JPH0732332Y2 - 動力舵取装置の操舵力制御装置 - Google Patents

動力舵取装置の操舵力制御装置

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JPH0732332Y2
JPH0732332Y2 JP16669387U JP16669387U JPH0732332Y2 JP H0732332 Y2 JPH0732332 Y2 JP H0732332Y2 JP 16669387 U JP16669387 U JP 16669387U JP 16669387 U JP16669387 U JP 16669387U JP H0732332 Y2 JPH0732332 Y2 JP H0732332Y2
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passage
spool valve
hydraulic
flow passage
reaction force
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郁夫 野村
弘志 大崎
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自動車機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は動力舵取装置の操舵力制御装置に関し、より詳
しくは、反力機構の油圧反力室に供給する油圧を制御し
て操舵力を制御するようにした動力舵取装置の操舵力制
御装置に関する。
「従来の技術」 従来、動力舵取装置の操舵力制御装置として、一対の弁
部材の相対回転によりポンプ吐出口からの油圧をパワー
シリンダに分配制御するサーボ弁と、油圧反力室に供給
される油圧に応じて操舵反力を生じさせる反力機構と、
上記油圧反力室に供給する油圧を制御する圧力制御機構
とを備えたものが知られている。
そして上記圧力制御機構として、従来、上記ポンプ吐出
口とサーボ弁とを連通する供給通路に、ソレノイドによ
りプランジャを進退変位させて流路面積を制御するよう
にした可変オリフィスを設け、この可変オリフィスの前
後に生じる流体圧力差をスプール弁に作用させてスプー
ル弁を進退制御させ、このスプール弁の進退変位位置に
応じて、上記供給通路と油圧反力室間の流路面積および
油圧反力室とタンク間の流路面積をそれぞれ制御して油
圧反力室内の油圧圧力を制御し、それによって操舵力を
制御するようにしたものがある(特開昭61-155060
号)。
またその他の圧力制御機構として、ソレノイドによって
直接スプール弁を進退制御させ、ポンプ吐出口とサーボ
弁とを連通する供給通路の流路面積を制御させるととも
に、固定オリフィスを介してタンクに連通させた油圧反
力室と上記ポンプ吐出口との間の流路面積を制御させ、
それによって上記油圧反力室内の油圧圧力を制御し操舵
力を制御するようにしたものも知られている(特開昭61
-105273号)。
しかるに前者の圧力制御手段では、ソレノイドによって
進退制御されるプランジャの他に圧力差によって進退制
御されるスプール弁を必要とするので構成が複雑で大型
になり、また上記プランジャに動力舵取装置の作動に伴
なう高圧の油圧が加わることから、ソレノイドにそれに
対抗し得るだけの大きな出力が要求され、したがってソ
レノイドが大型化するとともに消費電力が大きくなって
いた。また上記高圧の油圧はソレノイドにも加わるよう
になることから、その高圧の油圧に耐えるだけのシール
性を考慮する必要があった。
これに対し、後者の圧力制御手段ではそのような問題点
が生じることはないが、油圧反力室を固定オリフィスを
介してタンクに連通させておき、その油圧反力室とポン
プ吐出口との間の流路面積を制御することによって油圧
反力室内の油圧圧力を制御するようにしているので、そ
の圧力制御の自由度が小さいという問題があった。
このような欠点に鑑み、出願人は既に、上記圧力制御機
構を、ハウジングの内部に形成した孔内に摺動自在に嵌
合したスプール弁と、このスプール弁に連結されてこれ
を進退変位させるソレノイドと、上記スプール弁の両端
部に形成されて上記ポンプのタンクに連通する低圧室
と、上記スプール弁の外周面に形成した分配通路と、上
記ハウジングとスプール弁との摺動面に開口されて上記
ポンプ吐出口に連通した供給通路と、上記摺動面に開口
されて上記油圧反力室に連通した反力通路と、上記摺動
面に開口されて上記タンクに連通した排出通路とから構
成し、かつ上記供給通路、反力通路および排出通路を上
記スプール弁の軸方向に沿ってその順に摺動面に開口さ
せ、さらに上記分配通路は、上記ソレノイドによるスプ
ール弁の一方向の変位に応じて、上記反力通路と供給通
路間の流路面積を増大させるとともに、上記反力通路と
排出通路間の流路面積を減少させるようにした動力舵取
装置の操舵力制御装置を提案している(特願昭61-21449
1号)。
かかる構成によれば、スプール弁はこれに連結したソレ
ノイドによって進退制御されるので、上述した前者の圧
力制御手段に比較して構成が簡単で小型となる。そし
て、上記スプール弁の両端部の低圧室をタンクに連通さ
せるとともに、上記供給通路、反力通路および排出通路
をハウジングとスプール弁との摺動面に開口させている
ので、スプール弁には実質的にこれを一方向に付勢する
ような油圧が作用することがなく、しかも上記ソレノイ
ドに高圧が加わることもないので、ソレノイドの小型化
を図ることができるとともに、ソレノイドのシールを簡
易なものとすることができる。
さらに加えて、上記スプール弁の外周面に形成した分配
通路は、上記ソレノイドによるスプール弁の一方向の変
位に応じて、上記反力通路と供給通路間の流路面積を増
大させるとともに、上記反力通路と排出通路間の流路面
積を減少させるので、反力通路に連通する油圧反力室内
の圧力は、油圧供給側の流路面積と油圧排出側の流路面
積との制御によって得られるようになり、したがって上
述した後者の圧力制御手段に比較して油圧反力室内の圧
力制御の自由度を拡大することができるようになる。
「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、出願人が提案した上述の動力舵取装置の
操舵力制御装置にあっては、上記反力通路と供給通路間
の流路を形成するスプール弁の外周面と、反力通路と排
出通路間の流路を形成するスプール弁の外周面とのそれ
ぞれを単純なテーパ面として形成していたため、後に詳
述するように、スプール弁が一方向に変位した際に反力
通路と供給通路間の流路面積つまり油圧反力室の供給側
の流路面積と、反力通路と排出通路間の流路面積つまり
排出側の流路面積とがともに徐々に増大し又は減少する
ようになっていた。
その結果、上記スプール弁の一方向への変位が開始され
ても、油圧反力室の供給側の流路面積は小さいままに、
排出側の流路面積は大きいままに維持される傾向がある
ため油圧反力室の油圧はなかなか増大せず、逆にその油
圧が効果的に増大するようになると油圧反力室の供給側
に流路面積が大きいままに、排出側の流路面積が小さい
ままに維持される傾向となるため、油圧反力室内の油圧
は急激に最大圧力まで増大するようになる。
したがって、油圧反力室内の効果的な圧力変動がスプー
ル弁の小さな変位幅内で発生するようになり、油圧反力
室の圧力変動を精密に制御するにはその小さな変位幅内
においてスプール弁を位置制御しなければならないの
で、結局は油圧反力室の圧力変動を、したがって操舵反
力を精密に制御することが困難となっていた。
「問題点を解決するための手段」 本考案はそのような事情に鑑み、出願人が提案した上述
の動力舵取装置の操舵力制御装置を前提として、これに
さらに、上記反力通路と供給通路間の流路における上記
ハウジングとスプール弁との摺動面に、流路面積の増大
方向へのスプール弁の単位変位量に対して、その流路面
積を急激に増大させてから徐々に増大させる第1絞り部
を形成し、又は上記第1絞り部の代りに若しくはそれと
ともに、上記反力通路と排出通路間の流路における上記
摺動面に、流路面積の減少方向へのスプール弁の単位変
位量に対して、その流路面積を徐々に減少させてから急
激に減少させる第2絞り部を形成したものである。
「作用」 上記構成によれば、特にスプール弁の作動初期から油圧
反力室の供給側の流路面積が急激に大きくなり、これと
ともに又は、油圧反力室の供給側の流路面積の増大に対
して油圧反力室の排出側の流路面積が小さいままに維持
されるので、結局は上記スプール弁の作動初期から油圧
反力室内に大きな油圧が発生するようになる。
しかもその後の油圧の変動は、油圧反力室の供給側の流
路面積と排出側の流路面積とのなだらかな変動に伴なっ
て、従来装置に比較して相対的になだらかに変動するよ
うになるので、油圧反力室内の効果的な圧力変動がスプ
ール弁の大きな変位幅で得られるようになり、その大き
な変位幅内におけるスプール弁の相対的な高精度な位置
制御によって、油圧反力室の圧力変動を精密に制御する
ことが可能となる。
「実施例」 以下図示実施例について本考案を説明すると、第1図に
おいて、動力舵取装置は大別すると、一対の弁部材の相
対回転によりポンプ吐出口からの油圧をパワーシリンダ
に分配制御するサーボ弁1と、油圧反力室に供給される
油圧に応じて操舵反力を生じさせる反力機構2と、上記
油圧反力室に供給する油圧を制御する圧力制御機構3と
を備えている。
上記サーボ弁1は、ハウジング4に回転自在に軸支した
入力軸5に一体に設けた第1弁部材6と、この第1弁部
材6の外周に嵌合した筒状の第2弁部材7とを備えてお
り、上記第1弁部材6は入力軸5を介して図示しない舵
取ハンドルに連動し、第2弁部材7は連結ピン8を介し
て出力軸9に連動している。
上記入力軸5の先端部は上記出力軸9の右端軸部に回転
可能に嵌合させてあり、その入力軸5の軸部と出力軸9
の軸部とに渡って配設したトーションバー10の両端を連
結ピン11によりそれぞれ入力軸5と出力軸9とに連結す
ることにより、上記入力軸5と出力軸9とを相対回転可
能に連結し、したがって上記一対の弁部材6、7を相対
回転可能としている。また、上記出力軸9はこれに形成
したピニオン12を介してラック13に連動させ、さらにこ
のラック13を介して図示しない操向車輪に連動させてい
る。
上記サーボ弁1は、従来公知のロータリー型サーボ弁を
構成しており(第2図参照)、一対の弁部材6、7の相
対回転方向に応じて、ポンプ14からの圧油を上記ラック
13に連動させたパワーシリンダ15の圧力室16、17に分配
制御できるようになっている。
次に、上記反力機構2は、第3a図、第3b図に示すよう
に、上記入力軸5の左端部円周方向90°位置にそれぞれ
半径方向に突出させて形成した受部20と、各受部20の左
端面に半径方向に形成したV字溝21とを備えており、ま
た第4a図、第4b図に示すように、上記出力軸9の右端面
に形成した上記受部20が遊嵌合される十字形の係合溝22
と、この十字形係合溝22の各先端部においてボール23を
それぞれ軸方向に変位可能に支持する、上記出力軸9の
右端部に形成した軸方向貫通孔24とを備えている。
上記各ボール23は、上記貫通孔24の両端面から突出して
おり、その右端面は上記十字形係合溝22内に遊嵌号され
た受部20のV字溝21内に係合し、また左端面は、第1図
に示すように、ハウジング4内に摺動自在に嵌合した押
圧ピストン25の右端面に当接している。そしてこの押圧
ピストン25の左側に、上記ハウジング4内に嵌着したシ
ール部材26との間で、油圧反力室27を形成している。
したがって、油圧反力室27内に油圧が導入されると、上
記押圧ピストン25が右方に付勢されてボール23をV字溝
21に圧接させ、出力軸9側のボール23に対して入力軸5
側のV字溝21が中央部に位置するように付勢する。その
結果、通常は入力軸5と出力軸9とは中立位置に保持さ
れ、その中立位置への付勢力は上記油圧反力室27に導入
される油圧の大小によって制御することができる。
なお、反力機構2は上記実施例のものに限定されるもの
ではなく、従来公知の適宜の反力機構を用いることがで
きることは勿論である。
さらに第1図に示すように、上記圧力制御機構3は、ハ
ウジング4内に圧入した有底筒状部材29と、その軸部に
形成した孔30内に摺動自在に嵌合したスプール弁31と、
このスプール弁31に連結されてこれを進退変位させるソ
レノイド32とを備えている。このソレノイド32は、図示
しない車速センサや操舵角センサ等からの検出信号を入
力する制御装置によって通電電流が制御され、それによ
って上記スプール弁31の進退変位量を制御できるように
なっている。
上記スプール弁31の外周面には、環状溝33Aとその環状
溝33Aの両側に形成した第1絞り部33Bと第2絞り部33C
とからなる分配通路33を形成してあり(第5図参照)、
この分配通路33は、スプール弁31の進退変位位置に拘ら
ず、上記ハウジング4とスプール弁31との摺動面34にそ
のハウジング4側から開口した反力通路35に常時連通
し、この反力通路35は上記油圧反力室27に連通してい
る。
また、上記ポンプ14の吐出口に連通する供給通路36は、
この供給通路36の一部を構成する上記孔30の内周面に形
成した環状溝37を介して上記摺動面34に開口しており、
その環状溝37は上記分岐通路33の右側の第1絞り部33B
側からその分岐通路33に重合可能となっている。
さらに、上記分岐通路33の左側の第2絞り部33Cに重合
可能な位置に、排出通路38の一部を構成する環状溝39を
形成してあり、上記排出通路38はポンプ14のタンク40に
連通させている。なお上記供給通路36は、上記環状溝37
を介して前述のサーボ弁1に常時連通している。
上記ソレノイド32が消勢されている際には、上記スプー
ル弁31は図示しないソレノイド32の内部のばねによって
左行端位置に位置しており、この状態では分配通路33と
供給通路36間の流路面積、すなわち油圧反力室27と供給
通路36間の供給側の流路面積は実質的に零となるととも
に、分配通路33と排出通路38間の流路面積、すなわち油
圧反力室27と排出通路38間の排出側の流路面積が最大と
なるようにしている。したがってこの状態では、油圧反
力室27の圧力は実質的に零となり、反力機構2が舵取ハ
ンドルに伝達する操舵反力は最少となる。
これに対し、上記ソレノイド32が励磁されてスプール弁
31を右方に変位させた際には、その右方への変位量に応
じて、分配通路33と供給通路36間の流路面積、すなわち
油圧反力室27と供給通路36間の供給側の流路面積が増大
すると同時に、分配通路33と排出通路38間の流路面積、
すなわち油圧反力室27と排出通路38間の排出側の流路面
積が減少するようになる。その結果、油圧反力室27内の
圧力が増大し、上記反力機構2が舵取ハンドルに伝達す
る操舵反力も増大するようになる。
さらに、上記排出通路38は、上記スプール弁31に形成し
た内部通路42を介してそのスプール弁31の右端部に形成
した低圧室43に連通し、さらにハウジング4に形成した
通路44を介してサーボ弁1の排出側に連通してそこから
上記ポンプ14のタンク40に連通している。また、上記ス
プール弁31の左端部にも低圧室45を形成してあり、この
低圧室45を上記スプール弁31の内部通路42に連通させる
ことにより、上記ポンプ14のタンク40に連通させてい
る。
然して第5図に示すように、本実施例では上記第1絞り
部33Bは、環状溝33A側が窄まったテーパ面33eと、この
テーパ面33eの所要位置に形成した1つ以上の軸方向に
沿う溝部33fとから形成してあり、第6図に示すよう
に、上記スプール弁31を右方へ単位変位量毎に変位させ
た際に、上記テーパ面33eと溝部33fとによってその第1
絞り部33Bにおける流路面積を急激に増大させてから徐
々に増大させることができるようにしている。
他方、第2絞り部33Cも環状溝33A側が窄まったテーパ面
33gと、このテーパ面33gの所要位置に形成した1つ以上
の溝部33hとを備えているが、上記第1絞り部33Bの場合
とは逆に、上記スプール弁31を右方へ単位変位量毎に変
位させた際に、第2絞り部33Cにおける流路面積を徐々
に減少させてから急激に減少させることができるように
している。
さらに第2絞り部33Cには、上記テーパ面33gおよび溝部
33hの左端部に、ハウジング4の孔30の内周面より所定
量だけ小さい円筒面からなる逃がし部33iを形成し、上
記スプール弁31が必要以上に右方へ変位してもその逃が
し部33iによって最低限度以上の流路面積を確保できる
ようにしている。
なお、上記絞り部33B、33Cを構成するテーパ面33e、33g
や溝部33f、33h、或いは逃がし部33iは、それぞれスプ
ール弁31の円周方向の全域に連続して形成するようにし
ても、或いは円周方向の1箇所又は複数箇所に部分的に
形成するようにしてもよく、さらにはそれらの組合せで
あってもよい。しかも各絞り部33B、33Cはそのような構
成に限定されるものではなく、例えば円周方向に同一断
面形状を有する適宜形状の曲面や、その曲面と円周方向
の所要位置に形成した溝部から構成することができる。
さらに溝部としても、その底面をフラットに形成して軸
方向に平行とし又は傾斜させたものであっても、或いは
底面を湾曲させ又は段状に形成したものであってもよ
い。要するに、第1絞り部33Bと第2絞り部33Cの構成
は、上記スプール弁31を変位させた際に上述した所要の
流路面積の変化が得られれば如何なる構成であってもよ
い。
以上の構成において、図示しない舵取ハンドルが操舵さ
れると、その回転方向に応じてロータリー型サーボ弁1
の弁部材6、7が相対的に回転変位されるので、その相
対変位によりパワーシリンダ15圧力室16、17内の一方に
圧力が供給され、これによって上記ラック13に補助動力
が付与される。
この際、上記ソレノイド32は車両の走行条件に応じて通
電電流が制御されており、例えば低速走行時には上記ス
プール弁31は左行端位置若しくはそれから若干右行した
位置に位置しているので、油圧反力室27の圧力は零若し
くは微少圧力に維持され、したがって反力機構2が舵取
ハンドルに伝達する操舵反力も小さいので、軽快なハン
ドル操作を行なうことができる。
そしてこの低速走行状態から車両の速度が増大すると、
上記スプール弁31がさらに右行されるようになるので、
第6図の実線で示すように、第1絞り部33Bによる油圧
反力室27の供給側の流路面積が急激に増大すると同時
に、第2絞り部33Cによる排出側の流路面積が徐々に減
少するようになる。
ところで、第6図の点線は、上記各絞り部33B、33Cをそ
れぞれテーパ面33e、33gのみから構成した従来装置の特
性を示しており、従来は第1絞り部によって油圧反力室
27の供給側の流路面積が徐々に増大すると同時に、第2
絞り部によって排出側の流路面積が徐々に減少するよう
になっていた。その結果、第7図の点線で示すように、
スプール弁31の右行初期には油圧反力室27内の圧力はな
かなか上昇しなかった。
これに対し、上記構成を有する各絞り部33B、33Cによれ
ば、第7図の実線で示すように、スプール弁31の右行初
期から油圧反力室27内の圧力を速やかに増大させること
ができる。
そしてさらに車両の高速走行によってスプール弁31の右
行が進むと、第1絞り部33Bによる供給側の流路面積が
徐々に増大するようになるとともに、第2絞り部33Cに
よる排出側の流路面積が急激に減少するようになるの
で、第7図の実線で示すように、油圧反力室27内の圧力
は従来に比較して穏やかに増大し、やがて上記反力機構
2が舵取ハンドルに伝達する操舵反力が最大となって、
相対的に重く安定したハンドル操作を行なうことが可能
となる。
このように本実施例においては、両絞り部33B、33Cによ
る流路面積の変動範囲の全域において油圧反力室27内の
圧力が穏やかに増大するようになり、したがってスプー
ル弁31の変位に対する油圧反力室27内の圧力変動が、つ
まりソレノイド32の電流の変化に対する油圧反力室27内
の圧力変動が小さくなる。その結果、スプール弁31の位
置制御による油圧反力室27内の圧力制御が従来に比較し
て容易となるので、操舵反力を高精度に制御することが
可能となる。
これに加えて、上記ソレノイド32の電流値の変動等によ
りスプール弁31が必要以上に大きく右行されても、上記
逃がし部33iによって最低限度以上の流路面積を確保す
ることができるので、油圧反力室27内の油圧が不必要に
増大することが防止され、したがって操舵反力が必要以
上に増大することはない。
さらに第7図の実線と一点鎖線との差から理解されるよ
うに、上記逃がし部33iを設けることによりそれを設け
ない場合に比較して、上記油圧反力室27内の圧力を一層
穏やかに増大させることができるので、上述したスプー
ル弁31の位置制御を一層容易なものとすることができ
る。
次に、第8図、第9図は本考案の他の実施例を示したも
ので、上記実施例のものがソレノイド32の消勢によるス
プール弁31の左行時に油圧反力室27の圧力が零となるよ
うにしているのに対し、本実施例の圧力制御機構103で
は、ソレノイド132の消勢によるスプール弁131の左行時
に油圧反力室の圧力が高圧となるようにしている。
本実施例では、上記筒状部材29に対応する筒状部材129
はハウジング104内に嵌合してばね151でソレノイド132
のケースに弾接させ、筒状部材129がその位置から移動
することがないように保持している。そして筒状部材12
9の軸部の孔130は貫通させて形成してあり、上記ソレノ
イド132に連結したスプール弁131をその筒状部材129内
に摺動自在に貫通させている。
上記スプール弁131の外周面に形成した分配通路133は、
環状溝133Aとその左側のランド部133Dとから構成してあ
り、このランド部133Dの両側に上記実施例と同様に第1
絞り部133Bと第2絞り部133Cとをそれぞれ形成し、さら
にポンプの吐出口に連通する供給通路136と、油圧反力
室に連通する反力通路135と、さらにタンクに連通する
排出通路138とを上記スプール弁131の軸方向に沿って右
側から左側へその順に設けている。
ただし本実施例においては、上記実施例のように環状溝
33Aの両側に第1絞り部33Bと第2絞り部33Cとを形成す
るのではなく、ランド部133Dの両側に第1絞り部133Bと
第2絞り部133Cとをそれぞれ形成しているので、各テー
パ面133e、133gと溝部133f、133hとの形成方向は上記実
施例のものとは逆の関係となり、またその関係上、第2
絞り部133Cの溝部133hを右方に大きく延長してその右端
部を逃がし部133iに兼用させている。
また、上記供給通路136と反力通路135はハウジング104
側からハウジング104とスプール弁131との摺動面134に
開口させてあり、他方、排出通路138はスプール弁131側
からその摺動面134に開口させて上記分配通路133のラン
ド部133Dに隣接させている。そしてスプール弁131の両
側に形成した低圧室143、145は、上記排出通路138を介
してタンクに連通させている。
したがって本実施例では、上記ソレノイド132が消勢さ
れてスプール弁131が左行端位置に位置している状態で
は、分配通路133を介しての供給通路136と油圧反力室に
連通する反力通路135との流路面積が最大となるととも
に、分配通路133を介しての反力通路135と排出通路138
間の流路面積が最少となり、油圧反力室に導入される圧
力は最大となる。
そして上記ソレノイド132が励磁されてスプール弁131が
右行された際には、その右行量に応じて、反力通路135
と供給通路136間の流路面積が減少するとともに、反力
通路135と排出通路138間の流路面積が増大するので、油
圧反力室内の圧力が減少するようになる。
つまり本実施例では、ソレノイド132の消勢時、例えば
車両のエンジン停止時にはスプール弁131が左行端位置
に位置しているが、エンジンが始動された車両の停止時
ないしは低速走行時にはスプール弁131は大きく右行さ
れるようになり、その後、車速の増大とともにスプール
弁131が左行されるようになる。
このような構成においても上述と同等の作用効果が得ら
れることは明らかであり、特に本実施例では車両の走行
中に何等かの理由によりソレノイド132の通電が停止さ
れ、それによってスプール弁131が左行端に復帰されて
も上記逃がし部133hが最低限度以上の流路面積を確保す
るので、第7図の実線と想像線との差から理解されるよ
うに、逃がし部133hがない場合のように第2絞り部133C
が全閉されて油圧反力室27内の油圧が必要以上に増大す
ることがなく、それによって操舵反力が必要以上に増大
することが防止できる。
換言すれば、上記逃がし部133hの流路面積を適切に設定
することにより、車両の走行中にソレノイド132の通電
が停止されても、低速走行時には重くなりすぎず、高速
走行時には軽くなりすぎない適切な操舵力を得ることが
可能となる。
なお、上記実施例における第1絞り部33B、133Bの溝部3
3f、133fと第2絞り部33C、133Cの溝部33h、133hは、一
方の絞り部の溝部を省略しても基本的には同等の作用効
果を得ることができる。また上記第1絞り部33B、133B
や第2絞り部33C、133Cは、ハウジングの孔30、130側に
設けることも可能である。
さらに、上記圧力制御機構3、103とサーボ弁1とを連
通する供給通路36、136に固定オリフィスを設け、動力
舵取装置の非作動時にもその固定オリフィスの上流側に
圧力を発生させ、その圧力を上記圧力制御機構3、103
を介して油圧反力室に導入できるようにしてもよい。そ
のようにすれば、動力舵取装置の非作動時にも舵取ハン
ドルに操舵反力を付与することができる。この固定オリ
フィスは、ハウジング4、104の外部から流路面積を調
整することができるものが望ましい。
「考案の効果」 以上のように、本考案によれば、出願人が既に提案した
動力舵取装置の操舵力制御装置の効果、すなわちスプー
ル弁にはこれを一方向に付勢するような油圧が作用する
ことがなく、しかもソレノイドに油圧が加わることもな
いので、ソレノイドの小型化を図ることができるととも
に、ソレノイドのシールを簡易なものとすることがで
き、しかも上記スプール弁をこれに連結したソレノイド
によって進退制御するようにしているので、それらの結
果として圧力制御機構の小型化を図ることができるとい
う効果、および、油圧反力室内の圧力を、油圧供給側の
流路面積と油圧排出側の流路面積との制御によって得て
いるので、その油圧反力室内の圧力を相対的に自由に制
御することができ、それによって良好な操舵感覚を得る
ことが可能となるという効果が得られることは勿論、さ
らに本考案特有の、油圧反力室内の効果的な圧力変動が
スプール弁の大きな変位幅で得られるので、その大きな
変位幅内におけるスプール弁の相対的に高精度な位置制
御によって油圧反力室の圧力変動を精密に制御すること
ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す断面図、第2図は第1
図のII−II線に沿う断面図、第3b図は反力機構2を構成
する入力軸5の端部を示す正面図、第3a図は第3b図の左
側面図、第4a図は反力機構2を構成する出力軸9の端部
を示す正面図、第4b図は第4a図の右側面図、第5図は第
1図の要部の拡大構成図、第6図はスプール弁31の位置
と流路面積の大きさとの関係を示す線図、第7図はスプ
ール弁31の位置と油圧反力室27内の圧力の大きさとの関
係を示す線図、第8図は本考案の他の実施例を示す要部
の断面図、第9図は第8図の要部の拡大構成図である。 1……サーボ弁、2……反力機構 3,103……圧力制御機構、4,104……ハウジング 6,7……弁部材、14……ポンプ 15……パワーシリンダ、27……油圧反力室 30,130……孔、31,131……スプール弁 32,132……ソレノイド、33,133……分配通路 33B,133B……第1絞り部、33C,133C……第2絞り部 33e,33g,133e,133g……テーパ面 33f,33h,133f,133h……溝部 33i,133i……逃がし部 34,134……摺動面、35,135……反力通路 36,136……供給通路、38,138……排出通路 40……タンク、43,45,143,145……低圧室

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の弁部材の相対回転によりポンプ吐出
    口からの油圧をパワーシリンダに分配制御するサーボ弁
    と、油圧反力室に供給される油圧に応じて操舵反力を生
    じさせる反力機構と、上記油圧反力室に供給する油圧を
    制御する圧力制御機構とを備える動力舵取装置の操舵力
    制御装置において、 上記圧力制御機構を、ハウジングの内部に形成した孔内
    に摺動自在に嵌合したスプール弁と、このスプール弁に
    連結されてこれを進退変位させるソレノイドと、上記ス
    プール弁の両端部に形成されて上記ポンプのタンクに連
    通する低圧室と、上記スプール弁の外周面に形成した分
    配通路と、上記ハウジングとスプール弁との摺動面に開
    口されて上記ポンプ吐出口に連通した供給通路と、上記
    摺動面に開口されて上記油圧反力室に連通した反力通路
    と、上記摺動面に開口されて上記タンクに連通した排出
    通路とから構成し、かつ上記供給通路、反力通路および
    排出通路を上記スプール弁の軸方向に沿ってその順に摺
    動面に開口させ、また上記分配通路は、上記ソレノイド
    によるスプール弁の一方向の変位に応じて、上記反力通
    路と供給通路間の流路面積を増大させるとともに、上記
    反力通路と排出通路間の流路面積を減少させるように構
    成され、 さらに上記反力通路と供給通路間の流路における上記摺
    動面に、流路面積の増大方向へのスプール弁の単位変位
    量に対して、その流路面積を急激に増大させてから徐々
    に増大させる第1絞り部を形成し、 又は上記第1絞り部の代りに若しくはそれとともに、上
    記反力通路と排出通路間の流路における上記摺動面に、
    流路面積の減少方向へのスプール弁の単位変位量に対し
    て、その流路面積を徐々に減少させてから急激に減少さ
    せる第2絞り部を形成したことを特徴とする動力舵取装
    置の操舵力制御装置。
  2. 【請求項2】上記スプール弁は、ソレノイドの消勢時に
    第2絞り部の流路面積を減少させる方向の非作動位置に
    復帰され、かつ該第2絞り部に、スプール弁の非作動位
    置において最少限度の流路面積を確保する逃がし部が形
    成されていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
    第1項に記載の動力舵取装置及び操舵力制御装置。
JP16669387U 1987-10-30 1987-10-30 動力舵取装置の操舵力制御装置 Expired - Lifetime JPH0732332Y2 (ja)

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US07/263,632 US4899842A (en) 1987-10-30 1988-10-27 Steering force controller for power steering apparatus

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