JP3049186B2 - 中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物 - Google Patents

中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具用水性顔料イン
キ組成物に関するものであり、特に中芯式筆記具用に適
した筆記具用水性顔料インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筆記具用水性顔料インキ組成物
は、筆跡に隠蔽性又は不透明性を与えるために、隠蔽剤
として、粒径が大きく、且つ、比重が大きい白色顔料、
代表的には酸化チタン粒子を含有している。このような
インキ組成物は、上記白色顔料が分散性に劣るために、
例えば、インキ吸蔵体から毛細管現象にてインキをペン
先に流出させて筆記する所謂中芯式マーキングペンのた
めのインキ組成物としては用いることができない。粒径
のより小さい白色顔料を用いれば、インキ組成物中での
その分散性にはすぐれるものの、目的とする隠蔽性に劣
るようになり、筆跡の不透明性を確保することができな
い。
【0003】そこで、例えば、特開昭63−14538
0号公報及び特開昭63−145382号公報には、酸
化チタンや有彩色顔料とともに、プラスチックピグメン
トと呼ばれる中空樹脂粒子(球状)を配合してなる水性
白色顔料インキ組成物が提案されている。また、特開昭
63−145381号公報には、カーボンブラックと共
に、中空樹脂粒子を配合してなる水性黒色顔料インキ組
成物が提案されている。上記中空樹脂粒子は、分散性に
すぐれるが、例えば、酸化チタンに比べれば、隠蔽性が
充分でなく、他方、中空樹脂粒子と共に酸化チタンを併
用して、隠蔽性を高めようとすれば、酸化チタンが沈降
し、筆跡に濃度差が生じるので、例えば中芯式筆記具に
は用いることができない。
【0004】そこで、上記の問題を解決するため特開昭
63−243179号公報で、水を内部に包含し、アク
リル−スチレン共重合体の殻で形成した中空樹脂粒子
(球状)を少なくとも含む筆記具用水性顔料インキ組成
物が提案された。この筆記具用水性顔料インキ組成物中
の中空樹脂粒子は、水を内部に包含しアクリル−スチレ
ン共重合体の殻で形成したもので、水をベースにしたエ
マルジョンのかたちになっており、中空樹脂粒子といっ
ても内部に水を包含しているが、この水は乾燥時蒸発
し、空気と置換されて空気を内部に包含する中空樹脂粒
子になる。しかも、乾燥後の中空樹脂粒子は各々独立し
て、中空樹脂粒子の形状を保っているため、殻であるア
クリル−スチレン共重合体層と内側の空気とで光散乱が
起こり、単独で用いた場合は白色に見えるが、他の着色
剤と併用した場合は隠蔽力が向上する。また、該中空粒
子は酸化チタンに比し比重が小さいため沈降が少なく、
貯蔵安定性に優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記中空樹脂
粒子は、中空部の水分の蒸発により白色を発現すること
から、筆記直後は隠蔽性に劣り、つまり、筆記直後の水
分を含んだ状態の色と乾燥後の色とでは白色性に差があ
る。ここで、筆記具にはインキフリータイプの弁式タイ
プと、中綿(あるいは中芯)にインキを充填しチップか
らインキを流出させる中芯式タイプとがあり、前者の弁
式タイプの場合は、通常、内部を振とうさせてから使用
するので、分散性はそれほど問題とならない。
【0006】しかし、後者の中芯式タイプ、例えば、中
綿(あるいは中芯)から毛細管現象にてチップからイン
キを流出させる本出願人が先に提案した特開平2−13
3479号に記載の筆記具では、中空樹脂エマルジョン
と特定の水可溶化樹脂を分散剤として用いることにより
上記の問題点をある程度改良したものとして評価できる
が、インキ自体は隠蔽性のある且つ分散性良好な白色イ
ンキであっても、中綿あるいは中芯からインキが流出す
る際に、中綿、チップで濾されて、酸化チタンや中空樹
脂粒子の実質的濃度が低くなって、隠蔽性に劣るインキ
がチップから流出されるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、特に隠蔽性に優れる筆跡
を与え、筆記直後と乾燥後とでは白色性にほとんど差が
なく、特に中芯式タイプの筆記具に用いても、隠蔽性に
優れたインキを流出することができる筆記具用水性顔料
インキ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の筆記具用水性顔
料インキ組成物は、中綿あるいは中芯にインキを充填し
毛細管現象にてチップからインキを流出させる中芯式筆
記具用インキ組成物において、スチレン系中央陥没状
平粒子エマルジョンを、白色系隠蔽剤として含有するこ
とを特徴とする。上記スチレン系中央陥没状扁平粒子と
は、プラスチックピグメントの一種で、中空樹脂粒球と
同様、白色を発現できる隠蔽剤として使用される。中央
陥没状扁平粒子の比重は酸化チタンの比重に比べて小さ
いことから、白色の隠蔽剤として、酸化チタンに代えて
又は酸化チタンとともに用いることにより、インキの隠
蔽力の向上及び軽量化を図ることができる。
【0009】この中央陥没状扁平粒子の組成は、水性媒
体中で中央陥没状扁平を保持できる組成であれば特に限
定しない。製造方法も、中央陥没状を形成できる方法で
あれば、特に限定しない。例えば、三井東圧化学株式会
社製ミューティクルDタイプ等市販品を好適に用いるこ
とができる。一般には、スチレン系のものでは何でも良
い。中央陥没状扁平粒子のサイズとしては、外径(長
径)0.1〜1.0μm程度の粒子が使用可能である
が、外径0.3〜0.7μm程度が好ましい。外径0.
1μm未満では隠蔽性の発揮はあまり良好でなく、1.
0μmを越えるとペン先となるチップから流出しにくく
なる。また、中央陥没状扁平粒子の厚みは、外径の1/
3〜2/3程度であることが好ましい。尚、本発明にい
う中央陥没状とは、楕円形、円形等の円板類似形状の中
実の扁平体であって、片面若しくは両面の中央部が陥没
したものをいう。このさい、凹部の大きさは特に限定し
ない。
【0010】このような中央陥没状扁平粒子は、中芯式
水性顔料インキ組成物中、固形分として通常0.5〜4
0重量%、好ましくは1〜20重量%程度含有する。含
有率が40重量%を越えると、粘度が上昇しすぎて、
芯式タイプの筆記具に用いた場合にペン先をなすチップ
に目詰まりを起こし、流出不良となりやすい上に、相対
的に粘着付与剤たる水溶性樹脂(後述)の含有率が低下
するために筆記面への密着性が低下する。一方、0.5
重量%未満では十分な隠蔽効果が得られないため、酸化
チタン等の白色無機顔料の含有率を多くする必要があ
り、分散性の改善を図ることができない。
【0011】中央陥没状扁平粒子は、水性顔料インキ組
成物の調製において、それ自体単独で配合添加すること
もできるが、一般には水をベースとしたエマルジョン状
態で用いられる。中央陥没状扁平粒子エマルジョンとし
ては、固形分たる中央陥没状扁平粒子の濃度が40〜4
5重量%程度で、粘度が15〜25cps、pH7.8
〜8.3程度の弱アルカリ性エマルジョンが好ましく用
いられる。本発明の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成
物においては、隠蔽剤として、上記扁平粒子と、酸化チ
タン、酸化亜鉛等の白色系無機顔料とを併用することが
好ましい。これらの白色系無機顔料、特に酸化チタンを
含有することにより、高い隠蔽力を発揮させることがで
きる。酸化チタンの水性顔料インキ組成物中の含有量
は、インキの用途、隠蔽性等により、1〜40重量%、
好ましくは5〜30重量%の範囲内で、中央陥没状扁平
粒子の含有率に応じて適宜選択される。一般に、中央陥
没状扁平粒子の含有率が高い場合には、酸化チタンの含
有率を少なくできる。
【0012】本発明の中芯式水性顔料インキ組成物は、
上記隠蔽剤のインキ中の分散性を高め且つ筆記面への接
着性を高めるための粘着付与剤として、一般に、天然の
水溶性高分子又は水溶性の合成樹脂(以下、これらをま
とめて「水溶性樹脂」という)を含有し得る。水溶性樹
脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレ
ン−アクリル酸コポリマー、スチレン−マレイン酸コポ
リマー、ポリマレイン酸、ロジン変性マレイン酸樹脂、
シェラック等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、ア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩として用いて
もよいし、あるいは水性樹脂エマルジョンや水性樹脂ハ
イドロゾルとして用いることもできる。
【0013】このような水溶性樹脂は、水性顔料インキ
組成物中、0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重
量%含有され得る。含有率が0.1重量%未満では、上
記隠蔽剤の分散性が不十分となり、筆記面に対する密着
性も不十分となる。一方、含有率が30重量%を越える
と、粘度が上昇しすぎて、特に中芯式タイプの筆記具に
用いると流出不良の原因となる。本発明の中芯式筆記具
用水性顔料インキ組成物(以下、水性顔料インキ組成物
という)は、さらに、必要に応じて、防腐剤、防黴剤、
界面活性剤等が適宜含有され得る。
【0014】また、白色以外の無彩色、有彩色の水性顔
料インキ組成物の場合には、着色剤として、無彩色、有
彩色の無機顔料又は有機顔料が含有される。顔料として
は特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アゾ
系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノ
ン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペ
リノン系、ペリレン系、イソインドレン系、アゾメチン
アゾ系等の顔料から任意のものを配合できる。このよう
な着色剤を含有する場合は、水性顔料インキ組成物中の
含有率が0.1〜30重量%、好ましくは1〜15重量
%程度となるように配合する。
【0015】水性顔料インキ組成物の溶媒としては、水
又は水に湿潤剤及び/又は乾燥促進剤として種々の水溶
性有機溶媒を配合した水性媒体が用いられる。水溶性有
機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等の低級アルコール;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコ
ール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等
のアルキレングリコールのアルキルエーテル等が用いら
れる。これらの水溶性有機溶媒は、水性インキ中、20
重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有で
きる。
【0016】以上のような成分を所定量配合して、これ
をボールミル、ホモミキサー、ビーズミル、ロールミル
等の従来公知の分散機で均一になるように混合攪拌する
ことにより、本発明の水性顔料インキ組成物を調製する
ことができる。また、無機顔料を併用する場合には、予
め、顔料を分散させた組成物を調製し、これと、中央陥
没状扁平粒子エマルジョンとを適当な比率で混合しても
よい。中央陥没状扁平粒子は、従来の中空樹脂粒球と異
なり、水分を粒子内部に含んでいないので、紙面に筆記
した直後の状態において、白色を発現できる。
【0017】また、中空樹脂粒球を同濃度含有する水性
顔料インキ組成物と比べて、中央陥没状扁平粒子を含有
する本発明の水性顔料インキ組成物の方が、一般に分散
性が優れており粘度が低く、流出性に優れる。このこと
は、同程度の隠蔽性を有するインキを中芯式筆記具に充
填した場合に、本発明の水性顔料インキ組成物の方が、
中綿、チップで濾されて実質的な隠蔽剤の濃度が低下す
る割合が小さいことを意味し、紙面に筆記されたときも
満足できる隠蔽性、更には平滑性、光沢性をも発揮でき
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の中芯式筆記具用水性顔料イン
キ組成物の具体的実施例について説明する。 <実施例1>中央陥没状 扁平粒子として、三井東圧化学株式会社製の
陥没孔を有するスチレン系中央陥没状扁平粒子であるミ
ューティクルPP240D(商品名)を用いた。240
Dは、粒径0.5μmの中央陥没状扁平粒子を固形分
(150℃、20分)として44重量%含有するpH8
の乳白色エマルジョンで、粘度(20℃、60rpm)
は20cpsである。
【0019】また、水溶性樹脂として、ジョンソン株式
会社製のスチレン−アクリル酸コポリマーであるジョン
クリル679(商品名)(表1中、「樹脂A」と略記)
を用いた。このジョンクリル679を34重量%含有す
ると共に、イソプロパノールを10重量%含有するアン
モニア性水溶液として用いた。白色顔料としては、チタ
ン工業株式会社製の酸化チタンであるクロノスKR−3
80D(商品名)を用いた。240D、酸化チタン、ジ
ョンクリル679、界面活性剤、プロピレングリコー
ル、水をそれぞれ表1に示す量(重量部)だけ配合し
て、ビーズミルにより均一に混合して、水性顔料インキ
組成物を調製した。この水性顔料インキ組成物の粘度
(25℃)を測定し、さらにこの水性顔料インキ組成物
を中芯部分に充填した中芯式筆記具を用いて、下記の評
価方法に基づいて筆記性、隠蔽性、及び保存性を評価し
た。
【0020】<実施例2〜6> 水溶性樹脂の種類及び含有量、並びに240D、酸化チ
タン、界面活性剤、プロピレングリコール及び水の各含
有量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様
にして、実施例2〜6の水性顔料インキ組成物を調製し
た。但し、実施例4の水性インキ組成物には黒色顔料
(CI.PIG.BLACK7)、実施例5のインキ組
成物には赤色顔料(CI.PIG.RED57)、実施
例6の水性インキ組成物には青色顔料(CI.PIG.
BLUE15)を表1に示す量だけ含有する有彩色のイ
ンキである。また、実施例2〜6で用いた水溶性樹脂B
〜Fは、下記の通りである。
【0021】 実施例2(樹脂B) ジョンソン株式会社製のB−3
6 実施例3(樹脂C) 星光化学株式会社製のハイロス
X−220 実施例4(樹脂D) ジョンソン株式会社製のジョン
クリル555 実施例5(樹脂E) 星光化学株式会社製のH−21
90 実施例6(樹脂F) ジョンソン株式会社製のジョン
クリル67 上記水溶性樹脂のうち、樹脂Cはスチレン−マレイン酸
コポリマーであり、樹脂Eはポリアクリル酸であり、そ
の他(樹脂B,D,F)はスチレン−アクリル酸コポリ
マーである。これらは、いずれも樹脂を34重量%含有
すると共に、イソプロパノールを10重量%含有するア
ンモニア性水溶液として用いた。
【0022】調製した実施例2〜6の水性顔料インキ組
成物の粘度(25℃)を測定し、さらに実施例1と同様
にして筆記性等を評価した。
【0023】
【表1】
【0024】次に、本発明との比較例をあげる。 <比較例1〜6> スチレン系中央陥没状扁平粒子エマルジョンに代えて、
中空樹脂粒球エマルジョンとして、大日本インキ化学工
業株式会社製のグランドールPP−1100(商品名)
を用いた。このグランドールPP−1100は、中空樹
脂粒球を固形分として36重量%含有するエマルジョン
である。比較例1〜6は、いずれも中央陥没状扁平粒子
に代えて、中空樹脂粒体を表2に示す量だけ含有させた
こと以外は、実施例1〜6の各水性顔料インキ組成物の
組成と等しくなるように調製した。
【0025】これらの水性顔料インキ組成物の粘度(2
5℃)を測定し、さらに実施例1と同様にして筆記性等
を評価した。
【0026】
【表2】
【0027】〔評価方法〕 筆記性は、紙面に手書きで筆記したときのインキの流出
性を、◎(非常にインキの流出性が良い)、○(インキ
の流出性が良い)、△(カスレ気味になる)の3段階で
評価した。隠蔽性は、アート紙に印刷された黒線上に筆
記し、インキ乾燥後の黒色線の残り具合を目視で観察し
て、◎(黒線が全く見えない)、○(黒線がほとんど見
えない)、△(黒線が見える)の3段階で評価した。
【0028】保存性は、正立状態又は倒立状態にて50
℃,1か月間保存後の筆記性及び隠蔽性について、保存
前の筆記性及び隠蔽性と比較することにより評価した。
筆記性については保存前後のインキの流出性の変化につ
いて、隠蔽性については保存前後の筆記濃度の変化につ
いて、それぞれ、◎(保存前と全く同じである)、○
(保存前とほとんど変わらない)、△(保存前よりも流
出性又は隠蔽性が低下している)の3段階で評価した。
以上の評価方法に従って、実施例1〜6及び比較例1〜
6の水性インキ組成物を評価した。評価結果及び各水性
インキ組成物の粘度の測定結果を表3に示す。なお、保
存性において、正立状態と倒立状態との差異は認められ
なかった。
【0029】
【表3】
【0030】〔評価結果〕 表3からわかるように、隠蔽剤として中央陥没状扁平粒
子エマルジョン又は中空樹脂粒球エマルジョンをほぼ同
濃度含有する実施例1〜6と比較例1〜6の各インキ組
成物とをそれぞれ比較すると、いずれも実施例品の方が
粘度が低いことがわかる。また、筆記性、隠蔽性、及び
保存性のいずれについても実施例品の方が相当する比較
例品と同等以上の特性を示した。すなわち、本実施例品
では、初期の隠蔽性及び筆記性が比較例品に比べて優れ
ている上に、保存性にも優れ、1月間保存しても筆記性
及び隠蔽性はほぼ初期の状態を保持していた。
【0031】なお、比較例2〜4の隠蔽性の変化は、実
施例2〜4と同様に「○」と評価されているが、保存前
の隠蔽性は実施例品の方が優れていることから、保存後
の隠蔽性についても実施例品の方が優れていた。
【0032】
【発明の効果】本発明の中芯式筆記具用水性顔料インキ
組成物は、隠蔽剤としてスチレン系中央陥没状扁平粒子
を含有しているので、分散性が良く、流出が良好であ
る。よって、弁式タイプの筆記具のみならず、特に中芯
式筆記具に用いて、満足しうる隠蔽力を発揮できる。ま
た、スチレン系中央陥没状扁平粒子は、中空樹脂粒球の
ように、粒球中に水分を含んだ状態で紙面に筆記される
わけではないので、筆記直後と乾燥後とでは白色性にほ
とんど差がない。しかも、扁平粒子の特異形状により、
即ち筆跡上に微視的には略扁平に整列乃至積層して隠蔽
性をより効果ならしめるため、従来の中実球状のものに
比し平滑性、光沢性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−129276(JP,A) 特開 昭63−218778(JP,A) 特開 平2−14222(JP,A) 特開 昭61−66710(JP,A) 特開 平1−185311(JP,A) 特開 平5−171093(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中綿あるいは中芯にインキを充填し毛細
    管現象にてチップからインキを流出させる中芯式筆記具
    用インキ組成物において、 スチレン系中央陥没状扁平粒子エマルジョンを、白色系
    隠蔽剤として含有することを特徴とする中芯式筆記具用
    水性顔料インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記粒子は円形類似形状である請求項1
    記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記粒子の外径は0.1〜1.0μm、
    厚さが外径の1/3〜2/3である請求項1又は2に記
    載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記粒子が中芯式筆記具用水性顔料イン
    キ組成物中に固形分で0.5〜40重量%含有する請求
    項1〜3の1つに記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記粒子の濃度が40〜45重量%で、
    粘度が15〜25cps、pH7.8〜8.3の水性エ
    マルジョンである請求項1〜4に記載の中芯式筆記具用
    水性顔料インキ組成物。
  6. 【請求項6】 白色系無機顔料を1〜40重量%含有す
    る請求項1〜5のいずれか1つに記載の中芯式筆記具用
    水性顔料インキ組成物。
  7. 【請求項7】 水溶性樹脂を0.1〜30重量%含有す
    る請求項1〜6のいずれか1つに記載の中芯式筆記具用
    水性顔料インキ組成物。
  8. 【請求項8】 前記水溶性樹脂は、ポリアクリル酸、ポ
    リメタクリル酸、スチレン−アクリル酸コポリマー、ス
    チレン−マレイン酸コポリマー、ポリマレイン酸、ロジ
    ン変性マレイン酸樹脂、シェラックの群から選ばれる1
    種または2種以上である請求項7に記載の中芯式筆記具
    用水性顔料インキ組成物。
  9. 【請求項9】 溶媒として、低級アルコール、多価アル
    コール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコ
    ールエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を20重
    量%以下配合した水性媒体が用いられる請求項1〜8の
    いずれか1つに記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組
    成物。
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