JPH07330473A - 描画焼成体の製造方法 - Google Patents

描画焼成体の製造方法

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JPH07330473A JP15144294A JP15144294A JPH07330473A JP H07330473 A JPH07330473 A JP H07330473A JP 15144294 A JP15144294 A JP 15144294A JP 15144294 A JP15144294 A JP 15144294A JP H07330473 A JPH07330473 A JP H07330473A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属イオン水溶液よりなる液体顔料を用いて描
画素材の表面に鮮明で精密な画像を形成できる描画焼成
体の製造方法を提供する。 【構成】セラミックスよりなる描画素材の表面に帯電防
止剤を塗布し、浸透させると、セラミックスの表層部が
電気的に中性化される。帯電防止剤が塗布された描画素
材の表面にインクジェットノズルにより金属イオン水溶
液よりなる液体顔料を噴射し、この液体顔料を描画素材
に浸透させる。この時、陽イオンからなる金属イオン水
溶液の金属塩は中性化しているセラミックス内で拡散せ
ずに浸透し、画像がぼやけない。その後、描画素材を液
体顔料が発色する温度で焼成することにより、鮮明な描
画が浮かび上がる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陶磁器のような描画素材
の表面に耐久性に優れた画像を描画できる描画焼成体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、陶磁器などのセラミックス表面に
精密に彩色描画する方法が、特公平5−77474号公
報に開示されている。この方法は、液体顔料としてキレ
ート化合物を用い、この液体顔料をセラミックスの表面
へインクジェットプリンターにより噴射することにより
描画し、液体顔料を均一な濃度でセラミックス表面から
所定深さまで浸透させる。その後、液体顔料が発色する
温度で焼成し、さらにその後でセラミックスの表面を研
磨して仕上げるものである。インクジェットプリンター
は液体顔料を独立した小滴としてセラミックスの表面に
1個ずつ配列して付着させ、かつ小滴の大きさは均一化
されるので、セラミックス表面に付着した液体顔料のバ
ラツキが少なく、高精度の描画が可能になるとともに、
キレート化合物は電気的に中性であるため、負に帯電し
ているセラミックスに浸透した際に顔料が広がらず、細
密な画像を描くことができる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キレー
ト化合物の場合、単位体積中に含まれる金属顔料の絶対
量が少ないため、インクジェットによる小滴の画像では
濃度が薄くなるとともに、セラミックスに浸透したキレ
ート化合物の発色も不十分であり、鮮明な画像が得られ
ない欠点がある。一方、キレート化合物に代えて可溶性
金属塩の水溶液(以下、金属イオン水溶液と呼ぶ)を用
いる場合、単位体積中に含まれる金属顔料の絶対量がキ
レート化合物に比べて多く、画像の濃度を濃くすること
ができる。しかしながら、溶解している金属塩が陽イオ
ンであるため、負に帯電しているセラミックスに小滴と
して付着させると、セラミックス内部で拡散し、画像が
ぼやけるという欠点があった。そこで、本発明の目的
は、金属イオン水溶液よりなる液体顔料を用いて描画素
材の表面に鮮明で精密な画像を形成できる描画焼成体の
製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の製造方法
は、セラミックスよりなる描画素材の表面部を電気的に
中性化する工程と、金属イオン水溶液よりなる液体顔料
を上記中性化された描画素材の表面にインクジェットノ
ズルにより噴射し、上記液体顔料を描画素材に浸透させ
る工程と、描画素材を上記液体顔料が発色する温度で焼
成する工程と、を含むものである。第2の製造方法は、
第1の製造方法における焼成後、未焼成の釉薬層を形成
し、この釉薬層が透明となる温度で二次焼成するもので
ある。第3の製造方法は、第1の製造方法における液体
顔料の噴射工程と焼成工程との間に、電気的に中性化さ
れた釉薬層を形成する工程を追加したものである。第4
の製造方法は、描画素材の表面に電気的に中性化された
未焼成の釉薬層を形成する工程と、金属イオン水溶液よ
りなる液体顔料を上記釉薬層上にインクジェットノズル
により噴射し、上記液体顔料を釉薬層に浸透させる工程
と、描画素材を上記液体顔料が発色し、かつ釉薬層が描
画素材の表面に融着する温度で焼成する工程と、を含む
ものである。第5の製造方法は、第4の方法における描
画素材の表面に予め焼成済の第1の釉面を形成したもの
である。
【0005】
【作用】第1の方法の場合、まずセラミックスよりなる
描画素材の表面部を電気的に中性化する。中性化する方
法としては、例えば帯電防止剤(陽イオン界面活性剤)
を描画素材の表面部にスプレー等で塗布し、所定深さま
で浸透させる方法や、合成のり,アクリル系樹脂などを
塗布する方法を用いればよい。これにより、負に帯電し
ているセラミックスの表層部が電気的に中性化される。
つぎに、金属イオン水溶液よりなる液体顔料を描画素材
の表面にインクジェットノズルにより噴射し、浸透させ
る。描画素材の表層部が電気的に中性化されているの
で、金属イオン水溶液は拡散することなく浸透する。次
に、描画素材を液体顔料が発色する温度で焼成すると、
金属顔料が酸化または還元発色し、描画像が鮮やかに浮
かび上がる。焼成後の描画像は褪色や摩耗の心配がない
ので、半永久的な描画像を得ることができる。
【0006】インクジェットノズルは、毛細管現象等に
より吸い上げた液体顔料を電気振動等を利用して点滴状
に噴射するものであり、ペイントジェットプリンタ(商
品名,ヒューレットパッカード製)やバブルジェットプ
リンタ(商標名,キャノン製)などの公知のプリンタも
含む。インクジェットノズルは描点の直径を例えば60
〜240ミクロン程度にできるので、他の方式のノズル
(例えばエアースプレーノズル等)に比べて細密な画像
を描くことができる。その反面、噴射圧力が小さいの
で、無機金属顔料のように顔料中に金属粒子が含まれて
いると、金属粒子が沈澱してノズルが目詰まりを起こし
やすい。これに対し、金属イオン水溶液よりなる液体顔
料の場合には、金属粒子が沈澱する恐れがないので、公
知のインクジェットプリンタで容易に描画できる。ま
た、インクジェットノズルの場合、噴射される点滴が小
さいため、金属顔料の発色に適した濃度は少なくとも2
モル/リットル程度必要であるが、金属イオン水溶液の
場合、上記の濃度を容易に得ることができるため、鮮明
な描画を描くことができる。
【0007】第2の方法では、第1の方法における描画
焼成体を得た後、その上に未焼成の釉薬層を形成し、二
次焼成している(下絵方式)。釉薬自体はセラミックス
と同様に負に帯電しているが、釉薬層を形成する段階で
は液体顔料は一次焼成により描画素材に定着しているの
で、この釉薬を中性化する必要はない。このように製造
された描画焼成体では、金属顔料の表面が釉で覆われる
ので、艶出しおよび耐久性の点で優れている。ただし、
この方法で使用される釉薬は、焼成により透明となる透
明ユウに限られる。
【0008】金属イオン水溶液よりなる液体顔料をセラ
ミックスへ直接描画した場合、セラミックス自身に釉
(ガラス)成分が少ないと、顔料の十分な定着性,発色
性が得にくい場合がある。そこで、第3の方法ではセラ
ミックスの上に金属イオン水溶液よりなる液体顔料をイ
ンクジェットノズルで噴射した後、その上に未焼成の釉
薬層を形成し、液体顔料と釉薬とを同時に焼成している
(下絵方式)。この場合、未焼成の釉薬はセラミックス
と同様に陽イオンに帯電しているが、これに帯電防止剤
(陽イオン界面活性剤)などを混和することにより、簡
単に電気的に中性化でき、釉薬層への液体顔料の拡散を
防止できる。この方法では、金属顔料が釉薬層と反応し
て発色性および定着性が良くなるとともに、金属顔料の
表面が釉薬層で覆われるので、艶出しおよび耐久性の点
で優れている。この方法で使用される釉薬も、第2の方
法と同様に透明ユウに限られる。
【0009】また、第2,第3の方法のような下絵方式
に代えて、第4の方法のような上絵方式を用いることも
できる。即ち、描画素材の表面に顔料の融着に適した釉
薬層を形成し、その上にインクジェットノズルで液体顔
料を噴射することにより、液体顔料を釉薬層に浸透さ
せ、その後で釉薬層と顔料を同時に焼成する。この場合
も、上記と同様に釉薬層を予め電気的に中性化しておく
必要がある。金属顔料は釉薬と反応して発色するので、
発色性および定着性が良い。また、釉薬が透明ユウに限
らないので、下絵方式に比べて焼成温度を低くでき、多
彩な色調の顔料を使用できる。この場合の描画素材とし
ては、セラミックスに限らず、浸透性のない材料(鉄,
ステンレス,ガラス等)を用いることが可能である。
【0010】第5の方法も上絵方式であるが、第4の方
法における描画素材の表面に予め焼成済の第1の釉面
(ガラス質層)を形成してある。そのため、第2の釉薬
との融着性がよく、かつ焼成時に素材表面から気泡など
が発生する恐れがなく、描画の鮮明度が増すという利点
がある。この場合の描画素材としては、セラミックスの
他、ガラスや金属材料(鉄,ステンレス等)を用いるこ
とが可能である。ガラスの場合、その表面が既に第1の
釉面を構成しているので、第1の釉面を別途形成する必
要はない。
【0011】描画素材の形状は、平板のほか、例えば単
純曲面体(例えば円筒形壺,円筒形花瓶,コーヒーカッ
プ等)であってもよい。また、本発明において描画と
は、模様や絵画に限らず、文字、図形などあらゆる画像
を含むものである。未焼成の釉薬層を形成する方法とし
ては、例えば釉薬をスプレー等で吹きつけて塗布する方
法や、謄紙と呼ばれる釉薬層が予め設けられたシートを
描画素材上に貼り付ける方法を用いることができる。謄
紙を用いると、描画素材上に一定厚みの釉薬層を形成で
きる利点がある。
【0012】インクジェットプリンタは、コンピュータ
処理により自在な濃淡で多彩な描画を描くことが可能で
ある。例えば、カラー原画像の拡大画像を描画する場
合、予めカラー写真や絵画などの原画像をイメージスキ
ャナで読み込み、コンピュータ処理によって原画像の各
画素の位置と色とを記憶しておく。次に、夫々が異なる
色を発色する液体顔料を噴射する複数本のノズルを備え
たノズルヘッドを描画素材の作画面に対向して配置す
る。そして、コンピュータ制御によりノズルヘッドを一
定ピッチずつ間欠移動させながら、これと同期して原画
像の画素と対応する作画面の部位に、その画素の色に対
応する色を発色する液体顔料を小滴状に噴射すれば、精
密な拡大画像を簡単に描くことができる。なお、画素を
細分化すれば、一層精密な描画像を描けることは言うま
でもない。
【0013】
【実施例】図1は本発明にかかる描画焼成体の製造方法
の第1実施例を示す。この実施例は下絵方式の例であ
る。(I)において、描画素材1は素焼きのセラミック
ス板よりなり、その表面に帯電防止剤2を塗布して一定
深さ(例えば1〜2mm)まで浸透させた。なお、この
実施例ではセラミックス板として市販の素焼きのセラミ
ックス板(例えば柴田陶器製)を用いた。また、帯電防
止剤2として、市販の陽イオン界面活性剤を用いた。
【0014】次に、(II) のように帯電防止剤2を浸透
させたセラミックス板1の表面にインクジェットノズル
3aを有する公知のインクジェットプリンタ3を配置
し、各ノズル3aから金属イオン水溶液よりなる液体顔
料4を点滴状に噴射し、描画した。なお、この実施例の
インクジェットプリンタ3は紙面と垂直方向に複数個
(例えば4個〜8個)のインクジェットノズル3aを配
列してあり、各ノズルが個別の色を噴射するようになっ
ている。そして、インクジェットプリンタ3を矢印方向
に一定ピッチずつ間欠移動させながら、停止の度に所望
のノズル3aから液体顔料4を噴射することにより描画
している。セラミックス板1上での描点の直径は例えば
約240μmであった。なお、金属イオン水溶液として
は、例えば塩化コバルトと塩化アルミニウムを1対1の
モル比で混合したもの(青色)、塩化スズと塩化カルシ
ウムと塩化クロムを1.2対1対0.1のモル比で混合
したもの(赤紫色)、塩化亜鉛と塩化アルミニウムと塩
化クロムを1対5対2のモル比で混合したもの(黄色)
などを用い、これらを少なくとも2モル/リットルの濃
度に調整した。
【0015】次に、(III) のように所定時間放置するこ
とにより、液体顔料4をセラミックス板1の表層部に浸
透させた。この浸透深さは約1mm程度であり、帯電防
止剤2の浸透深さと同等またはこれより浅い。帯電防止
剤2によりセラミックス板1が電気的に中性化されてい
るので、液体顔料4の小滴は拡散しない。次に、(IV)
のようにセラミックス板1を所定条件で一次焼成した。
この焼成温度は、液体顔料4の発色と定着に適した温度
であり、例えば800℃程度とし、最高温度の保留時間
を30分〜1時間程度とした。一次焼成により、帯電防
止剤2は蒸発して消失し、液体顔料4も酸化反応により
発色し、鮮やかな描画が浮かび上がった。
【0016】その後、(V)のようにセラミックス1板
1の表面に釉薬5をスプレーで塗布し、二次焼成した。
この釉薬5はケイ砂18%,ホウ砂26%,ホタル石1
0%,長石38%,ソーダ灰5%,カリ硝石3%の微粉
末を水と混合し、スプレーによる吹きつけに適した粘度
に調整した透明ユウであり、帯電防止剤を含む必要はな
い。二次焼成は釉薬5の融着に適した温度であり、例え
ば950〜1150℃とした。二次焼成後のセラミック
ス板1は、描画の表面が釉5で覆われるので、艶出しお
よび耐久性の点で優れた描画焼成体となった。なお、上
記実施例では、一次焼成後のセラミックス板1の表面に
釉薬5を塗布し、二次焼成したが、一次焼成後のセラミ
ックス板1の表面を研磨することにより、釉薬5の塗布
および二次焼成の工程を省略してもよい。研磨によって
セラミックス板1の表面に残留した金属顔料が除去され
るので、平滑で鮮明な描画焼成板を得ることができる。
【0017】図2は本発明にかかる描画焼成体の製造方
法の第2実施例を示す。この実施例も下絵方式の例であ
る。まず、(I)のように素焼きのセラミックス板1の
表面に帯電防止剤2を塗布して一定深さまで浸透させ
た。ここで使用したセラミックス板1および帯電防止剤
2は図1と同様である。次に、(II)のようにセラミッ
クス板1の表面にインクジェットプリンタ3により金属
イオン水溶液よりなる液体顔料4を点滴状に噴射し、描
画した。インクジェットプリンタ3および液体顔料4も
図1と同様である。次に、(III) のように所定時間放置
することにより、液体顔料4をセラミックス板1の表層
部に浸透させた。この浸透深さは約1mm程度であり、
帯電防止剤2の浸透深さと同等またはこれより浅い。帯
電防止剤2によりセラミックス板1が電気的に中性化さ
れているので、液体顔料4の小滴は拡散しない。次に、
(IV) のようにセラミックス板1の表面に釉薬6を塗布
した。この釉薬6の成分は図1の釉薬5と同様である
が、帯電防止剤が混和されている点で相違する。そのた
め、セラミックス板1の表層部に残った液体顔料4が釉
薬6中に拡散するのが防止される。その後、(V)のよ
うにセラミックス板1を所定温度で焼成することによ
り、描画焼成体を得た。焼成温度は、液体顔料4の発色
と定着に適し、かつ釉薬6の融着に適した温度であり、
図1と同様である。焼成により、セラミックス板1に浸
透していた帯電防止剤2は蒸発するとともに、釉薬6は
透明に変化し、液体顔料4も酸化反応により発色する。
そのため、釉面の下に鮮やかな描画が浮かび上がる。
【0018】図3は本発明にかかる描画焼成体の製造方
法の第3実施例を示す。この実施例は上絵方式の例であ
る。(I)のように描画素材である素焼きのセラミック
ス板1の表面全面に、帯電防止剤を混和した色素融着用
の釉薬7を一定厚みに塗布し、釉薬7が流動しない程度
まで乾燥させた。ここで用いられる釉薬7は、ケイ砂2
1%,ホウ酸43%,ソーダ灰10%,炭酸カリ12
%,亜鉛華14%を水と混合し、スプレーによる吹きつ
けに適した粘度に調整したものである。釉薬7の厚み
は、後で液体顔料が浸透する深さと同等またはこれより
厚目とした。なお、この実施例では描画素材としてセラ
ミックス板1を用いたが、これに限らず、鉄やステンレ
ス等の耐熱性を有する金属板やガラス板を用いてもよ
い。次に、(II)のようにセラミックス板1の表面に塗
布された釉薬7面にインクジェットプリンタ3により金
属イオン水溶液の液体顔料4を点滴状に噴射し、描画し
た。インクジェットプリンタ3および液体顔料4は図1
と同様である。次に、(III) のように所定時間放置する
ことにより、液体顔料4を釉薬7に浸透させた。帯電防
止剤により釉薬7が電気的に中性化されているので、液
体顔料4の小滴は釉薬7中で拡散しない。その後、セラ
ミックス板1を所定温度で焼成する。この焼成温度は、
液体顔料4の発色と定着に適し、かつ釉薬7の融着に適
した温度であり、例えば900〜1100℃が望まし
い。焼成により、釉薬7に含まれている帯電防止剤は蒸
発するとともに、釉薬7が溶融し、液体顔料4も酸化反
応により発色する。そのため、鮮やかな描画が浮かび上
がる。
【0019】図4は本発明にかかる描画焼成体の製造方
法の第4実施例を示す。この実施例も上絵方式の例であ
る。(I)において、描画素材であるセラミックス板1
の表層部には予め施釉焼成されたガラス質層(釉面)8
が形成されている。このガラス質層8は、素焼きのセラ
ミック板1の表面に釉薬を塗布し、この釉薬が溶融する
温度で焼成したものである。ガラス質層8を持つセラミ
ックス板1としては、例えば三井タイル製,柴田陶器製
またはイナックス製の市販のタイルを用いることができ
る。次に、(II)のようにガラス質層8の表面の描画予
定箇所に、帯電防止剤を混和した色素融着用の釉薬9を
一定厚みに塗布し、釉薬9が流動しない程度まで乾燥さ
せた。この釉薬9には図3の実施例の釉薬7と同様の材
料が用いられ、その溶融温度は上記ガラス質層8の溶融
温度と同等またはこれより低い。次に、(III)のように
インクジェットプリンタ3から金属イオン水溶液よりな
る液体顔料4を点滴状に噴射し、描画した。インクジェ
ットプリンタ3および液体顔料4は図1と同様である。
次に、(IV)のように所定時間放置することにより、液
体顔料4を釉薬9に浸透させた。帯電防止剤により釉薬
9が電気的に中性化されているので、液体顔料4の小滴
は釉薬9中で拡散しない。その後、(V)のようにセラ
ミックス板1を釉薬9が溶融し(ガラス質層8が部分的
に溶融)、かつ液体顔料4が発色するのに適した温度で
焼成した。焼成温度は、800℃程度が望ましい。焼成
により、釉薬9が溶融して同質のガラス質層8と融着し
て一体化された。また、液体顔料4は酸化発色し、鮮や
かな画像が浮かび上がった。なお、釉薬9中に含まれる
帯電防止剤は焼成により蒸発した。また、セラミックス
板1の表面が予めガラス質層8で覆われているので、焼
成時にセラミック板1から気泡が発生せず、気泡が釉薬
8中に混入して画像を劣化させることがなかった。な
お、描画素材としては、セラミックス板に代えて金属板
やガラス板を用いることが可能である。
【0020】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、第1,第
2の方法によれば、描画素材であるセラミックス板の表
面部を電気的に中性化した後、金属イオン水溶液よりな
る液体顔料をインクジェットノズルにより噴射するよう
にしたので、セラミックス板の表面で液体顔料が拡散せ
ず、細密な描画を描くことができる。しかも、金属イオ
ン水溶液はキレート化合物に比べて単位体積中に含まれ
る金属顔料の絶対量が多いので、画像の濃度を濃くする
ことができ、鮮明な画像を描くことができる。また、第
3〜第5の方法によれば、電気的に中性化された未焼成
の釉薬層に金属イオン水溶液よりなる液体顔料をインク
ジェットノズルにより噴射するため、液体顔料が釉薬中
に浸透し、かつ拡散しない。そのため、細密な描画が描
かれるとともに、顔料が釉薬によって発色性および定着
性が向上するので、鮮やかで耐久性に優れた描画焼成体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の第1実施例を示す工程図で
ある。
【図2】本発明の第2実施例を示す工程図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す工程図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 セラミックス板 2 帯電防止剤 3 インクジェットプリンタ 3a インクジェットノズル 4 液体顔料 5〜7,9 釉薬 8 ガラス質層(釉面)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックスよりなる描画素材の表面部を
    電気的に中性化する工程と、 金属イオン水溶液よりなる液体顔料を上記中性化された
    描画素材の表面にインクジェットノズルにより噴射し、
    上記液体顔料を描画素材に浸透させる工程と、 描画素材を上記液体顔料が発色する温度で焼成する工程
    と、を含むことを特徴とする描画焼成体の製造方法。
  2. 【請求項2】セラミックスよりなる描画素材の表面部を
    電気的に中性化する工程と、 金属イオン水溶液よりなる液体顔料を上記中性化された
    描画素材の表面にインクジェットノズルにより噴射し、
    上記液体顔料を描画素材に浸透させる工程と、 描画素材を上記液体顔料が発色する温度で一次焼成する
    工程と、 一次焼成後の描画素材の表面に未焼成の釉薬層を形成す
    る工程と、 描画素材を上記釉薬層が透明となる温度で二次焼成する
    工程と、を含むことを特徴とする描画焼成体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】セラミックスよりなる描画素材の表面部を
    電気的に中性化する工程と、 金属イオン水溶液よりなる液体顔料を上記中性化された
    描画素材の表面にインクジェットノズルにより噴射し、
    上記液体顔料を描画素材に浸透させる工程と、 液体顔料が浸透した描画素材の表面に電気的に中性化さ
    れた未焼成の釉薬層を形成する工程と、 描画素材を上記液体顔料が発色しかつ釉薬層が透明とな
    る温度で焼成する工程と、を含むことを特徴とする描画
    焼成体の製造方法。
  4. 【請求項4】描画素材の表面に電気的に中性化された未
    焼成の釉薬層を形成する工程と、 金属イオン水溶液よりなる液体顔料を上記釉薬層上にイ
    ンクジェットノズルにより噴射し、上記液体顔料を釉薬
    層に浸透させる工程と、 描画素材を上記液体顔料が発色し、かつ釉薬層が描画素
    材の表面に融着する温度で焼成する工程と、を含むこと
    を特徴とする描画焼成体の製造方法。
  5. 【請求項5】表面に焼成済の第1の釉面を形成した描画
    素材の上記第1の釉面上に、電気的に中性化された未焼
    成の第2の釉薬層を形成する工程と、 金属イオン水溶液よりなる液体顔料を上記第2の釉薬層
    上にインクジェットノズルにより噴射し、上記液体顔料
    を第2の釉薬層に浸透させる工程と、 上記描画素材を上記液体顔料が発色しかつ第2の釉薬層
    が第1の釉面に融着する温度で焼成する工程と、を含む
    ことを特徴とする描画焼成体の製造方法。
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