JPH07323260A - 加工性、高温下の耐汚染性と耐食性に優れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼板 - Google Patents

加工性、高温下の耐汚染性と耐食性に優れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼板

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JPH07323260A
JPH07323260A JP11925294A JP11925294A JPH07323260A JP H07323260 A JPH07323260 A JP H07323260A JP 11925294 A JP11925294 A JP 11925294A JP 11925294 A JP11925294 A JP 11925294A JP H07323260 A JPH07323260 A JP H07323260A
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coated steel
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Tomofumi Shigekuni
国 智 文 重
Hideo Ogishi
岸 英 夫 大
Yoshihiro Naruse
瀬 義 弘 成
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱汚染性、加工性、食品衛生性、耐食性に優
れ、電子レンジ内箱材、オーブントースター等の食品と
接触する家電用に適用可能な加工性、高温下の耐汚染性
と耐食性に優れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼板の提
供。 【構成】化成処理を施した表面処理鋼板を母材とする塗
装鋼板において、食品と間接的に接触する表側の下塗り
塗膜層に、りん酸イオンを供給する顔料、バナジン酸イ
オンを供給する顔料およびシリカをそれぞれ樹脂100
重量部に対し1〜80、1〜80および1〜40重量部
の割合で混合されている塗膜を有し、その上塗り塗膜に
120℃の時の弾性率が5.8×108 dyne/cm2以上、
20℃の時の伸び率が100%以上であるポリエステル
硬化塗膜を形成させ、食品と接触しない裏面にはクロム
酸塩系防錆顔料を添加した下塗り塗膜層を有することに
より、上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジ内箱材、オ
ーブントースター等、食品と接触する家電用プレコート
(塗装鋼板)鋼板に係り、加工性、熱時(高温下)の耐
汚染性、食品衛生性、端面耐食性に優れた塗装鋼板に関
する。
【0002】
【従来の技術】加工前に塗装を行うことを特徴とするプ
レコート鋼板は、コストダウン、作業環境内上の要求に
見合うことから、家電、建材等のメーカーを中心に急速
に普及し始めている。この普及に伴い、電子レンジの内
箱材、オーブントースターの外板等、調理器具関係に
も、プレコート鋼板が使用されようとしている。
【0003】しかし、この分野の要求性能は、従来の、
耐汚染性、耐食性、耐キズ付き性等の他に、熱時の耐汚
染性、食品衛生性、耐熱性が付加され、これらすべての
性能を満足する材料は存在しなかった。つまり、従来の
熱硬化型ポリエステル塗膜は、耐汚染性の向上のために
塗膜硬度を高くし、具体的には、直鎖型ポリエステルに
おいて酸成分にテレフタル酸やイソフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸の比率を大きくしたり、グリコールの鎖長
の短いモノマーを使用することによって、樹脂骨格を硬
くしていた。しかし、この手法は、熱時の耐汚染性、特
に塗膜ガラス転移温度以上の高温下での耐汚染性(以
下、耐熱汚染性と称す)の向上には、つながらなかっ
た。
【0004】また、直鎖型ポリエステル樹脂、メラミン
系硬化樹脂、スルホン酸系硬化促進剤を含有する樹脂液
を塗布、焼き付けてなる塗装鋼板が開示されている(特
開平4−256469号公報参照)。本公報の技術は、
常温での耐汚染性には優れているが、高温下での耐汚染
性には改善の余地が残されていた。
【0005】ポリエステル以外の樹脂系では、フッ素樹
脂とアクリル樹脂を混合させた塗料が、この耐熱汚染
性、および加工性に優れており、使用されているが、フ
ッ素樹脂は、そのコストが非常に高いという欠点を抱え
ていた。
【0006】耐食性に関しては、平板部の他に加工部お
よび端面部分の防錆が重要である。そのため素材に、表
面処理鋼板である亜鉛系めっきあるいは、亜鉛系合金め
っきが使用されている。また下塗り塗料には、防錆性に
最も優れているクロム系顔料を添加し、平面および端面
の耐食性を向上させている。しかし、電子レンジ内箱や
オーブントースター等、食品と接触する部材の場合その
表側に、傷が入った場合、蒸気等の接触に伴って、クロ
ムが溶出する等、食品衛生上、好ましくないことが考え
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決することにあり、耐熱汚染性、加工
性、食品衛生性、耐食性に優れた塗装鋼板を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下のことを知
見した。まず、本発明の重要な性能である耐熱汚染性の
向上の方法について説明する。熱時(100℃以上)の
汚染は、以下の様に進行すると考えた。汚染物質が、
高分子塗膜に接触する。塗膜が高温(100℃以上)
になり、ガラス転移以上になることで、ゴム状態にな
る。2次的相互作用が取り除かれ網目鎖中に汚染物質
が浸透し、塗膜が汚染される。このため耐熱汚染性を向
上させるためには架橋密度を上げることで、塗膜がゴム
状態においても、汚染物質の浸透をある程度抑制するこ
とができると考えた。そこで、架橋密度の異なるポリエ
ステル系硬化塗膜を用いて、耐熱汚染試験を行うと、架
橋密度が高いほど、汚染性に優れており、架橋密度のパ
ラメータである高温弾性率が高いほど耐熱汚染性が向上
することがわかった。
【0009】また、従来のフッ素−アクリル樹脂レベル
にするには、120℃時の弾性率を5.8×108 dyne
/cm2以上にすることによって達成される。また、この様
な高架橋密度の樹脂設計を行なった場合、20℃時の加
工性が悪くなる傾向にあるが、ソフトモノマーを導入
し、骨格を柔らかくすることによって20℃時の伸び率
を100%以上に確保すれば、180°密着曲げを行な
った場合でも、クラックが発生しないことがわかった。
【0010】次に食品衛生性の付与に関して説明する。
一般にプレコート鋼板は、平面部および端面部の耐食性
向上のためにクロム酸塩系防錆顔料を樹脂中に添加して
いる。しかし、クロム酸塩は6価クロムを含むものであ
り、傷部等からのクロム溶出が懸念される。そこで、食
品と接触する表側の下塗り塗料には、この様なクロム酸
塩系防錆顔料を使用せず、非クロム系防錆顔料の使用の
検討を行った。
【0011】本発明者らは、りん酸塩系顔料が、それか
ら発生するりん酸イオンと塗装鋼板の端面やクロスカッ
ト部に露出するFe面のFeと錯体を作ることにより不
動態皮膜を形成せしめること、およびバナジン酸塩は鋼
を貴な電位にして鋼中への水素溶解を抑制する機能があ
ること、また、シリカが樹脂と橋かけ反応をおこし塗膜
の透水性を低下させることなどから、これら3種の顔料
の混合系で耐食性の向上が可能であり、また、端面耐食
性は、食品と接触しない裏面にクロム酸塩系防錆顔料を
用いることで充分確保できることを知見し、本発明に到
ったものである。
【0012】すなわち、本発明は、化成処理を施した表
面処理鋼板を母材とする塗装鋼板において、食品と間接
的に接触する表側の下塗り塗膜層に、りん酸イオンを供
給する顔料、バナジン酸イオンを供給する顔料およびシ
リカをそれぞれ樹脂100重量部に対し1〜80、1〜
80および1〜40重量部の割合で混合されている塗膜
を有し、その上塗り塗膜に120℃の時の弾性率が5.
8×108 dyne/cm2以上、20℃の時の伸び率が100
%以上であるポリエステル硬化塗膜を形成させ、食品と
接触しない裏面にはクロム酸塩系防錆顔料を添加した下
塗り塗膜層を有することを特徴とする加工性、高温下の
耐汚染性と耐食性に優れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼
板を提供するものである。
【0013】ここで、前記表側の下塗り塗膜層および上
塗り塗膜層の膜厚が各々2〜15μmおよび17〜25
μmの範囲で、前記裏面の下塗り塗膜層および上塗り塗
膜層の膜厚が各々3〜15μmおよび10〜20μmで
あり、裏面下塗り塗膜層のクロム酸塩系防錆顔料が該裏
面下塗り塗膜層の樹脂100重量部に対して10〜12
0重量部であるのが好ましい。
【0014】
【発明の作用】以下に、本発明をさらに詳細に説明す
る。本発明に使用できる鋼板は、電気亜鉛鍍金、合金化
電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっ
き等の表面処理鋼板があげられる。また塗膜との密着性
向上のために、化成処理を施す。化成処理としては、り
ん酸亜鉛、りん酸鉄等通常のものが用いられる。
【0015】食品と接触する表側の上塗り塗料は、主剤
にポリエステル、硬化剤にメラミン、ベンゾグアナミ
ン、ブロックイソシアネートが用いられ、ポリエステル
硬化塗膜を形成する。その塗膜の120℃時の弾性率
が、5.8×108 dyne/cm2以上であると、従来のフッ
素−アクリル樹脂レベルの耐熱汚染性を有することがで
き、5.8×108 dyne/cm2未満の場合、塗膜架橋密度
が低く、汚染物質が架橋網目鎖中へ浸透し、耐熱汚染性
が不十分となる。この弾性率は、例えば、動的粘弾性自
動測定器、レオバイブロンDDV−II−EPを使用し周
波数110Hz、昇温スピード3℃/minで測定した
時の値である。
【0016】塗膜の伸び率は、20℃の時の引張試験で
100%以上が必要である。100%未満であると加工
性が悪くなり、20℃の下で180°密着曲げを行なっ
た場合、塗膜にクラックが入る。ここで塗膜の伸び率と
は、下記式で表わされ、引張試験は、例えば島津製作
所、オートグラフ、引張スピード50mm/min、温度20
℃で行うことができる。
【0017】
【数1】
【0018】そして、加工性と耐熱汚染性の両性能を満
足させるには、120℃時の弾性率が5.8×108 dy
ne/cm2以上、20℃の時の伸び率が100%以上の2つ
を満足させる塗膜であれば、従来のフッ素−アクリル樹
脂レベルの耐熱汚染性と加工性に優れた性能を併せ持つ
ことができる。これら上塗り層の膜厚として17〜25
μmが好ましく適当である。17μm未満では、加工性
が低下し、25μm超では、均一な塗膜が得られなかっ
たり、溶剤蒸発による泡物が付着する。
【0019】表側の下塗り塗料用の樹脂としては、密着
性に問題が生じなければ、どの様な樹脂でも良く、例え
ばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリ
エステル等が用いられる。また必要に応じて硬化剤を用
いてもよく、その場合、メラミン、ベンゾグアナミン、
ブロックイソシアネート等が用いられる。この表側下塗
り層に添加する防錆顔料としては、クロムを含まない無
害性のりん酸イオンとバナジン酸イオンを供給する2種
類の顔料である。
【0020】りん酸イオンを供給する顔料としては、り
ん酸、メタりん酸、ピロりん酸、オルトりん酸、縮合り
ん酸、りん酸塩、ポリりん酸塩、種々の金属のオルトり
ん酸塩または縮合りん酸塩、五酸化リン、りん酸塩鉱
物、市販のりん酸塩顔料、アルカリ土類金属のりん酸塩
またはこれらの混合物が挙げられる。
【0021】りん酸塩としては、例えばりん酸亜鉛、り
ん酸カルシウム、りん酸アルミニウム、メタりん酸カル
シウム、メタりん酸マグネシウム、トリポリりん酸2水
素アルミニウム等が挙げられる。本発明においては、よ
り好ましくは、亜鉛との不動態皮膜の形成し易さの面か
ら、りん酸カルシウム、りん酸アルミニウム、りん酸亜
鉛が好ましい。
【0022】バナジン酸イオンを供給する顔料として
は、バナジウムの酸化物および水酸化物、バナジン酸
塩、種々の金属のバナジン酸塩、バナジウムのハロゲン
化物、バナジウムの硫酸塩等、またはこれらの混合物が
挙げられる。
【0023】バナジウムの酸化物としては、五酸化バナ
ジン、三二酸化バナジウム、四二酸化バナニジウム等
が、バナジン酸塩としては、種々の金属のオルトバナジ
ン酸塩、メタバナジン酸塩またはピロバナジン酸塩が挙
げられ、これらとしてはCaO・V2 5 、ZnO・V
2 5 、MgO・V2 5 、4MnO・V2 5 が例示
される。
【0024】本発明に使用されるシリカは、コロイダル
シリカおよび気相シリカのどちらでも良いが、塗料化工
程の簡便さから気相シリカの内、シラノール基をメチル
基で置換した疎水性シリカが好ましい。そして、これら
のシリカを添加することによりりん酸系顔料とバナジン
酸系顔料の混合系防錆顔料との相乗効果により優れた耐
食性が発揮される。
【0025】上記樹脂と顔料の混合比は、樹脂100重
量部に対してりん酸系顔料を1〜80重量部、バナジン
酸系顔料を1〜80重量部およびシリカを1〜40重量
部とする。りん酸系顔料が1重量部未満であればバナジ
ン酸系顔料およびシリカを可能な限り大量に導入しても
耐食性に劣り、またりん酸塩系顔料が80重量部超であ
れば上塗り塗料の密着性、また塗装性の観点から不適当
である。
【0026】バナジン酸の添加量が1重量部未満であれ
ば、りん酸塩系顔料およびシリカを可能な限り大量に導
入しても耐食性に劣り、バナジン酸系顔料が80重量部
を越えると塗装性が悪くなる。シリカの添加量が1重量
部未満であれば、他防錆顔料との相乗効果が現れず、4
0重要部を越えると、増粘し塗料化が困難であると同時
に、塗装性も悪くなる。
【0027】着色顔料は、主に白系顔料であるTiO2
を用いるが、他の着色顔料を添加しても良い。着色顔料
の配合量は、特に限定はしないが、前記のりん酸イオン
を供給する顔料およびバナジン酸イオンを供給する顔料
との和が樹脂固形分の重量を越えないことが塗装性の観
点から望ましい。下塗り塗膜は2〜15μmであれば良
く、2μm未満であれば耐食性に劣り、15μmを越え
ると加工性が劣化する。
【0028】食品と接触しない裏面の下塗り塗料用の樹
脂は、一般にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキ
シ変性ポリエステル等が用いられるが、密着性に問題を
生じない場合、どの様な樹脂でも良い。また必要に応じ
て硬化剤を用いてもよく、その場合、メラミン、ベンゾ
グアナミン、ブロックイソシアネート等が用いられる。
【0029】使用するクロム酸塩系防錆顔料は、クロム
酸カルシウム、クロム酸ナトリウム、クロム酸ストロン
チウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸マ
グネシウム、クロム酸リチウム等が挙げられる。この防
錆顔料の添加量としては樹脂100重量部に対して10
〜120重量部が好ましい。10重量部未満では、十分
な耐食性が得られない。120重量部超では、塗装性に
問題がある。膜厚は、3〜15μmが最適であり、3μ
m未満では耐食性が不十分で、15μm超では加工性が
低下し適当でない。
【0030】裏面の上塗り塗膜は、特に限定しないが、
その膜厚は10〜20μmが望ましく、10μm未満で
は隠ぺい性に劣り、20μm超では溶剤蒸発による泡物
が発生する。なお、本発明において下塗り塗膜層、上塗
り塗膜層の樹脂とは、硬化剤を併用する場合は、硬化剤
を含んだ樹脂を意味するものとする。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例に基づき具体的に説明
する。 (実施例1)合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき付着量
片面あたり45g/m2 )にりん酸亜鉛処理を施した
後、表面の下塗りに、ポリエステル樹脂(TP236、
日本合成化学工業(株)製)100重量部に対して、り
ん酸カルシウム10重量部、5酸化バナジン10重量
部、気相シリカ(R972、日本アエロジル製)10重
量部、二酸化チタン(R972、石原産業(株)製)7
0重量部を配合とする塗料を乾燥膜厚7μmとなる様に
塗布した。またその上塗りには、主剤にリニアー型ポリ
エステル樹脂(Mn=18000、OH価7)(バイロ
ン300、東洋紡(株)製)、硬化剤にメチル化メラミ
ン(サイメルC303、三井サイアナミッド製)を配合
する塗料を用い、120℃時の弾性率が6.7×108
dyne/cm2、20℃の時の伸び率120%を示す膜厚18
μmの塗膜を形成した。また裏面の下塗りに、ポリエス
テル樹脂(GK590、東洋紡(株)製)100重量部
に対し、クロム酸ストロンチウム(菊地色素工業製)4
0重量部を配合した塗料を用い、乾燥膜厚7μmになる
様に塗装した。さらにその上塗り塗料としてポリエステ
ル系塗料を10μm塗布した。
【0032】上記の様にして得られたプレコート鋼板の
耐熱汚染性、耐食性、加工性の試験結果を表1に示す。
さらに、めっき、表側下塗り層、表側上塗り層および裏
側下塗り層の条件を変えた実施例2〜24および比較例
1〜19のめっき組成、塗料組成ならびにそれらの塗膜
性能の試験結果をそれぞれ表1および表2に示す。な
お、本実施例における塗膜の弾性率および伸び率は、ア
マルガム法で剥離したフリーフィルムを前記測定法で測
定した値である。
【0033】なお、耐食性(端面耐食性、クロスカット
耐食性)、塗装性、密着性、衛生性、加工性、隠ぺい
性、耐熱汚染性の評価方法は以下に示す通りである。
【0034】(耐食性)SST(JISZ2371に準
じた)500h後の端面赤錆面積(%)、平均ふくれ長
さ(mm)、クロスカット部からの平均ふくれ長さ(m
m)を測定し以下の基準で評価した。
【0035】(塗装性) ○ 通常のレバースコート塗装が可能 × 通常のレバースコート塗装が不可能 (密着性) ○ OT折り曲げ後セロテープ剥離でプライマー、トッ
プ間の剥離なし × 上記方法で剥離する (衛生性) ○ Cr系顔料を含まない × Cr系顔料を含む (加工性) ○ OT折り曲げ加工後の塗膜クラックなし × 折り曲げ加工後の塗膜クラックあり (隠ぺい性) ○ 黙視で下塗塗装色が判別できない。 × 黙視で下塗塗装色が判別できる。
【0036】(耐熱汚染性)供試材の塗膜上に混合食品
(正油/塩/砂糖/ケチャップ/ソース/小麦粉=1/
1/1/1/1/2重量比)を塗布し、120℃で1時
間焼き付けた後、塗膜上残存物を水洗し評価した。 評価基準は ◎ 汚染がほとんどなく良好であり、従来のフッ素−ア
クリル樹脂系と同レベルである ○ 若干の汚染がみられる △ 汚染されている × 著しく汚染されている
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【表11】
【0048】
【表12】
【0049】
【表13】
【0050】
【表14】
【0051】
【表15】
【0052】
【表16】
【0053】
【表17】
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の塗装鋼板
は、従来のストロンチウムクロメートを用いた塗装鋼板
とほぼ同程度の耐食性を持ちながら、無害性で食品衛生
上好ましく、加工性にも優れ、また、100℃以上での
耐熱汚染性に優れているため、電子レンジの内箱、オー
ブントースターの外箱等、食品と接触する部分に適用可
能なプレコート鋼板として極めて有用であり、工業上の
有用性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 303 B 0420−4D B32B 15/08 G 104 A 7148−4F // C23F 11/00 F 8414−4K

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化成処理を施した表面処理鋼板を母材とす
    る塗装鋼板において、食品と間接的に接触する表側の下
    塗り塗膜層に、りん酸イオンを供給する顔料、バナジン
    酸イオンを供給する顔料およびシリカをそれぞれ樹脂1
    00重量部に対し1〜80、1〜80および1〜40重
    量部の割合で混合されている塗膜を有し、その上塗り塗
    膜に120℃の時の弾性率が5.8×108 dyne/cm2
    上、20℃の時の伸び率が100%以上であるポリエス
    テル硬化塗膜を形成させ、食品と接触しない裏面にはク
    ロム酸塩系防錆顔料を添加した下塗り塗膜層を有するこ
    とを特徴とする加工性、高温下の耐汚染性と耐食性に優
    れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼板。
  2. 【請求項2】前記表側の下塗り塗膜層および上塗り塗膜
    層の膜厚が各々2〜15μmおよび17〜25μmの範
    囲で、前記裏面の下塗り塗膜層および上塗り塗膜層の膜
    厚が各々3〜15μmおよび10〜20μmであり、裏
    面下塗り塗膜層のクロム酸塩系防錆顔料が該裏面下塗り
    塗膜層の樹脂100重量部に対して10〜120重量部
    である請求項1に記載の加工性、高温下の耐汚染性と耐
    食性に優れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼板。
JP11925294A 1994-05-31 1994-05-31 加工性、高温下の耐汚染性と耐食性に優れかつ食品衛生上好ましい塗装鋼板 Withdrawn JPH07323260A (ja)

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