JPH0731842A - 排ガスの脱硫方法 - Google Patents

排ガスの脱硫方法

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JPH0731842A
JPH0731842A JP5201195A JP20119593A JPH0731842A JP H0731842 A JPH0731842 A JP H0731842A JP 5201195 A JP5201195 A JP 5201195A JP 20119593 A JP20119593 A JP 20119593A JP H0731842 A JPH0731842 A JP H0731842A
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JP
Japan
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membrane
layer
anion exchange
acid
cation exchange
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JP5201195A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Naganuma
力 長沼
Kazuo Umemura
和郎 梅村
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】長期にわたり電力使用量が低く、低運転コスト
の排煙脱硫方法を提供する。 【構成】陽イオン交換層と陰イオン交換層の界面に、無
機イオン交換体、さらにマトリックスポリマーを存在さ
せたバイポーラ膜を装着した電気透析槽をプロセス内に
設置した排煙脱硫方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオウ分の多い重油の燃
焼ガスや硫酸工場、焼結工場などから排出されるSO2
を含む排ガスから排煙脱硫するプロセス内に新規なバイ
ポーラ膜を装着したイオン交換膜電気透析槽を設けるこ
とにより、SO2 を吸収した吸収液から酸及び/又はア
ルカリを効率よく、かつ低エネルギーコストにて、回収
し、それぞれ再利用することを特徴とする方法を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】排煙脱硫法に関する従来からの技術は、
湿式法と乾式法の二つに大別できる。湿式法に関しては
ソーダ法、アンモニア法、石灰法、希硫酸法の四つが主
な方法であり、乾式法に関しては活性炭法、酸化銅法が
主な方法である。
【0003】現在、ソーダ法又は石灰法が主流になって
いるが、いずれの方法もSO2 を吸収するのに用いられ
たアルカリを再利用することができず、運転操作を続行
するためには、系外から新たにアルカリを加える必要が
ある。そのため、運転コストが高いという欠点があっ
た。
【0004】一方、バイポーラ膜を用いる電気透析槽に
て硫酸ナトリウムのような中性塩から元の酸(硫酸)と
アルカリ(苛性ソーダ)を回収する公知の技術がある。
即ち、陰イオン交換層と陽イオン交換層からなるバイポ
ーラ膜の陰イオン交換層側を陽極側、陽イオン交換層側
を陰極側にして電流を印加すると、水が***(spli
t)して水素イオンと水酸イオンに解離することは、F
riletteの1956年の報告以来、公知の事実で
ある。
【0005】バイポーラ膜法はこの能力を有するために
有用であり、陰イオン交換膜及び/又は陽イオン交換膜
を適宜使用することによって、中性塩を酸とアルカリと
して回収できることが知られている。酸やアルカリの製
造コストの面から考えると、バイポーラ膜による電圧降
下(電位差)が小さく、また同時に水の解離効率が高い
バイポーラ膜が製造されなければならず、またこれらの
性能が長期にわたり発現されなければならない。
【0006】従来のバイポーラ膜としては、例えばスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体をベースとするフィル
ムの片面にスルホン化等の処理により陽イオン交換基を
導入し、他面に4級アンモニウム基の陰イオン交換基を
導入してなるバイポーラ膜(特公昭60−31860
号、特開昭63−95235号)や、予め製造された陰
イオン交換膜と陽イオン交換膜とを熱と圧力で融着して
製造する方法(米国特許第3372101号)や、ポリ
ビニルアミンを接着材として用いて接合する方法(特開
昭61−207444号)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのバイ
ポーラ膜は同一膜中に陽イオン交換基と陰イオン交換基
を混合して有するため、通電後経時的に、これらの反対
の電荷を持つ基が相互に侵入してイオン的結合をし、電
気的中性層を形成し、大きな電圧降下(電位差)を生
じ、エネルギーコストが経時的に上昇する欠点があっ
た。
【0008】これを回避するために、高架橋度を有する
イオン交換樹脂を陽イオン交換層と陰イオン交換層の間
に導入し、反対電荷を有する基の相互侵入を防ぐバイポ
ーラ膜(米国特許4253900号、特公昭60−35
936号)や、陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜の界
面に水溶性無機化合物を含浸させるか、又は、含浸させ
た後にアルカリ処理し、その後プレスしてバイポーラ膜
を製造する方法(特開昭59−47235号、特表平3
−505894号)が提案されている。
【0009】しかし、いずれのバイポーラ膜も以下のよ
うな欠点がある。即ち、高架橋度イオン交換樹脂を陽イ
オン交換層と陰イオン交換層の間に介在させる場合で
も、高架橋度といえども有機化合物ではイオン交換基の
相互侵入は防ぎきれず、通電後の経時的な電圧降下(電
位差)の増加を生じる。その結果中性塩の回収を行う際
のエネルギーコストが経時的に増加していく。
【0010】また、水溶性無機化合物を用いる場合に
は、これが次第にとけ、これとともに電圧が増大する。
特に水溶性無機化合物が水酸化クロムのような酸性で易
溶な化合物を用いた場合には、この傾向が著しい。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記のよう
な経時的な電位差や電圧の上昇を解決した新規なバイポ
ーラ膜を用いることによって、長期にわたり低エネルギ
ーコストで、脱硫プロセス内において、アルカリの回収
・再利用及び酸の有効利用を行わせる。
【0012】上記目的は、陽イオン交換層と陰イオン交
換層の界面に無機イオン交換体からなる層を存在させた
ことを特徴とするバイポーラ膜を用いて電気透析操作を
行うことによって達成される。
【0013】まず上記の特徴を有したバイポーラ膜につ
いて説明する。無機イオン交換体としては、例えばアル
ミノケイ酸塩型無機イオン交換体、含水酸化物型無機イ
オン交換体、酸性塩型無機イオン交換体、塩基性塩型無
機イオン交換体、ヘテロポリ酸型無機イオン交換体など
があり、陽イオン交換体、陰イオン交換体、両性イオン
交換体のいずれも使用できる。しかし、酸性塩型無機イ
オン交換体は他の無機イオン交換体と比べて、耐酸性、
耐アルカリ性に優れているため、長期にわたって安定し
た性能を発現でき、好ましく用いられる。
【0014】酸性塩型無機イオン交換体としては、例え
ば、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ヒドロキシア
パタイトなどがある。酸性塩型無機イオン交換体の金属
イオンとしてはZr、Ti、Sn、Ge、Hf、Ta、
Nb、Fe、Al、Ga、In、Thなどが知られてい
る。また、酸としてはリン酸の他に、V、As、Nb、
Sb、Ta、Mo、Te、W、Se、Si、Crなどの
金属を含む酸素酸からなるものが挙げられる。
【0015】とりわけ、結晶性の酸性塩型無機イオン交
換体は、結晶構造を有するために、耐酸性、耐アルカリ
性に優れ、本発明プロセスに用いるバイポーラ膜に好ま
しく用いられる。このような無機イオン交換体からなる
層は、通常これとマトリックスポリマーからなってい
る。
【0016】マトリックスポリマーとしては、親水性で
かつ不溶性のものが好ましく、またバイポーラ膜を使用
する水中の温度において含水率:[{(湿潤重量ー乾燥
重量)/乾燥重量})×100]が5重量%以上を含有
することが好ましい。含水率がこれより小さい場合はバ
イポーラ膜の電圧降下が大きくなり好ましくない。好ま
しくは400重量%以下、特には300重量%以下が好
ましい。
【0017】含水率が過度に高いと接着強度が小さくな
り層間剥離を生じやすくなり好ましくない。また、マト
リックスポリマーはイオン交換性の官能基を有さないも
のが好ましい。例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、
ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、デ
ンプン、セルロース又はこれらを熱処理、架橋などの手
法により不溶化したもの、又は他のモノマーとの共重合
体や、他のポリマーとのブレンドポリマーなどを用いる
ことができる。
【0018】無機イオン交換体とマトリックスポリマー
とは、重量比で10/90〜90/10、好ましくは3
0/70〜70/30で使用され、またこれからなる界
面層の厚みは、0.01〜100μm、特に好ましくは
0.1〜10μmが適当である。これよりも薄いとバイ
ポーラ膜の電位降下が次第に増加して、結果的にエネル
ギーコストが上昇する。一方これよりも厚いと陰イオン
交換層と陽イオン交換層との接着強度が低下するので好
ましくない。
【0019】無機イオン交換体の粒径は1μm以下であ
ることが好ましい。これより大きいと、陰イオン交換層
と陽イオン交換層の接着強度が低下したり、接合時に接
合界面に気泡が入りやすくなり好ましくない。粒径は
0.01〜0.5μmが特に好ましい。
【0020】本発明のプロセスに用いられるバイポーラ
膜を構成する陽イオン交換層としては、バイポーラ膜内
で発生する水素イオン透過性が大きく、陰イオンを透過
させ難い陽イオン交換膜が使用でき、好ましくはスルホ
ン酸基をイオン交換基として有する陽イオン交換膜が使
用される。このような陽イオン交換膜としては、スチレ
ン−ジビニルベンゼン系共重合体、スチレン−ブタジエ
ン系共重合体にスルホン酸基を導入したイオン交換膜、
又はスチレン等のモノマーを、ポリオレフィンや含フッ
素系ポリマーの織布あるいは不織布にグラフト重合した
ものにスルホン酸基を導入した陽イオン交換膜が使用さ
れる。
【0021】さらに、化2で表される繰り返し単位から
なるパーフルオロ系陽イオン交換性ポリマーによって形
成される陽イオン交換膜が、優れた選択透過性に加え
て、硫酸、硝酸、フッ酸などに対する耐酸性に優れてい
ることから、本発明のプロセスに使用されるバイポーラ
膜の陽イオン交換層に適していることがわかった。
【0022】
【化2】
【0023】なお、化2においてmは0又は1、nは1
〜5、x/yは2〜16、XはSO3 M又はCOOM、
Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモ
ニウム基を表す。
【0024】かかるパーフルオロ系陽イオン交換膜は高
い陰イオン排除性を有しており、バイポーラ膜として高
い水解離効率を有するものである。
【0025】陽イオン交換膜の厚さは5〜300μmの
範囲で通常使用されるが、膜抵抗及び強度の点から、好
ましくは20〜150μmの範囲のものが使用される。
イオン交換容量は、膜抵抗と輸率の面から、0.5〜
2.0meq/g乾燥樹脂、特には0.8〜1.5me
q/g乾燥樹脂であることが望ましい。
【0026】本発明の方法に使用されるバイポーラ膜を
構成する陰イオン交換膜としては、バイポーラ膜内で生
成される水酸イオンの透過性が大きく、陽イオンの透過
性が可及的に小さい陰イオン交換膜が使用される。例え
ば、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体に陰イオン
交換基として4級アンモニウム基を導入した膜、陰イオ
ン交換基又は該基に転換できる官能基を有するモノマー
をオレフィン系や含フッ素系の重合体の多孔体、織布、
不織布、フィルムなどにグラフト重合した陰イオン交換
膜などが使用できる。
【0027】なかでも、耐アルカリ性及び耐薬品性に優
れていることから、好ましくはポリプロピレンあるいは
ポリエチレンなどのポリオレフィンの織布を使用し、そ
のポリオレフィンに、スチレンとジビニルベンゼンとの
共重合体、又は、さらにこれにビニルベンジルクロリド
を加えた共重合体の一部が放射線などの高エネルギーに
よってグラフト重合した4級アンモニウム基を有する陰
イオン交換膜を使うことが望ましい。
【0028】陰イオン交換膜の厚さは、5〜300μm
の範囲で通常使用されるが、膜抵抗及び膜強度の観点か
ら、好ましくは20〜150μmの範囲のものが好まし
い。イオン交換容量は、0.5〜4.0meq/g乾燥
樹脂、特には0.8〜3.0meq/g乾燥樹脂である
ことが望ましい。
【0029】次に、ソーダ法プロセス内に本発明を適用
した場合を例にとり、図1を用いて説明する。SO2
含む排ガスはライン1より吸収塔2に供給され、ライン
16より供給される苛性ソーダによってSO2 が吸収さ
れ、亜硫酸ナトリウムとなる。亜硫酸ナトリウムはライ
ン4によって酸化塔5に供給される。酸化塔5において
は、ライン6から酸化用の空気が供給され、亜硫酸ナト
リウムは酸化され硫酸ナトリウムとなる。
【0030】その際、発生するSO2 はライン7によっ
て、再び吸収塔2に送られる。硫酸ナトリウム水溶液は
ライン8によってバイポーラ膜を装着したイオン交換膜
電気透析槽14の塩室12に送られる。該透析槽14に
送る前に、従来からの陰イオン交換膜及び陽イオン交換
膜よりなる電気透析槽にて濃縮され、しかる後にバイポ
ーラ膜を装着した電気透析槽14に送ればさらに効果的
である。
【0031】さらに、硫酸ナトリウム水溶液中に含まれ
るCa、Mgなどの金属イオンを取り除くために、アル
カリによる中和処理、さらにはキレート樹脂によるイオ
ン交換吸着処理を経てからバイポーラ膜を装着した電気
透析水槽14の塩室12に供給するのも効果的である。
【0032】バイポーラ膜を装着した電気透析槽14は
本発明による新規なバイポーラ膜と、陰イオン交換膜、
及び、陽イオン交換膜を交互に組み合わせることによっ
て、塩室12、塩基室11及び酸室13から構成され、
端部に陽極及び陰極を配置することによって直流を印加
し、水***を伴う電気透析を行い、中性塩である硫酸ナ
トリウムから元の硫酸と水酸化ナトリウムを回収するも
のである。
【0033】バイポーラ膜を装着した電気透析槽14を
構成する陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜は、特に限
定されないが、陽イオン交換膜についてはスチレンとジ
ビニルベンゼンの共重合体をスルホン化した汎用の陽イ
オン交換膜で充分である。架橋構造を持たないパーフル
オロ系陽イオン交換膜でも支障ない。
【0034】一方、陰イオン交換膜も特に限定されず、
スチレンとビニルベンジルハライドの共重合体を4級ア
ンモニウム化した陰イオン交換膜を使用できる。さらに
好ましくはビニルベンジルハライドの代わりに、例えば
4−ビニルピリジンを用いたピリジニウム塩のような弱
塩基性の非4級アンモニウム塩を陰イオン交換基として
用いた陰イオン交換膜の方が、高い電流効率を得ること
ができる。
【0035】塩室12に供給された硫酸ナトリウム水溶
液は脱塩され、淡塩水化され、ライン15を経てリサイ
クルされる。塩基室11にはライン9より水が供給さ
れ、バイポーラ膜内陰イオン交換層と陽イオン交換層の
界面での水***現象にて生成された水酸陰イオンと塩室
から透過してきたナトリウムイオンとが結合して水酸化
ナトリウム水溶液が生成され、ライン16から吸収塔2
に供給される。
【0036】酸室13には塩基室同様にライン10より
水が供給されるが、バイポーラ膜内陰イオン交換層と陽
イオン交換層の界面での水***現象にて生成された水素
イオンと塩室から透過してきた硫酸イオンとが結合して
硫酸水溶液が生成される。生成された硫酸はライン17
を経て濃縮器18に供給される。必要濃度まで濃縮され
た硫酸はライン19を経て系外に取り出される。ライン
20からはスチームドレンが取り出され、バイポーラ膜
を装着した電気透析槽14の酸及び塩基の希釈用の水に
供される。このようにSO2 吸収用のアルカリは回収・
再利用され、全体の運転コストを大幅に下げることを可
能にする。
【0037】バイポーラ膜を装着した電気透析槽14内
の塩、酸、及び塩基水溶液の温度は、30℃〜80℃、
好ましくは50℃〜70℃にて保たれると、高い電流効
率を得ることができる。
【0038】
【作用】本発明のバイポーラ膜が、長期にわたり低い電
圧降下を維持するメカニズムは下記のように推定され
る。バイポーラ膜界面に存在する無機イオン交換体は堅
固な構造、場合によっては結晶構造を持つため、無機イ
オン交換体層と接合されたイオン交換膜のイオン交換基
が侵入できず、イオン的な強い結合を作り、中性層を形
成することが困難である。
【0039】また、イオン交換樹脂に比べ、単位体積当
たりのイオン交換容量が大きいため、界面の無機イオン
交換体の電気抵抗が小さく、バイポーラ膜の電圧降下
(電位差)を長期にわたり低く保つことができると推定
される。さらに、無機イオン交換体をマトリックスポリ
マー中に分散させることによって、無機イオン交換体を
充分量界面領域に保持でき、また積層強度を損なうこと
なく、無機イオン交換体を界面層に導入することができ
る。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、かか
る実施例によって本発明が制限されるものではない。
【0041】ソーダ法によるSO2 吸収液を空気酸化す
ることにより、15重量%の硫酸ナトリウム水溶液を得
た。次に表1(A欄)の仕様の電気透析槽を用いて、2
5重量%まで濃縮した(なお、陰イオン交換膜と陽イオ
ン交換膜との組合せを1ユニットとする)。
【0042】
【表1】
【0043】陽イオン交換膜に、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体系スルホン酸膜(イオン交換容量3.3
meq/g乾燥樹脂、膜厚140μm)を用い、一方陰
イオン交換膜にはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
系陰イオン交換膜(イオン交換容量2.0meq/g乾
燥樹脂、膜厚120μm)を用いた。25重量%に濃縮
された精製硫酸ナトリウム水溶液を3室型バイポーラ膜
電気透析槽によって、元の酸とアルカリ、即ち、硫酸と
水酸化ナトリウムに変換回収した。使用したバイポーラ
膜は次のようにして製膜したものを用いた。
【0044】スチレン−ジビニルベンゼン共重合体より
なり、ポリプロピレン織布にて補強した4級アンモニウ
ム基を有する陰イオン交換膜(イオン交換容量3.0m
eq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)上に、結晶性リン
酸ジルコニウムのポリビニルアルコール10重量%水溶
液の分散液を塗布して乾燥し、厚さ5μmのリン酸ジル
コニウム/ポリビニルアルコール層(重量比60/ 4
0)を形成した。
【0045】しかる後、CF2 =CF2 とCF2 =CF
OCF2 CF(CF3 )OCF2 CF23 Hとの共重
合体からなるパーフルオロ系陽イオン交換体(イオン交
換容量1.1meq/g乾燥樹脂)のエタノール溶液を
流延し、150℃で15分乾燥し、厚さ30μmの陽イ
オン交換層を形成し、バイポーラ膜を得た。本実施例に
は、このようにして製膜したバイポーラ膜を使用した。
【0046】モノポーラ膜としての陰イオン交換膜には
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系弱塩基性陰イオ
ン交換膜(イオン交換容量2.0meq/g乾燥樹脂、
膜厚120μm)を用いた。モノポーラ膜としての陽イ
オン交換膜には、CF2 =CF2 とCF2 =CFOCF
2 CF(CF3 )OCF2 CF2 SO3 Hとの共重合体
からなるパーフルオロ系陽イオン交換膜(イオン交換容
量0.91meq/g乾燥樹脂、PTFE織布で補強さ
れ、厚さ140μm)を用いた。
【0047】電気透析槽は、バイポーラ膜、陰イオン交
換膜、陽イオン交換膜、を交互に配置した構造からな
り、酸室、塩基室、塩室の3室型電気透析槽を構成す
る。電気透析槽の仕様は表1(B欄)の如くである(な
お、バイポーラ膜、陰イオン交換膜、陽イオン交換膜と
の組合せを1ユニットとする)。電気透析槽の両端部に
電極を配置し、直流電流を印加する。
【0048】上記の仕様の電気透析槽の塩室に濃縮され
た25重量%硫酸ナトリウム水溶液を供給し、酸室には
生成される硫酸濃度を必要濃度に保つために必要量の純
水を供給し、塩基室には生成される水酸化ナトリウムを
必要濃度に保つために必要量の純水を供給し、10重量
%の硫酸と20重量%の水酸化ナトリウムを得た。
【0049】バイポーラ膜3室型電気透析槽は3ケ月間
連続的に運転された。この間、バイポーラ膜の電圧降下
(電位差)は1.1Vと安定した値を示し、水解離効率
も93%と安定した値を示した。ここでいう水解離効率
とは、バイポーラ膜界面で水が解離することによって生
成された水素イオンと水酸基イオンの輸率を意味する。
また、水酸化ナトリウムを1t生成するのに1900k
Wh/t−NaOHと極めて低い値を安定的に示した。
【0050】
【比較例】以下のように製膜されたバイポーラ膜を用い
る以外は実施例1と同様な条件のもとで操作を行った。
【0051】スチレン−ジビニルベンゼン共重合体より
なり、ポリプロピレン織布にて補強した4級アンモニウ
ム基を有する陰イオン交換膜(イオン交換容量3.0m
eq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)上に、CF2 =C
2 とCF2 =CFOCF2CF(CF3 )OCF2
2 SO2 Hとの共重合体からなるパーフルオロ系陽イ
オン交換膜(イオン交換容量1.1meq/g乾燥樹
脂、厚さ80μm)を重ねて、加熱ロールを備えたロー
ルプレス装置にて、190℃、接触線圧70kg/cm
にてロールプレスし加熱溶着することによってバイポー
ラ膜を得た。
【0052】上記のようにして製膜したバイポーラ膜を
用いて、バイポーラ膜を用いた電気透析槽にて、電気透
析操作を行ったところ、バイポーラ膜の電位降下(電位
差)は経時的に上昇し、1週間で2.0Vまで上昇し、
さらに上昇傾向を示した。水解離効率は93%を示し
た。また、水酸化ナトリウムを1t生成するのに270
0kWh/t−NaOHと極めて高い値を示した。この
値は1週間以降、さらに上昇する傾向を示した。
【0053】
【発明の効果】新規なバイポーラ膜を装着した電気透析
槽をプロセス内に設けることにより、SO2 脱硫プロセ
スにおいて、吸収用のアルカリの回収・再利用を可能と
し、さらに酸の有効利用を可能にし、本プロセスの運転
コストを大幅に低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例によりバイポーラ膜を装着した電
気透析槽を設置した排煙脱硫プロセスのフローシート。
【符号の説明】
2:SO2 吸収塔 5:酸化塔 11:塩基室 12:塩室 13:酸室 14:バイポーラ膜を装着した電気透析槽 18:酸濃縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 61/44 500 6953−4D 61/46 500 6953−4D B01D 53/34 125 R

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SO2 を含有するガスを塩基性水溶液と接
    触させ、SO2 を吸収させて、溶解性の亜硫酸塩、重亜
    硫酸塩、さらに硫酸塩の水溶液を形成させ、該塩水溶液
    から酸及び/又はアルカリを回収する際、陰イオン交換
    層と陽イオン交換層との界面に無機イオン交換体を存在
    させたバイポーラ膜と、陰イオン交換膜及び/又は陽イ
    オン交換膜、を組み合わせてなるイオン交換膜電気透析
    槽によって、酸及び/又はアルカリを回収することを特
    徴とする排ガスの脱硫方法。
  2. 【請求項2】無機イオン交換体が、酸性塩型無機イオン
    交換体である請求項1の排ガスの脱硫方法。
  3. 【請求項3】酸性塩型無機イオン交換体が、結晶性の酸
    性塩型無機イオン交換体である請求項2の排ガスの脱硫
    方法。
  4. 【請求項4】バイポーラ膜の陽イオン交換層が、化1で
    表される繰り返し単位を有する重合体よりなる請求項1
    の排ガスの脱硫方法。ただし化1において、mは0又は
    1、nは1〜5、x/yは2〜16、XはSO3 M又は
    COOM、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属
    又はアンモニウム基を表す。 【化1】
  5. 【請求項5】バイポーラ膜の陰イオン交換層が、ポリオ
    レフィンフィルムあるいは布に坦持されたスチレンの重
    合体あるいはスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体
    からなり、陰イオン交換基として4級アンモニウム基を
    有する請求項1の排ガスの脱硫方法。
JP5201195A 1993-07-21 1993-07-21 排ガスの脱硫方法 Pending JPH0731842A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5201195A JPH0731842A (ja) 1993-07-21 1993-07-21 排ガスの脱硫方法

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0884093A1 (de) * 1997-06-13 1998-12-16 Von Roll Umwelttechnik AG Verfahren und Vorrichtung zur Rückgewinnung von Schwefelverbindungen aus Rauchgas
CN100411713C (zh) * 2005-04-21 2008-08-20 天津大学 含so2气体的碱法脱硫过程吸收富液和洗涤液的再生方法
CN105833698A (zh) * 2015-01-15 2016-08-10 北京中天元环境工程有限责任公司 一种利用含硫烟气生产浓硫酸的方法
CN109954394A (zh) * 2017-12-26 2019-07-02 株式会社东芝 酸成分除去装置及酸成分除去方法以及酸性气体除去装置

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