JPH0733413U - プレス曲げ機用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス曲げ機用の金型を用いてプレス曲げ加
工する際に、長尺ワークを曲げ加工する際の腰折れを防
止する。 【構成】 雄型にはその先端に成形型部と該成形型部の
底面に面一のワーク押え面とを形成する一方、雌型には
雄型ワーク押え面とともにワークを挟持するワークホル
ダーをスライド自在に設け、ワークホルダーに連携して
成形型部を曲げ幅方向の軸の回りに回転自在に設け、雄
型と雌型の型合わせ動作によって雌型成形型部を雄型成
形型部に向けて回転させてワークを曲げ加工するように
したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、プレス曲げ機用金型に関し、特に長尺物を曲げ加工する際に腰折 れが発生するのを防止できるようにした金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常、プレス曲げ機では、上型（雄型）と下型（雌型）間に板状ワークをセッ トし、両型を型合わせすることによって板状ワークに所定の荷重を加えて板状ワ ークを所望の形状に曲げ加工することが行われる。

【０００３】 従来、この種のプレス曲げ機用金型では、図５に示すように、上型１００に斜 め下方に延びる成形型部１０１を、下型２００の上面にＶ字溝状の成形型部２０ １を形成した構造が採用されていた。なお、図中、３００は板状ワークである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のプレス曲げ機用金型は、その構造上、図５に示すように、曲げ 加工に伴ってワーク３００の他端側が上方に持ち上げられるので、ワークが長尺 の場合には持ち上げられたワーク他端側に過大な荷重が作用し、腰折れが発生す ることがあり、これを防止するためには作業者が手でワークの動きを支える必要 があり、作業が煩雑であるという問題があった。

【０００５】 この考案は、かかる問題点に鑑み、長尺ワークを曲げ加工する際の腰折れを防 止できるようにしたプレス曲げ機用金型を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案に係るプレス曲げ機用金型は、雄型と雌型の型合わせ動作によっ て所定の荷重を加えてワークを曲げ加工するプレス曲げ機用金型であって、雄型 にはその先端に成形型部と該成形型部の底面に面一のワーク押え面とを形成する 一方、雌型には雄型ワーク押え面とともにワークを挟持するワークホルダーをス ライド自在に設け、ワークホルダーに連携して成形型部を曲げ幅方向の軸の回り に回転自在に設け、ワークホルダー又は成形型部をばね部材によって所定の位置 に付勢し、雄型と雌型の型合わせ動作によって雌型成形型部を雄型成形型部に向 けて回転させてワークを曲げ加工するようにしたことを特徴とする。

【０００７】 雌型成形型部は軸受を設けて回転軸によって回転可能に支持してもよいが、型 を組合わせて曲げ幅を設定する際に軸受が邪魔になって型を相互に密着させるこ とが困難となることから、雌型の成形型部をほぼ半円柱状となし、雌型にはほぼ 半円筒状のガイド面を形成してこれによって成形型部の回転をガイドするように 構成するのがよい。また、成形型部の形状については雌型は回転側の側縁に爪状 型部を突設し、雄型はその上面を底面に対して鋭角に形成すると、型合わせの度 合いによってワークの曲げ角度を自由に調整できる。雄型と雌型の型合わせは雄 型及び雌型のいずれを移動させてもよく、又両者を相対移動させてもよい。

【０００８】

【作用及び考案の効果】

雄型と雌型とを型合わせすると、雌型では雄型のワーク押え面によってワーク ホルダーがスライドされ、これと連携する成形型部が曲げ幅方向の軸回りに雄型 の成形型部に向けて回転され、両成形型部によってワークが曲げ加工される。こ の時、ワークは雄型のワーク押え面と雌型のワークホルダーとに挟持されたまま であり、他端側が持ち上げられることはない。

【０００９】 その結果、ワークの腰折れを防止でき、又手でワーク支えるという煩雑な作業 が不要となるので、作業性を大幅にアップできるとともに、曲げ作業のスピード アップを図ることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図１ないし図３ は本考案の一実施例によるプレス曲げ機用金型を示す。プレス曲げ機用金型は雄 型である上型１と雌型である下型２とから構成されており、上型１ではその上端 部には曲げ機への取付部１０が形成され、その下端側方には成形型部１１が突設 されている。この成形型部１１は上面と底面とのなす角度θが鋭角となった略三 角形を曲げ幅方向に連続させた形状をなし、上型１の下端面は成形型部１１の底 面と面一にかつ平坦に形成され、該下端面はワークＷを押さえるワーク押え面１ ２となっている。

【００１１】 他方、下型２において、型基部２０底面には曲げ機への取付用溝部２１が形成 され、又型基部２０内には上面に開口して凹部２２が形成されている。この凹部 ２２内には側面略Ｌ字状をなすワークホルダー２３が上下スライド自在に収納さ れ、該ワークホルダー２３の上面は平坦に形成されて上型１のワーク押え面１２ ととにもワークＷを挟持するようになっている。

【００１２】 また、下型２の型基部２０内には凹部２２と連続してほぼ半円筒状のガイド凹 面２６が形成され、該ガイド凹面２６にはほぼ半円柱状をなす成形型部２４が曲 げ幅方向の軸回りに回転自在に収納され、該成形型部２４はガイド凹面２６によ ってその回転をガイドされるようになっている。

【００１３】 この成形型部２４の一側縁には弧状爪部２５が突設され、他側縁部分の上面は 平坦に形成され、ワークホルダー２３には段部２７が形成されて成形型部２４の 他側縁部分上面と当接され、又ワークホルダー２３とこれを収容する凹部２２底 面との間にはばね部材２８が収納されてワークホルダー２３は上方に付勢されて おり、こうしてワークホルダー２３と成形型部２４とが連携されている。なお、 曲げ幅方向については、上型１及び下型２はともに上記と同一の構造を曲げ幅方 向に連続させた構造となっている。

【００１４】 次に、作用効果について説明する。曲げ加工を行う場合、曲げ幅の異なる複数 の上型１及び下型２を適宜選択して所望の曲げ幅となし、これをプレス曲げ機に 取付ける。図２に示すように、上型１と下型２との間にワークＷをセットした後 、プレス曲げ機を作動させると、上型１が下降し、上型１のワーク押え面１２と 下型２のワークホルダー２３上面との間にワークＷが挟持され、さらに上型１が 下降すると、ワークホルダー２３がばね部材２８の付勢力に抗して下方に押し込 まれ、それに伴って下型２の成形型部２４が図２の矢印方向に回転し、ワークＷ は下型２の弧状爪部２５と上型１の成形型部１１とによって曲げられ、こうして ワークＷが曲げ加工される。

【００１５】 その際、ワークＷは上型１のワーク押え面１２と下型２のワークホルダー２３ とによって挟持されて水平にホールドされており、従来の金型のように他端側が 上方に持ち上げられることはないので、長尺ワークＷであっても腰折れが発生す ることはなく、手によるワークの支持といった煩雑な作業は不要となり、作業性 を大幅に向上でき、作業スピードをアップできる。

【００１６】 また、本例のプレス曲げ機用金型は上型１及び下型２ともにその取付部分１０ 、２１が従来のものと同様の構造となっているので、専用のプレス曲げ機を用意 する必要はなく、既存のプレス曲げ機にそのまま適用できる。

【００１７】 また、上型１の成形型部１１を鋭角な形状となし、下型２の成形型部２４に弧 状爪部２５を形成し、弧状爪部２５を円周方向に変位させて曲げ加工を行ってい るので、図３に示すように、上型１の降下量を選択することによってワークＷの 曲げ角度を自由に調整できる。その結果、ワークＷの材質等に起因してスプリン グバック等がある場合にもこれを考慮した適切な曲げ加工を効率よく行うことが 可能となる。

【００１８】 曲げ加工が終了すると、上型１が上昇し、下型２のワークホルダー２３はばね 部材２８の付勢力によって上方にスライドされ、それに伴って成形型部２４も自 重によって元の位置に回転復帰する。

【００１９】 また、図４は本考案の第２の実施例によるプレス曲げ機用金型を示す。本実施 例では下型２の成形型部２４の回転をガイド凹面２６でガイドするのではなく、 回転軸２９を設けてこれに成形型部２４を回転自在に取付けている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例によるプレス曲げ機用金型
を示す側面構成図である。

【図２】 上記プレス曲げ機用金型の動作を説明するた
めの図である。

【図３】 図２の一部拡大図である。

【図４】 本考案の他の実施例によるプレス曲げ機用金
型を示す側面構成図である。

【図５】 従来のプレス曲げ機用金型を示す斜視図てあ
る。

【符号の説明】

１ 上型（雄型） １１ 成形型部 １２ ワーク押え面 ２ 下型（雌型） ２３ ワークホルダー ２４ 成形型部 ２５ 弧状爪部 ２６ ガイド凹面 ２８ ばね部材 Ｗ ワーク

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 雄型と雌型の型合わせ動作によって曲げ
   荷重を加えてワークを曲げ加工するプレス曲げ機用金型
   であって、 上記雄型にはその先端に成形型部と該成形型部の底面に
   面一のワーク押え面とが形成されている一方、上記雌型
   には上記雄型ワーク押え面とともにワークを挟持するワ
   ークホルダーがスライド自在に設けられ、該ワークホル
   ダーに連携して成形型部が曲げ幅方向の軸の回りに回転
   自在に設けられ、上記ワークホルダー又は成形型部はば
   ね部材によって所定の位置に付勢され、上記雄型と雌型
   の型合わせ動作によって上記雌型成形型部が上記雄型成
   形型部に向けて回転されてワークが曲げ加工可能となっ
   ていることを特徴とするプレス曲げ機用金型。
2. 【請求項２】 上記雌型の成形型部がほぼ半円柱状をな
   すとともに、上記雌型にはほぼ半円筒状のガイド面が形
   成され、該ガイド面によって上記成形型部の回転がガイ
   ドされる請求項１記載のプレス曲げ機用金型。
3. 【請求項３】 上記雌型の成形型部には回転側の側縁に
   爪状型部が突設され、上記雄型の成形型部はその上面が
   底面に対して鋭角に形成されている請求項１記載のプレ
   ス曲げ機用金型。