエチルアミン16.2
g(160ミリモル)および1,4‐ジオキサン300
mLを入れ、窒素雰囲気下で撹拌した。ここで、テレフ
タル酸ジクロライド8.5g(42ミリモル)を加え、
引き続き窒素雰囲気下、室温にて8時間撹拌した。
【0048】反応液を2Lの分液ロートに移し、水30
0mLおよびクロロホルム1Lを加えて振り、静置後、
分液した。得られたクロロホルム溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液300mLにて、次いで水200mLに
て洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過、濃
縮して、微黄色固体21.5gを得た。
【0049】得られた微黄色固体21.5g(38.7
ミリモル)を500mLフラスコに入れ、ここに、1,
4‐ジオキサン300mL、37%ホルムアルデヒド水
溶液15.5g(190ミリモル)およびギ酸3.6g
(78ミリモル)を加え、90℃にて4時間撹拌した。
【0050】反応液を2Lの分液ロートに移し、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液300mLおよびクロロホルム
1Lを加えて振り、静置後、分液した。得られたクロロ
ホルム溶液を水200mLにて洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、濾過、濃縮して、目的物の微黄色固
体19.8gを得た(通算収率85%)。
【0051】分析値は、次の通りである。 (1)融点 148.6℃ (2) 1H−NMR (CDCl3 ) δ〔ppm〕 0.58−1.84(m,46H)、2.14(s,6
H)、3.34(bs,4H)、3.91(bs,2
H)、7.39(s,4H) 実施例31,3,5‐トリス[N‐シクロヘキシル‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号
6)の製造 500mLの反応器に、4‐シクロヘキシルアミノ‐
2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン21.5g
(90ミリモル)、トリエチルアミン18.2g(18
0ミリモル)および1,4‐ジオキサン300mLを入
れ、窒素雰囲気下で撹拌した。ここに、1,3,5‐ベ
ンゼントリカルボン酸トリクロライド8.8g(33ミ
リモル)を加え、引き続き窒素雰囲気下、室温にて8時
間撹拌した。
【0052】反応液を2Lの分液ロートに移し、水30
0mLおよびクロロホルム1Lを加えて振り、静置後、
分液した。得られたクロロホルム溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液300mLにて、次いで水200mLに
て洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過、濃
縮して、微黄色固体24.8gを得た。
【0053】得られた微黄色固体24.8g(28.5
ミリモル)を500mLフラスコに入れ、ここに、1,
4‐ジオキサン300mL、37%ホルムアルデヒド水
溶液12.2g(150ミリモル)およびギ酸3.4g
(74ミリモル)を加え、90℃にて4時間撹拌した。
【0054】反応液を2Lの分液ロートに移し、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液300mLおよびクロロホルム
1Lを加えて振り、静置後、分液した。得られたクロロ
ホルム溶液を水200mLにて洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、濾過、濃縮して、目的物の微黄色固
体23.8gを得た(通算収率87%)。
【0055】分析値は、次の通りである。 (1)融点 94.5℃ (2) 1H−NMR (CDCl3 ) δ〔ppm〕 0.60−1.32(m,48H)、1.39−1.8
8(m,27H)、2.17(s,9H)、2.59
(bs,3H)、3.11(bs,3H)、3.92
(bs,3H)、7.40(bs,3H) 実施例41,3,5‐トリス[N‐(n‐ブチル)‐N‐
(1′,2′,2′,6′,6′‐ペンタメチル‐4′
‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼン(化合物番号
7)の製造 500mLの反応器に、4‐(n‐ブチルアミノ)‐
2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン19.1g
(90ミリモル)、トリエチルアミン18.2g(18
0ミリモル)および1,4‐ジオキサン300mLを入
れ、窒素雰囲気下で撹拌した。ここに、1,3,5‐ベ
ンゼントリカルボン酸トリクロライド8.8g(33ミ
リモル)を加え、引き続き窒素雰囲気下、室温にて8時
間撹拌した。
【0056】反応液を2Lの分液ロートに移し、水30
0mLおよびクロロホルム1Lを加えて振り、静置後、
分液した。得られたクロロホルム溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液300mLにて、次いで水200mLに
て洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過、濃
縮して、微黄色固体22.6gを得た。
【0057】得られた微黄色固体22.6g(28.5
ミリモル)を500mLフラスコに入れ、ここに、1,
4‐ジオキサン300mL、37%ホルムアルデヒド水
溶液12.2g(190ミリモル)およびギ酸3.4g
(74ミリモル)を加え、90℃にて4時間撹拌した。
【0058】反応液を2Lの分液ロートに移し、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液300mLおよびクロロホルム
1Lを加えて振り、静置後、分液した。得られたクロロ
ホルム溶液を水200mLにて洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、濾過、濃縮して、目的物の微黄色固
体21.0gを得た(通算収率84%)。
【0059】分析値は、次の通りである。 (1)融点 56.4℃ (2) 1H−NMR (CDCl3 ) δ〔ppm〕 0.82−1.88(m,56H)、1.98−2.1
9(m,2H)、3.77(d,2H)、3.95
(d,4H)、4.94(d,2H)、5.56−5.
62(m,2H)、5.60(s,2H)、7.68
(d,4H)、8.14(d,4H) 実施例5および比較例1〜3 本発明の化合物の効果を示すために下記の評価を実施し
た。結果は表1に示した通りである。
【0060】なお、実施化合物として実施例1〜4にて
製造した化合物(化合物番号1、2、6、7)を用い、
比較化合物として前記の化合物(イ)〜(ハ)を用い
た。光安定化効果の評価 135℃テトラリン中で測定した極限粘度が、1.9で
アイソタクチックなものが98%のポリプロピレン粉末
100重量部に、テトラキス〔3‐(3,5‐ジ‐t‐
ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ
メチル〕メタンを0.1重量部、ステアリン酸カルシウ
ムを0.05重量部配合し、ここに添加化合物として化
合物番号1、2、6、7および化合物(イ)、(ロ)、
(ハ)を各々0.2重量部を加え、ミキサーで十分混合
した後、シリンダー温度260℃、20mm径押出機に
よって溶融混練して造粒した。得られたペレットを23
0℃で、厚さ0.5mmのシートに圧縮成型して試験片
を作成した。
【0061】これらの試験片をアトラス社製65/XW
−WR型キセノンウエザオメーターを用い、ブラックパ
ネル温度80℃で光照射して、各々の試験片が劣化する
迄の時間で光安定化効果を比較した。相溶性の評価 樹脂、特にポリオレフィン、への相溶性の指標として、
実施化合物のシクロヘキサンへの溶解性をもって表す。
【0062】化合物番号1、2、6、7および化合物
(イ)、(ロ)、(ハ)が、25℃において、シクロヘ
キサン100gに完全に均一に溶解する重量を測定し
た。ブリード性の評価 前記の〔光安定化効果の評価〕の項で作成した試験片の
表面光沢をグロスメーター(60゜)にて測定し、その
試験片をギヤーオープン(内部温度40℃)中に1週間
保持した後、再度試験片の表面光沢を測定し、そのグロ
ス値の差にて化合物のブリード性の指標とした。すなわ
ち、グロス値の差(ΔG)の負の値が大きい程、ブリー
ド性が大きく、試験片の表面の光沢が失われたことを表
す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明による新規化合物が樹脂への相溶
性に優れ、しかも取り扱いの容易な固体状の光安定化性
能を有する化合物であることは、前記したところであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて製造した1,4‐ビス[N‐シク
ロヘキシル‐N‐(1′,2′,2′,6′,6′‐ペ
ンタメチル‐4′‐ピペリジル)カルバモイル]ベンゼ
ン(化合物番号1)の 1H−NMRスペクトルである。
【図2】同化合物の13C−NMRスペクトル(プロトン
デカップリング法)である。
【図3】同化合物のIR吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式〔I〕で示される、芳香族ア
    ミド化合物。 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R2
    はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。R
    3 は、炭素数1〜20の、アルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。nは
    1〜4の整数を表す。〕
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997043335A1 (en) * 1996-05-10 1997-11-20 Clariant International Ltd. Improvements in or relating to organic polyamide compounds
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WO2004016591A1 (en) * 2002-08-19 2004-02-26 Clariant Gmbh Process for the preparation of stabilizers for polymers
CN103554009A (zh) * 2013-10-22 2014-02-05 山西省化工研究所(有限公司) 一种尼龙多功能稳定剂的制备方法
KR20150027070A (ko) * 2012-05-31 2015-03-11 호도가야 가가쿠 고교 가부시키가이샤 유기 일렉트로루미네센스 소자

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