JP2005170705A - 無機質基材へのインクジェットプリント方法 - Google Patents

無機質基材へのインクジェットプリント方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット方式を用いた画像形成方法であって、多量のインクが記録された場合においても形成された画像に滲みの発生がなく、また焼成後においてクラックの発生もみられない無機質基材へのインクジェットプリント方法を提供する。
【解決手段】吸水性を有する無機質基材にガラスフリットおよび接着剤からなるインク受容層を設けた後、無機顔料および分散用媒体からなるインクを用いてインクジェットプリントし、さらに記録画像面にガラスフリットを付与し、焼成することにより、多量のインクが記録された場合においても形成された画像に滲みの発生がなく、また焼成後においてクラックの発生もみられないというという顕著な効果が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット方式を用いた画像形成方法に関し、特に陶器質タイルの生地等の吸水性を有する無機質基材にインクジェットプリントする方法に関する。
近年、陶磁器、ガラス、琺瑯、金属などの無機質基材へ着色する方法としてインクジェットプリント方式を用いる方法が注目されている。
インクジェット方式を用いる利点としては、多彩な表現が可能であることや手書き等に比べて再現性があり、量産向けであることやまた逆に、スクリーン法等に比べて容易にパーソナルオーダーへの対応もできるということが挙げられる。
しかしながら、インクジェット方式を用いる場合には、他の方法に比べて着色成分の濃度範囲が狭く限定されてしまうという大きな欠点がある。つまり、インクジェットヘッドの構造的な性質によりインクは流動性が高いことが望ましいが、そうした場合、インク中に含有させることできる着色成分の量が制限されてしまう。
よってインクジェット方式を用いて高濃度の着色物を得ようとした場合、吐出するインクの量を多くすることとなるが、その量が多くなりすぎると無機質基材上で滲み現象が発生してしまうことになる。
一方、従来のシルクスクリーン法や手書き法による無機質基材への絵付けでは、多量の上絵の具を高粘度の溶剤と配合し、乳鉢などで練り合わせ高粘度分散液を調製後、絵付けを行っている。よって無機質基材上に付与された分散液は高粘度であり、流動性が低いためインクジェット方式を用いた場合のこうした滲みといった問題は発生しない。
インクジェット方式を用いた無機質基材へ着色方法として、特許文献1には、無機質基材上に色素融着用の釉薬を塗布した後、インクジェット方式にて画像を描画し、焼成する描画焼成体の製造方法あるいは、無機質基材上にインクジェット方式にて画像を描画した後、色素融着用の釉薬を塗布し、焼成する描画焼成体の製造方法が開示されている。
しかし、特許文献1で使用されている無機質基材は、予め施釉焼成されたものであるため基材自体の吸水性は低く、記録されたインクは基材の表面で受容されることとなるが、一般的に言って釉薬の主成分はガラスフリットであり、ガラスフリット自体には吸水性がないためガラスフリット層に出来た僅かな隙間のみでインクを受容しなければならず、多量のインクの受容には不充分であり、滲み現象の解決には至っていない。
仮に特許文献1において、釉薬を厚塗りし、空隙を増やすことでインク受容能を高めることは可能であるが、こうした場合、ガラス膜の厚みが厚くなることになり、焼成後クラックが発生しやすくなるという別の問題が生じるおそれがある。
また、特許文献2には、無機質基材上にインク定着層を設けた後、インクジェット方式にて画像を描画し、フラッキスなどの釉薬を塗布し、焼成する陶磁器などの絵付け方法が開示されている。
この場合、無機質基材上にインク定着層を設けることによりインクを受容でき、滲み現象の問題に一定の効果がみられるが、特許文献1と同様に特許文献2で使用されている無機質基材は予め施釉焼成されたものであり、基材自体の吸水性が低く、多量のインクが記録される場合においてもインク受容能が充分とは言い難い。
さらに特許文献2では、インク定着層は焼成時に焼失するとされており、そのような焼失する性質の粉体として小麦粉やベーキングパウダー等が例示されているが、これらによりインク定着層が形成された場合、その量が多いために焼成時に不完全燃焼となり、完全に焼失しないおそれがある。
特開平07−125500号公報 特開平08−253358号公報
本発明は、インクジェット方式を用いた画像形成方法であって、多量のインクが記録された場合においても形成された画像に滲みの発生がなく、また焼成後においてクラックの発生もみられない無機質基材へのインクジェットプリント方法を提供するものである。
かくして、本発明者はこのような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、吸水性を有する無機質基材にガラスフリットおよび接着剤からなるインク受容層を設けた後、無機顔料および分散用媒体からなるインクを用いてインクジェットプリントし、さらに記録画像面にガラスフリットを付与し、焼成することにより、多量のインクが記録された場合においても形成された画像に滲みの発生がなく、また焼成後においてクラックの発生もみられないというという顕著な効果が得られることを見出した。
従って、本発明は、無機顔料および分散用媒体からなるインクを用いて吸水性を有する無機質基材をインクジェットプリントするに際し、該無機質基材にガラスフリットおよび接着剤からなるインク受容層を設けた後、インクジェットプリントし、さらに記録画像面にガラスフリットを付与し、焼成することを特徴とする無機質基材へのインクジェットプリント方法である。
本発明で用いる吸水性を有する無機質基材としては、陶器質タイルの生地がより好ましく用いられる。
本発明のインクジェットプリント方法は、多量のインクが記録された場合においても形成された画像に滲みの発生がなく、また焼成後においてクラックの発生もみられない製品を提供することが出来るインクジェットプリント方法である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明方法を適用する基材は吸水性を有する無機質基材であり、釉をかける本焼きの前にその下準備として釉をかけずに焼かれたものや、また釉をかけず低温で焼いた陶磁器そのものをさし、白焼き陶磁器、素焼き陶磁器とも呼ばれるものである。
その理由としては、他の無機質基材に比べて吸水性に優れており、インクを多量に記録することができ、高濃度の画像が形成可能で多彩な表現が出来るためである。また、他の効果としては、無機質基材に吸水性があると無機質基材上に形成するインク受容層を必要最小限にすることが可能になり、その結果、焼成後にクラックがはいることを防止することが出来る。
具体的には、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの化学物質あるいは粘土、絹雲母、陶石、硼石、長石、珪石、石灰石、ドロマイト、カオリンなどの天然物を単独もしくは混合した形で水を添加しボールミルなどを使用し破砕後、乾式もしくは湿式において成型後、焼成したものであり、好ましくは陶器質タイルの生地として用いられる材料である。
また無機質基材の吸水能については、20〜180g/mが好ましく、さらには50〜180g/mが好ましい。その理由としては、20g/mより少ないとインクを吸収するには不充分であり、また、それをカバーするために無機質基材上にインク受容層を厚く形成した場合、焼成後クラックが発生するおそれがある。逆に、180g/mより多いと無機質基材へのインクの浸透が強くなりすぎて無機顔料を無機質基材表面にとどめることが出来ず、必要な濃度を得るためのインク量が増加することになってしまう。
本発明における吸水能の測定方法については、インクジェットプリンタを用いて無機質基材に10g/mずつ水溶性染料インク(インク濃度:0.1%)の付与量を変化させたマトリックス柄を記録した後、記録部分を観察し柄際に滲みが発生しない最大付与量を測定した。ここで最大付与量以下の場合には、付与された水溶性染料インクは無機質基材中に素早く吸収されるが、最大付与量より多い場合には、吸収しきれなくなった水溶性染料インクは無機質基材上で徐々に周りに広がって滲みが発生することになる。
本発明ではまず、吸水性を有する無機質基材上にガラスフリットおよび接着剤からなるインク受容層を設ける。そのことによってインク受容能を高めることができ、また、焼成後は裏面からの水などの浸入を防ぎ、記録画像の曇りの発生を防止することが出来る。
本発明において使用されるガラスフリットは主に二酸化ケイ素を主成分とし、使用目的に応じて補助剤を添加して使用される。補助剤としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化鉛、酸化ビスマス、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、一酸化ケイ素、ホウ酸、酸化ジルコニウム、酸化チタンおよび天然物の長石、珪石、ホウ砂、カオリンなどが成分として例示され、これら材料を複合した形で用いられる。
ガラスフリットは接着性やクラックを生じさせないといった点から適切な熱膨張率および軟化点を持った物質を選定し、焼成はフリット軟化点付近の温度で実施する。
また、ガラスフリットに焼成後白色化する顔料を添加するとその上に記録されるインクの色再現性向上や鮮明化が期待できるため好ましい。
接着剤としては、水溶性や水分散性を示し、乾燥により固化するものや常温で固形のものであればいずれも使用可能である。具体的な例としては、澱粉,天然ガム,植物性蛋白,海藻,カゼイン,ゼラチン、アルギン酸ナトリウム等の天然高分子,エーテル型セルロース,エステル型セルロース,エーテル型澱粉,エステル型澱粉,加工天然ガム等の半合成高分子,ポリビニルアルコール,ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル,ポリビニルブチラート樹脂,ポリビニルアクリレート樹脂,ポリビニルメチル樹脂,架橋型ポリアクリル酸,ポリアクリル酸ソーダ,ポリアクリル酸エステル,ポリアクリルアミド,メタクリル酸ソーダ,ポリブタジエン,ポリウレタン,ポリエステル,ポリ乳酸等の合成高分子が挙げられ、これら上記の材料は単独又は配合して使用することが可能である。
インクの受容能をより高めるためにこれらのなかでも吸水性の高いものを用いることがより好ましい。さらには、これらのなかでも接着剤成分中に金属原子を含まないものが好ましい。これは焼成時に金属原子が酸化されてインク受容層の透明性を損なうおそれがあるためである。
またガラスフリットおよび接着剤以外にも、必要に応じて分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、還元防止剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、湿潤剤、浸透剤等の添加剤や流動性をあげるために水等の溶媒を加えることが出来る。
インク受容層の形成方法としては、いかなる方法も採用でき、具体的には、コーティング方式、スプレー方式、インクジェット方式等が挙げられる。
ガラスフリットと接着剤を水系分散体として用いる場合の濃度としては、50〜80%とし、粘度を100〜20,000cpsに調整しておくと、コーティング方式やスプレー方式を用いてインク受容層を形成する場合の塗布性が向上するので好ましい。
また、ガラスフリットの粒径は任意の大きさが使用できるが、吸水性や塗布性の問題から好ましくは1〜30ミクロンの粒径のものが使用される。
更にインク受容層の厚みとしては、インク組成物および無機質素材の種類により異なるが、インクの受容能を考慮して乾燥後の厚みで50ミクロンから500ミクロンが好ましく、更に好ましくは、200ミクロンから400ミクロンの範囲である。ここで付与されるガラスフリットが50ミクロンより薄い場合、インク受容能を高めることが不充分になり、また500ミクロンより厚い場合、焼成後などにクラックを生じる可能性がある。
本発明においてはこのようにして吸水性を有する無機質基材上にガラスフリットおよび接着剤からなるインク受容層を設け、該基材を乾燥させた後、無機顔料およびそれらを分散させる媒体からなるインクを用いてインクジェットプリントをする。
無機顔料成分としては、酸化チタン、硫化亜鉛、黒色系酸化鉄、黒色系銅酸化物、黒色系クロム酸化物、黄色酸化鉄、黄色系ニッケルチタン、硫化カドミウム、セレン、セレン化カドミウム、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、赤色酸化鉄、酸化コバルト、含水酸化クロム、酸化クロム、金、アンチモン鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化ネオジム、酸化エルビウム、酸化セリウム、酸化アルミなどの金属や金属酸化物が例示されるが、これら以外の金属や金属酸化物も当然使用可能である。
これらは単品又は混合して使用する事が可能であるが、これら材料を混色して焼成した場合、組み合わせによっては化学変化を起こし減法混色から推測される色とは全く違う色に変色してしまう場合があるので、適当な組み合わせを選定して使用する。
また無機顔料を分散させる媒体については、水、有機溶剤、ワックス、およびそれらの混合物などが挙げられるが、特には限定されない。さらにこれら媒体への無機顔料の分散をよくするために界面活性剤等の分散剤を単独又は混合した形で添加することも可能である。また必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、還元防止剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、湿潤剤、浸透剤等の添加剤を加えることも当然可能である。
界面活性剤として具体的には、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、アルキルコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、アルキル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、アルキルリン酸ナトリウム、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどが挙げられ、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アミドベタインなどが挙げられる。ここでアニオン性界面活性剤はナトリウム塩だけでなく任意の金属塩やアンモニウム塩などが使用可能である。
また、熱溶融型インクのような固形インクに対する分散剤としては、上記界面活性剤の他にワックス類を使用することも可能である。またこれら以外のものでも分散効果を示すもので有れば任意に使用することが可能である。
さらに本発明で使用される無機顔料インクには、ガラスフリットも添加することが出来るが、その添加量については極力少ないことが好ましい。添加量が多すぎると、色材成分の高濃度化の妨げとなり、高濃度の記録物を得られにくくなるためである。よって、原則はガラスフリットを含まないインク組成が望ましいが、金などの必要最低限のガラスフリット成分を添加しなけば無機顔料として安定に製造されない場合にはその限りではない。
本発明で使用される無機顔料インクは、このような材料を混合し、更にその混合物をロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミル、ビーズミル等の分散機を使って分散させ、その後濾過を行うことで得ることが出来る。
なお本発明において使用するインクは、無機顔料およびそれらを分散させる媒体を含んでいれば、液体インク、熱溶融性型インクのような固体インク、光硬化型インクを問わず採用可能である。
また本発明のインクジェットプリント方法に用いるインクジェット記録装置については特に限定されない。
本発明においては、このようにして無機顔料インクを用いてインクジェットプリントをした後、その記録画像面にさらにガラスフリットを付与する。こうすることによりインクの主成分である無機顔料を上下からガラスフリットで挟み込む構造になり、焼成後は無機顔料が完全にガラスに覆われた状態となるので、無機顔料が剥がれ落ちたりせず耐久性に優れた着色物を得ることが出来る。また記録画像の表面がガラス皮膜で覆われることで艶だしの効果も期待できる。
ここで使用されるガラスフリットの色としては、好ましくは無機顔料着色部分に影響を与えない無色透明なものがよい。また付与するガラスフリットの厚みとしては、無機顔料に光沢を与えると同時に表面を保護すると言う理由から10〜500ミクロンの範囲であることが好ましい。ここで付与されるガラスフリットが10ミクロンより薄い場合、保護層として十分な機能を発揮させることが難しく、また500ミクロンより厚い場合、焼成後などにクラックを生じる可能性がある。
その他、ガラスフリットの成分、付与方法等の条件については、前述した無機質基材上にインク受容層を設けたときと同様にして行えばよい。
このようにして記録画像面にガラスフリットを付与し、乾燥させた後に、焼成をおこなって目的とする着色物を得る。なお焼成温度等の条件については、使用するガラスフリットの種類などに応じて任意に設定すればよく特に限定はされない。
次に、本発明について実施例をあげて説明するが、本発明は、必ずしもその実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
下記の原料を秤量した後、適当な水分調整を行いボールミルで破砕、乾燥造粒を実施した後、プレス成型を行い更に900℃にて1時間乾燥を行い、吸水性(吸水能 150g/m)を有する素焼き状の無機質基材を得た。
SiO 72重量%
Al 22.5重量%
NaO/KO 4重量%
Fe 0.5重量%
CaO 0.5重量%
MgO 0.5重量%
計 100重量%
次に下記処方で配合し、ボールミルで2ミクロンまで破砕したガラスフリット分散液を作製した。
11−3879(乳白ガラスフリット:日本フェロー(株)製)30重量%
キャリボン B(分散剤、ポリカルボン酸型活性剤:三洋化成(株)製)
1重量%
ポリエチレングリコール400(湿潤剤、日本油脂(株)製) 10重量%
純水 残
計 100重量%
得られた分散液に下記処方で接着剤成分を加え、スプレー装置を用い無機質基材上に塗布、乾燥して、乾燥後の層厚として300ミクロンのインク受容層を設けた。
分散液 99重量%
KLUCEL−M(接着剤、ヒドロキシプロピルセルロース:三晶(株))
1重量%
計 100重量%
次に下記処方でボールミル分散機を用いて分散を実施した後、濾過によって不純物除去し、無機顔料インクを作製した。
コバルトアルミニウムクロムブルー(無機顔料) 10重量%
キャリボン B(分散剤、ポリカルボン酸型活性剤:三洋化成(株)製)
1重量%
ポリエチレングリコール400(湿潤剤、日本油脂(株)製)10重量%
純水 残
計 100重量%
そしてインク受容層が形成された無機質基材に上記インクを使用し、インクジェットプリンタを用い下記の記録条件にて記録を行った。
〔記録条件〕
イ)ノズル径 : 70(μm)
ロ)印加電圧 : 50(V)
ハ)パルス幅 : 20(μs)
ニ)駆動周波数: 1(kHz)
ホ)解像度 : 180(dpi)
ヘ)評価柄:細線柄、マトリックス柄
ト)付与量(マトリックス柄):
50,100,150,200(g/m
つぎにインクが付与された無機質基材全面に、下記処方で2ミクロンまでボールミルで破砕したガラスフリット分散液をスプレー法にて塗布し、乾燥した。なお、乾燥後のガラスフリット層厚は30ミクロンであった。
12−3777(ガラスフリット:日本フェロー(株)製) 30重量%
キャリボン B(分散剤、ポリカルボン酸型活性剤:三洋化成(株)製)
1重量%
ポリエチレングリコール400(湿潤剤、日本油脂(株)製)10重量%
純水 残
計 100重量%
つぎに陶芸用電気炉を使用して1150℃で45分間焼成を実施し、目的とする着色物を得た。
得られた着色物について以下の方法にて評価を行った。その結果を表1にしめす。
(1)滲み
焼成した着色物の滲みを目視で判定した。
○:滲みが全く発生しておらず、細線表現が出来ている。
△:滲みが若干発生し、細線表現部分が若干弱い。
×:滲みが激しく発生し、細線表現が全くされていない。
(2)クラック
焼成した着色物の表面または内部を目視で判定した。
○:クラックの発生が全く無い。
△:表面又は内部にクラックが一部に確認される。
×:表面又は内部にクラックが全面に確認される。
(3)接着性
焼成した着色物のガラス膜にガムテープを貼り、テープを剥がしてその後の状態を確認した。
○:ガラス膜に変化はなく、異常無し。
△:ガラス膜に若干ひびが入る。
×:ガラス膜全体にひびが入る、または着色部分が剥がれる。
(4)曇り
焼成した着色物を純水に浸漬後、表面、裏面の水分を完全に布等で除去し、室温で1時間乾燥させた後の表面状態を目視で確認した。
○:ガラス膜の表面状態に異常無し。
△:ガラス膜が若干曇っており、着色部分の一部が白化して見える。
×:ガラス膜が激しく曇っており、着色部分全体が白化して見える。
[実施例2]
インクを記録前に形成するインク受容層の厚みを900ミクロン(乾燥後)、インクを記録後に形成するガラスフリット層の厚みを700ミクロン(乾燥後)とした以外は、実施例1と同様に実施して目的とする着色物を得た。評価した結果について表1に示す。
[実施例3]
下記の原料を秤量した後、適当な水分調整を行いボールミルで破砕、乾燥造粒を実施した後、プレス成型をおこない更に1050℃にて1時間乾燥をおこなって吸水性(吸水能 30g/m)を有する素焼き状の無機質基材を得た。
SiO 62重量%
Al 33.5重量%
NaO/KO 3重量%
Fe 0.5重量%
CaO 0.5重量%
MgO 0.5重量%
計 100重量%

無機質基材として上記材料を用いる以外は実施例1と同様にして目的とする着色物を得た。評価した結果について表1に示す。
[比較例1]
インクを記録前に形成するインク受容層を設けずにインクを記録後に形成するガラスフリット層(乾燥後厚み 30ミクロン)のみを設けた以外は、実施例1と同様に実施して目的とする着色物を得た。評価した結果について表1に示す。
[比較例2]
インクを記録前に形成するインク受容層(乾燥後厚み 300ミクロン)のみを設け、インクを記録後に形成するガラスフリット層は設けなかった以外は、実施例1と同様に実施して目的とする着色物を得た。評価した結果について表1に示す。
[比較例3]
使用する無機質基材を陶器質の施釉タイル(ラフェイスホワイト、(株)INAX製、吸水能 0g/m)とした以外は、実施例1と同様に実施して目的とする着色物を得た。評価した結果について表1に示す。
Figure 2005170705



Claims (2)

  1. 無機顔料および分散用媒体からなるインクを用いて吸水性を有する無機質基材をインクジェットプリントするに際し、該無機質基材にガラスフリットおよび接着剤からなるインク受容層を設けた後、インクジェットプリントし、さらに記録画像面にガラスフリットを付与し、焼成することを特徴とする無機質基材へのインクジェットプリント方法。
  2. 吸水性を有する無機質基材が陶器質タイルの生地であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリント方法。

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