JPH07331205A - 液晶素子用感圧接着剤組成物および液晶素子 - Google Patents

液晶素子用感圧接着剤組成物および液晶素子

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JPH07331205A
JPH07331205A JP6120435A JP12043594A JPH07331205A JP H07331205 A JPH07331205 A JP H07331205A JP 6120435 A JP6120435 A JP 6120435A JP 12043594 A JP12043594 A JP 12043594A JP H07331205 A JPH07331205 A JP H07331205A
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liquid crystal
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polarizing plate
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JP6120435A
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Hideji Okamoto
本 秀 二 岡
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Soken Kagaku KK
Original Assignee
Soken Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の液晶素子用感圧接着剤は、(a)炭素
原子数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル
酸アルキルエステル50〜99.9重量%と、分子内に
極性基を有するエチレン性不飽和モノマー0.1〜10
重量%と、これらと共重合可能なモノマー0〜49.9
重量%との共重合体100重量部、および、(b)固相
から液相への相転移温度が30〜60℃の範囲内にある
高級脂肪酸および/またはその誘導体0.5〜20重量
部とからなる。また、本発明の液晶素子は、上記接着剤
組成物により基板上に偏光板等が貼付されている。 【効果】上記接着剤組成物で偏光板等を接着すると、偏
光板等の剥がれ、膨れ等が発生せずに良好な接着性を示
すとと共に、液晶素子を損傷することなく偏光板等を剥
離して再貼付することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶素子あるいは液晶表
示装置(以下単に、「LCD」と記載することもある)
用の感圧接着剤組成物、およびこの感圧接着剤組成物を
用いて製造された液晶素子に関する。さらに詳しく本発
明は、LCD製造時には剥離可能であって、高温高湿条
件下における耐久性に優れた液晶素子用の感圧接着剤組
成物および、この感圧接着剤組成物を用いて製造された
液晶素子に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】液晶素子は、液晶と接する面に透
明電極が配置された二枚の基板と、この二枚の基板間に
充填された液晶材料と、この二枚の基板の外側面に配置
された偏光板または偏光板と位相差板との積層板とから
なる。
【0003】このような液晶素子において、偏光板また
は偏光板と位相差板との積層板は、例えば基板の表面に
感圧接着剤を用いて貼着されている。こうした偏光板ま
たは偏光板と位相差板との積層板を基板表面に貼付する
のに使用される感圧接着剤としては、アクリル系樹脂が
使用されることが多い。
【0004】近年、液晶素子は、卓上電子計算機の表示
部、パーソナルコンピューターの表示パネル、車載液晶
表示装置、テレビジョンの画面等、その使用範囲が著し
く広範におよんでおり、このように用途が広がるに従っ
て液晶素子の使用環境も非常に過酷になってきている。
従って、こうした使用条件に耐えるように偏光板または
偏光板と位相差板との積層板とガラスとの接着強度は高
いことが望ましく、また、この高い接着強度が長期間変
動しないことが望ましい。こうした観点からアクリル系
樹脂の接着剤が使用されているのである。
【0005】ところで、こうした接着剤を用いた液晶素
子の製造工程において、偏光板あるいは偏光板と位相差
板との積層板の貼り合わせに不具合が発生した場合に、
偏光板あるいは偏光板と位相差板との積層板を剥離し
て、新たに偏光板あるいは偏光板と位相差板との積層板
を貼着し直して液晶素子を製造する必要がある。即ち、
偏光板あるいは偏光板と位相差板との積層板と比較する
と、液晶セルおよびセル中に充填されている液晶材料は
著しく高価であり、またこのように偏光板あるいは偏光
板と位相差板との積層板の貼着状態が悪くとも液晶材料
およびこの液晶材料が充填されているセル自体には問題
がないことが多いので、偏光板あるいは偏光板と位相差
板との積層板を貼着し直せば良好な液晶性能を示すので
ある。
【0006】しかしながら、前述のように液晶素子の使
用環境が相当過酷になってきていることから、偏光板あ
るいは偏光板と位相差板との積層板を貼着する接着剤の
接着強度も極めて高くなってきており、従来から使用さ
れているアクリル樹脂系の接着剤で貼着された偏光板あ
るいは偏光板と位相差板との積層板は、接着強度が高い
ために剥離の際にガラス基板が損傷を受けたり、液晶材
料が充填されている間隙幅が変動して、液晶素子として
は使用できないことが多い。また、偏光板あるいは偏光
板と位相差板との積層板を剥離してもガラス基板上に接
着剤が残留して実際には新たに偏光板あるいは偏光板と
位相差板との積層板を貼着できないという問題がある。
【0007】また、近年こうした液晶素子材料の使用範
囲や目的が広範になるにつれ、車載用等の液晶素子のよ
うに、より厳しい環境条件に晒される事も多くなり、液
晶用感圧接着剤には、こうしたより厳しい高温高湿度の
環境条件下での使用においても、偏光板または偏光板と
位相差板との積層板における発泡や剥がれが生じないと
いう特性(耐久性)が必要になり、感圧接着剤に要求さ
れる接着強度はより高くなっている。
【0008】このような状況下に液晶素子のガラス基板
に偏光板あるいは偏光板と位相差板との積層板を貼着す
るのに使用される感圧接着剤に、安定した接着強度を長
期間維持できるという特性と、剥離しようとする際には
液晶素子に損傷を与えることなく容易に偏光板あるいは
偏光板と位相差板との積層板を剥離できれば、より好ま
しい。
【0009】
【発明の目的】本発明は、より高温高湿度条件になる
程、高い接着強度が発現し、なおかつ、液晶ガラス基板
から偏光板または偏光板と位相差板との積層板を剥離し
ようとする際には、液晶素子に損傷を与えることなく、
容易に剥離することが可能であるという、液晶素子用感
圧接着剤に必要とされる相反する特性を兼ね備えた液晶
素子用感圧接着剤組成物を提供することを目的としてい
る。
【0010】また、本発明は、上記のような接着剤組成
物で偏光板または偏光板と位相差板との積層板がガラス
基板上に貼着された液晶素子を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【発明の概要】本発明の液晶素子用感圧接着剤組成物
は、(a)炭素原子数4〜12のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重
量%と、分子内に極性基を有するエチレン性不飽和モノ
マー0.1〜10重量%と、これらと共重合可能なモノ
マー0〜49.9重量%との共重合体、および(b)固
相から液相への相転移温度が25〜85℃の範囲内にあ
り、該相転移温度以上にて、上記共重合体(a)に少な
くとも一部が溶解する有機化合物からなり、上記有機化
合物(b)が、共重合体(a)100重量部に対して
0.5〜20重量部の量で含有されていることを特徴と
している。
【0012】また、本発明の液晶素子は、基板表面に、
偏光板または偏光板と位相差板との積層板が配置された
2枚の基板により形成された間隙に、液晶が充填された
液晶素子において、該基板の表面に、偏光板または偏光
板と位相差板との積層板が、(a)炭素原子数4〜12
のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル50〜99.9重量%と、分子内に極性基を有する
エチレン性不飽和モノマー0.1〜10重量%と、これ
らと共重合可能なモノマー0〜49.9重量%との共重
合体、および(b)固相から液相への相転移温度が25
〜85℃の範囲内にあり、該相転移温度以上にて、上記
共重合体(a)に少なくとも一部が溶解する有機化合物
からなり、上記有機化合物(b)が、共重合体(a)1
00重量部に対して0.5〜20重量部の量で含有され
ている液晶素子用感圧接着剤組成物により、貼付されて
いることを特徴としている。
【0013】本発明において、前記有機化合物(b)
は、その分子量が200〜5000の範囲内にあること
が好ましく、さらに、前記有機化合物(b)は、カルボ
ン酸化合物および/またはその誘導体であり、該カルボ
ン酸化合物の誘導体が、炭素原子数4〜24のアルコー
ルとカルボン酸化合物から誘導されるエステル化合物、
炭素原子数4〜24の脂肪酸とアルコールとのエステル
化合物、炭素原子数4〜24の脂肪酸とアミノ化合物と
の反応物、および、該カルボン酸化合物および/または
その誘導体の重合体よりなる群から選ばれる化合物ある
ことが好ましい。
【0014】偏光板または偏光板と位相差板との積層板
と、ガラス等の液晶素子基板とを貼付した後に、基板か
ら、偏光板または偏光板と位相差板との積層板が脱離す
るのを防止するためには、高温高湿度になるほど接着強
度が高くなるように接着剤の組成を決定しなければなら
ない。しかしながら、液晶素子の製造工程において、偏
光板あるいは偏光板と位相差板との積層板の貼り合わせ
に不具合が発生した場合に、偏光板あるいは偏光板と位
相差板との積層板を基板から剥離して再度偏光板あるい
は偏光板と位相差板との積層板を貼付する必要があり、
この場合には、偏光板または偏光板と位相差板との積層
板を剥離する際にガラス基板等に損傷を与えないように
剥離しなければならない。
【0015】殊に液晶素子の製造工程において高温(例
えば80℃)で長時間(例えば10時間)晒されること
があり、こうした加熱により基板表面に貼着された偏光
板あるいは偏光板と位相差板との積層板は、基板表面に
強固に接着されてしまう。この接着強度は非可逆的であ
ることから温度が低くなっても接着強度は低下しない。
【0016】従って、従来の接着剤では、加熱工程後
に、偏光板または偏光板と位相差板との積層板の接着状
態に不具合が生じてもこの偏光板または偏光板と位相差
板との積層板を剥離することが困難であった。
【0017】本発明者は、環境条件によって相転移して
アクリル系ポリマーに対する相溶化度が変化する特定の
化合物を特定のアクリル系接着剤中に配合することによ
り、様々な温度条件下で必要最適な接着強度が得られる
こと、さらに、これら接着強度が温度に対して可逆的に
変化することが可能になるとの知見を得て本発明を完成
した。
【0018】即ち、本発明の液晶素子用感圧接着剤組成
物は、特定のアクリル系共重合体に、25〜85℃の範
囲で固体から液体に相転移(状態変化)し、少なくとも
一部が溶解する特定の化合物を配合することにより、高
温域(相転移温度より高い温度、以下同様)ではこの化
合物が該アクリル系共重合体に相溶して高い接着強度が
発現する。他方、低温域(相転移温度よりも低い温度、
以下同様)では、この化合物の結晶が析出して接着強度
を低減する。偏光板または偏光板と位相差板との積層板
に接着の不具合が生じた場合には、20〜25℃の作業
環境で偏光板または偏光板と位相差板との積層板を剥離
することが多く、従って液晶素子に損傷を与えることな
く、偏光板または偏光板と位相差板との積層板を剥離す
ることができると共に、基板上に接着剤が残存しにく
い。
【0019】本発明の感圧接着剤は、液晶素子の製造工
程においては上記のように剥離可能であるという特性を
有しているにも拘わらず、高温高湿条件のように過酷な
条件で液晶素子を使用した場合であっても、本発明の感
圧接着剤組成物は良好な接着性を示すと共に、このよう
な条件で使用しても偏光板または偏光板と位相差板との
積層板にふくれや剥がれ等の接着不良が発生しにくい。
【0020】このような本発明の接着剤組成物で偏光板
または偏光板と位相差板との積層板が貼付された液晶素
子は、透明基板と偏光板または偏光板と位相差板との積
層板との密着性が良好であり、さらにこの両者の接着状
態が長期間安定しており、従って本発明の液晶素子で
は、優れた光学的特性が長期間維持される。
【0021】
【発明の具体的説明】次に本発明の液晶素子用感圧接着
剤組成物および液晶素子について具体的に説明する。
【0022】本発明の液晶素子用感圧接着剤組成物は、
アクリル系の共重合体(a)と、特定の温度条件下で状
態変化する有機化合物(b)とからなる。アクリル系の
共重合体は、炭素原子数4〜12のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、分子内に極性
基を含有するエチレン性不飽和モノマーとの共重合体で
あり、さらに必要によりこれらと共重合可能な他のモノ
マーが共重合していてもよい。
【0023】ここで使用される炭素原子数4〜12のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の例としては、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートおよびフェ
ニル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0024】これらは単独であるいは組み合わせて使用
することができる。本発明で使用されるアクリル系の共
重合体(a)には、上記(メタ)アクリル酸エステルか
ら誘導される繰り返し単位が、50〜99.9重量%の
量で共重合しており、さらに80〜98重量%の量で共
重合していることが好ましい。
【0025】また、分子内に極性基を含有するエチレン
性不飽和モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、β-カルボキシエチルアクリレート、2-ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、クロロ-2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メ
タ)アクリレートを挙げることができる。
【0026】これらは単独であるいは組み合わせて使用
することができる。本発明で使用されるアクリル系の共
重合体(a)には、分子内に極性基を含有するエチレン
性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位が、0.
1〜10重量%の量で共重合しており、さらに2〜10
重量%の量で共重合していることが好ましい。
【0027】また、上記の(メタ)アクリル酸エステル
および極性基含有モノマー以外に、これらモノマーと共
重合可能な他のモノマーとしては、炭素原子数3以下ア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、炭素原子数13以上のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステル、スチレン系モノマー、お
よびビニル系モノマーを挙げることができる。具体的な
例としては、炭素原子数3以下のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレートおよびイソプロピル(メ
タ)アクリレートを挙げることができ、また、炭素原子
数13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとしては、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、イソステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘ
ニル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0028】さらに、スチレン系モノマーの例として、
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメ
チルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、ト
リエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレ
ン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチ
ルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、ク
ロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレンおよ
びヨードスチレン等のハロゲン化スチレン;さらに、ニ
トロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレ
ンを挙げることができる。
【0029】また、ビニル系モノマーの例としては、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾー
ル、ジビニルベンゼン、酢酸ビニルおよびアクリロニト
リル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の
共役ジエンモノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等の
ハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニ
リデンを挙げることができる。
【0030】これらのモノマーは、単独であるいは組み
合わせて使用することができる。本発明で使用されるア
クリル系の共重合体(a)中に上記他のモノマーから誘
導される繰り返し単位は、0〜49.9重量%の量で共
重合しており、さらに0〜20重量%の量で共重合して
いることが好ましい。
【0031】上記のようにアクリル系の共重合体(a)
におけるモノマーの共重合量を上記のように調節するこ
とにより、この共重合体(a)と該有機化合物(b)と
の相溶性を調整することができる。
【0032】本発明で使用されるアクリル系の共重合体
(a)は、例えば、上記のようなモノマーを反応溶媒に
投入して、反応系内の空気を窒素ガス等の不活性ガスで
置換した後、必要により反応開始剤の存在下に、加熱攪
拌して重合反応させることにより製造することができ
る。
【0033】ここで用いられる反応溶媒としては、有機
溶媒が使用され、具体的には、トルエンおよびキシレン
等の芳香族炭化水素類、n-ヘキサン等の脂肪族炭化水素
類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、n-プ
ロピルアルコールおよびイソプロピルアルコール等の脂
肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類を挙げ
ることができる。
【0034】また、反応開始剤としては、例えばアゾビ
スイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ
-tert-ブチルパーオキサイドおよびクメンハイドロパー
オキサイド等を使用することができる。
【0035】上記の重合反応の反応温度は通常は50〜
90℃、反応時間は通常は2〜20時間、好ましくは4
〜12時間である。上記のような反応において、モノマ
ーは、得ようとするアクリル系の共重合体(a)中にお
ける各繰り返し単位の量に対応して配合することができ
る。
【0036】また、反応溶媒はモノマーの合計量100
重量部に対して50〜1000重量部の量で使用され
る。さらに、反応開始剤は、同様に、通常は0.01〜
10重量部の量で使用される。
【0037】こうして反応させることにより本発明で使
用されるアクリル系の共重合体(a)は、反応溶媒に共
重合体が10〜70重量%の量で含有される溶液または
分散液として得られる。本発明ではこの分散液または溶
液から溶媒を除去した後、得られたアクリル系の共重合
体(a)を他の成分と混合することもできる。しかしな
がら、本発明では上記のようにして得られた反応溶媒を
除去することなく、この反応溶媒に分散または溶解させ
た状態でアクリル系の共重合体(a)と他の成分とを混
合することが好ましい。一般に、上記のようにして得ら
れたアクリル系の共重合体(a)は、反応溶媒中に安定
に分散または溶解しており、このような分散液または溶
液をそのまま用いることにより、各成分を均一に混合す
ることができる。
【0038】本発明で使用されるアクリル系の共重合体
(a)は、通常100000〜1500000、好まし
くは300000〜800000の重量平均分子量を有
している。
【0039】本発明の液晶素子用感圧接着剤組成物に
は、所定の相転移温度を有する有機化合物(b)が含有
されている。この有機化合物(b)は、固相から液相へ
の相転移温度が25〜85℃の範囲内、好ましくは30
〜60℃の範囲内にあり、該相転移温度以上にて、上記
共重合体(a)に少なくとも一部が溶解する有機化合物
からなる。
【0040】また、この有機化合物(b)は、カルボン
酸化合物および/またはその誘導体であり、該有機化合
物はカルボキシル基が、アルキル基もしくはアリール基
と結合しており、該カルボン酸化合物の具体的な例とし
ては、シクロヘキシルカルボン酸、デカン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、2ーブテン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸を挙げることができる。
【0041】また、該カルボン酸化合物の誘導体として
は、炭素原子数4〜24、好ましくは6〜22のアルコ
ールとカルボン酸化合物から誘導されるエステル化合
物、炭素原子数4〜24、好ましくは6〜22の脂肪酸
とアルコールとのエステル化合物、または炭素原子数4
〜24、好ましくは6〜22の脂肪酸とアミノ化合物と
の反応物があり、また、それら誘導体の重合体を挙げる
ことができる。これらは単独であるいは組み合わせて使
用することができる。
【0042】ここで上記エステル化合物の具体的な例と
して、パルミチン酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、ステアリン
酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、フタル酸ジステア
リル等を挙げることができる。
【0043】また、脂肪酸とアミノ化合物との反応物の
例としては、上記脂肪酸と、アミド類、N-メチルアミ
ド、アニリド、β-ナフチルアミド、フェニルヒドラジ
ドあるいはN-アシルグルコサミンとの反応生成物、なら
びに、上記脂肪酸のシクロヘキシルアミン塩および脂肪
酸のベンジルアミン塩を挙げることができる。
【0044】このようにアルキル基の炭素原子数の調整
や、エステル化及びアミノ化することにより、相転移温
度やアクリル系の共重合体(a)に対する上記化合物の
相溶性を調整することができる。
【0045】さらに本発明で使用されるカルボン酸化合
物の誘導体の例としては、上記カルボン酸化合物または
その誘導体のエステル化合物およびアミノ酸化合物の反
応生成物、熱重合により生成した重合物、有機過酸化物
やニッケル等の触媒の存在下に反応させた重合物やオリ
ゴマーを挙げることができる。
【0046】特に本発明では、分子量が200〜500
0の範囲内にあるカルボン酸化合物およびその誘導体が
好ましく、さらにこの分子量が200〜3000の範囲
内にあるカルボン酸化合物およびその誘導体が特に好ま
しい。
【0047】このように分子量を調整することにより、
相転移温度やアクリル共重合体(a)に対する上記化合
物の相溶性を調整することができる。これらの誘導体は
単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0048】上記のような分子量を有するカルボン酸化
合物およびその誘導体は、アクリル系の共重合体に対し
て高温域で少なくとも一部は良好に相溶すると共に、低
温域ではアクリル系の共重合体から液晶素子基板表面に
良好に析出して液晶素子に損傷を与えることなく偏光板
または偏光板と位相差板との積層板を基板表面から剥離
することができる。
【0049】本発明の接着剤組成物が良好な接着性を有
しているにも拘わらず、加熱処理後の液晶素子基板から
容易に剥離することができるのは、配合されたカルボン
酸化合物および/またはその誘導体が以下のように作用
しているためであると考えられる。
【0050】本発明の接着剤組成物が、特定の温度条件
にて相転移するカルボン酸化合物および/またはその誘
導体を含有することにより、低温域、即ち相転移温度以
下の温度では、このカルボン酸化合物および/またはそ
の誘導体(b)がアクリル系の共重合体である(a)ポ
リマーに対し部分的な不相溶な状態になり、アクリル系
の共重合体(a)の表面に局在化し、その部位にて分離
結晶化したような状態になる。また、高温域、即ち相転
移温度以上の温度では、このカルボン酸化合物および/
またはその誘導体(b)がアクリル系の共重合体(a)
に対して少なくとも一部(好ましくは殆ど全部)は完全
相溶状態となり、アクリル系の共重合体(a)内部に均
一に拡散する。そして、完全相溶状態から再び相転移温
度以下の温度にした際、低温域、即ち相転移温度以下の
温度ではカルボン酸化合物および/またはその誘導体
(b)が再びアクリル系の共重合体(a)に対し部分的
に不相溶な状態となり、アクリル系ポリマーの表面に局
在化し、その部位にて分離結晶化したような状態にな
る。従って、本発明の接着剤組成物は、高温域では高い
接着強度を有しており、低温域では剥離の際に液晶素子
に損傷を与えない程度の接着強度を有するようになり、
しかもこの接着強度は、温度により可逆的に変化するの
である。
【0051】上記のようなカルボン酸化合物および/ま
たはその誘導体は、本発明の組成物中に、上述のアクリ
ル系の共重合体100重量部に対して0.5〜20重量
部、好ましくは0.5〜10重量部の量で含有されてい
る。カルボン酸化合物および/またはその誘導体の量
が、上記範囲を逸脱して少ないとこれらの化合物を添加
した効果が発現せず、また上記範囲を逸脱して多いと、
初期接着強度および高温時における接着強度が低下す
る。即ち、低温域では、被着体とアクリル系ポリマーの
接着強度は、カルボン酸化合物および/またはその誘導
体(b)を含まないアクリル系の共重合体(a)に比べ
小さくなるが、この場合、偏光板または偏光板と位相差
板との積層板と、液晶素子基板とを接着するために必要
な接着強度でなければならない。このために必要なカル
ボン酸化合物および/またはその誘導体(b)の量は、
アクリル系の共重合体(a)100重量部に対し、20
重量部以下であることが必要になる。
【0052】また、高温域では、上記カルボン酸化合物
および/またはその誘導体(b)が、アクリル系の共重
合体(a)の外部可塑剤的に作用してアクリル系の共重
合体(a)の有する弾性率等の物理的性質が変化し、応
力緩和性が向上する。このため、カルボン酸化合物およ
び/またはその誘導体を含まないアクリル系の共重合体
(a)と比較して、本発明の接着剤組成物は、被着体と
の接着強度が、同等もしくはそれ以上になる。このよう
な作用を奏するためにはカルボン酸化合物および/また
はその誘導体(b)は、アクリル系の共重合体(a)1
00重量部に対し、0.5重量%以上配合することが必
要になる。
【0053】カルボン酸化合物および/またはその誘導
体の相転移温度は、アルキル基の炭素原子数、化合物の
構造または分子量を本発明の範囲内で適宜選択すること
により調整可能である。
【0054】本発明の液晶素子用感圧接着剤組成物に
は、通常使用されている架橋剤を含有させることができ
る。この架橋剤としては、従来公知のもの、例えばイソ
シアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、金属キレート
系架橋剤、エポキシ系架橋剤および過酸化物系架橋剤等
を挙げることができる。このような架橋剤は、通常は本
発明の接着剤組成物を使用する直前に配合される。この
架橋剤の使用量は、アクリル系の共重合体(a)100
重量部に対して、通常15重量部以下とするのがよい。
さらに、このような架橋剤を用いる代わりに、または架
橋剤を使用した上で、電子線や紫外線を照射して架橋構
造を形成する(いわゆる架橋処理)こともできる。
【0055】本発明の液晶素子用感圧接着剤組成物は、
さらに他の成分を含んでいても良い。本発明の液晶素子
用感圧接着剤組成物に配合することができる他の成分の
例としては、タッキファイヤー、可塑剤、染料、無機フ
ィラー等を挙げることができる。上記他の成分自体とし
ては既に公知の成分を単独であるいは組み合わせて配合
することができる。
【0056】本発明の液晶素子では、上記の液晶素子用
感圧接着剤組成物で基板に、偏光板または偏光板と位相
差板との積層板が接着されている。図1に本発明の液晶
素子の断面を模式的に示す。
【0057】図1に示すように、本発明の液晶素子1
は、二枚の基板2,2とこの二枚の基板2,2により形成
される間隙に充填された液晶3とを有する。この基板
は、ガラスあるいは透明合成樹脂等で形成されている。
この基板の厚さは、通常は0.01〜2.0mmである。特
に本発明ではこの基板としてガラス基板が好ましい。
【0058】この二枚の基板2,2の液晶材料3と接す
る面には、透明電極4,4が形成されている。透明電極
は通常はITO等で形成されている。この透明電極の厚
さは通常は100〜2000オングストロームである。
この透明電極4,4の上にはさらに液晶配合膜(図示な
し)が形成されていてもよい。この液晶配向膜は、ポリ
イミド系樹脂をラビングすることで形成することができ
る。
【0059】上記のように一方の面に透明電極および液
晶配向膜が形成された基板を、透明電極4が対面し、か
つ一定の間隙を形成するように配置する。透明電極4,
4間に形成される一定の間隙は、通常はスペイサー5を
用いて形成される。このスペイサー5としては、例え
ば、無機粒子、無機繊維、樹脂粒子、所定のパターン
(例えば櫛形)に形成された樹脂フィルムを用いること
ができる。なお、このスペイサーが液晶配向膜を兼ねて
いてもよい。
【0060】こうして形成される間隙の幅は、通常は1
〜10μmである。上記のようにして間隙を形成して配
置された二枚の透明基板は、通常は周辺をシール材でシ
ール6することにより貼り合わされる。シール材6とし
ては、エポキシ系樹脂およびシリコン系樹脂等を用いる
ことができる。
【0061】上記のようにして形成された間隙には液晶
3が充填されている。ここで充填される液晶3として
は、シッフ塩基系液晶化合物、アゾキシ系液晶化合物、
安息香酸エステル系液晶化合物、シクロヘキシルカルボ
ン酸エステル系液晶化合物、フェニル系液晶化合物、タ
ーフェノール系液晶化合物、シクロヘキシル系液晶化合
物、および、ピリミジン系液晶化合物等を挙げることが
できる。これらの液晶化合物は単独であるいは組み合わ
せて使用することができる。
【0062】液晶素子は、上記のような構成を有してお
り、本発明の液晶素子は、上記の基板の外側の面に特定
の接着剤組成物を用いて偏光板または偏光板と位相差板
との積層板7,7'が貼着されている。
【0063】ここで使用される偏光板は、例えばポリエ
ステルフィルム、ポリビニルアルコール樹脂フィルム、
ポリビニルブチラール樹脂フィルム等の樹脂フィルムを
ヨウ素または2色染料で染色し、一軸方向に延伸し、そ
れにトリアセテートフィルム等の保護フィルムを両側か
ら貼り合わせることにより製造することができる。
【0064】この偏光板または偏光板と位相差板との積
層板7,7'は次のようにして基板2表面に貼着される。
まず、偏光板または偏光板と位相差板との積層板7,7'
の表面に上述の液晶素子用感圧接着剤組成物を用いて偏
光板または偏光板と位相差板との積層板を粘着加工する
ことにより偏光板または偏光板と位相差板との積層板上
に接着剤層8,8を形成する。こうして形成される接着
剤層8,8の厚さは、通常は10〜50μm、好ましく
は15〜40μm程度である。上記のような厚さで接着
剤層を形成することにより、基板と偏光板、または、基
板と、偏光板と位相差板との積層板とを必要かつ充分な
接着強度で接着することができると共に、この接着剤層
8,8が透明であり、液晶素子の光学的特性がこの接着
剤層によって低下することがない。
【0065】こうして接着剤層8を形成した偏光板また
は偏光板と位相差板との積層板を基板2の外側表面に圧
着する。この圧着の際に必要により加熱することができ
る。このようにして圧着することにより、反応性オリゴ
マーおよびアクリル系ポリマーからなる液晶素子用感圧
接着剤組成物と、基板表面および偏光板表面(あるいは
偏光板と位相差板とからなる積層板表面)との間に好適
な強度の接着力が発現する。なお、この圧着に要する時
間は、例えば50℃、5気圧において10〜30分間程
度である。
【0066】このようにして本発明の液晶素子用感圧接
着剤組成物を用いることにより、基板表面に偏光板また
は偏光板と位相差板との積層板が好適な接着力で接着さ
れると共に、基板と偏光板、または、基板と、偏光板と
位相差板との積層板との間に膨れによる間隙が生じにく
くなる。さらに、この偏光板または偏光板と位相差板と
の積層板をガラス基板から剥離したとしても、ガラス基
板面に接着剤が残存することがなく、また剥離の際にガ
ラス基板あるいは液晶セルを損傷することもない。
【0067】また、本発明の液晶素子では、基板と、偏
光板または偏光板と位相差板との積層板とを長期間安定
に接着されているので、基板と偏光板または基板と偏光
板と位相差板との積層板との接着不良による液晶素子の
性能低下を有効に防止できる。
【0068】
【発明の効果】本発明の液晶素子用感圧接着剤組成物に
は、アクリル系の共重合体(a)と、特定のカルボン酸
化合物および/またはその誘導体(b)とからなり、こ
の接着剤を使用することにより基板と偏光板または偏光
板と位相差板との積層板とを液晶素子が現実に使用され
る環境で使用するのに必要かつ充分な接着強度で接着す
ることができる。
【0069】しかも、この接着強度が液晶素子製造工程
で接着に不具合が生じた場合には、基板上に接着剤成分
を残存させることなく剥離することができ、さらに、剥
離の際に、ガラス基板あるいは液晶セルに損傷を与える
ことが少ない。
【0070】このように本発明の液晶素子用感圧接着剤
組成物は、製造工程においては、剥離可能であるにも拘
わらず、高温高湿条件で液晶素子を使用した場合に、膨
れや剥がれが発生しにくく、この接着剤を用いることに
より、液晶素子を過酷な条件で長期間使用することがで
きる。
【0071】また、本発明の液晶素子は、ガラス基板
と、偏光板または偏光板と位相差板との積層板との密着
性が良好であり、さらにこの両者の接着状態が長期間安
定しており、従って本発明の液晶素子では、優れた光学
的特性を長期間維持される。
【0072】
【実施例】以下に本発明の実施例を示して本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定的に解釈されるべきではない。
【0073】なお以下、「部」とあるのは特に限定しな
い限り「重量部」を示す。
【0074】
【実施例1】2-エチルへキシルアクリレート25部、n-
ブチルアクリレート40部、スチレン5部、エチルアク
リレート20部、アクリル酸8部、2-ヒドロキシエチル
アクリレート2部、トルエン100部およびアゾビスイ
シブチロニトリル0.2部を反応器に入れ、この反応器
内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に、窒素雰囲
気中でこの反応液を60℃に昇温し、4時間反応させ
た。
【0075】別にトルエン10部にアゾビスイソブチロ
ニトリル0.4部を溶解させた溶液を調製した。4時間
後、こうして調製したアゾビスイソブチロニトリルの溶
液10部を、60℃に昇温された反応液中に4時間かけ
て滴下した。
【0076】さらに、この反応液を70℃に昇温し、上
記と同様にして調製したアゾビスイソブチロニトリルの
溶液10部を4時間かけて滴下した。上記のようにして
操作して全体で12時間重合させることにより、アクリ
ル系ポリマーのトルエン溶液を220部を得た。このト
ルエン溶液中におけるアクリル系の共重合体の濃度は4
5重量%である。
【0077】上記の反応液220部(アクリル系の共重
合体100重量部に相当)に、相転移温度が49.5℃
の有機化合物であるパルミチン酸テトラデシルを5部
と、架橋剤であるポリイソシアネート化合物(トリレン
ジイソシアネート3モルにトリメチロールプロパン1モ
ルを付加したポリイソシアネート化合物、商品名:コロ
ネートL、日本ポリウレタン(株)製)2部とを加えてよ
く攪拌して本発明の接着剤組成物を得た。
【0078】上記のようにして得られた接着剤組成物を
ポリエステル製離型フィルムに塗布した後乾燥させた
(接着剤組成物の乾燥塗布厚25μm)。次いで、この
離型フィルム上に塗布された接着剤組成物を、厚さ0.
20mmの偏光板上に転写し、温度23℃湿度65%の条
件で7日間熟成させた後、この偏光板とガラス基板とを
温度50℃、圧力5kg/cm2の条件で20分間保持して接
着させた。
【0079】こうして接着した偏光板とガラス基板との
接着力をJIS-Z-0237およびJIS-Z-0238に準じて、 ア)初期接着強度(23℃で1時間放置した後の接着強
度)を測定した。
【0080】イ)同様にして調製した試料を50℃にて
10時間放置した後、その温度条件にて接着強度を測定
した。 ウ)同様にして調整した試料を80℃にて10時間放置
した後、その温度条件にて接着強度を測定した。
【0081】エ)さらに、同様にして調整した試料を8
0℃にて10時間放置した後、23℃まで放冷し、この
温度で1時間放置した後の接着強度を測定した。 ア)の接着強度に比べてイ)の接着強度、イ)の接着強
度に比べてウ)の接着強度のが高い方が、液晶素子基板
に貼付された偏光板または偏光板と位相差板との積層板
が、より厳しい環境に晒された際にも剥がれや発泡が生
じない。また、ア)、エ)の両者の接着強度の差が少な
い方が再剥離性が良好であることを表している。さら
に、ア)およびエ)の接着強度を測定した際に、ガラス
基板表面への接着剤の残留性(のり残り)を目視観察し
て評価した。
【0082】また、同様にして調製したサンプルを20
×30cm2に裁断して上記条件下で接着させ、100℃
にて500時間条件、60℃90%RHにて500時間
条件での発泡および剥離の発生状態を目視観察して評価
した。
【0083】結果を表1に示す。上記のようにして調製
した偏光板を表面に貼り合わせた液晶素子は良好な特性
を示した。
【0084】
【比較例1】実施例1において、添加するパルミチン酸
テトラデシルの量を0.1部とした以外は上記のように
して製造した接着剤組成物を用いて、実施例1と同様に
してその特性を評価した。
【0085】結果を表1に示す。
【0086】
【比較例2】実施例1において、添加するパルミチン酸
テトラデシルの量を40部とした以外は上記のようにし
て製造した接着剤組成物を用いて、実施例1と同様にし
てその特性を評価した。
【0087】結果を表1に示す。
【0088】
【比較例3】実施例1において、有機化合物を添加しな
かった以外は同様にして接着剤組成物を得た。
【0089】上記のようにして製造した接着剤組成物を
用いて、実施例1と同様にしてその特性を評価した。結
果を表1に示す。
【0090】
【比較例4】実施例1において、パルミチン酸テトラデ
シルを添加する代わりに、相転移温度60℃のステアリ
ン酸ステアリルを5部添加した以外は同様にして接着剤
組成物を得た。
【0091】結果、成型された試料は、23℃、50
℃、80℃いずれの温度においても粘着剤層が白化し、
上記添加剤の相転移温度以上の高温域においても、この
ステアリン酸ステアリルは上記アクリルポリマーに溶解
しないことが分かった。
【0092】上記のようにして製造した接着剤組成物を
用いて、実施例1と同様にしてその特性を評価した。結
果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の液晶素子の一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・液晶素子 2・・・基板 3・・・液晶材料 4・・・透明電極 5・・・スペーサー 6・・・シール材 7,7'・・・偏光板、または、偏光板と位相差板との積層
板 8・・・接着剤層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)炭素原子数4〜12のアルキル基を
    有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜9
    9.9重量%と、分子内に極性基を有するエチレン性不
    飽和モノマー0.1〜10重量%と、これらと共重合可
    能なモノマー0〜49.9重量%との共重合体、 および(b)固相から液相への相転移温度が25〜85
    ℃の範囲内にあり、該相転移温度以上にて、上記共重合
    体(a)に少なくとも一部が溶解する有機化合物からな
    り、 上記有機化合物(b)が、共重合体(a)100重量部
    に対して0.5〜20重量部の量で含有されていること
    を特徴とする液晶素子用感圧接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機化合物(b)の分子量が200
    〜5000の範囲内にあることを特徴とする請求項第1
    項記載の液晶素子用感圧接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機化合物(b)がカルボン酸化合
    物および/またはその誘導体であり、該カルボン酸化合
    物の誘導体が、炭素原子数4〜24のアルコールとカル
    ボン酸化合物から誘導されるエステル化合物、炭素原子
    数4〜24の脂肪酸とアルコールとのエステル化合物、
    炭素原子数4〜24の脂肪酸とアミノ化合物との反応
    物、および、該カルボン酸化合物および/またはその誘
    導体の重合体よりなる群から選ばれる化合物であること
    を特徴とする請求項第1項または第2項記載の液晶素子
    用感圧接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 液晶素子用感圧接着剤組成物が、共重合
    体(a)100重量部に対して15重量部以下の架橋剤
    を含有することを特徴とする請求項第1項乃至第3項の
    いずれかの項記載の液晶素子用感圧接着剤。
  5. 【請求項5】基板表面に、偏光板または偏光板と位相差
    板との積層板が配置された2枚の基板により形成された
    間隙に、液晶が充填された液晶素子において、該基板の
    表面に、偏光板または偏光板と位相差板との積層板が、 (a)炭素原子数4〜12のアルキル基を有する(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%
    と、分子内に極性基を有するエチレン性不飽和モノマー
    0.1〜10重量%と、これらと共重合可能なモノマー
    0〜49.9重量%との共重合体、 および(b)固相から液相への相転移温度が25〜85
    ℃の範囲内にあり、該相転移温度以上にて、上記共重合
    体(a)に少なくとも一部が溶解する有機化合物からな
    り、 上記有機化合物(b)が、共重合体(a)100重量部
    に対して0.5〜20重量部の量で含有されている液晶
    素子用感圧接着剤組成物により、貼付されていることを
    特徴とする液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記有機化合物(b)の分子量が200
    〜5000の範囲内にあることを特徴とする請求項第5
    項記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記有機化合物(b)がカルボン酸化合
    物および/またはその誘導体であり、該カルボン酸化合
    物の誘導体が、炭素原子数4〜24のアルコールとカル
    ボン酸化合物から誘導されるエステル化合物、炭素原子
    数4〜24の脂肪酸とアルコールとのエステル化合物、
    炭素原子数4〜24の脂肪酸とアミノ化合物との反応
    物、および、該カルボン酸化合物および/またはその誘
    導体の重合体よりなる群から選ばれる化合物であること
    を特徴とする請求項第5項または第6項記載の液晶素
    子。
  8. 【請求項8】 液晶素子用感圧接着剤組成物が、共重合
    体(a)100重量部に対して15重量部以下の架橋剤
    を含有することを特徴とする請求項第5項乃至第7項の
    いずれかの項記載の液晶素子。
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