JPH073200A - 筆記具用水性顔料インキ組成物 - Google Patents

筆記具用水性顔料インキ組成物

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JPH073200A
JPH073200A JP6360494A JP6360494A JPH073200A JP H073200 A JPH073200 A JP H073200A JP 6360494 A JP6360494 A JP 6360494A JP 6360494 A JP6360494 A JP 6360494A JP H073200 A JPH073200 A JP H073200A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 隠蔽性に優れる筆跡を与え、筆記直後と乾燥
後とでは白色性にほとんど差がなく、特に中芯式タイプ
の筆記具に用いても、隠蔽性に優れたインキを流出する
ことができる筆記具用水性顔料インキ組成物を提供す
る。 【構成】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子エマルジョン
を、白色系隠蔽剤として含有する。ドーナツ状扁平粒子
は、円形類似形状で中央部に貫通孔が開設又は少なくと
も一面の中央部が陥没状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具用水性顔料イン
キ組成物に関するものであり、特に中芯式筆記具用に適
した筆記具用水性顔料インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筆記具用水性顔料インキ組成物
は、筆跡に隠蔽性又は不透明性を与えるために、隠蔽剤
として、粒径が大きく、且つ、比重が大きい白色顔料、
代表的には酸化チタン粒子を含有している。このような
インキ組成物は、上記白色顔料が分散性に劣るために、
例えば、インキ吸蔵体から毛細管現象にてインキをペン
先に流出させて筆記する所謂中芯式マーキングペンのた
めのインキ組成物としては用いることができない。粒径
のより小さい白色顔料を用いれば、インキ組成物中での
その分散性にはすぐれるものの、目的とする隠蔽性に劣
るようになり、筆跡の不透明性を確保することができな
い。
【0003】そこで、例えば、特開昭63−14538
0号公報及び特開昭63−145382号公報には、酸
化チタンや有彩色顔料とともに、プラスチックピグメン
トと呼ばれる中空樹脂粒子(球状)を配合してなる水性
白色顔料インキ組成物が提案されている。また、特開昭
63−145381号公報には、カーボンブラックと共
に、中空樹脂粒子を配合してなる水性黒色顔料インキ組
成物が提案されている。
【0004】上記中空樹脂粒子は、分散性にすぐれる
が、例えば、酸化チタンに比べれば、隠蔽性が充分でな
く、他方、中空樹脂粒子と共に酸化チタンを併用して、
隠蔽性を高めようとすれば、酸化チタンが沈降し、筆跡
に濃度差が生じるので、例えば中芯式筆記具には用いる
ことができない。そこで、上記の問題を解決するため特
開昭63−243179号公報で、水を内部に包含し、
アクリル−スチレン共重合体の殻で形成した中空樹脂粒
子(球状)を少なくとも含む筆記具用水性顔料インキ組
成物が提案された。この筆記具用水性顔料インキ組成物
中の中空樹脂粒子は、水を内部に包含しアクリル−スチ
レン共重合体の殻で形成したもので、水をベースにした
エマルジョンのかたちになっており、中空樹脂粒子とい
っても内部に水を包含しているが、この水は乾燥時蒸発
し、空気と置換されて空気を内部に包含する中空樹脂粒
子になる。しかも、乾燥後の中空樹脂粒子は各々独立し
て、中空樹脂粒子の形状を保っているため、殻であるア
クリル−スチレン共重合体層と内側の空気とで光散乱が
起こり、単独で用いた場合は白色に見えるが、他の着色
剤と併用した場合は隠蔽力が向上する。また、該中空粒
子は酸化チタンに比し比重が小さいため沈降が少なく、
貯蔵安定性に優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記中空樹脂
粒子は、中空部の水分の蒸発により白色を発現すること
から、筆記直後は隠蔽性に劣り、つまり、筆記直後の水
分を含んだ状態の色と乾燥後の色とでは白色性に差があ
る。ここで、筆記具にはインキフリータイプの弁式タイ
プと、中綿(あるいは中芯)にインキを充填しチップか
らインキを流出させる中芯式タイプとがあり、前者の弁
式タイプの場合は、通常、内部を振とうさせてから使用
するので、分散性はそれほど問題とならない。
【0006】しかし、後者の中芯式タイプ、例えば、中
綿(あるいは中芯)から毛細管現象にてチップからイン
キを流出させる本出願人が先に提案した特開平2−13
3479号に記載の筆記具では、中空樹脂エマルジョン
と特定の水可溶化樹脂を分散剤として用いることにより
上記の問題点をある程度改良したものとして評価できる
が、インキ自体は隠蔽性のある且つ分散性良好な白色イ
ンキであっても、中綿あるいは中芯からインキが流出す
る際に、中綿、チップで濾されて、酸化チタンや中空樹
脂粒子の実質的濃度が低くなって、隠蔽性に劣るインキ
がチップから流出されるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、特に隠蔽性に優れる筆跡
を与え、筆記直後と乾燥後とでは白色性にほとんど差が
なく、特に中芯式タイプの筆記具に用いても、隠蔽性に
優れたインキを流出することができる筆記具用水性顔料
インキ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の筆記具用水性顔
料インキ組成物は、スチレン系ドーナツ状扁平粒子エマ
ルジョンを、白色系隠蔽剤として含有することを特徴と
する。上記スチレン系ドーナツ状扁平粒子(以下「ドー
ナツ状扁平粒子」という)とは、プラスチックピグメン
トの一種で、中空樹脂粒球と同様、白色を発現できる隠
蔽剤として使用される。ドーナツ状扁平粒子の比重は酸
化チタンの比重に比べて小さいことから、白色の隠蔽剤
として、酸化チタンに代えて又は酸化チタンとともに用
いることにより、インキの隠蔽力の向上及び軽量化を図
ることができる。
【0009】このドーナツ状扁平粒子の組成は、水性媒
体中でドーナツ状扁平を保持できる組成であれば特に限
定しない。製造方法も、ドーナツ状を形成できる方法で
あれば、特に限定しない。例えば、三井東圧化学株式会
社製ミューティクルDタイプ等市販品を好適に用いるこ
とができる。一般には、スチレン系のものでは何でも良
い。
【0010】ドーナツ状扁平粒子のサイズとしては、外
径(長径)0.1〜1.0μm程度の粒子が使用可能で
あるが、外径0.3〜0.7μm程度が好ましい。外径
0.1μm未満では隠蔽性の発揮はあまり良好でなく、
1.0μmを越えるとペン先となるチップから流出しに
くくなる。また、ドーナツ状扁平粒子の厚みは、外径の
1/3〜2/3程度であることが好ましい。尚、本発明
にいうドーナツ状とは、楕円形、円形等の円板類似形状
の中実の扁平体であって、中央部に貫通孔が開設されて
いるものに限られず、片面若しくは両面の中央部が陥没
したものも包含する。このさい、貫通孔又は凹部の大き
さは特に限定しない。
【0011】このようなドーナツ状扁平粒子は、水性顔
料インキ組成物中、固形分として通常0.5〜40重量
%、好ましくは1〜20重量%程度含有する。含有率が
40重量%を越えると、粘度が上昇しすぎて、特に中芯
式タイプの筆記具に用いた場合にペン先をなすチップに
目詰まりを起こし、流出不良となりやすい上に、相対的
に粘着付与剤たる水溶性樹脂(後述)の含有率が低下す
るために筆記面への密着性が低下する。一方、0.5重
量%未満では十分な隠蔽効果が得られないため、酸化チ
タン等の白色無機顔料の含有率を多くする必要があり、
分散性の改善を図ることができない。
【0012】ドーナツ状扁平粒子は、水性顔料インキ組
成物の調製において、それ自体単独で配合添加すること
もできるが、一般には水をベースとしたエマルジョン状
態で用いられる。ドーナツ状扁平粒子エマルジョンとし
ては、固形分たるドーナツ状扁平粒子の濃度が40〜4
5重量%程度で、粘度が15〜25cps、pH7.8
〜8.3程度の弱アルカリ性エマルジョンが好ましく用
いられる。
【0013】本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物に
おいては、隠蔽剤として、上記ドーナツ状扁平粒子と、
酸化チタン、酸化亜鉛等の白色系無機顔料とを併用する
ことが好ましい。これらの白色系無機顔料、特に酸化チ
タンを含有することにより、高い隠蔽力を発揮させるこ
とができる。酸化チタンの水性顔料インキ組成物中の含
有量は、インキの用途、隠蔽性等により、1〜40重量
%、好ましくは5〜30重量%の範囲内で、ドーナツ状
扁平粒子の含有率に応じて適宜選択される。一般に、ド
ーナツ状扁平粒子の含有率が高い場合には、酸化チタン
の含有率を少なくできる。
【0014】本発明の水性顔料インキ組成物は、上記隠
蔽剤のインキ中の分散性を高め且つ筆記面への接着性を
高めるための粘着付与剤として、一般に、天然の水溶性
高分子又は水溶性の合成樹脂(以下、これらをまとめて
「水溶性樹脂」という)を含有し得る。水溶性樹脂とし
ては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−ア
クリル酸コポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマ
ー、ポリマレイン酸、ロジン変性マレイン酸樹脂、シェ
ラック等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩として用いてもよ
いし、あるいは水性樹脂エマルジョンや水性樹脂ハイド
ロゾルとして用いることもできる。
【0015】このような水溶性樹脂は、水性顔料インキ
組成物中、0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重
量%含有され得る。含有率が0.1重量%未満では、上
記隠蔽剤の分散性が不十分となり、筆記面に対する密着
性も不十分となる。一方、含有率が30重量%を越える
と、粘度が上昇しすぎて、特に中芯式タイプの筆記具に
用いると流出不良の原因となる。
【0016】本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物
は、さらに、必要に応じて、防腐剤、防黴剤、界面活性
剤等が適宜含有され得る。また、白色以外の無彩色、有
彩色の水性顔料インキ組成物の場合には、着色剤とし
て、無彩色、有彩色の無機顔料又は有機顔料が含有され
る。顔料としては特に限定されず、例えば、カーボンブ
ラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、
アンスラキノン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオイ
ンジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドレン
系、アゾメチンアゾ系等の顔料から任意のものを配合で
きる。このような着色剤を含有する場合は、水性顔料イ
ンキ組成物中の含有率が0.1〜30重量%、好ましく
は1〜15重量%程度となるように配合する。
【0017】水性顔料インキ組成物の溶媒としては、水
又は水に湿潤剤及び/又は乾燥促進剤として種々の水溶
性有機溶媒を配合した水性媒体が用いられる。水溶性有
機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等の低級アルコール;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコ
ール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等
のアルキレングリコールのアルキルエーテル等が用いら
れる。これらの水溶性有機溶媒は、水性インキ中、20
重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有で
きる。
【0018】以上のような成分を所定量配合して、これ
をボールミル、ホモミキサー、ビーズミル、ロールミル
等の従来公知の分散機で均一になるように混合攪拌する
ことにより、本発明の水性顔料インキ組成物を調製する
ことができる。また、無機顔料を併用する場合には、予
め、顔料を分散させた組成物を調製し、これと、中実ド
ーナツ状扁平粒子エマルジョンとを適当な比率で混合し
てもよい。
【0019】ドーナツ状扁平粒子は、従来の中空樹脂粒
球と異なり、水分を粒子内部に含んでいないので、紙面
に筆記した直後の状態において、白色を発現できる。ま
た、中空樹脂粒球を同濃度含有する水性顔料インキ組成
物と比べて、ドーナツ状扁平粒子を含有する本発明の水
性顔料インキ組成物の方が、一般に分散性が優れており
粘度が低く、流出性に優れる。このことは、同程度の隠
蔽性を有するインキを中芯式筆記具に充填した場合に、
本発明の水性顔料インキ組成物の方が、中綿、チップで
濾されて実質的な隠蔽剤の濃度が低下する割合が小さい
ことを意味し、紙面に筆記されたときも満足できる隠蔽
性、更には平滑性、光沢性をも発揮できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の筆記具用水性顔料インキ組成
物の具体的実施例について説明する。 <実施例1>ドーナツ状扁平粒子として、三井東圧化学
株式会社製の陥没孔を有するスチレン系ドーナツ状扁平
粒子であるミューティクルPP240D(商品名)を用
いた。240Dは、粒径0.5μmのドーナツ状扁平粒
子を固形分(150℃、20分)として44重量%含有
するpH8の乳白色エマルジョンで、粘度(20℃、6
0rpm)は20cpsである。
【0021】また、水溶性樹脂として、ジョンソン株式
会社製のスチレン−アクリル酸コポリマーであるジョン
クリル679(商品名)(表1中、「樹脂A」と略記)
を用いた。このジョンクリル679を34重量%含有す
ると共に、イソプロパノールを10重量%含有するアン
モニア性水溶液として用いた。白色顔料としては、チタ
ン工業株式会社製の酸化チタンであるクロノスKR−3
80D(商品名)を用いた。
【0022】240D、酸化チタン、ジョンクリル67
9、界面活性剤、プロピレングリコール、水をそれぞれ
表1に示す量(重量部)だけ配合して、ビーズミルによ
り均一に混合して、水性顔料インキ組成物を調製した。
この水性顔料インキ組成物の粘度(25℃)を測定し、
さらにこの水性顔料インキ組成物を中芯部分に充填した
中芯式筆記具を用いて、下記の評価方法に基づいて筆記
性、隠蔽性、及び保存性を評価した。
【0023】<実施例2〜6>水溶性樹脂の種類及び含
有量、並びに240D、酸化チタン、界面活性剤、プロ
ピレングリコール及び水の各含有量を表1に示すように
変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6の
水性顔料インキ組成物を調製した。但し、実施例4の水
性インキ組成物には黒色顔料(CI.PIG.BLAC
K7)、実施例5のインキ組成物には赤色顔料(CI.
PIG.RED57)、実施例6の水性インキ組成物に
は青色顔料(CI.PIG.BLUE15)を表1に示
す量だけ含有する有彩色のインキである。また、実施例
2〜6で用いた水溶性樹脂B〜Fは、下記の通りであ
る。
【0024】実施例2(樹脂B) ジョンソン株式会
社製のB−36 実施例3(樹脂C) 星光化学株式会社製のハイロス
X−220 実施例4(樹脂D) ジョンソン株式会社製のジョン
クリル555 実施例5(樹脂E) 星光化学株式会社製のH−21
90 実施例6(樹脂F) ジョンソン株式会社製のジョン
クリル67 上記水溶性樹脂のうち、樹脂Cはスチレン−マレイン酸
コポリマーであり、樹脂Eはポリアクリル酸であり、そ
の他(樹脂B,D,F)はスチレン−アクリル酸コポリ
マーである。これらは、いずれも樹脂を34重量%含有
すると共に、イソプロパノールを10重量%含有するア
ンモニア性水溶液として用いた。
【0025】調製した実施例2〜6の水性顔料インキ組
成物の粘度(25℃)を測定し、さらに実施例1と同様
にして筆記性等を評価した。
【0026】
【表1】
【0027】次に、本発明との比較例をあげる。 <比較例1〜6>スチレン系ドーナツ状扁平粒子エマル
ジョンに代えて、中空樹脂粒球エマルジョンとして、大
日本インキ化学工業株式会社製のグランドールPP−1
100(商品名)を用いた。このグランドールPP−1
100は、中空樹脂粒球を固形分として36重量%含有
するエマルジョンである。
【0028】比較例1〜6は、いずれもドーナツ状扁平
粒子に代えて、中空樹脂粒体を表2に示す量だけ含有さ
せたこと以外は、実施例1〜6の各水性顔料インキ組成
物の組成と等しくなるように調製した。これらの水性顔
料インキ組成物の粘度(25℃)を測定し、さらに実施
例1と同様にして筆記性等を評価した。
【0029】
【表2】
【0030】〔評価方法〕筆記性は、紙面に手書きで筆
記したときのインキの流出性を、◎(非常にインキの流
出性が良い)、○(インキの流出性が良い)、△(カス
レ気味になる)の3段階で評価した。隠蔽性は、アート
紙に印刷された黒線上に筆記し、インキ乾燥後の黒色線
の残り具合を目視で観察して、◎(黒線が全く見えな
い)、○(黒線がほとんど見えない)、△(黒線が見え
る)の3段階で評価した。
【0031】保存性は、正立状態又は倒立状態にて50
℃,1か月間保存後の筆記性及び隠蔽性について、保存
前の筆記性及び隠蔽性と比較することにより評価した。
筆記性については保存前後のインキの流出性の変化につ
いて、隠蔽性については保存前後の筆記濃度の変化につ
いて、それぞれ、◎(保存前と全く同じである)、○
(保存前とほとんど変わらない)、△(保存前よりも流
出性又は隠蔽性が低下している)の3段階で評価した。
【0032】以上の評価方法に従って、実施例1〜6及
び比較例1〜6の水性インキ組成物を評価した。評価結
果及び各水性インキ組成物の粘度の測定結果を表3に示
す。なお、保存性において、正立状態と倒立状態との差
異は認められなかった。
【0033】
【表3】
【0034】〔評価結果〕表3からわかるように、隠蔽
剤としてドーナツ状扁平粒子エマルジョン又は中空樹脂
粒球エマルジョンをほぼ同濃度含有する実施例1〜6と
比較例1〜6の各インキ組成物とをそれぞれ比較する
と、いずれも実施例品の方が粘度が低いことがわかる。
【0035】また、筆記性、隠蔽性、及び保存性のいず
れについても実施例品の方が相当する比較例品と同等以
上の特性を示した。すなわち、本実施例品では、初期の
隠蔽性及び筆記性が比較例品に比べて優れている上に、
保存性にも優れ、1月間保存しても筆記性及び隠蔽性は
ほぼ初期の状態を保持していた。なお、比較例2〜4の
隠蔽性の変化は、実施例2〜4と同様に「○」と評価さ
れているが、保存前の隠蔽性は実施例品の方が優れてい
ることから、保存後の隠蔽性についても実施例品の方が
優れていた。
【0036】
【発明の効果】本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物
は、隠蔽剤としてスチレン系ドーナツ状扁平粒子を含有
しているので、分散性が良く、流出が良好である。よっ
て、弁式タイプの筆記具のみならず、特に中芯式筆記具
に用いて、満足しうる隠蔽力を発揮できる。
【0037】また、スチレン系ドーナツ状扁平粒子は、
中空樹脂粒球のように、粒球中に水分を含んだ状態で紙
面に筆記されるわけではないので、筆記直後と乾燥後と
では白色性にほとんど差がない。しかも、扁平粒子の特
異形状により、即ち筆跡上に微視的には略扁平に整列乃
至積層して隠蔽性をより効果ならしめるため、従来の中
実球状のものに比し平滑性、光沢性にも優れる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子エマルジ
    ョンを、白色系隠蔽剤として含有することを特徴とする
    筆記具用水性顔料インキ組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子は円形類
    似形状である請求項1記載の筆記具用水性顔料インキ組
    成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子は中央部
    に貫通孔が開設された請求項1記載の筆記具用水性顔料
    インキ組成物。
  4. 【請求項4】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子の少なく
    とも一面の中央部が陥没状である請求項1記載の筆記具
    用水性顔料インキ組成物。
  5. 【請求項5】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子の外径は
    0.1〜1.0μm、厚さが外径の1/3〜2/3であ
    る請求項1〜4の1つに記載の筆記具用水性顔料インキ
    組成物。
  6. 【請求項6】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子が筆記具
    用水性顔料インキ組成物中に固形分で0.5〜40重量
    %含有する請求項1〜5の1つに記載の筆記具用水性顔
    料インキ組成物。
  7. 【請求項7】 スチレン系ドーナツ状扁平粒子の濃度が
    40〜45重量%で、粘度が15〜25cps、pH
    7.8〜8.3の水性エマルジョンである請求項1〜5
    に記載の筆記具用水性顔料インキ組成物。
  8. 【請求項8】 白色系無機顔料を1〜40重量%含有す
    る請求項1〜7のいずれか1つに記載の筆記具用水性顔
    料インキ組成物。
  9. 【請求項9】 水溶性樹脂を0.1〜30重量%含有す
    る請求項1〜8のいずれか1つに記載の筆記具用水性顔
    料インキ組成物。
  10. 【請求項10】 前記水溶性樹脂は、ポリアクリル酸、
    ポリメタクリル酸、スチレン−アクリル酸コポリマー、
    スチレン−マレイン酸コポリマー、ポリマレイン酸、ロ
    ジン変性マレイン酸樹脂、シェラックの群から選ばれる
    1種または2種以上である請求項9に記載の筆記具用水
    性顔料インキ組成物。
  11. 【請求項11】 溶媒として、低級アルコール、多価ア
    ルコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリ
    コールエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を20
    重量%以下配合した水性媒体が用いられる請求項1〜1
    0のいずれか1つに記載の筆記具用水性顔料インキ組成
    物。
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